肉骨茶で使われている漢方について
<シナモン(桂皮)>
香辛料として用いられる場合は「シナモン」、生薬として用いられる場合は「桂皮」と呼ばれます。香辛料としては世界最古のスパイスの1つといわれ紀元前4000年ごろからエジプトでミイラの防腐剤として使われ始めました。独特の甘みと香り、そしてかすかな辛味がありカプチーノ等の飲料やアップルパイ、シナモンロールなどの洋菓子の香り付けに使われます。
生薬としての肉桂は体を温める作用、発汗・発散作用、健胃作用を持つ生薬として利用されており桂皮にもこれと似た利用法があります。停滞しているものを動かし、発散させる作用をもちます。
<スターアニス(八角)>
トウシキミの実を乾燥させたもの。実の形は8つの角を持つ星形をしており、アニスやウイキョウに似た良い香りを放つため、これらの名があるようです。食欲増進、精神安定、虫除け、胃を丈夫にし、消化を助ける効能があります。また八角を食べると母乳がよく出るとのことで、産後八角を料理などに使うと良いと言われています。
<クローブ(丁香)>
チョウジノキの開花前の花蕾を乾燥させたもの。香辛料として肉料理によく使われ、他の香辛料とブレンドしてカレーなどによく使用されます。また、カルダモン、桂皮、ショウガなどと合わせてチャイの香り付けにも使われます。肉骨茶(バクテー)からかすかにカレーの風味が伝わってくるのはクローブが入っているからなんです。
生薬としての花蕾を丁子(ちょうじ)または丁香(ちょうこう)と呼ばれ、芳香健胃剤として用いられます。クローブの精油には殺菌・防腐作用があります。また弱い麻酔・鎮痛作用もあるので、歯痛の鎮痛剤として使わています。
<アンゼリカ(西洋当帰)>
欧州各地、北欧・東欧・シベリア及びグリーンランド等の湿原やアルザス地方などの山地に自生するセリ科の二年草。「女性のための朝鮮人参」とも言われ、女性ホルモンの分泌を調整し、女性に特有の症状を改善してくれると言われています。痙攣を鎮める作用があり、女性の生理痛を和らげます。
また、喘息や気管支炎などによって溜まった痰を取り除いてくれます。発汗、利尿の作用により体内の毒素を排出しますので、風邪のときなどにも有効です。
<ウド(独活)>
そう、みなさんもよくご存知の春先に八百屋さんの店頭を飾る山菜です。ちょっと癖があるので好き嫌いがはっきり分かれますが、酢味噌で食べるととっても美味しいですよね。
根の部分は独活(どっかつ)と呼んで、発汗、解熱、鎮痛、抗炎症、駆風、利尿などの作用がある生薬として用いられます。煎液を浴槽に入れると血行が良くなり温まるため、神経痛や冷え症に使われています。
<チャノキ>
そう、日本でも日常で飲まれているあの「お茶」です。薬用には同様に葉を用います。生薬名をサイチャ(細茶)といい利尿薬とするほか,カフェインの抽出原料とします。カフェインは風邪薬などに配剤されますが,近年では天然のものと入れ替わり,化学的に合成したものが多くなってきました。一方,チャ葉に含まれるカテキンにガンの予防や,抗ウイルス,消臭などの効果があることが注目されてもいますね。
頭痛、下痢、食べ過ぎ、のどの渇き、発汗、利尿、 風邪の予防、二日酔い、消化促進、解毒、多眠の効能があるんです。
<ゆず>
こちらもみなさんご存知のゆずです。「ゆずが漢方なの」って思われる方もいるかと思いますが、すべての食べ物には必ず意味があるんです。「食べ物は薬」って言われる先生もいらっしゃいます。
血行促進、健胃、抗菌、消炎作用や発汗作用があります。風邪、疲労回復、神経痛、リウマチ、冷え症、ひび、しもやけ、食欲不振などに有効とされています。果実のまま、あるいは果肉を薄く切り、煮出して浴湯料として用いると、肌を軽く刺激して血行を促進するため、冷え症、肩こり、腰痛、神経痛などの痛みの改善や風邪の予防などに有効だそうです。冬至のゆず湯ですね。
<甘草>
カンゾウエキスには胃液分泌抑制、消化器かいようの治癒(ちゆ)促進、鎮痙(ちんけい)、鎮咳(ちんがい)などの薬理作用が認められています。甘草は 漢方薬に広範囲にわたって用いられる生薬で、日本国内で発売されている漢方薬の約7割に用いられています。保湿成分として化粧品などにもよく使われていますね。
欧米ではリコリス菓子やルートビアと呼ばれるソフトドリンク、リキュールの原料として盛んに利用されています。グリチルリチンの甘味は砂糖の50倍もあり低カロリーなため、欧米では甘草は健康的な食品添加物と認識されていますが、大量摂取により副作用を生じるため、注意が必要です。
<センキュウ葉>
料理用ハーブとして主に使われるヨーロッパのラビジや、北米で人気のあるハーブ、オシャの仲間です。身体のバランスをとり、熱感よりも寒けが強い風邪による頭痛、偏頭痛、肩こりによく効きます。センキュウを服用すると造血作用、浄血作用、鎮痛作用、鎮静作用、血行促進、強壮作用などがあり、貧血予防、月経不順解消、生理痛解消、腹痛解消、頭痛解消などが期待できます。