円形脱毛症は、病院での治療が可能で、日本皮膚科学会によって、科学的根拠に基づいた治療を行う為の「円形脱毛症診療ガイドライン」が作成されています。
病院で行う円形脱毛症の具体的な治療方法や、ステロイドによる副作用など、気になることについて詳しくまとめました。
円形脱毛症の原因とは?
円形脱毛症は、突然髪の毛が抜けてしまう病気で、年齢、性別問わずに起こります。脱毛する部位が1~2カ所なのを単発型、頭全体に及ぶものを全頭型と呼びます。
円形脱毛症は、免疫の異常な働きによって起こる自己免疫疾患の1つとされています。免疫機能をつかさどるTリンパ球が、頭皮の下の毛根を異物とみなして攻撃することで、毛根の周辺に炎症が生じて、髪の毛が抜けたり切れたりして起こります。
円形脱毛症の原因ですが、もともと円形脱毛症を起こしやすい体質に、ストレスなど、何らかのきっかけが重なって、自己免疫反応が起こり、発症すると考えられています。
きっかけとなるものには、
・インフルエンザなどのウィルスの感染
・疲労
・ストレス
などがあり、これらのきっかけの他に、
・アトピー性皮膚炎
・花粉症
・ぜんそく
・膠原病
・橋本病
・遺伝的要素
などの体質的なものが原因となることもあります。
きっかけや体質がなく、まったく原因がわからない場合もあります。
病院で行う円形脱毛症の治療とは?
円形脱毛症の治療は、日本皮膚科学会により、科学的根拠に基づいた治療を行う為の円形脱毛症診療ガイドラインが作成されていて、ガイドラインに基づき、薬物療法や物理が化学療法が検討されます。
円形脱毛症は自然に治る場合もある為、しばらく様子を見ることもありますが、脱毛が進んできた場合は、年齢や重症度、脱毛の時期などから総合的に判断して、治療法が選択されます。
脱毛範囲が頭皮の25%は軽症、25%以上は重症とされます。また、脱毛が実際に進んでいる時期が進行期、変化のない時期を固定期と言います。
円形脱毛症の薬物療法
薬物療法は、抗アレルギー薬やステロイドによる治療が中心で、16歳以上が適応です。
・初期治療
軽症、重症、進行期、固定期を問わずに、すべての場合に、抗アレルギー薬の飲み薬やステロイドの塗り薬が使われます。
・ステロイドの局所注射
軽症の固定期に行われるもので、脱毛した皮膚にステロイドを直接注射します。月1回程度の間隔で注射を続け、約8割は回復します。
・ステロイドの飲み薬
16歳以上の人に対して、重症の進行期と固定期に行われます。
・ステロイドのパルス療法
16歳以上の人で、重症の進行期に限って行われる治療法です。入院して大量のステロイドを3日間点滴します。特に発症から6カ月以内の患者に効果があると言われています。
ステロイドの副作用は?
ステロイドと聞くと、副作用があるのでは?と心配になる方や、副作用が怖いから使いたくない、という方もいますよね?
ステロイドの局所注射では、ステロイドの作用は注射をした部分にとどまる為、全身的な思い副作用が起こることは、まずありません。
ステロイドの飲み薬では、肥満や生理不順などの副作用が起こることがあり、これらの副作用に注意しながら治療が行われます。
ステロイドのパルス療法では、不眠、動悸、頭痛、微熱などの副作用が現れることがありますが、治療は短期間なので、重い副作用の心配はありません。
円形脱毛症の物理化学療法
円形脱毛症で行われる物理化学療法は、頭皮に人工的な刺激を与えて毛根の自己免疫反応を抑える治療で、初期治療で効果がなかった方に対して行われるものです。
局所免疫療法、PUVA療法が主な治療法となります。
・局所免疫療法
患部に1~2週間間隔で薬を塗って、軽いかぶれを起こさせ、自己免疫反応を抑えるものです。半年ほど続けて、効果があればそのまま治療を継続し、なければ別の治療法が選択されます。局所免疫療法は、長く治療を続けるほど再発が抑えられるのが特徴です。
人工的に皮膚をかぶれさせる為、強い炎症が起きたり、リンパ節が腫れたり、体に発疹ができたりするなどの副作用が現れることがあります。
・PUVA療法
紫外線に反応するソラレンという薬を、患部に塗ったり飲んだりした後、紫外線を照射して、自己免疫反応を抑える、という治療法です。
治療は1~2週間おきで、効果があれば3ヵ月ほどで発毛します。紫外線を照射した後、軽いかゆみや、やけどのような赤みが現れることがあります。
円形脱毛症、予防に効果的な食べ物は?
円形脱毛症を予防したり、悪化を防ぐ為には、治療に加えて、食生活でも気をつけることが大切です。
食事では亜鉛と鉄分を意識して摂るようにします。亜鉛、鉄分が不足すると、髪の毛が細くなったり、抜けやすくなります。
また、円形脱毛症の方の髪の毛は、ゴワゴワしていたり、切れやすいことが多い為、シャンプーは保湿性のあるものを使うのもオススメです。
円形脱毛症になると、精神的ストレスもたまり、さらに悪化させることになります。そのまま放置せずに、早めに皮膚科や専門医を受診して治療を始めるのが推奨されます。早めに治療するほど、早い回復が期待できます。