汗のにおいが気になる季節が到来! 新連載「働く女性のにおい研究会」がスタートします。
【関連画像】私たちの体は、いろんな部位からさまざまなにおいが発生します。においって一体何なの? (C)PIXTA
私たちの体は、いろんな部位から、さまざまなにおいを発生させています。汗をかいて時間がたったときの、ツンとしたワキのにおい、脂っぽい頭皮のにおい、顔をそむけたくなる足のにおいなど……。満員電車で中年の男性に囲まれると、独特のにおいも漂ってきます。一体においとは何でしょうか?
「私たちの体から発するにおいの正体は化学物質なのです。しかも場所ごとに化学物質が異なります」と話すのは、ビューティサイエンティストの岡部美代治さん。
◆主な体臭の化学物質
・頭皮、頭髪臭
低級脂肪酸(カプリル酸、カプリン酸、カプロン酸)
アルデヒド類
ジアセチル(ミドル脂臭)
ノネナール(主に男性の加齢臭)
・口臭
揮発性硫黄化合物(メチルメルカプタン)
・汗臭
アンモニア
イソ吉草酸
・ワキ臭
3-メチル-2-ヘキセン酸
ビニルケトン
アンドロステノン
アンドロステノール
・足臭
イソ吉草酸
酪酸
このようにさまざまな化学物質によって体臭はできていますが、本来、私たちの体から出る汗や皮脂などの分泌物は無臭か、においがあってもごくわずかだそうです。では、なぜさまざまなにおいがしてしまうのでしょうか?
「汗をかいた後、皮膚の上に存在している常在菌や、空気中の酸素と反応することで、“体臭”になるのです」(岡部さん)
ライオン ヘルスケアマイスターの山岸理恵子さんも「においの発生の基本は、分解臭と酸化臭です。体の部位によって、皮脂が多い所、少ない所があり、汗腺の分布も異なるので、場所ごとに異なるにおいが発生します」
「汗は本来、ほとんど臭わないもの」と聞くと、なんだか対処できそうな気がしてきます。
次ページでは、部位ごとににおいが異なる理由を解説!
女性を対象にしたライオンのWEB調査(2015年 ライオン調べ/15歳(高校生以上~59歳の1511人が対象)によると、体の部分で汗やにおいが気になる部位を聞いたところ、ダントツの1位がワキ、2位頭皮、3位足という結果に。
山岸さんによると、これは、生理的な特徴に適合した結果だそうです。
・においの発生しやすい部位
ワキ…エクリン腺とアポクリン腺という二つの汗腺が存在し、衣服で覆われているのでムレやすく、においが強くなりやすい。
頭皮…汗腺(エクリン腺)と皮脂腺が多く、毛髪に覆われているのでムレやすく、においのもとになる菌が増殖しやすい。頭皮の皮脂が紫外線によって酸化して臭うことも。
足…汗腺(エクリン腺)が多く存在する場所で、靴下や靴で覆われているので汗をかきやすい。さらに、菌のエサとなる余分な角質が多いので一年を通してにおいが発生しやすい。
●汗には2種類ある! 少量で臭うのはアポクリン腺から出る汗
汗を出す器官、汗腺は2種類あります。
・エクリン腺
唇やまぶたを除く全身に分布している。1平方センチメートル当たりのエクリン腺の数が最も多いのが、足裏(約320個)、手のひら(約260個)、頭皮(約200個)、ワキ(約160個、胸・背中(約140個)。
エクリン腺から出る汗は、暑いときにかく汗で、汗をかいた後の気化熱によって体温を調節する。汗の成分の99%は水分。
・アポクリン腺
ワキの下、乳首、陰部付近など、体毛のある特定部位にだけ存在する。役割ははっきりしていないが、大昔、人間が動物だった頃の異性を引き付けるフェロモンの名残だったのではないかといわれる。アポクリン腺からの汗の成分は、水分の他に、たんぱく質、ミネラル、脂肪、糖質などを含み、やや黄色みがかっていることがある。アポクリン腺からの汗は、細菌に分解されると強いにおいを発するので、ワキガの原因になる。
「エクリン腺から出る汗も、アポクリン腺から出る汗も、汗をかいた直後は無臭ですが、皮膚常在菌に分解されるとにおいが発生します。アポクリン腺からの汗は微量でも臭いやすいのが特徴です」(山岸さん)
「アポクリン腺から出る汗は放っておくと強い体臭になりますが、上手に付き合えば、フレグランスとの相性がいいので、その人独自のにおいと混ざり合ってフェロモンとしてアピールできることも。実はフレグランスのラストノート(香水をつけて最後に香り立つ香り)に使われることが多いムスクは、ジャコウジカの分泌物を乾燥させたものです」(岡部さん)
エクリン腺から出る汗と、アポクリン腺から出る汗、いずれも放っておくとにおいになりますが、特にアポクリン腺から出る汗は少量でも臭いやすく、ワキガの原因にも!
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