薬事法、正確には旧薬事法で、現在では、医薬品医療機器法というようにその名称が変わっています。
名称は変わりましたが、商品の宣伝・広告に関する薬事監視指導の部分においては、名前が変わったからといって大きくは変更されていません。
昔は、違反をすると「薬事法違反による摘発」となっていましたが、最近ですと「旧薬事法違反」あるいは「医薬品医療機器等法違反」というような言い方に変わっています。
旧薬事法違反の摘発を受けるとどうなるの?
薬事的には言えない効能や効果を表現していたり、配合できない成分を配合していたりした場合は、旧薬事法違反として摘発されてしまいます。
最初は行政から連絡が入って注意や改善命令などがありますが、無視していたり悪質な違反を繰り返していると、ある日突然、十数名~数十名の捜査員がダンボール箱などをもってきてどかどかと入ってきます。
よくテレビのニュースや、刑事物のドラマなどで捜査員が現場からいくつものダンボール箱をかかえて出てくるシーンとかがありますが、まさにあんな感じになるでしょう。
そしてその後に待っているのが、捜査員からの度々の事情聴取。
そこで悪さが発覚すると、逮捕・起訴という未知が待っています。警察の留置場に20日前後拘束されるケースもあるようです。
行政の基本的考えは、そもそも飲めば痩せるダイエット食品なんて無い!
そもそも、ダイエットは人間の生理的作用に影響を及ぼすものであり、体重の増減。もし百歩譲って、そういう物質や成分、商品があったとしても、そうであれば食品ではなく、医薬品としてきちんとした臨床データーを示して商品を得てから、製造・販売・広告宣伝しなさい!とこうなるわけであります。
まあ、この論理は、当たり前といえば当たり前です。
そこで業者は何を考えるかというと、機能性表示食品とかでどうにかならないかと考えるわけです。
特定保健用食品では、「健康維持はもちろん、コレステロールや中性脂肪が高めの方、肥満気味の方にお勧めします。」というような表示ができますし、機能性表示食品でも「肥満気味の方の内臓脂肪を減少させる機能があることが報告されています。内臓脂肪が気になる方に適した食品です。」という表現ができます。
制度が変わり、機能性表示食品においての表示が、ダイエットとは直接言及できないまでも、肥満気味、内蔵脂肪を減少といった言葉を使えるようになりました。その分、機能性食品でない普通の食品において、ダイエットまがいの広告表現は、よりエビデンスにしても、薬事的にしても厳しく取り締まられることになったと言えるでしょう。
言い回しをしたり、こじつけて回避してもムダ
表現方法について、いろいろと言い回しをしたり、こじつけたりして回避しようとしても、行政サイドの人間からすると、全てアウトということです。
言い回しの工夫としては、ダイエットには食事制限と運動が大切ですみたいな一般論を言っておいて、その運動に欠かせない栄養を補給するとかいって、ダイエットに結びつけようとするやり方がみられます。
ダイエットをこんなふうに訴求したら薬事的にどうなる?
例えば、次のような文をみてどう思うだろうか?
ダイエットには、食事制限と運動をして脂肪を燃焼させることがとても大切です。
○○(会社名)は、頑張り燃焼するあなたを応援します。
※※(商品名)は、エクササイズのお供、運動をする時、休憩時にお奨めです。
健康維持のためのスマートな選択に是非お試しください。
一行目は単なる一般論で商品に対してダイエット効果があるとは一言もいっておりません。
燃焼するあなたを応援するのは、会社として応援してるだけ。
燃焼するのも脂肪が燃焼してるとは一言も言っていませんよね。燃えるガッツという意味での燃焼です。
商品を使うのは、エクササイズや運動でエネルギーを消耗したときにその補給、休憩時に飲んでもいいんです。
疲れたときに飲むのは、医薬品や医薬部外品の滋養強壮ドリンクになってしまいますが、ここでは疲れた肉体疲労時とは一言も言っていません。
スマートな選択っていうのは、健康維持のための「賢い」選択といってるだけであって、ダイエットとは関係ありません。
健康維持のために、食事制限や運動をするのも賢い選択ですよというようにもとれます。
このように、論理的にしっかりとしたロジックをもって、日本語的に、文法的に違うだろ!と理路整然と説明できたとしても、「燃焼」だの、「スマート」だの、紛らわしい言葉を使うと消費者が誤認すると言われてしまえば、行政から指摘される対象にもなってしまいます。
もちろん、ここまで配慮して説明できるのであれば、直接法違反ということにはならないでしょうが、速やかにできるだけ早く、もっと誤認のないように改善しなさいという指導を受ける可能性だって、ゼロではないのです。
要は、消費者目線というものが大切だということになります。