• 2016/9/12 05:00:18

ミルクフォーム、牛乳の泡を科学する

先週は卵の泡立て勉強しましたが、今回は牛乳の泡立てを考えます。泡立てた牛乳はカプチーノでお馴染み。ちまたには「乳脂肪分が高いほうがいい」「いやノンホモだ」「低脂肪牛乳が泡立つ」などと諸説入り乱れておりますが、科学的に理解することで、失敗を減らすことができます。

まずは分子料理学の虎の巻「マギーキッチンサイエンス」を引いてみましょう。

牛乳が泡立つのはタンパク質によるもので、空気のまわりに薄層を形成して気泡が分離し、水の強い凝集力によって泡が潰れるのを防ぐ。

まず鍵を握るのがタンパク質であることを理解しましょう。タンパク質が添加されている低脂肪牛乳は比較的泡立ちが容易なのはそのためです。ただし、風味は脂肪分が含まれたミルクのほうが良いので、そのあたりは用途によって選択します。ホモジナイズとノンホモジナイズでは味はほとんど変わりません。

実際につくりながら考えていきましょう。生クリームの泡は脂肪によって安定しますが、牛乳の泡はそれとは違い原理的には卵を泡立てるのと同じです。

エスプレッソマシーンに付属したスチームノズルがあれば便利ですがない場合の選択肢は大きく二つ。バーミックスなどの卓上型のミキサーか100円均一なので売られているラテフォーマーです。

そのまま泡立ててもいいのですが、牛乳は少し温めたほうが泡立ちやすいです。40度〜45度の牛乳を泡立てていきます。

かなり泡立たってきました。この状態ではまだ泡は安定していません。そこで電子レンジで30秒から1分加熱します。

牛乳を加熱することによって乳清タンパク質が凝固し、泡が安定します。また冷たいミルクの泡が欲しければ牛乳の温度は5度がもっとも泡立ちやすい温度と言われています。しかし、冷たい状態では泡は安定しません。タンパク質が凝固しないからです。

出来上がり。しっかりとした泡ができています。タンパク質の凝固を利用しているので、一度加熱してしまった牛乳は二度は泡立てに使えません。この部分頭に入れておきましょう。

機械がなくてもペットボトルでも泡立てることができます。同じように泡だてと加熱を別に行う方法です。ペットボトルに牛乳を入れ、振ります。

十分に泡だったら電子レンジにかけて加熱します。

それなりに安定した泡ができます。

ミルクの泡は料理にも使います。150ccの牛乳に35gの小さく切ったベーコンを加え、温めます。この時も温度に注意して、決して70度を越さないようにします。(乳清タンパク質の凝固温度は72度以上です)タンパク質が固まってしまったら泡立ちが悪くなります。火を止めて、ベーコンの味と香りを牛乳に移します。

ベーコンをとり出し、弱火にかけながら牛乳を温めていきます。70度で泡立て作業を続けるのが一番効率的に泡ができます。この時、フォーマーは境界面で使うのがポイント。

80度くらいになりました。泡は完全に安定しています。

写真は蒸かしたじゃが芋にかけた状態です。こうしてできたベーコン風味の泡はスープに載せてカプチーノ仕立てに、と便利に使うことができます。泡立て系のソースをつくる時もこのタンパク質の凝固を頭に入れておくと、慌てずに済みます。様々な料理を考えてみましょう。

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