無添加石鹸は、グリセリン配合(保湿成分)の石けんを選ぼう
石けん成分グリセリンの利点と欠点
体内の中性脂肪にも含まれている成分「グリセリン」は水分を吸収する吸湿性に優れ、洗顔石鹸をはじめ化粧水や乳液といったスキンケア用品でも使われている、歴史ある保湿剤のひとつです。
植物油を原料にした液体成分としての「グリセリン」はアルコールの一種で、甘さのある味から食品添加物にも使われている成分で、石鹸成分もこのタイプとなります。
石鹸成分のグリセリンについて期待できる美容効果やメリット、デメリットについてまとめてみました。
グリセリンの美肌効果
水に溶けやすい性質のグリセリンは、何と言ってもその吸湿性を活用した保湿作用が特徴的です。
ただ水分を与えるだけの美容成分とは違い、水分を吸収&吸着する働きがあるため効果的な潤いケアに役立ってくれます。
そして、保湿剤の中でも重たいテクスチャーのグリセリンは、配合量の調整で、皮脂膜のような潤いのカバー力もあるため、乾燥肌や敏感肌のバリア機能をサポートする役割にも有効。
さらに、グリセリンは乾燥を防ぐだけでなく、皮膚を柔らかくする軟化作用もあるので、より効率的な保湿対策に活用することもできます。
水分と油分のバランスを整える潤いケアで、柔らかな肌作りに取り組めるグリセリンは、肌バリア機能の強化やターンオーバーの正常化といった美容効果に期待できるのです。
メリット
グリセリンは、潤い成分として役立つ保湿ケアの美容効果が一番のメリットと言えるでしょう。
保水力のある「ヒアルロン酸」や、水分を挟み込む「セラミド」といった保湿剤とは違い、水分を吸着する吸湿効果がグリセリン特徴です。
また、無添加石鹸や純石鹸の場合、グリセリンは追加配合するのではなく石鹸を作るときに自然発生する成分でもあります。
そのため、製造過程で除去せず残すようにすれば、グリセリン配合の石鹸に仕上がるため、余計な化学物質や添加剤を含めるリスクないのです。
(ただし、この製造方法は丁寧に作られた場合にしか残らないため、手作り石けん等ではグリセリンを加えて作り上げることもあります。)
そして、グリセリンの吸湿性は洗顔後のツッパリ感を抑えるのにも有効なため、使い心地や洗い上がりをメリットと感じる方も多いです。
さらに、赤ちゃんの保湿剤にも処方されるくらい刺激が少ない保湿成分のため、乾燥が原因の大人ニキビ肌や肌荒れ、肌トラブル中の人でも、安心して使える潤い成分なのも大きな魅力です。
デメリット
グリセリンのデメリットとしては洗顔石鹸の場合、固まりにくく柔らかい仕上がりになることです。
柔らかい石鹸を固いタイプと比較すると溶けやすいのはもちろん、つい泡立てる時に力を入れて形が崩れてしまえば、泡立ちが悪くなったり使いにくさを感じることもあります。
また、吸着性に優れて保湿ケアに役立つグリセリンのメリットが、乾燥を引き起こすデメリットになる場合もあります。
それは、高濃度なグリセリン配合商品になると肌に存在する水分まで吸着性が働いてしまい、乾燥を引き起こす恐れがあるため。
さらに、周りの水分を取り込む吸着性だからこそ、湿度も気温も低い季節によっては思うような保湿効果を得られないこともあるのです。
植物脂を始め、配合成分を追加することでデメリットを改善できますが、その分、洗浄作用や泡立ちが劣る場合も…。
洗顔は、肌表面の汚れをきちんと落とすのが役割のため、あくまでも保湿ケアはサポート的な立ち位置。
さらに、無添加石鹸にこだわれば余計な成分を含めないのも考え方のひとつなので、グリセリンのデメリットを受け入れる考え方も必要かもしれません。
洗顔石鹸で選びたい石けん製造方法
洗顔石鹸を選ぶ場合、石鹸作りによってグリセリンの有無が見極められるのを知っていましたか?
ここでは、油脂や脂肪酸といった製造方法の違いによる石鹸の種類や、グリセリンの配合について注目してみましょう。
石鹸は、化学反応を活用し洗浄成分でもある「石けん素地」を作り上げます。
鹸化法
窯焚き法やホットプロセス製法とも言われる「鹸化法」(けんかほう)は、牛脂やヤシ油など油脂、水と水酸化ナトリウムに熱を加え脂肪酸ナトリウム・脂肪酸カリウムなどへ化学反応させたものです。
鹸化させた後も成分を分離し、その作業を繰り返して作り上げるこの製法は、知識と経験をもった職人が1週間以上もの時間を必要とすることもあり、いわゆる「職人の手作り石鹸」と表現されることも。
そして、窯焚き法やホットプロセス製法の鹸化法では、グリセリンも自然と含まれている状態です。
その後、大量の食塩を使いより高純度な石けん分を析出する製造を「連続鹸化塩析(鹸化塩析法)」と呼びますが、これによりグリセリンも取り除かれてしまいます。
同じ鹸化法でも、窯焚き法やホットプロセス製法ならグリセリンが含まれていますが、連続鹸化塩析(鹸化塩析法)の場合、グリセリンは含まれていません。
また、同じ原料を使いながらも熱を加えずに、反応熱だけで鹸化させる冷製法、コールドプロセス製法があります。
冷製法も連続鹸化塩析(鹸化塩析法)も行われないため、不純物が残るため石鹸の純度としては劣るものの、グリセリンが含まれた石鹸となっています。
中和法
鹸化法とは違い、油脂を分解し脂肪酸だけを反応させる製造方法が「中和法」です。
油脂を脂肪酸とグリセリンに分解した後、その脂肪酸だけを抽出し、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムを使って中和させていくため、グリセリンは含まれていません。
鹸化法と比べると、時間をかけずに大量生産することも可能なので、比較的リーズナブルな化粧石けんや固形石鹸で使われている製造方法と言えるでしょう。
ちなみに、この方法で抽出されたグリセリンは、化粧品など別商品の添加に活用されることもあります。
洗顔石鹸で選びたい石けん成型方法
石けん素地が完成した後は、乾燥させて成型していくことで私たちにはお馴染みの固形石けんとなります。
この成型方法によっても、グリセリンの配合有無が変化する場合があります。
枠練り法
60%~70%程度の石鹸素地に対し、香料や着色料も加えることができるのが「枠練り法」の特徴と言えるでしょう。
添加物だけでなく、天然成分や植物性の美容成分を配合することもできるので無添加石けんでも枠練り製法は存在します。
成型方法は字の通り、大きな枠に流し込み時間をかけて乾燥させることにより固め、切断後もさらに水分を飛ばしていき石鹸を作り上げていくので、大量生産が難しく手間がかかるタイプです。
今では、溶けやすさや泡立ちの悪さを改善した乾燥方法もあるものの、さらにコストがかかるため高価な値段になることも…。
ですが、洗浄するだけでなく美肌へのアプローチが叶う成分配合の枠練り法は、スキンケアにこだわる方から選ばれている種類となっています。
枠練り製法の場合、乾燥させることで成分の不純物もそのまま残るため、グリセリンも含まれた石鹸です。
機械練り法
98%が石鹸素地になっている「機械練り法」は、洗顔石鹸の目的である洗浄に特化しているのが特徴的。
急速冷却させた石けん素地を細かく砕き、2%の追加成分と合わせて撹拌させた後、型打ちして成型していく方法です。
枠練り製法と比べると、時間をかけず大量生産できるためリーズナブルな価格で手に入りやすいのが魅力と言えるでしょう。
また、石けん素地の割合が大きいため泡立ちの良さや洗浄力の効果が高いのはもちろん、水分が少ないので見た目の美しさを楽しむことも可能。
とは言え、型崩れや溶けやすさといったデメリットに加え、乾燥方法によりグリセリンの有無も変わるため商品ごとに見極める必要があります。
真空加圧製法
従来の製法とは違う新しい製法としてアトピー肌や敏感肌、赤ちゃん、ペットなど肌が弱い方向けの石鹸に使われている技術が「真空圧製法」です。
熱や水を一切使わずに真空圧の力で固形石鹸に仕上げ、さらに高配合の食塩を含めることで添加物を使わずとも、殺菌効果と使い心地の良さを実現した製法となっています。
アトピー肌の方から、殺菌効果のある塩分が含まれた石鹸は注目されていたものの、ここまで塩分を含めると石けん素地と分離するため結果、余計な添加物を入れる必要があり“無添加石鹸”ではできませんでした。
この真空加圧製法なら添加物を使わないため、高濃度の食塩が含まれた無添加石鹸となっています。
熱や水を使わずに製造されている真空加圧製法も、取り除く工程はないためグリセリンを含んだ仕上がりです。
まとめ:グリセリン配合の見極めは難しい?
グリセリンがもたらす肌へのアプローチや石鹸成分としてのメリット、デメリットを知ると、グリセリン配合の無添加石鹸がおすすめされるのも頷けるのではないでしょうか?
ただし、石けん製造や成型方法によってはグリセリンの有無がわかるのもあれば、商品ごとに見極めなければいけない難しさもあります。
あくまでもグリセリンは洗顔前後の保湿対策として役立つので、その後のスキンケア用品でのケアも必要ですが、肌質によってはこだわって選ぶのが良いでしょう。
洗浄力や美肌ケアなど、洗顔の目的にあわせて自分に合った無添加石鹸を選んでいきましょう!
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