昨日の話。

十「ひな祭りだけど何食べたい?」
青「ペペロンチーノと鮭とば」

 この後めちゃくちゃ節句を祝った。


 日常ネタはあまり広がらないので、またぞろ占いの話をしよう。

 今回は、死相の話をしてみようと思う。
 死相というのは、死に近付いた人の顔つきや表情その他に現れる雰囲気の事である。
 例えば肌に色つやが無く、目が落ち窪み、眼光は無く、或いは妙な具合に底光りし、頬がこけ視線が定まらない、というような明らかに不健康そうな顔貌は、誰がどう見ても死相が出ている状態と判断できよう。ネット上で有名な、某居酒屋チェーン店の店員さんのインタビュー写真を想像してもらえればよい。
 この他にも、死相とされる兆候が幾つかある。私が知っている物を列挙してみたい。

1、顔に翳がさす
 額や鼻、頬骨の辺りなどは、顔の中でも出っ張っている部分である。だからここに翳がさすことはあまりない。ここに翳がさすというのはよく知られた死相である。
 なお、影の色が青っぽければまだ死は回避可能、黒ければ手の施しようがない。
 顎と生え際の真ん中あたりがともに黒ずんでいる、というのも死相である。顔の正中線上に黒い翳がある場合、特に注意する必要がある。
 生え際の右側だけ、或いは左側だけ、というように片方だけ翳がさす場合、取り急ぎ病院に往けば難を逃れうる可能性が高い。


2、赤い筋
 顔面に赤い筋が入るのは、事故や事件に巻き込まれて大怪我をする徴候とされる。特に危険なのは次の3つ。
・目を横断、または縦断するような赤い筋
・右眉から眉間にのびる赤い筋
・鼻柱を斜めに横切る赤い筋
 但し、他の死相と併発しない場合は怪我だけで済む場合が多いようである。


3、黒目の色が変化する
 人相判断において、黒目は命を表す部位とされる。ここが急に変色したり、脱色したり、色のある筋が走ったりする場合は、出歩くのを控えた方がいいだろう。


4、影が薄くなる
 影が薄くなると一口に言うが、何種類かのパターンがある。
 まず、本当に影が薄くなる、もしくは全く無くなってしまうと言うのが一つ。ひと月は持たないだろう。
 存在感が薄くなる、ということもある。そこにいるのに気付かれない、自動ドアが反応しない、など。同じくひと月くらいしか持たない。
 後頭部から肩、背中にかけての輪郭が、まるで消しゴムをかけたかのようにぼやけることがある。背中が煤ける、とはちょっと違うかもしれないが、だいたい似たようなニュアンスだろう。早ければその日のうちにどうにかなってしまう。
 背中以外が薄くなったりブレたりすることもある。そういう時は、大抵は右側から霞んでいく。


5、特異な匂い
 酸っぱいような、甘いような、土っぽいような、花の様な、埃っぽいような、それでいてそのいずれとも異なっているような、なんとも形容しがたい匂いが発されることがある。以前「黄色っぽい匂い」という表現を見かけたことがあるが、これが一番近いように思う。
 このような体臭が生じるのも、死相の一つと考えていいように思う。


6、手を天井にかざす
 病人が臥せたまま、天井に手を伸ばしていることがある。これは本人も無意識のうちにやっているらしい。
 掌を天井に向けている分には、回復は遅れるかもしれないが、生命に問題ない。
 手の甲を天井に向け始めると、これは危険である。
 掌をしげしげと眺めつづけるようになったら、周囲の人間は覚悟しておいた方がいいだろう。


7、急に好物が増える
 特にアイスクリームを急に好むようになり、傍から見て異常なほどに欲しがるようになったら危険である。
 勿論、もとから好物である場合は別だ。


8、手相
 生命線、頭脳線、運命線などが急に細くなるのは死相とされる。また、これらに強い妨害線が入るのも危険である。
 手相とは少し違うが、怪我などの原因が無いのに急に親指に力が入らなくなる場合がある。これも死期が近い徴候とされる。


 ざっと思いつくのはこれくらいである。他にもあるかもしれないから、知っている人は教えてほしい。
 勿論あくまで占いであり、死相が出たから絶対に死ぬ、というようなものでもない。だけど、自分や周囲の人間の顔や表情、雰囲気などに常日頃から注意を払い、変化が生じたら養生するなり病院に行くなりの対処を講じるのは、けして悪いことではあるまい。

 最後に、死相が出ている人間に対するおまじないを書いておこう。
 といっても、別段難しい手順ではない。死相が出ている人の額の真中、生え際辺りに息を吹きかけるだけである。
 息吹というモノの効果効能について論じていると長くなるので割愛するが、健康な人間の息吹にはそれなりに効果があり、一時的に死の影を祓う程度の効能はあるらしい。
 ただ、あくまで一時的な急場をしのぐ手であり、原因を除かない限り寿命はさして延びない。日頃から生活習慣に気を付け、定期的に病院で診てもらうことが長い気の秘訣であることは、易者が今更言うまでもないことである。


                                       十薬庵


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