© 東洋経済オンライン なぜ気になる部分ほど太いままなのでしょうか?(写真:tomos / PIXTA)  

 「下腹がぽっこり出てきた……」「ゴツい脚をどうにかしたい!」と、ダイエットを始める人は少なくありません。でも「頑張って体重を落としても、気になる部分にかぎって変化しなかった……」という話を本当によく耳にします。

 私は、一般人から芸能人まで、3万人を理想とする体形へ導いてきました。週2回、10分以内のエクササイズをしただけで20キログラムのダイエットに成功した方もいます。だからこそ言えることですが、モデルや芸能人のように全身のバランスを美しく整えてスラリとした体形をつくるのは、難しいことではありません。ただ、ダイエットの方法や手順を間違えている人があまりに多いのです。

ダイエットで必要なのは「カラダのクセ」を正すこと

 部分太りのほとんどは、体幹の筋力不足が原因。ここが弱いと骨盤は前後に傾いてしまい、働きすぎの筋肉と働かない筋肉を生じさせます。これは一部の筋肉ばかり四六時中筋トレして、わざわざゴツくしているようなもの。

 骨盤のポジションは、地面に垂直な「正常タイプ」と、前に傾いた「前傾タイプ」、後ろに傾いた「後傾タイプ」の3つに分けられます。もし傾いているとしたら、多少体重が落ちても気になる部分は太いまま。体幹をしっかり使って「正常タイプ」に戻さないかぎり、同じ所に負担がかかり続けるので、体形の悩みは永遠に解消されません。

 日本人女性に多く見られる「骨盤前傾タイプ」を例に、使えている筋肉と使えていない筋肉を比べてみましょう。骨盤前傾タイプは、おもに腰と太もも前面の筋肉が過剰に使われます。これが、ヒップや太ももが張り出して太くなる原因です。逆に、肩の後ろや胸の上部、お腹、背中、ヒップの上部、太ももの内側、太ももの裏側、すねの筋肉は、まったくと言っていいほど使われていません。

 盤前傾タイプのまま熱心に運動をすると、普段から使い慣れた腰や太ももの前の筋肉ばかり使うことになります。そうすると、すでに張り出したヒップや太ももはさらにゴツくなり、下半身は大きくなるという残念な結果に。過剰に動かすことでより太くなってしまうのです。

 だから、ダイエットでまず必要なのは「体のクセ」を正すこと。これこそが、部分やせへのいちばんの近道と言っても過言ではありません。

 体幹部分のさまざまな筋肉が使えていると、背すじが伸びたり骨盤をまっすぐ垂直に保てたり、体幹が引き締まったりします。いままで使われなかったお腹や背中、肋骨下の筋肉を使うため、くびれのないずん胴ウエストが引き締まり、逆に使われすぎてムキムキになった太ももや腰、ふくらはぎは細くなっていきます。

 多くの人は「やせたい部分を激しく動かすほど脂肪が落ちて細くなる」と勘違いしています。たとえばウエストを細くしたいと思ったら、腹筋運動をしたりお腹をひねるエクササイズをやってみたりしますよね。これこそが、ダイエット失敗を呼びこむ原因なのです。

 実は「体脂肪は全身で増減する」という絶対的なルールがあります。ランニングや水泳、筋トレなどどんな運動でも、食べたぶん以上のエネルギーさえ消費すれば、体脂肪は全身から均等に落ちていきます。つまり、気になる部分の脂肪だけ減らす「部分やせ」は残念ながら不可能なのです。

 脂肪をラクにガッツリ減らしたいなら、基礎代謝を高めることが重要です。拙著『モデルが秘密にしたがる 体幹リセットダイエット』で詳しく解説しているように、体幹の筋肉がしっかり使えるようになれば、全身の筋肉がバランスよく使われるようになります。

 するとハードな運動をしなくたって、いつのまにか基礎代謝がガンガン上がって脂肪はスルスルと落ち、体はみるみる引き締まっていくのです。体幹を整えて日常生活で使う筋肉が増えれば、寝ているあいだの消費エネルギーまで上がるので、1日24時間を最大限に有効活用してやせられます。

むやみに汗をかくと筋肉量が減少する

 「汗をかくと代謝が上がってやせる」と信じている人も多いですが、それは勘違い。サウナやホットヨガでひたすら汗を流し、満足している人は要注意です。

 筋肉の約7割は、実は水分でできています。だから大量に汗をかいたり水分摂取量が不足したりすると、筋肉は正常に働かなくなって減り始めます。

 同じく有酸素運動も、効果的なダイエット法としてはまったくおすすめできません。ダイエット中にランニングなどの有酸素運動を週に90分以上すると、筋肉を分解して消費する量が一気に増すことに。

 どちらも筋肉を減らすので、基礎代謝や消費エネルギーはどんどん低下してしまいます。だったら、キツいのをガマンして長時間運動したり暑さに耐えて汗を流し続けたりするよりも、「体のクセ」を正して体幹の筋肉を使えるようになった方がずっと効果的です。「どんなダイエットをしてもやせない」と悩んでいる人は、自分のダイエットが間違っているからかもしれません。