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『ロキソニン』と『セレコックス』、同じ鎮痛薬の違いは?~速効性と持続性、COX-1・COX-2と副作用の関係

回答:速く効く『ロキソニン』、長く効いて胃にも優しい『セレコックス』

回答の根拠①:鎮痛効果の強弱と、速効性・持続性の比較

 『ロキソニン』と『セレコックス』の鎮痛効果の強さは同じ程度で、大差ありません1)。

 1) Cochrane Database Syst Rev.(3):CD007357,(2009) PMID:19588426

 こうした場合には、効果が長続きする『セレコックス』が適しています。
 実際、『ロキソニン』を1日3回で服用するよりも、『セレコックス』を1日2回で服用する方が鎮痛効果は長続きし、特に夜間の痛みに対してより効果的であることが報告されています2)。

 2) Mod Rheumatol.24(1):144-9,(2014) PMID:24261771

 

回答の根拠②:「COX-1」と「COX-2」の違いと、胃粘膜への副作用

 『ロキソニン』と『セレコックス』は、どちらも酵素「シクロオキシゲナーゼ(COX)」を阻害することで炎症・痛み・発熱を和らげる薬です。

 この「COX」には、似た構造の「COX-1」と「COX-2」という2つのサブタイプが存在しています。

 一方、『セレコックス』は「COX-2」だけを阻害します3)。そのため、胃粘膜への副作用は少ないまま、鎮痛効果を発揮することができます。
 実際、薬を2週間使った場合の胃・十二指腸潰瘍の発症率を比較すると、『ロキソニン』の27.6%に対し、『セレコックス』では1.4%と、『セレコックス』の胃への副作用はかなり少なかったことが報告されています4)。

 3) セレコックス錠 添付文書
 4) Aliment Pharmacol Ther.37(3):346-54,(2013) PMID:
23216412

「アスピリン喘息」に対する、『セレコックス』の安全性

 「アスピリン喘息」は解熱鎮痛薬が原因で起こるアレルギーですが、主に「COX-1」が関与していることがわかっています。そのため、「COX-1」阻害作用の少ない『セレコックス』は、常用量であれば安全に投与できることが確認されています5)。

 5) 日本アレルギー学会 「喘息予防・管理ガイドライン」 (2015)

 「アスピリン喘息」では、使用できる鎮痛薬が極めて少数に限られてしまいます。こうした人にとって『セレコックス』は、一つの選択肢として大きな意味を持っています。
 ただし、添付文書上は「禁忌」に指定されていることや、常用量を超えた場合の安全性は確認されていないことに注意が必要です。 

薬剤師としてのアドバイス:改良されている分、値段も高い『セレコックス』

 『ロキソニン』は速く効く反面、間隔があくと効き目が切れてしまったり、副作用で胃を荒らしやすかったりといった弱点があります。
 こうした弱点は、1日中痛みが続くような場合や、何ヶ月も続けて薬を飲まなければいけないような場合には、患者のQOL(Quality of Life:生活の質)を大きく下げてしまう恐れがあります。

 『セレコックス』はこうした『ロキソニン』の弱点を改良した薬ですが、その分値段も高価で、まだジェネリック(後発)医薬品もありません。

 『ロキソニン』でも副作用の心配がなく、また十分に安定した効果が得られる場合には、敢えて高価な薬に手を出す必要もありません。値段とも相談しながら良い治療を行うことをお勧めします。

ポイントのまとめ

1. 速さは『ロキソニン』、長さは『セレコックス』が優れる
2. 『セレコックス』は、『ロキソニン』よりも胃にやさしい
3. 『セレコックス』は、常用量であれば「アスピリン喘息」でも使える

添付文書、インタビューフォーム記載内容の比較

◆適応症
ロキソニン:鎮痛・消炎・解熱
セレコックス:鎮痛・消炎

◆用法
ロキソニン:1日3回、もしくは頓服
セレコックス:1日2回

◆半減期(t1/2)
ロキソニン:1.31時間
セレコックス:7~8時間

ロキソニン:禁忌
セレコックス:禁忌

◆錠剤の種類
ロキソニン:60mgのみ
セレコックス:100mgと200mgの2種類

◆製造販売元
ロキソニン:第一三共
セレコックス:アステラス製薬

+αの情報①:ニューキノロン系の抗生物質との相互作用

 6) J Pharmacol.507(1-3):69-76,(2005) PMID:15659296

 

+αの情報②:心血管系障害の副作用

 『セレコックス』など「COX-2」に作用する薬を長期で使い続けていると、心筋梗塞や脳梗塞といった血栓塞栓症のリスクが高まることが報告され、添付文書にも注意書きがあります3)。

 しかし、こうした心血管系のリスクは『ロキソニン』など他のNSAIDsにも確認されており7)、『セレコックス』の安全性は『ブルフェン(一般名:イブプロフェン)』などと変わらないとする報告もあります8)。

 7) BMJ.332(7553):1302-8,(2006) PMID:16740558
 8) N Engl J Med.375(26):2519-29,(2016) PMID:27959716

 つまり、心血管系障害の副作用は『セレコックス』特有のものではなく、NSAIDs全般で注意すべき副作用であると言えます。

+αの情報③:大腸がんの予防効果

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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