背中や胸のニキビがなかなか治らない、なんてことはありませんか?
もしかしたらマラセチア毛包炎かもしれません。
ニキビとよく似ているマラセチア毛包炎は何が違うのか、どんな症状なのかを紹介します。
マラセチア毛包炎とニキビの違い
マラセチア毛包炎は見た目は通常のニキビによく似ていて、背中と胸の上部、デコルテによくできます。 肩、頭、上腕、側腹部さらには顔面にも発生します。通常のニキビができやすい場所とはやや違う部位にできることもあります。
マラセチア属真菌は皮膚の常在真菌なので、常に全身に分布していることが判明しています。特に頭部、顔面、胸部、背部には多いのです。
マラセチア毛包炎は、高温多湿や多汗、さらには衣類や油脂で毛穴が覆われることでマラセチアが毛穴で増殖して発生します。
またステロイドや抗生物質の使用によって、通常であれば問題ないはずのマラセチアが増殖することがあります。
ですがマラセチア毛包炎のはっきりとした発生のメカニズムや因果関係は残念ながらまだ解明はしていません。
マラセチア毛包炎のその他の特徴のひとつは、かゆみがあることです。かゆみを感じるのであればマラセチアかもしれませんよ。
マラセチア毛包炎の多くは春から夏にかけて発症し、日光浴後や日焼け後に発症することも知られています。
例えばフィリピンでの皮膚科受診患者のうち16%がマラセチアという報告もあり、熱帯地方では発症が極めて高い疾患だということがわかりますね。
マラセチア毛包炎とニキビの見分け方
ブツブツのひとつひとつの形はドーム状の赤いできものです。これが膿むこともありますが、通常のニキビとは違って角栓はほとんどみられません。角栓がないことが異なる点と言われていますが、医師でも見ただけではマラセチア毛包炎とニキビとの見分けは難しいです。
ただマラセチア毛包炎は数十個が一箇所にできることが多く、ニキビは2~3個できるというのが一般的です。
マラセチア毛包炎によく似た疾患としては、他の真菌・細菌による毛包炎、通常のニキビやステロイドニキビがあります。
マラセチア毛包炎は患部を顕微鏡で直接確認して毛包内の胞子を検出することで、他の疾患との鑑別ができます。つまり顕微鏡で調べてもらわない限りはマラセチアかどうかは診断できないとも言えますね。
マラセチア毛包炎は本来は数回の生検が必要とされますが、実際の外来診療では一度調べてもらうことすらしてもらえない皮膚科も多いですし、患者からも頼みづらいです。
あなたがもしマラセチアを疑っているなら、顕微鏡で菌を観察してもらえる皮膚科を探して診断してもらいましょう。
マラセチア毛包炎はうつる?
マラセチア毛包炎の原因は皮膚の常在真菌であるマラセチアです。
つまり誰もがすでに持っているものです。これが増殖するかしないかの問題なので、感染するということはありません。
マラセチアの増殖はその人の皮膚の環境によりますので、うつるものではないと認識しておきましょう。
お風呂や温泉などに一緒に入っても問題はありません。
マラセチア毛包炎の薬の市販
マラセチア毛包炎はマラセチアという真菌(=カビ)が原因です。
つまりマラセチア毛包炎の治療は、マラセチア菌に対する外用抗真菌薬または内服抗真菌薬が必要になります。
抗真菌薬の外用のみで治癒するケースも多いので、まず外用抗真菌薬で治療し、効果が得られない症例に対してはイトラコナゾールで内服治療するのが一般的です。外用薬はあまり即効性はなく、1日2回を1~2か月ほど塗り続けることが必要です。
マラセチア毛包炎の市販薬としてはニゾラールやラシミールなどを海外から取り寄せるしかありません。ただ副作用の危険もありますし、皮膚科で処方してもらった方が日数もかからず、値段も安くすみます。診療費はかかりますけどね。
マラセチアは皮膚の常在真菌なので、しばしば再発します。再発防止には衣類や住環境などに気をつけることが大切ですが、再発を完全に防止するのは難しいとされています。
マラセチアにニキビの薬
一般的なニキビ薬はアクネ菌を減らすものです。アクネ菌を減らすことでマラセチアが増殖することがあり、マラセチア毛包炎が悪化することがあります。
市販薬も含め、ニキビの薬で改善しない場合はマラセチア毛包炎を疑いましょう。
マラセチア毛包炎とニキビの違いのまとめ
見た目は似ていてわかりにくくても原因が違うマラセチア毛包炎とニキビ。
- かゆみのある赤いブツブツが首や背中などに出てきた
- 二キビに対する通常の治療をしても全く効果がない
- 暑い季節や日焼けの後に急に赤いポツポツが出てきた
- 通常の二キビとはできる場所がやや違う
このような状況になったらマラセチア毛包炎を疑いましょう。