数千年の昔から、エジプトやヨーロッパ、中国、韓国、日本などの世界各地で強壮食品や香辛料として利用されてきた「ニンニク」。古くから、台所の優等生として各種の料理に幅広く使われてきましたが、近年、健康ブームを背景にニンニク料理を好んで食べる人が増えてきました。独特の臭いを嫌う人もいますが、慣れるとその臭いまでもが美味しく感じられるものです。今回は研究活動を重ね、調べれば調べるほど、その優れた効用が明らかになっているニンニクを特集しました。
ニンニクの働き
ニンニクを食べ始めると、まず中枢神経の鎮静と安定に訴えながら、脂質代謝にも働きかけて血管を拡張し、血液循環を活発にします。血管内の疲労因子は徐々に取り除かれ、ストレスの随伴症状である神経性の便秘・下痢・肩こり・胃痛などが解消されます。
- 1. 循環器系
- 血行をよくして血管が詰まらないようにする。動脈硬化、高血圧、血栓症などの悪玉コレステロールの低下、血管強化・血行改善など。
- 2. 消化器系
- 消化器系の働きを正常にして、食欲を促進させる。消化・食欲促進と消化器障害の改善・予防、肝機能の促進(解毒、排泄、分解など)など。
- 3. 呼吸器系
- 酸素の供給と炭酸ガスの老廃物の排泄を活性化する。栄養素の吸収・運搬の円滑化を促進して代謝を活性化する。
- 4. 神経系統
- 自律神経の働きを正常化し、悪いストレスがかからないようにする。神経痛、更年期障害、ストレスなどの鎮静・安定など。
- 5. 筋肉系
- 筋肉の血行をよくして体を温める。
- 6. 皮膚系
- 細菌を殺し、皮膚細胞を活性化させる。美肌作用。水虫、痔などの外用効果。
- 7. 内分泌系
- 性腺ホルモンをはじめ、ホルモン分泌を促進したり、調整したりする。
- 8. 免疫系
- 自分の体に備わっている自然治癒力を高める。
- かぜ予防
- ニンニクは体を温める作用があります。その有効成分であるアリシン、スコルジニンなどには、血液循環をよくして、体を温める働きがあります。アリシンの殺菌・抗菌作用は非常に強力で、12万倍に薄めた液でもコレラ菌やチフス菌、赤痢菌などに対する抗菌力があるとの研究報告もあります。体を温め、強い殺菌作用によって自然治癒力が高まり、かぜをひきにくくなります。
- 血行改善
- アリチアミンは、血管の細胞の新陳代謝をよくし、若々しい弾力を保ち、さらにドロドロになった血液をきれいにする作用があります。血管自体の老化を防ぎ、血液もきれいにするので、その結果、血行がよくなり、いつまでも若々しい体が保てるのです。
- 糖代謝を促進
- ニンニクの主要成分であるアリシンがビタミンB1と結合することにより、多機能なアリチアミン(活性持続性ビタミン)に変質して、安定的な糖代謝を行います。
- ナトリウム対策
- ニンニクには、カリウムが非常に多く含まれています。カリウムはミネラルの一種で血液中のナトリウムを取り除き、血圧を正常に保つ働きがあり、高血圧を改善します。
- ストレス対策
- ストレスは中枢神経の不安定状態から引き起こされる症状。代謝は不活性となり、不眠症、神経性下痢などを誘発します。アリチアミンは、脳・中枢神経の異常興奮を抑えて抑制し、鎮静・安定化するとともに、整腸・保温効果を上げて、下痢・不眠を解消します。
- 疲労回復
- ニンニクは疲労回復に役立ちます。これはホルモン分泌を促すことも理由に挙げられます。私たちの疲労の1つはビタミンB群の不足が原因。B群が不足すると、エネルギー源になる糖質が充分に燃えないので、体がだるいなどの症状が出てきます。その疲労回復に効果があるのがニンニクです。
- 食欲促進効果
- ニンニクのアリシンが胃の粘膜を刺激し、胃液の分泌を促すので、消化を促進します。肉を食べる時に一緒に用いると、タンパク質を凝固させ、胃への刺激を和らげます。腸や肝臓にもよいです。ただし、生のニンニクを多量に食べれば刺激が強すぎて胃腸をこわすことも。
- 美容効果
- ニンニクには細胞活性作用があって、全身の細胞をイキイキとさせ、皮膚の老化を防ぎます。また血管を拡張して血行をよくし、皮膚の新陳代謝を活発にして、美肌を保ちます。
- 整腸作用
- ニンニクが整腸作用に効果を現わすのは腸内細菌に働きかけると同時に、体を温め血行を良くするため。一般的に慢性便秘や下痢の場合は腸内のビタミンB1を分解するアノイリナーゼ菌が増殖して、正常を保つバランスが不均衡となり、これが便秘や下痢の原因になっています。ニンニクを食べるとアノイリナーゼ菌の増殖を抑えるとともに、アリチアミンが腸壁を刺激して末梢血管を拡張して腸の蠕動運動を活発にします。
- 強壮効果
- アリチアミンは神経組織を刺激し、化学伝達物質アセチルコリンの分泌を盛んに促して、運動筋肉に興奮を伝える働きをすることから、ひいては強壮効果に役立ちます。また性腺ホルモンや成長ホルモンの産生を活性化し、生殖から体全体に関わる内分泌腺の分泌促進に作用することが分かってきました。
情報提供:(株)家庭薬新聞社
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