メイエー家 - Domaine Eugene Meyer
生産者:メイエー家
地方:フランス・アルザス
オーガニック歴:1969年から(認証は1980年4月デメター・1991年ECOCERT) | | |
家族経営の名門農家
ドメーヌ ユージェーヌ メイエーは1620年創業以来、家族経営で親から子へと引き継いでこられたワイン生産農家です。アルザスでも南方に位置するBergholtz(ベルゴルツ)村にあります。ベルゴルツ村は、AOCアルザス グラン クリュを産することができる限られた51区画のうちの1つです。スイス国境のバーゼル空港からは、車で1時間足らずで着きます。農場は、かつてミュルバッハ修道院の所領でしたが、フランス革命の後にメイエー家が買い取りました。
メイエー家のグランクリュはスピーゲル(ドイツ語で「鏡」)です。 これは丘の、一番高いところでも低いところでもない、中腹にあります。
美しい畑
メイエー父子、ワイン講座をするマダム メイエー
ライン川に沿う岡の中腹に位置するぶどう畑は、全て南東に面しています。日射、水はけが申し分なく、根も深く張りすばらしい果実を実らせます。それによってボディがしっかりとし、かつフルーティな、おいしいワインを生産しています。 わずか9haの畑から採れる、本当に希少なワインです。
農薬中毒からオーガニック転換へ メイエーさんは戦後一旦は化学農業を取り入れましたが、農薬の中毒によって視神経が麻痺するという深刻な体験を通じて 1969年にオーガニック転換しました。そしてオーガニック農法の中でも当時異端視されていたビオディナミ農法によって、自分の畑を耕していこうと決めたのです。
ビオディナミ農法というのは、シュタイナー教育で知られるオーストリアの思想家ルドルフ シュタイナーが提唱した自然生活哲学に基づく農法です。
メイエーさんによると、生命と大地への敬意を払うという原理に基づきホメオパシーを基礎とする土作りで、土壌の活性化を促し、乱されてしまっていた自然の均衡を再現します。こうして、ぶどうの木の抵抗力を高め、病気から守りつつ、土壌を肥やすことで、化学合成物質をすべて取り除くことができました。
土壌を肥沃化するために、6つの薬用植物によって力を与えられた堆肥を使用します。これらの植物によって、堆肥に含まれるあらゆる肥沃化成分が強化されると云います。
土作りにはさらに2つのものを使います。1つは牛の角を基としたもので、もうひとつは石英から作られます。それらを土壌とぶどうの木に撒くのです。これら2つの物質は特に、成長に大きく影響し、ぶどうの木の抵抗力を強化し、健康状態を改善します。また、スギナを煎じた液体や、イラクサを水に浸したものを撒くことで、病気から守っています。
収穫は完全に手摘みで、醸造はぶどうの表皮に住む天然酵母によります。
メイエーさんの農法がシュタイナー理論に適合していることは、国際的認証団体のデメターが認定しています。 1980年4月、フランスにデメターが創設されたと同時に認証を取得た、生え抜きの一人です。 そして1991年からはEUのオーガニック基準に従って、ECOCERTの検査・認証を受けています。オーガニックと称するには公的認証が必要であり、詐称には厳しい罰則があります。 ただ、近年、ビオワインや自然派ワインと称して何の認証も無い生産者が「ビオディナミをしています」と宣伝文句としていることが多々あります。これをメイエーさんにどう思うかと問うたところ、彼はビオディナミの認証は法律によるものではなく詐称しても罰則はないし、常にお金のことしか考えられない人達がたくさんいるということを腹立たしげに話してくれました。
ビオディナミ農法は、オーガニック農法の一分野と位置づけられています。つまり、ビオディナミ農法の要件を満たしていれば、その農法はオーガニックであると言えます。EUではオーガニック認証制度が確立しており、さらに、農家に対する資金援助も充実しています。きちんと検査に合格し、認証をとることは当然なのです。 EUでは、狂牛病(BSE)以後、Traceability(追跡可能性。食べ物がどこでどうつくられ、どこから来たのかという食べ物の「履歴書」)がとても重要なことであり、その履歴書を公的に保証するものであるオーガニック認証は、生産者の消費者に対する責任の一つであると考えられています。 取れるはずの認証を取らないということは、きちんと実行していなくとも、「ビオディナミをしています」と言って、消費者が本当かどうかを確認できない状態で、良さそうなイメージを看板に使っている恐れがあります。ビオディナミに法律の規定や罰則がないことを悪用している人達が残念ながらかなり存在しているのです。そして大部分が認証制度の確立していない日本へと輸出されます。
メイエー家の畑 メイエーさんは、シルヴァネール、ピノ ブラン、リースリング、ミュスカ ダルザス、トケイ ピノ グリ、ゲヴェルツトラミネール、ピノ ノワール、以上7つのアルザスAOCセパージュ(品種)を造っています。 全体にすばらしい、よく切れのあるワインばかりです。畑の一部はグランクリュ(特級)格付けがあり、極めて力強く、かつ洗練されたワインを少量造っています。
(2005年7月 マヴィ代表 田村 安)
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