カップルの関係にキスは欠かせません。多くの人は愛情表現の一つとしてキスをし、性生活のみならず朝の挨拶やいってらっしゃいの挨拶、帰宅のお迎え時、夜の営みの前戯として様々な場面で行うアクションです。
しかしキスは愛情表現だけにとどまらず人間の本能的な行動であり、またキスをすることによってストレスホルモンを抑えたり解消や痛みを和らげるモルヒネのような効果もあります。
以下キスによって得られる効果を並べてみました。
- ストレス解消
- 愛情が高まる(ただし男女間で違いがある)
- 免疫力アップ
- モルヒネのような鎮痛作用
- 精神的な安らぎを与える
これらの項目を見ておそらく思い当たる節がある方は多いと思います。実はキスにはこれらの効果をもたらす合理的な理由がありカップルが良い関係を築くうえで重要な役割を果たしています。
またキスをする行為自体は同じでも男性と女性の間ではそれぞれ「キスに対しての意識の違い」があります。
キスで得られる効果とそれにより生じるメリットは何なのかを見ていきましょう。
キスはとっても合理的なアクション
キスをすることで脳内がアルファ波状態になり「エンドルフィン」というホルモン物質が分泌されます。興奮や快楽の作用がある「ドーパミン」という言葉はよく耳にすると思いますが、エンドルフィンはこれとは反対の作用があります。つまりエンドルフィンは精神を落ち着かせる、安定をもたらすなどリラックスに導くよう作用します。
このエンドルフィンが先ほど挙げたキスで得られる5つの効果に関係してきます。
1ストレス解消
キスをすることで幸福、安心感を得られるエンドルフィンはコルチゾール※1というイライラの原因となり得るストレスホルモンを抑えてくれます。
したがってキスをすることでストレス解消の効果があると言えます。
2.愛情が高まる(ただし男女間で違いがある)
人間の愛情を高めるのはオキシトシンという脳内物質です。キスのアクションによってオキシトシンが分泌されて相手を愛おしく思うようになります。
オキシトシンが分泌されるのはキスの時だけではなく、たとえばお母さんが赤ちゃんに授乳をしてあげているときも母親の脳内ではオキシトシンが分泌されます。
生活の中で最もオキシトシンが多く分泌される場面が、その授乳の時だと言われています。
場所をもっとロマンティックな所に変えて同じ実験を行ったところ、女性のオキトシンも増加したという結果が得られました。
つまり女性は単にキスをするだけで愛情が深まるのではなくそれをするシーンやシチュエーションも含めたキスが重要だということがわかります。
キスをすればオキトシンが分泌されるのは男性で、女性はムードも含めたキスでないと相手に対して恋愛感情が湧かない(深まらない)ということですね。
女性がキスだけでなく色々な場面で雰囲気を大切にするのがよくわかる実験です。これはオキトシン自体が恋愛感情だけでなく出産、授乳などの本能的な活動を促す作用があることも関係しているのかもしれませんね。
3.免疫力アップ
ヒトの口からのど辺りまでには300~400種類の細菌が存在すると言われています。キスを交わすことで当然この菌を移すことになります。菌を移す行為なので一見悪影響があるように思えますが注射と同じで微量の菌を体内に取り込むことでそれに対する免疫力がアップ足ます。
つまりキスによって相手の口から入って来た多くの菌よりもヒトがもともと持っている免疫力の方が圧倒的に強いと言うことです。
そして自分が持っていない菌を取り込むのでそれに対抗する力がより一層強くなり、免疫力が高まるのです。
また昨年 Microbiome-journalに掲載された情報(ソース元:BioMed Central)によると10秒間のキスで細菌が交わされる量は約8000万だそうです。
4.モルヒネのような鎮痛作用
モルヒネとはよく戦争映画などで出てくる強烈な鎮痛剤の事で、医療現場でも使用されることがあります。
キスによって脳内でエンドルフィンが出されるという話は先ほどしましたが、エンドルフィン(βエンドルフィン)の分泌はモルヒネに比べて約6.5倍もの鎮痛効果がります。
初体験に関する記事でも書いたようにペニスを膣内に挿入する時、特に女性が初体験の時は一定の痛みが生じます。
この痛みを少しでも緩和するために愛のあるキスをするというのはエンドルフィンがモルヒネのような効果をもつ点から見ても非常に合理的で良いことだと言えます。(→ 初体験に関する記事はこちら)
お灸やハリ治療は一見熱そう、痛そうというイメージがありますがそれらが気持ちいものになるのはまさにエンドルフィンの効果なのです。
5.精神的な安らぎを与える
エンドルフィンが分泌されるとき脳はアルファ波が出ている状態です。
アルファ波もよく耳にする言葉で、自律神経のバランスを良くして脳をリラックスした状態にしてくれます。(脳がアルファ波の状態でエンドルフィンが分泌されます。)
不安を軽減して精神的な安らぎを与えるというのはアルファ波、エンドルフィンによるものだということですね。
キスが特別な効果を持つよにうに言われているのには以上のようにしっかりとした根拠があります。では、これらの科学的根拠が実際にどれほど私たちの感情、気持ちを変化させるのか20代と30代の方々に聴いてみました。
キスの効果を感じた経験談
アンケート形式でキスの様々な効果は科学的な根拠があることを示したうえで、それらに当てはまる経験談を聞いてみました。
・以前に付き合っていた男性はキスの回数は少なかったです。今思えばたしかに精神的な安心感はなく結局お別れしてしました。今の旦那さんはキスが好きでよくしますがやはり精神的な安心感と愛情はとても感じます。キスだけが原因ではなくても夫婦円満な理由のひとつなのだろうと感じました。(女性・30代後半)
・家事と育児で緊張と疲れなどで爆発寸前な毎日ですが大好きなと夫とキスをすると疲れなど、どこかに行っしまいます。夫とキスをすると心の中がキュンとして夫への愛情が深まります。家事でイライラしても精神的にもキスをすることで安定します。もっと頑張ろうと思うようになり大好きな人とのキスは、どんな薬よりも精神的に心の支えもなるしストレス解消にも良いと感じます。(女性・20代前半)
・疲れているときに、彼氏と一緒にいることが億劫でも、ぎゅっと抱き合ってキスをすると不思議と心が落ち着くのを感じます。喧嘩をしてしまったとき、心がもやもやしていても私たちは話し合いが終わった後には必ずキスをするようにしています。キスをすることで、喧嘩をしてしまった悲しさも悪い雰囲気も一気になくなると感じているので、キスをするということはとても大切なことだと感じています。(女性・20代後半)
・キスをする事によりホルモンの分泌が良くなります。女性ホルモンへの分泌も良くなるからかお肌や脳への活性化も期待できると思います。海外のキスする文化の国には、美人が多いのも納得できます。(女性・40代前半)
・キスはストレス解消になるのでしょうか。私には分かりません。鎮痛作用があるのもどういう根拠があるんでしょうか。愛情が深まるというのは愛情表現でもあると思うのでわかります。いってらっしゃいのキスは毎日しており、おかげで夫婦仲良しです。(女性・30代前半)
・初めてのキスはレモンの味とよく言いますが、実際レモンのような甘酸っぱい香りがするわけではなく青春の甘さが感じられると思います。 お互いのパートナーとキスをすることで愛情が深まるなら毎日したいくらいですよね。(女性・20代後半)
結果的にすべて女性の回答になってしまいましたが、やはりキスの効果を実際に感じている方は多いようです。
最初の女性・30代後半の方の回答は非常に興味深いですね。
別れた彼とキスが少なかったのは偶然のことかもしれませんが、恋愛や結婚に癒し・安心を求める方にとってはキスの回数が少ないのはこれまでの説明から好ましいことではありません。恋愛感情を高めるオキトシン分泌の機会が少なるなることからもキスなしの恋愛は長続きしなさそうです。
いつどのような場面でキスをするのかなどもキスの効果と大いに関係してくると思いますが、キスは重要な愛情表現だと認識されていることがわかりますね。
今のあなたのパートナーとずっと仲良くいい関係でいたいなら日々何気なく行っているキスはそのための大切な役割を果たしてくれるでしょう。
キスで一番感じる場所
キスがカップルにとってどのような効果をもたらし、どれほど重要かわかりました。
では実際にキスをする時、どこへどのように合わせればいいのかを見てみましょう。
やはり一番は唇
唇には非常に多くの神経終末が集まっており、またご存知のように唇の皮膚は非常に薄いため触れた感覚に敏感で、約秒速100mのスピード(新幹線よりも速い)で脳に伝わり大脳皮質で興奮として感知されます。
感じさせるためにはディープキスが効果的のように思われますが、唇の皮膚が薄いのでそこまでしなくても軽く合わせる程度で十分に興奮できます。むしろ軽く合わせる程度の方が敏感になり気持ちよく感じることもあるでしょう。
つまり唇も興奮を与えるための立派な性器であるため、セックスの前戯としてのキスの場合、舌や歯茎よりも唇をじっくりと時間をかけて刺激する方が効果的です。
キスの注意点
さてここまでキスによる効果は大変素晴らしくまるで魔法のようなアクションであるように述べてきました。
しかし、実際にはキスをすることでトラブルが発生することもあります。ここで言うトラブルとは細菌やウイルスが移ることによる病気です。
唇を合わせる程度のキスならば問題ありませんがオーラルセ●クス後にお互いの舌を絡ませるようなディープキスは病気になるリスクがあります。
ディープキスをすることで発症する可能性があるもの、特によく知られているものを挙げてみましょう。
- 歯周病・虫歯
- 梅毒
- 咽頭クラミジア
歯周病菌や虫歯菌はヒトの口の中にはもともと住んでおりこれがあるからと言って必ず歯周病や虫歯になるわけではありません。
もしもそれらの病気が気になるならディープキスの後に丁寧に歯磨きすることを心がけましょう。
梅毒というとコンドームなしの性交渉でリスクがあるように思われますが実はディープキスでも感染、発症することがあります。
特に口内に傷があるとそこから菌が侵入して発症する恐れがあります。したがって口内炎があったり切ったりしている状態でのディープキスはなるべく避けましょう。
症状としては軽い場合で男女ともに性器とその周辺にしこりができたり、身体に赤い発疹が現れたりします。
咽頭クラミジアも同様で性交渉で発症することもあればディープキスが原因で発症することもあります。
初期症状は風邪と同じようにのどの痛みや熱が出たりします。通常はこのような軽い症状までで、安静にしていれば治るものです。しかし時に症状がひどくなり喉が腫れて強い痛みを感じるほどにもなります。
性交渉やディープキスをして1~2週間以内に体調が悪くなった時、風邪のような症状が出たときは一度これらの病気の感染も疑ってみましょう。
手っ取り早いのは病院に行くことです(その際恥ずかしがらずに性交渉やディープキスをしたことも告げます)が、どうしても行きづらい場合は簡易検査キットなどを活用して感染の有無を判断するのもありです。
これまで何度も述べたようにキスの効果は非常にポジティブなので日常的なコミュニケーションの一つとして積極的に行うべきです。
一方でやり方によってはリスクを伴うことを頭の中に入れておきましょう。そうすればいざその疑いがある状況になった時、迅速に正しい対処ができるようになります。
キスを上回る強烈な食べ物も
キスこそ最強の惚れ薬と言っても過言ではないくらいに素晴らしい効果をご紹介しましたが、実はこの世にキス以上の効果を持つ食べ物があることをご存知でしょうか。
その食べ物こそみんな大好きチョコレートです。
チョコにはフェニルエチルアミンという物質が含まれておりこれは先ほどキスのところで何度も出てきたエンドルフィンの分泌を促します。またそれと同時に脳内の快楽物質であるドーパミンも引き出す機能ももっています。
つまりフェニルエチルアミンは脳に安心感を与えると同時に快楽を与えて興奮状態にする媚薬のような効果があります。
2007年にイギリスで行われたDr.David Lewisによる実験によるとチョコを食べている時の心拍数はキスをしているときのそれよりも倍になり、脳の興奮状態はキスをしているときに比べて約4倍になったそうです。
チョコレートは昔から媚薬の効果ありなんて言われていますがこれも根拠のある話のようです。
また「女性はチョコレート好き」とも言われていますが、フェニルエチルアミンによる効果でいえば男性・女性共に同じだったようです。
フェニルエチルアミンは実験のように落ち着きや快楽・興奮を促しますが代謝が速いためその効果は長く続きません。ただし口に入れて間もなくは一時的に興奮状態になるのでこれの力を借りて雰囲気を盛り上げたりするのもよさそうです。
バレンタインデーにチョコレートを渡すのも合理的な気がしますね。
チョコレートがキスよりも4倍も脳を興奮させるということは、チョコを食べながらキスをすると通常のキス効果よりも数十倍の威力を発揮してくれるのでしょうか。
大好きなパートナーがいるならぜひ一度試してみてくださいね。
以上キスの効果や注意事項、予備知識を見てきました。少々長くなりましたのでおさらいしておきましょう。
キスの効果まとめ
愛情表現の象徴であるキスは単にそれを表すだけの行為ではなくストレスホルモンを抑えます。またモルヒネの約6.5倍の鎮痛効果があり精神的に安らぎを与えます。
それらの効果は脳内で分泌されるエンドルフィンによるものであり、実際に安心などを感じる方は多いようですが、キスによる愛情の感じ方については男性・女性間で違いがあります。
またキスをすることで口内の細菌を交わすことになり、相手の菌を受け入れることで免疫力がアップする効果もあります。
唇を触れ合わせる程度のキスが最も有効ですがキスにも一定のリスクはあり、特にディープキスは病気を発症するリスクを高めます。ただ、だからと言ってキスを控えるのではなく、ポジティブな面が多いので重要なコミュニケーションとして楽しみましょう。
※1:コルチゾールは本来血圧をコントロールしたり血糖値維持のためにインスリンを出したりと良い役割を果たしてくれますが、これが増えすぎるとストレスやイライラ、うつ原因になってしまいます。