CMなんかでもよく聞く「歯槽膿漏」という言葉ですが、実際にその意味を説明できる人は少ないのではないでしょうか。
歯槽膿漏の原因は、普段の歯磨きの習慣の中にあると言っても過言ではありません。歯磨きをしていると歯茎から血が出るけれど、すぐに止まるし痛みもないからいいや、なんて放置はしていませんか?
その状態を放置し続けると、いずれ恐ろしい症状へと進行してしまうかも。
今回は、そんな知っているようであまり知らない歯槽膿漏についてご紹介いたします。
歯肉炎と歯槽膿漏の違いとは?
歯肉炎は、歯茎が腫れている状態のことをいいます。これは子供でもなりやすい炎症です。原因は歯垢によるものですが、歯周病より軽度な状態と言えるでしょう。血糖値が上がっている時や、疲れている時に発症しやすく、歯磨きをしたら歯茎から血が出る、などの特徴があります。
対して歯槽膿漏というのは、歯槽骨という歯を支える骨の部分から膿が漏れだす病気です。歯周病のより重い症状であり、歯周病を長らく放置しているとこの状況におちいる可能性が高まります。現在では、歯槽膿漏も歯周病の1つだと考え、歯周病と総称されることが多くなりました。
食後に歯の隙間を見ると、白い汚れのかたまりがいたる所にあると思います。それが歯垢(プラーク)と呼ばれるものです。通常はブラッシングやフロスで歯垢を取り除くのですが、磨き残しが蓄積されることによって、歯茎が炎症を起こすなどの口内のトラブルへとつながっていきます。
歯周病は菌によって発症する感染症です。キスや同じスプーンなどを使っただけでも感染すると言われていますから、しっかりとブラッシングをしていても感染する可能性はあります。成人の約80%の人が歯周病に感染しているというのはよく言われる話ですが、そのうちの70%の人は自覚症状が無く、現在進行形で悪化しているそうです。
歯周病菌は、歯を支えている骨を徐々に溶かしていきます。骨が溶けると、痛みも無くいつの間にか歯が抜け落ちる……なんていうことになりかねません。
歯槽膿漏の主な症状
歯茎の間から黄色くてネバネバの膿が……
菌の活動がさかんになり、歯周病が悪化することで歯槽膿漏になると、歯と歯茎の間から黄色くネバネバとした膿がでてきます。歯磨きをした後なのに、口の中がべたべたと不快な感じがする場合や、何もしていないのに出血をする場合などは、すでに歯周病が相当悪化していると考えてもよいでしょう。
できるだけ早く歯科を受診し、まずはお口の中をきれいにクリーニングしてもらいましょう。
口臭が取れない!?
膿は硫化水素やメチルメルカプタンというガスを生み出し、独特な臭いを発します。玉ねぎや卵が腐った臭いだと表現されることもあるようです。
口臭に気づいていればなんらかの対策をすることができるでしょうが、胃からくる臭いと勘違いし、本人はなかなか気づかないというのが現実。ブラッシングの後も出血していた場合は、ティッシュで歯茎をおさえて止血し、その臭いをかいでみるのも口臭に気づけるひとつの手です。
膿の臭いのする出血や、ブラッシングで出血が続く場合は歯科へ口内環境をみてもらうことをおすすめします。
水でもしみるほど歯が敏感に
歯槽膿漏になると、歯茎が痩せてきて象牙質と呼ばれる部分が露出してきます。象牙質はエナメル質でコーティングされていないので、刺激の弱い食べ物でも強くしみることがあります。ただの水などでもしみたり、痛みを伴う症状が出る場合は要注意です。
痛いからと言って、その部分をブラッシングしないで放置すると、余計に悪化するという悪循環になりかねません。
一度かかるとやっかいな蓄膿症
奥歯にいる歯周病菌は、鼻の周辺に存在する空洞に感染を拡大させます。そうなると、奥歯の上の方の上顎洞という部分に膿がたまりだし、蓄膿症を引き起こします。
蓄膿症は、その付近の神経を圧迫するので頭痛や歯痛につながります。虫歯でもないのに歯が痛い場合は、上顎洞による歯の神経の圧迫かも知れません。また、上顎洞は目にもつながっているので、目の奥が響くように痛んだり、膿が空気道を圧迫し、鼻づまりを起こすということもあります。
放っておくと全身疾患へ…
歯槽膿漏という症状は歯周病菌が大量に発生した状況です。
歯周病菌は血管内に入り込み、全身に広がります。全身に渡った最近は、様々な全身疾患の原因にもなるのです。例えば、歯槽膿漏によりサイトカインという悪性物質が歯の周囲に発生することがあります。それが肝臓に到達すると、肝臓内での糖の吸収を邪魔するので、血液に糖が流れだし糖尿病になってしまう、といったような具合です。
まとめ
歯科でホワイトニングやクリーニングを定期的に受けている場合は、歯槽膿漏の発見も早く重篤にならなくてすみます。そうでない場合は、ブラッシング時に出血や口臭がしていないかなど、セルフチェックをして気づくしかありません。
「なんだか歯茎の様子が以前とは違うな」と異変を感じた場合は、早めに歯科を受診し、事前に歯周病、ひいては歯槽膿漏を予防しましょう!