風邪を引くとニキビができたり肌荒れが起きたりするワケ

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気候の変化に体がついていけず、風邪をこじらせたことがあります。そのときに気付いたのは、「ニキビが増えた」「肌が赤っぽくなってかゆい」ということです。普段は気にならなかったトラブルが、いきなり勃発したのですね。

そこで当方が思ったのは、「風邪を引くと肌のコンディションが悪くなるのかもしれない」ということ。ほかにも現象があって、洗顔後に顔がパリパリするとか、化粧水が妙に気持ち良いとか、いつも感じないことが感じられるようになりました。風邪が治ると、いつもの状態に戻りました。

そこで今回、当方と同じような経験をした(している)方もいると思ったので、風邪とニキビ・肌荒れについてのお話をお伝えします。原因、対策などご紹介するので、少し長くなりますが是非参考にしてみてくださいね。

主な原因は、免疫力の低下

風邪というのは、主にウイルスが体内に侵入することで、各部に炎症を来している症状のことをいいます。鼻に来れば鼻炎や鼻づまり、ノドなら咽頭痛や咳、耳なら中耳炎や内耳炎、胃なら吐き気、腸なら下痢・・・といった具合ですね。

ウイルス性でなくても、単なる体調の乱れで起きる症状を風邪という場合もありますし、細菌性やアレルギー性のものも風邪と呼ぶことがありますね。時と場合、地域性などによって変わってくるかと思います。

いずれにしても、体のコンディションが乱れ、免疫力が低下しているがために引き起こってしまっている可能性が大きいでしょう。

「風邪⇒免疫力低下」というより「免疫力低下⇒風邪」

風邪を引いているときは、たしかに体は弱っていて、ウイルスなどの敵と一生懸命に闘います。

しかし、風邪を引くということは、先に「免疫力低下」が起きているからこそでしょう。体が弱り、ウイルスを寄せ付けてしまったというわけです。

気候の変化、低体温や冷え、ストレスや疲れ、寝不足、栄養バランスの乱れなどの様々な要因が絡んで体調を崩し、免疫力が低下します。すると、普段は自然な防御反応で追いやることのできたウイルスも、ものの見事に襲来してきてしまうのです。

ニキビ・肌荒れは、やはり免疫力低下の影響

ニキビや肌荒れは肌の風邪のようなものです。体の免疫が低下して肌の防御反応が鈍くなると、アクネ菌やその他の雑菌が襲来してきます。その図式は、まるで風邪と似ていますね。

ただ、赤ニキビ(炎症ニキビ)の大きな要因であるアクネ菌は、毛穴に残っている皮脂を狙ってやって来ます。なぜなら、それがエサだからです。つまり、毛穴の環境が悪いと、それだけでアクネ菌に食われる率は高くなるのです。

皮脂が大好きなのはアクネ菌だけではありません。皮膚の常在菌は無数にいます。日頃は、善玉菌や悪玉菌のバランスがうまく保たれていますが、免疫力が低下することでアンバランスとなり、トラブルが引き起こされやすくなります。

体調不良による代謝の乱れも

免疫力の低下だけでなく、体調不良による代謝の乱れも、ニキビや肌荒れといったトラブルを引き起こす原因といえます。肌のターンオーバーや自浄作用が低下し、毛穴の汚れを自然排出しにくくなるのです。

そうなれば、皮脂や老廃物が皮膚に残留しやすくなり、その分アクネ菌などに狙われる可能性が高まってしまうのです。ほか、ターンオーバーが乱れることでキメも粗くなりがち。風邪の症状が長引くほど、肌も元気を失ってしまうと考えられます。

さらには、「敏感肌」(弱った状態の肌)に陥ってしまうこともあり、そうなると紫外線を浴びるとすぐにヒリヒリしたり、空気乾燥や微細なチリなどの刺激によってすぐに赤みやかゆみが生じたりすることがあります。

気候の変化が激しい時期に敏感肌になってしまう女性は多いですが、それは上記の理由もひとつあるように思いますね。

 歳を重ねて老化が進むと、それだけで体調は悪くなりやすい。女性なら、ホルモンバランスが乱れやすくなったりすることも多く、それがニキビや肌荒れの原因のひとつともなる。老化は人間の宿命なので、ある意味仕方がない。しかし、もしかするとライフスタイルにも要因があるかもしれないので、一度見直してみよう。

生じてしまったときの対処法

風邪によるニキビや肌荒れが生じてしまった場合の主な対処法は以下のとおりです。

  • ニキビは絶対に潰さず、放置する
  • いつも以上に丁寧にスキンケアをする
  • メイクは控え気味にする
  • 早いところ風邪を治す

風邪による一時的なものである可能性が高いので、とりあえずこの4つにしておきました。では、ひとつずつ解説していきましょう。

ニキビは絶対に潰さず、放置する

ニキビを潰すと、さらに炎症が広がってしまいます。その後、酷いと膿んで黄色いニキビになってしまったり、最悪の場合は紫ニキビ(結節性ニキビ)になってしまうこともあります。そうなれば取り返しがつきにくくなります。

できてしまった風邪ニキビは、基本的に放置。「風邪が治ればニキビも治るさ」と、大きく構えていればよいでしょう。ただ、症状が気になる場合や、なかなか引いてくれない場合は皮膚科で診てもらうようにしましょう。

いつも以上に丁寧にスキンケアをする

ニキビや肌荒れには、なるべく刺激を与えたくないものです。洗顔、保湿などのスキンケアは、いつも以上に丁寧にやりたいところですね。

洗顔料は低刺激性のものを使っていきます。保湿成分が配合されているなら、それがおすすめですね。風邪のときは、あまりにサッパリしすぎる物を使うと、洗顔後に肌がカサカサしたりつっぱる感じがしてしまうかもしれません。イコール、乾燥肌や肌荒れになることがある、ということです。

また、保湿も、低刺激性のもので優しく行っていきましょう。もしニキビ予防用の薬用化粧品などがすでに家にあって家族が使っているなら、ちょっとばかり借りてみるというのも良いかもしれませんね。

メイクは控え気味にする

メイクも肌に負担になる傾向にあります。特に毛穴を塞ぐという行為は、肌の環境を悪くしやすく、またクレンジングも念入りにやらなければならなくなって、肌には都合が良いとは言えません。

ただ、女性の多くはメイクなしには生活できませんね。だって、まわりのどの女性よりも自分のほうが美しく輝いていたいはずですもの。一歩でも家から出れば、そこは戦場です。

そのため、いつもより軽めのメイクで工夫してみるとか、多少高くても肌に優しいタイプを使うとかしたほうが良いでしょう。むろん、物は価格だけでは推し量れませんので、日頃から良質なものを探す癖を付けておくことが肝心かと思います。

早いところ風邪を治す

やはり、風邪を治すことが一番でしょう。風邪が治れば免疫力や体調も元通りになります(ただ、場合によっては、風邪が引き金となって体調が優れない状態に陥ってしまうこともありますが)。

何より健康第一ですね。当方も、風邪が治った途端にニキビが消えたということは、一度や二度ではありません。特別なケアをしていなくても、治ればおのずと消えていたのです。

風邪は引き始めに始末せよ

ここで、風邪を早く治すための方法をお伝えしましょう。「絶対に治るよ!」と豪語することはできませんが、当方が試したところ非常に効果的だった方法です。

ただ、ここでは入院が必要なほどの風邪ではなく、「ごく一般的な風邪の引き始め」や「軽い症状」を対象とします。

  • ある程度、体を動かす
     (ただし、場合によってはNG)
  • 温浴効果のある入浴剤を溶かした風呂につかる
     (ただし、場合によってはNG)
  • あたたかい飲み物を飲む
     (ただし、場合によっては冷たい飲み物を)
  • 栄養バランスの良い食事をする
     (ただし、場合によってはNG)
  • 首元をあたため、しっかりと睡眠をとる
  • 音や光をシャットアウトする

では、ひとつずつ解説していきましょう。

ある程度、体を動かす

当方の父は、ちょっとでも風邪を引くとすぐに寝込みます。たしかに、風邪を引いて体がだるくて仕方がないときがあるし、熱があれば安静にしているのが良いでしょう。でも父は、ちょっとノドが痛いだけでも寝込みます。

しかし、体を動かさないと血行が滞り、めぐりが悪くなります。当方は「お、これは風邪にかかったゾ」と思ったときは、あえて体を動かしにウォーキングに出たり長い買い物をしたりします。

ただ、症状や年齢といったものも関係しているので、必ずしも動けば良いとは限りません。動いても体調が悪くなった場合は、時既に遅しです。「もうウイルスに侵されてしまいました」という結果です。

基本的には、引き始めのときや症状が軽いときは動くことによって、血流が良くなって体温も上がり、体の殺ウイルス反応をサポートすることができるように思います。

温浴効果のある薬用入浴剤を溶かした風呂につかる

「風邪を引いたら風呂は入ってはダメ」と、父も祖母も考えていましたが、看護師である母は逆のことを言っていました。「風邪の引き始めや軽い症状のときは、むしろ熱い風呂に入ったほうが早く治るよ」と。それでよく夫婦で揉めていましたし、今でもたまに揉めています(笑)

母の意見は正しいと思っています。当方が実際に試したところ、翌日にはパーッと症状が良くなっていたからです。

それは晩秋の寒い頃でした。温浴効果のある薬用入浴剤を43度のお湯に溶かし、そこに5分ほど浸かりました。すると不思議と、それまで感じていた悪寒のようなものが消え、睡眠時まで体の芯からポカポカ。翌朝もあたたかく、ノドの違和感も緩和されていました。

これも、症状やケースによっては逆効果となることもあるかもしれないので注意が必要ですが、基本的には、体をあたためるというのが功を奏すのだと思いますね。

 風呂に入る前後には水分補給を忘れずに。脱水症状になってしまったら逆効果となりうる。風邪を引いたときこそ、いつも以上に水分が大切だ。

あたたかい飲み物を飲む

風邪を引いてノドが痛くなってくると、どうもあたたかい飲み物よりは冷たい飲み物のほうが心地が良いですよね。しかし、冷たい飲み物はノドの血行を悪くしやすい上、胃腸を冷やしてしまう原因にもなります。

あたたかい飲み物をゆっくりと飲むようにしてみてください。体の内側からポカポカしてくるはずです。ノドも血行が良くなり、痛みが和らぐことがあります。ノドの血行が良いと、声帯にも負担がかかりにくいですしね。

ただ、急激に風邪の症状が出て熱が高くなった場合は、脱水症状になってしまうこともあります。そして夏なんかは、余計に水分が出て行ってしまいますよね。そのため、体を冷やしたり水分補給を急いだりする場合は、少々冷たい常温の水を飲むようにしましょう。

栄養バランスの良い食事をする

栄養の偏りがないか、再確認してみましょう。栄養が偏れば免疫力も低下しやすく、また体の機能を正常に保つためにもよろしくありません。体は全て栄養や水分から作られています。生命を維持するためには食べ物は不可欠ですよね。

風邪を引いたときも、なるべく健康的な食事をすることで、早く治ることがあります。当方の場合は、風邪の引き始めは妙にお腹が空きます。やはり人間の本能なのでしょうか。

ただ、胃腸風邪などの場合は食べないほうが良いこともあります。胃腸が炎症していると、異物としてみなされて吐き気・嘔吐・脱水につながってしまいますので、病院で点滴を受け、症状に応じた薬を処方してもらうのが良いでしょう。

首元をあたため、しっかりと睡眠をとる

首には頸動脈(けいどうみゃく)が走っています。頸動脈とは、鉄道でいう本線のようなもの。非常に重要な血管です。

首元をあたためることで頸動脈をあたためることができ、体全体の血行促進につながります。冬に薄着で過ごしていても、首元だけをあたためたらとてもポカポカしますね。それだけ頸動脈をあたためることは効果的なのです。

夜は、是非首元をあたためて睡眠をとってみましょう。睡眠も、いつもより多めにとります。忙しい方だとなかなか難しいかもしれませんが、スマホやPCは触らず、夜はすぐに眠るようにしましょう。

音や光をシャットアウトする

音や光というのは、思いのほかうっとうしいものですよね。

音がするとリラックスできません。それに実は、自分自身が喋っていなくても、音を聞いただけで声帯は反応し、発声という労力を使っていることになるそうです。つまり、無駄なパワー浪費です。

また、光はもっと厄介で、光に含まれるブルーライトという成分は、脳を覚醒させてしまうといった研究結果もあるようです。白い光にも必ず含まれていて、当然、蛍光灯、スマートフォン、フィーチャーフォン、PC、ゲームといったものからも放出されています。

風邪を引いてしまったときの夜は、静かに、そして暗い中で安静に。弛緩とリラックスを司る「副交感神経」を安定させてあげましょう。そうすることで睡眠の質が高まり、風邪も撃退しやすくなります。

風邪も肌トラブルも健康バロメーター

風邪であろうが肌トラブルであろうが、一緒です。体の健康度が落ちれば風邪を引きやすくなります。体の健康度が落ちて肌の健康度も落ちれば、そこでニキビや肌荒れが生じたりするわけです。

また、風邪を引いていなくても、ニキビや肌荒れが生じてしまった場合は、もしかしたらこれから風邪の症状が現れるかもしれないし、「実は内臓の病気・不調を抱えている」といったことも考えられます。それについては「ニキビの有無は内臓の健康バロメーターでもある!」の記事で詳しく述べています。

いずれにしても、ニキビができたらきちんと対処をしましょう。今回お伝えした対処法をもう一度挙げておきますね。

  • ニキビは絶対に潰さず、放置する
  • いつも以上に丁寧にスキンケアをする
  • メイクは控え気味にする
  • 早いところ風邪を治す

別の要因でニキビができている可能性も考えられますが、まずは正しく対処し、それ以上ニキビを悪化させないことが肝心ですね。それと並行して、風邪を治したり病気を改善していったりしましょう!健康と多幸をお祈りします。

 【現在体調が悪い方へ】

気分が優れない中、ここまでお読みくださりありがとうございました。今回お伝えしたのはあくまで当方の持論です。時と場合によっては変わってくることもあるでしょう。風邪が悪化した場合は、薬や病院に頼ることも視野に入れておきましょう。医師にツラさを話すだけでも、気分が良くなることがありますからね。