茂木健一郎のILOVE脳

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ダイエット成功のための三つのヒント

 というわけで、私の体重、確実に下がり始めました。

 まずは、図1をごらんください。どうです!

 連載途中では、「体重むしろ増えているじゃんか!」と、ダイエット劣等生のトホホな現状報告をしなければならなかった私。

 それが、グラフから見ても、明らかに減少に転じています。


来年の今頃には…夢の70キロ台に!

 前回ご報告したように、1日約34g減るペース。

 これは、小さな値のようですが、考えてみると、1か月で1kg減る計算になるのです。

 だとすると、1年で、12kg。

 なんと、来年の今頃には、体重が70kgちょっとくらいになるという計算になるではないですかっ!


 このように、体重が減少に転じた要因は、主に三つあるように思います。

 一つめは、今日で、30日間連続で、腕立て200回、腹筋200回の「筋トレ」をしていること。

 二つ目は、走る距離を、毎日少しずつ、長めにしていること

 三つ目は、朝食を、サラダやフルーツなど、軽めのものにしていること

 これらの三つの「合わせ技」で、どうやら体重が減少に転じたらしいのです。

 考えてみると、体重が増加するかどうかは、要するに1日ごとのカロリーの「バランスシート」。

 そのバランスシートには、食べる量や、運動する量など、さまざまな要素が関連してくる。

 ということは、一つの要素だけでは、ダイエットの決め手にはならないということです。


「成果」が見えてきた!

 この連載を始めて以来、さまざまな試みをしてきましたが、ついに体重が減少し始めたということは、私なりの「バランスシート」のあり方が見えてきたということだと思います。

 朝食を控えめにするだけでは、足りなかった。走るだけでも、ダメだった。筋トレするだけでも、ひょっとしたらダメだったかもしれない。たまたま、これらの三つの要素がそろった時に、「体重減少」という「成果」が見え始めた。

 ここには、私たちが生きる上での、大切なヒントがあるように思います。そのことを、今回、改めて実感いたしました!

 読者のみなさまも、さまざまな「課題」に取り組んでいらっしゃると思います。たとえば、勉強。あるいは仕事。いくら努力しても、なかなか成果がでないと、あせっている方もいらっしゃるかもしれません。

 そんな時、成功するための要因を、複数で考えることが大切なように思います。

 人間の発想は、どうしても、何か一つ決め手になることさえ押さえておけばだいじょうぶ、という風になりがちです。世の中にも、「これさえやればだいじょうぶ」といった本があふれている。

 ひょっとしたら、実際に、「これさえやればだいじょうぶ」というノウハウがあるのかもしれない。一方で、そんなものはないのかもしれません。一つ確実に言えることは、「これさえやればだいじょうぶ」だと思って、実際にそうならないと、がっかりしてしまうということです。

 生きることは、いわば、「総合芸術」。さまざまな要素が相まって、ようやく結果が出ます。

 もともと、たった一つの「決め手」で物事が左右されるほど、生きることは単純ではないのかもしれません。

 結果が出ない、とあせっている人も、ひょっとしたら、トランプのカードで言えば、たとえば「5枚中4枚」がそろっている状態なのかもしれない。

 あと1枚そろえば、「手」になって、大きな成果が出る直前なのかもしれないのです。

 結局、自分のやるべきことを、一つひとつ点検し、地道にやっていくしかないのでしょう。

 それで初めて、望んでいた結果が出る。そのことを、ようやくダイエットに成功!し始めた私は、今、しみじみと感じているところなのであります。


新たな目標に向かって…

 さてさて、実は、ダイエット以外にも、この私が、このところ取り組んでいることがあります。

 それは、「英語力のさらなる向上!」


 グローバル化する世界の中で、なんとか英語力を高めたい、と思っている人は多いでしょう。

 私の英語力は、決して低くはないと自分でも思います。

 学生時代に、当時あった英検1級や、国連英検特A級などの検定試験は一通り合格しましたし、TEDのロングビーチの本会議でも、スピーチしました!

 しかし、私は今、さらなる英語力の強化について、実はひそかに画策しているのであります。

 2か国語以上に通じている人は、脳の回路が強靭きょうじんになって加齢に伴う衰えも少ない、という報告もあります。

 ダイエットに加えて、時には、私の英語力の強化作戦についても、この項でご報告して行きたいと思います!

茂木 健一郎(もぎ けんいちろう)
脳科学者、ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。1962年、東京生まれ。東大大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了。クオリア(感覚の持つ質感)をキーワードに脳と心を研究。最先端の科学知識をテレビや講演活動でわかりやすく解説している。主な著書に「脳の中の人生」(中公新書ラクレ)、「脳とクオリア」(日経サイエンス社)、「脳内現象」(NHK出版)、「ひらめき脳」(新潮社)など。