脱毛症が全身に広がることはある?
症状が全身に広がる全身脱毛症という病気があります
円形脱毛症が徐々に頭部全体に広がって、眉毛やヒゲなど全身の毛が抜け落ちてしまう全身脱毛症という病気があります。
この症状では、通常の円形脱毛症のように自然に治るケースは稀で、専門医のもとでの正しい治療が必要です。
なかなか完治できない厄介な病気ではありますが、根気強くケアしましょう。
自己免疫異常が全身脱毛症をまねきます
全身脱毛症の原因ははっきりとは分かっていません。
しかし、自己免疫異常が関係しているという説が濃厚です。
自己免疫システムとは
空気中や普段触れているものには目に見えない雑菌が存在しており、私たちの身体は常に危険と隣り合わせで生きています。
体内に入った細菌やウイルスなどを放置すると感染症や皮膚炎などが起こり、命に関わる病気となるため外敵を察知して攻撃する身体の機能が不可欠です。
この機能が自己免疫システムと呼ばれるもので、私たちが生きていくためになくてはならないものとされます。
自己免疫異常とは
通常であれば自己免疫システムは外的に対してだけ反応するのですが、自分の身体や細胞を異物として感知して攻撃してしまうことがあるのです。
これが自己免疫異常と呼ばれるもので、この状態が長く続くと自己免疫疾患と診断されます。
自己免疫異常の攻撃対象が毛根となった状態が脱毛症であり、成長途中の毛にダメージを与えてしまうため、正常に成長できず抜け毛となります。
専門知識がある医師のもとで根気強く治療しましょう
円形脱毛症が進行して全身脱毛症になってしまったら、毛髪についての知識を持つクリニックに相談したうえで、じっくり治療に取り組む必要があります。
一般的な皮膚科では対応できないこともあるため、毛髪外来や脱毛症専門窓口を設けている病院を選ぶと安心です。
完治は難しい病気といわれていますが、レーザー治療やステロイド投与を続けることで改善できる見込みがあり、毛が生えてくる患者さんもいるためです。
頭部にいくつも脱毛箇所ができて眉毛などもなくなってしまうため、精神的なダメージが大きく、精神科領域のケアが必要な場合もあります。
そのため治療では、不安を和らげる薬やカウンセリングを通して、前向きに治療ができる精神状態を維持していきます。
希望によってはデイリー使いが可能な医療用ウィッグを活用することもできるので、主治医に相談してみましょう。
薬を使って一旦症状が落ち着いたとしても再発リスクがあり、焦らず長い目で見てケアを進める必要があります。
そのためにも信頼できる医療機関との連携が不可欠であり、地域の皮膚科医に紹介状を書いてもらうなどして、豊富なノウハウがある専門医を探してみましょう。
自己免疫疾患に対する治療も必要です
はっきりとした自己免疫疾患が原因で脱毛症が起こっている場合は、根本の病気の治療も必要となります。
膠原病や橋本病などを放置すると命に関わるリスクもあり、しっかりとした検査のもとで原因疾患をつきとめて、正しくケアを進めましょう。
総合病院では考えうる病気の判定に必要なあらゆる検査を行ってくれます。
血液検査やレントゲン検査を行い、主治医との面談のもとで病気を特定する流れが通常です。
専門的なケアが必要と判断されると、より病気に詳しい専門医の紹介を受けることも可能です。
炎症がひどい場合は一時的に強いお薬を使って症状を和らげ、早期改善を目指していきます。
脱毛症の治療と同じように継続的な通院と検査を通して、経過観察や継続的な内服薬の服用を行い、免疫機能をコントロールしていきます。
自己判断での減薬や断薬は症状を悪化させることがあり、医師の指導に従った長期的なケアが不可欠です。
脱毛症は自己免疫疾患が顕在化した一つの症状にすぎず、日常生活に困らないようにするためにあらゆるケアが必要と心得ておきましょう。
(まとめ)脱毛症が全身に広がることはある?
最初は単発の円形脱毛症に過ぎなくても、徐々に複数箇所へと広がって全身脱毛症になることがあります。
髪の毛だけでなく、眉毛などあらゆる毛が抜けてしまう怖い病気です。
全身脱毛症の原因は自己免疫システムの異常といわれていて、これは毛髪細胞を異物とみなし攻撃してしまうことで起こります。
自己免疫異常の原因は、現在にいたるまで特定されていません。
全身脱毛症は自然治癒する見込みが低い病気であるため、専門医の指導を受けて、根気強く対応する必要があります。
また、一旦症状が和らいだとしても再発リスクがあるため安心できず、継続的なケアが不可欠です。
はっきりとした自己免疫疾患がわかっている場合は、根本的なケアも求められます。
総合病院などで検査を受けて、医師の診断のもとで正しい治療を行いましょう。
全身脱毛症同様に長期的な対応が必要な病気といえます。