目次
- 顎に吹き出物ができやすい…
- 吹き出物の正体を知ろう
- 顎の吹き出物の原因は何?
- ターンオーバーを正常に起こすには
- 固いし痛い…けど無理矢理とるのはNG
- 薬やサプリメント選びのポイント
- オロナインでも治るって本当?
- 【最終手段】皮膚科に行こう
- 正しい方法で顎の吹き出物をきれいにしよう
顎に吹き出物ができやすい…
ふとフェイスラインを触ってみると何だか気になるものが……また顎に吹き出物!?そんな経験があるのではないでしょうか。鏡を見ても正面からはわかりにくく、気付かないうちにできていたなんてこともしばしば。洋服を着る時、ほおづえをつこうとした時、髪を束ねようとした時などうっかり潰してしまうこともありますよね。
しかも顎の吹き出物のやっかいな所は、同じ箇所にできやすく治りにくいところ。やっと治ったと思っても、また同じところにできるので跡が濃くなってしまいます。私、水野春子もかつてはなかなか治らない顎の吹き出物に悩んでいました。今回はこのやっかいな顎の吹き出物の正体を暴き、その対処法を探っていきましょう。これでアナタの顎の吹き出物は改善されていくはず!
吹き出物の正体を知ろう
気になる吹き出物、この正体はいったい何なのでしょうか。
吹き出物=ニキビの1種
吹き出物は毛穴に皮脂が詰まったことでできるもので、実はニキビと変わりはありません。吹き出物はニキビの1種として分類されます。一般的に、成長期と重なる思春期に皮脂の分泌が活発になってできるものをニキビ、そして大人ニキビとも呼ばれるものが吹き出物と呼ばれています。
思春期にできやすいニキビは、皮脂の過剰分泌によって毛穴詰まりが生じます。それに対し、大人ニキビ(=吹き出物)は乾燥によって肌が硬くなったり、肌を守るために分泌された皮脂が詰まってできます。そのため、吹き出物は口周りや顎などの乾燥しやすい部分に多くできるのです。ニキビと吹き出物、いずれも毛穴詰まりによって引き起こされます。結局はどちらも同じものなんですね。
角栓が詰まっているのは?
顎にできている吹き出物、なんだか毛穴に何か詰まっているような感じがする……それは角栓が詰まった白ニキビ・黒ニキビです。白ニキビは分泌された皮脂が毛穴の中にとどまっている状態。これはまだまだニキビができたばかりの状態で、この後だんだんと硬くなっていきます。
そして時間が経ち、毛穴に詰まった皮脂が黒くなったものが黒ニキビ。皮脂が空気に触れることで酸化し、硬くなった状態です。これらはまだまだできたばかりのニキビなので、薬を塗るなどのケアをすれば時間をかけずに治すことができます。
炎症を起こしているのは?
アクネ菌が毛穴やその周りの皮膚に炎症を引き起こしたものが、赤ニキビとなります。皮脂が詰まった状態が続くと、ニキビの原因菌であるアクネ菌が毛穴でどんどん繁殖し、炎症を起こしていきます。赤ニキビは痛みや腫れを伴い、触れれば触れるほど炎症がひどくなってしまいます。顎にこの赤ニキビができている場合、無意識のうちに洋服などと擦れてしまうこともあり、なかなか治りにくいことが特徴です。
炎症が膿になってしまったのは?
赤ニキビを通り越して、炎症が膿んでしまったものは黄ニキビとなります。炎症がひどくなると細菌の繁殖も進み、毛穴の中に膿を持った状態に。この黄ニキビは皮膚の組織を壊してしまうため、ニキビ跡を残してしまう可能性が高くなります。
顎の吹き出物の原因は何?
顎の吹き出物の正体がわかったところで、その原因をつきとめていきましょう。
主な原因はホルモンバランスの乱れ
顎に吹き出物ができてしまう主な原因はホルモンバランスの乱れが関わっています。ホルモンは私たちの体を正常に保つために大きな働きをしているのです。ホルモンバランスが乱れることで顎に吹き出物ができるその原因を見ていきましょう。
(1)ターンオーバーが正常に働かない
私たちの体は不要なものを排出し、新しい栄養を取り込んでいます。お肌も同じように、不要な角質を剥がし、新しいお肌へと生まれ変わっていきます。この肌の生まれ変わりの周期がターンオーバーです。
このターンオーバーが正常に働かなくなってしまうと、本来剥がれ落ちるはずだった古い角質が肌に残った状態に。この角質はどんどん蓄積され、余計に汚れが溜まりやすい硬いお肌になってしまいます。すると毛穴が詰まりやすく吹き出物ができやすいお肌になるのです。
(2)皮脂分泌が多い
吹き出物の原因で最も大きなものは皮脂による影響です。顎は皮脂腺が多い部分であるため、実は皮脂分泌が多い場所なんです。脂性肌の方はなおさら、過剰に皮脂が分泌されてしまっているかもしれません。この過剰な皮脂の分泌はホルモンバランスが乱れることで引き起こされます。皮脂分泌の作用が活発になる原因は、男性ホルモンによる影響です。ホルモンバランスの乱れにより、男性ホルモンの働きが優位になることで皮脂分泌が多くなり、吹き出物の原因となってしまいます。
皮脂分泌が過剰であれば毛穴が詰まりやすくなり、皮脂が長く肌にとどまることで細菌の繁殖にもつながってしまうのです。ホルモンバランスの乱れが引き起こす皮脂分泌は、吹き出物の大きな原因となります。顎だけではなく顎の下や首元、口周りにできるものも同様にホルモンバランスの乱れが原因で引き起こされるものです。
乾燥しやすい箇所でもある顎
顎はもともと皮膚が薄く、刺激を敏感に受けやすい場所。そのためスキンケアの際は他の箇所より入念なお手入れが必要ですが、あごやフェイスラインはうっかり忘れがちな部分ではありませんか?洗顔フォームが流しきれずに残ってしまいがちな場所でもあります。
ただでさえ敏感で乾燥しやすい顎は、お手入れ不足でどんどんカサついていき、皮膚の柔軟性が失われていってしまいます。皮膚が硬くなると毛穴の詰まりもできやすくなり、吹き出物を引き起こしてしまいます。乾燥しやすい顎はより丁寧なお手入れが必要なんですね。
むし歯が原因になるケース
吹き出物と虫歯?何かの間違いじゃないの?と思いますよね。実はこの二つは深く関わっているんです。
虫歯を長く放置すると、有毒なガスが発生したり膿が溜まってきます。普通であれば体の中で有毒な物質が発生しても、老廃物と共に自然と排出されていきます。しかし虫歯の場合は毒素が排出されにくい性質があります。そのため、虫歯やその周りに発生した毒素はなんとかして体の外に出ようと、顎に吹き出物として現れるのです。虫歯や虫歯による口臭が気になっている、という人は顎の吹き出物に注意した方が良いでしょう。
また、口臭が気になるなどの理由からマスクをするという人もいるかもしれませんが、これは顎の吹き出物を悪化させる原因になります。マスクの蒸気によって肌の様々な菌が増殖しやすい環境を生み出してしまうため、こまめにマスクを替えるなどの対処が必要です。
男性はひげ剃りが原因となる場合も
男性にとって毎日の習慣でもあるひげ剃りが、実は吹き出物の原因となっていることもあるのです。
きれいに残さずひげを剃ろうと、力を込めてひげ剃りを行ってはいませんか?いくらひげを剃っているとはいえ、ひげ剃りの刃は同時に肌を傷つけています。肌への刺激により肌が荒れやすくなり、細菌が入り込みやすくなってしまいます。また、刃が汚れていた場合、その汚れが毛穴から肌の奥へ入り込み炎症やニキビの原因となってしまうことがあります。
女性は「月経前症候群」の可能性あり
乾燥や虫歯のケースに加え、女性の場合は月経が関係している場合もあります。普段はそんなに気にならないのに、ある一定の周期で顎に吹き出物ができてしまう、という人もいるのではないでしょうか。実はそれは月経前症候群による影響の可能性があります。月経前症候群(PMS)とは、月経の周期に伴い様々な精神的症状もしくは身体的な症状が現れるものです。この症状は生理が終われば無くなっていきますが、また次の生理が来る2週間前ほどから現れ始めます。
生理前にニキビができやすいというケースはかなり多いですよね。この月経前症候群による吹き出物・ニキビは、スキンケアなどでは予防が難しいため、ホルモンバランスを整えるなど体の内側からのケアが必要です。
40代を迎えるとできやすくなる
実は顎の吹き出物は、年齢とともにできやすくなっているんです。キーワードは「ターンオーバー」と「乾燥」。
ターンオーバーが起きにくくなる
肌の生まれ変わり周期であるターンオーバーについては、先ほども紹介しましたよね。ターンオーバーが正常に働かなくなると、肌に古い角質がどんどん蓄積していき、潤いの無い硬いお肌になってしまいます。ターンオーバーが正常に働かないと、毛穴の汚れがうまく排出されずに、ニキビのもとになってしまうんです。
また、肌が硬くなることで乾燥肌になりがちに。年齢とともに肌が乾燥していくのは、このターンオーバーの影響によるものだったんですね。そして実はこの乾燥は、肌のバリア機能も弱めてしまいます。すると、外から受ける刺激から肌を守ろうと、過剰に皮脂が分泌される場合があります。しかし、毛穴は硬く、詰まったまま。そのため分泌された皮脂はさらに蓄積され、ニキビ原因菌が増殖しやすい環境を作ってしまうのです。
40代以降にこのターンオーバーがうまく働かなくなる原因
では、40代以降にこのターンオーバーがうまく働かなくなる原因は一体何なのでしょうか。
<更年期>
ターンオーバーの乱れはホルモンバランスの影響で引き起こされるのでしたよね。女性の場合、40代を迎えると更年期の影響で女性ホルモンが低下していきます。そのため、必然的にホルモンバランスの乱れが生じてしまいます。更年期を迎えて肌の乾燥が気になり始めたら、吹き出物にも要注意なんです。
<睡眠不足・運動不足>
さらに、更年期だけではなく生活習慣の乱れもホルモンバランスに悪影響を及ぼします。毎日の忙しさから、運動不足・睡眠不足が続いてはいませんか?睡眠不足が続くと、体内の生活リズムはどんどん乱れていき、自律神経に支障をきたしてしまいます。自律神経とはいわば体をつかさどる場所。その自律神経とホルモン分泌のコントロールを行う場所は、実は同じ視床下部という場所です。つまりこの両者は同じ場所でコントロールされているため、互いに影響を受けやすい状態にあるんです。睡眠不足によって自律神経が乱れてしまうとホルモンバランスも崩れてしまいます。
運動不足も同様にホルモンバランスを乱す原因です。自律神経の働きは、適度な運動により活発化していきます。運動不足が続くと、自律神経の働きが衰退していくためホルモンの分泌も正常に行われなくなってしまいます。普段の生活とホルモンバランス、そして肌のターンオーバーは密接に関わっているんですね。
ターンオーバーを正常に起こすには
ここまで吹き出物の原因を見てきましたが、何やらターンオーバーが重要なカギを握っていますよね。ターンオーバーが正常に働けば古い角質が剥がれ落ち、肌は潤いと柔軟を取り戻します。また、新しい細胞も活性化するため、キレイな肌へと導かれます。ターンオーバーが改善されることで、吹き出物の解消、そして吹き出物ができにくい肌になるんです。顎の吹き出物を対処する上で、肝心なのはターンオーバーの改善です。
ターンオーバーを正常に起こすためには、次から紹介する対処法で生活習慣を整える必要があります。詳しくチェックしていきましょう。
【対処法その1】栄養たっぷりでバランスの良い食事
食事で栄養素を摂取することで、足りなかった栄養を補うことができます。体の内側から改善していくことで、吹き出物撃退とともに吹き出物ができにくいお肌へと導いていきましょう。
たくさんのビタミンを摂取することが重要
ビタミンにはそれぞれ異なった働きがありますが、その中でも、吹き出物ができやすいという人にはビタミンA,B,C,Eがおすすめです。ビタミンAには、乾燥肌を予防しターンオーバーを調整してくれる働き、ビタミンBには皮脂の過剰分泌を抑えてくれる働きがあります。ビタミンCは美肌に欠かせないビタミンとして有名ですよね。肌の酸化(老化)を防ぐ抗酸化作用を持ち、美白効果もあるとされています。さらにビタミンEもビタミンC同様、抗酸化作用があり、細胞の活性化が促されます。
これらのビタミンを食事に取り入れることで、吹き出物ができにくい環境を作ることができます。では、ビタミンを多く含む食品をチェックしていきましょう!
ビタミンが多く含まれる食材
食事でビタミンを摂取するのは難しいのでは?と思っている人もいるかもしれませんが、実はビタミンは普段私たちが口にする身近な食材に多く含まれているのです。これらの食材を意識的に食事に取り入れることでビタミンを摂取していきましょう。
ビタミンの種類 | 食材 |
---|---|
ビタミンA | 小松菜・ほうれんそう・かぼちゃ・にんじん・トマト |
ビタミンB | 豚肉・レバー・鰻・牛乳・納豆 |
ビタミンC | パプリカ・ジャガイモ・カリフラワー・レモン・イチゴ |
ビタミンE | 青魚・鰻・イクラ・たらこ・ナッツ |
ビタミンA、Cには野菜や果物、ビタミンB、Eには動物性の食材が多い印象ですね。これらの食材を組み合わせてビタミンたっぷりで栄養バランスの良い食生活を目指しましょう。
【対処法その2】ストレス発散
顎の吹き出物、対処法の2つ目はストレスをためないことです。ストレスを感じると、私たちの体は悲鳴を上げてしまいます。吹き出物もその悲鳴の1つ。
ストレスがホルモンバランスを崩してしまう
私たちの体はストレスを感じると、交感神経という神経が過剰に刺激されます。交感神経とは自律神経の1種であり、自律神経の乱れはこの交感神経の刺激が引き金となるとされています。先ほども紹介した通り、自律神経とホルモンは密接に関わっているのでしたよね。つまり、ストレスによって乱れた自律神経は、ホルモンバランスの乱れも同時に引き起こしているんです。
ホルモンバランスの乱れは過剰な皮脂分泌やターンオーバーの機能低下を引き起こすなど、吹き出物の原因をたくさん作ってしまいます。ストレスを感じたら、無理せず休息をとることが1番です。自分のストレス解消法を見つけておくのも良いですね。
とはいってもストレスをためないなんて難しいですよね。ストレスは自分の意思とは関係なくふりかかってくるもの。やっぱりストレスをためないことは難しいという場合は他の対処法でカバーしていきましょう。
【対処法その3】睡眠時間を確保しよう
対処法の3つ目は、たっぷりの睡眠をとることです。睡眠不足が続いた時や徹夜明けに吹き出物ができた……なんて心当たりがある人もいるのではないでしょうか。睡眠時間の確保はとても重要です。
睡眠でホルモンバランスを調整
睡眠は私たちの生活の中で唯一、完全に体を休息させることができる時間です。睡眠時は体の疲労を回復させてくれるリラックス状態。このリラックス状態は私たちにとってとても重要なものなのです。
ホルモンバランスと深く関わる自律神経は、交感神経と副交感神経の2つがバランスよく切り替わることで正常に働いています。普段、勉強したり仕事をしたり、ご飯を食べたりしている間は自律神経のうちの交感神経が活発に働いている状態です。一方、副交感神経はいわば体のおやすみモード。リラックス時や睡眠中の疲労回復の際に働きます。交感神経が働いている状態が続くと、副交感神経に切り替わることが少なくなり、自律神経の乱れ、そしてホルモンバランスを乱してしまうんです。
副交感神経へ切り替わる時間を増やすにはリラックスした状態を作ること、つまり睡眠が必要不可欠です。睡眠時間をきちんと確保することで、体の修復時間をしっかりと取り、自律神経やホルモンバランスを整えることができます。
ゴールデンタイムに6時間の睡眠を
睡眠は、毎日最低6時間を目安にしましょう。また、睡眠にはゴールデンタイムがあることをご存知ですか?ゴールデンタイムに就寝していることで、よりしっかりとホルモンバランスが調整されるようになります。睡眠のゴールデンタイムは22時から深夜2時の間。この時間は成長ホルモンが多く分泌される時間帯でもあります。ターンオーバーには成長ホルモンが関係しているんでしたよね。この時間に就寝していることで、ホルモンバランスの調整と、ターンオーバーの正常な働きを促すことができます。毎日睡眠時間を6時間確保すること、ゴールデンタイムの間に睡眠をとることを心がけてみましょう。
【対処法その4】スキンケアに気を使う
ここまで生活習慣による対処法を紹介してきましたが、スキンケアにも気を使うことが必要です。最後にスキンケアによる対処法を見ていきましょう。
洗いすぎは皮脂を増やしてしまう
吹き出物は汚れや老廃物が詰まっているからといって、洗い過ぎは良くありません。汚れは落ちるかもしれませんが、吹き出物改善には逆効果になります。アナタは朝晩どちらも洗顔フォームで洗顔したり、強くこすって洗顔してはいませんか?洗顔は綺麗なお肌に欠かせませんが、洗い過ぎはお肌に必要な皮脂まで洗い流してしまいます。皮脂は肌を守るバリア機能も兼ねているため、洗い流してしまった結果、お肌は丸裸の状態になってしまうんです。
バリア機能が無くなると、肌を守ろうと過剰に皮脂が分泌されます。綺麗にするためにしていたことが実は逆効果だった、ということに。洗顔フォームでの洗顔は朝晩のどちらか1回、たっぷりの泡で優しく洗顔しましょう。
入念な保湿ケアを
顎の吹き出物は過剰な皮脂、そして乾燥によって引き起こされます。また、過剰な皮脂は乾燥が原因である場合がありましたね。そのため、お肌の保湿は欠かせません。いつものスキンケアに加え、フェイスラインから首にかけての忘れがちな部分も入念な保湿を行いましょう。
顔に触れないようにする
普段の何気ないしぐさや癖などで顎に触れてしまうこと、ありますよね。実は手には様々な雑菌が多く潜んでいるのです。吹き出物の原因となり得る雑菌の繁殖を抑えるためには、手で顔に触れる回数を減らすことが1番の解決策です。考える時に顎を触る癖や、ほおづえをつく癖がある人は改善していきましょう。また、女性の場合お化粧をする時やスキンケアをする時も、清潔な手で行うようにしましょうね。
肌がもともと弱い、アレルギー体質だという方だけでなく、顎やフェイスラインは刺激を受けやすい箇所です。アルコールフリーのものなど、低刺激の商品を選びましょう!
固いし痛い…けど無理矢理とるのはNG
何だか痛みを感じる、かさぶたのようで固いし気になるという時でも、吹き出物やニキビは無理につぶしてはいけません。つぶすことで治るどころか余計に悪化させてしまう可能性があるのです。
炎症が起き、吹き出物の範囲が広がる
吹き出物を無理につぶすと、その刺激により肌が傷つき、さらにその傷口からどんどん細菌が入っていってしまいます。もちろんニキビの原因菌であるアクネ菌も入り込むことになり、アクネ菌は傷口から拡散してニキビや吹き出物の範囲を広げてしまいます。また、雑菌が入ることで吹き出物は炎症を起こすため、ニキビ・吹き出物の根はさらに奥深くへと進んでしまうのです。
痕が残ってしまう
吹き出物をつぶして炎症が起きると、肌の奥深くにある真皮層という場所まで傷つける場合があります。実はこの真皮層はターンオーバーが行われない場所。つまり一度傷ついた真皮層はもう元には戻らないんです。肌表面の吹き出物は治ったとしても真皮層の傷跡はそのままなので、潰した痕は消えなくなってしまいます。綺麗に治したいのであれば、気になっていてもつぶさずにそっとしておきましょう。
薬やサプリメント選びのポイント
食事や生活習慣を改善することで吹き出物を治療することが1番ですが、やっぱり即効性のある治療法は薬やサプリメントですよね。炎症を抑える効果のある薬や新陳代謝をあげてくれるサプリメントなど、たくさんあるものの中から何を選べば良いのか、そのポイントを2つご紹介します。
(1)ビタミンを補えるもの
ビタミンは私たちの体を健康で美しく保つのに欠かせない栄養素です。中でも、美肌効果のあるビタミンBやビタミンCが多く配合される薬を選ぶのが良いでしょう。内服薬でも、塗り薬でもどちらでもかまいません。また、飲むだけでビタミンを補給できるようなサプリメントもありますよね。そちらもビタミンBやビタミンC配合のものを選ぶのがベストです。
ただ、ビタミン不足の補給をサプリメントだけに頼ってしまうことのないように気をつけてくださいね。
(2)ホルモンバランスの調整作用があるもの
吹き出物やニキビには、ホルモンバランスが大きく関わっています。そのため、ホルモンバランスを整えてくれるような薬やサプリメントを使用することで根本的な解決につながります。ホルモンバランスを整えるのに必要なのは、エストロゲンとプロゲステロンという成分。エストロゲン・プロゲステロンはどちらも女性ホルモンで、これらのバランスが正常であることが望まれます。具体的な薬を紹介していきますね。
エストロゲン・プロゲステロンが含まれるもの
エストロゲンとプロゲステロンのどちらも分泌が少なくなっている場合、両者を補える薬が必要です。それは避妊薬としても知られているピル。ピルには避妊薬としての役割以外にも、月経周期を正すために使用されることもあります。女性ホルモンの配合量によって、低用量ピルと中用量ピルの2種類があります。
エストロゲンが含まれるもの
プロゲステロンの分泌が優位になり、エストロゲンの分泌量が少ない場合は、エストロゲンのみが含まれるものを選びましょう。このホルモン剤として代表的なものはプレマリン。月経不順や更年期障害の治療に使用されています。
プロゲステロンが含まれるもの
先ほどのケースとは逆に、プロゲステロンの分泌が少ない場合は、プロゲステロンのみが含まれるものを選びましょう。ルトラールという薬は、卵巣機能の不全や黄体機能の不全にも効果的で、月経不順の治療にも使用されます。
ホルモンバランスの調整が重要とは言っても、自分の体の状態がどうなっているのか判断できないわよね。これらのお薬を使用したいときは、必ず病院で医師の診察を受けた上で服用してね。
オロナインでも治るって本当?
一家に1つはあると言っても過言ではないオロナイン。このオロナインで吹き出物やニキビが治るというのは本当なのでしょうか?
赤ニキビに効果あり
赤ニキビとは炎症を起こしている吹き出物のことでしたよね。吹き出物の初期段階を経て、更にひどくなってしまった段階のニキビです。赤く晴上がり、ヒリヒリとした痛みを伴います。オロナインはこの赤ニキビに効果的なのです。オロナインには、クロルヘキシジングルコン酸塩液という有効成分が含まれます。この成分には、抗菌・殺菌作用があるとされているため、毛穴に詰まったニキビ原因菌を撃退してくれるんです。ただ、使用したことにより痛みを感じる場合や、膿んでしまった黄ニキビへの使用は避けましょう。
また、通常のニキビ塗り薬は殺菌作用の影響で肌が乾燥してしまいがちです。しかしオロナインは保湿成分が多く含まれており、肌の保湿という面でも効果を発揮する優れもの。乾燥による肌荒れの心配はいりません。
塗りすぎはダメ
オロナインの使用方法にはポイントがあります。それは、吹き出物あるいはニキビの部分に必要な分だけを塗りこむこと。大塚製薬の公式サイトでも、正しい使い方としてこのように表記されています。
にきび、吹出物には少量をかるくすりこんでください。べとつく場合は、タオル、ガーゼ等で拭きとってください。
必要以上に塗りすぎてしまうと毛穴をふさいでしまい、ニキビを悪化させることにつながりかねません。ついついたっぷりの量を塗りこんでしまいがちですが、少量を優しく塗るようにしましょう。また、オロナインとはいえ殺菌成分のある薬であることは変わりありません。長時間塗り続けることは避け、1日1回塗る程度にとどめておきましょう。
黒ずみが消える!?オロナインパック
ひびや赤切れ、そして吹き出物やニキビに効果的なオロナインですが、実は毛穴の汚れを解消するお風呂でできるパックとしても役立ちます。オロナインの裏ワザとも言えますね。手順を確認しましょう!
- 洗顔をした後、顔の水気をふき取る
- 毛穴の黒ずみが気になる箇所にオロナインを多めに塗り、15分ほど湯船に使って放置する
- 洗顔料とぬるま湯で優しく洗い流す
オロナインを塗って少し時間を置くことで毛穴がゆるみ、毛穴の汚れ・黒ずみを除去することができます。
ただ、毛穴が開きやすい状態をつくることになってしまうから、頻繁には行わないようにしてね。
【最終手段】皮膚科に行こう
生活習慣やスキンケアを気をつけてみたけれど、ぜんぜん治らない……それはケア方法が間違っていたり、そもそもの原因が別のところにある場合があるため、皮膚科へ行きましょう。
水ぶくれがある場合はヘルペスの可能性も
口まわりや顎に、水ぶくれを伴ったヒリヒリと痛い吹き出物がある場合は、口唇ヘルペスの可能性が高いです。そのような水ぶくれが多くできた場合は要注意です。口唇ヘルペスは、通常のニキビや吹き出物と原因も異なれば治療方法も異なるものです。水ぶくれを伴う場合は、皮膚科を受診するようにしましょう。
皮膚科ではどんな治療をするの?
病院での治療はなんだか怖い……という方へ、皮膚科で行う治療をご紹介します。
(1)薬による治療
薬での治療はイメージがしやすいのではないでしょうか。医師による診察の後、炎症を抑える作用や殺菌作用のある塗り薬、内服薬が処方されます。この薬を使用することで吹き出物を治療していきます。
(2)面ぽう圧出
面ぽうとは、皮脂により毛穴の詰まっている部分のこと。この面ぽうに、専用の器具で圧力を加え、汚れを取り除きます。
(3)イオン導入
イオン導入とは、肌に電流を流すことで、吹き出物への有効成分を肌の奥深くに浸透させる治療法です。電流は微弱電流という極めて弱い電流を使用します。
(4)レーザー治療
肌にレーザー光線をあてることで、毛穴に詰まった皮脂を溶かしたり、吹き出物の原因菌を殺菌する治療です。吹き出物やニキビに直接作用するため、治りが早いと言われます。
(5)ホルモン治療
ホルモンバランスの状態を正常に整えてくれる薬によって、乱れを調整する治療です。根本的な吹き出物の解消につながります。
(6)ケミカルピーリング
ケミカルピーリングとは、肌に酸性の薬剤を塗ることで古い角質を溶かす治療法です。古い角質が取り除かれたことで肌の代謝が高まり、ターンオーバーが促されます。
これらの皮膚科での治療に保険は効くの?
皮膚科での治療では、保険が適用されるものとされないものがあります。
保険が適用される治療は、薬による治療・面ぽう圧出です。しかし、イオン導入・レーザー治療・ケミカルピーリングそして塗り薬の一部は保険適用外となります。保険が適用されない薬はトレチノインという肌の代謝を促す薬、そしてエストロゲンゲルというホルモン治療の薬です。医師の診察、相談の上で治療法を決定しましょう。
正しい方法で顎の吹き出物をきれいにしよう
顎の吹き出物は主にホルモンバランスの乱れが原因で起こってしまうこと、そして生活習慣を改善してターンオーバーを促すことで改善へ向かうことがわかりましたね。また、皮脂によって引き起こされるニキビ・吹き出物には、乾燥と言う原因が隠れていたことも明らかになりました。私も実は吹き出物が気になるとつい触ってしまう癖がありましたが、その癖を改善したことで吹き出物が治りやすく、そしてできにくくなったんです。生活習慣やスキンケア方法など自身の毎日の生活を振り返って、ひとつひとつ見直していくことで吹き出物も改善されていくはずです。気になる顎の吹き出物は、正しくキレイに治していきましょう!