ヒゲだけに関わらず毛を抜こと自体良くないと言われています。私自身も毛抜きには一定のリスクがあるためなるべくしない方が良いと思います。
しかし実際のところリスクがあるとわかっていても抜いてしまうのではないでしょうか。太いヒゲが一本だけやけに目立っていれば抜いてしまった方が楽です。
正直なところ私も毛はガンガン抜く方です。特にヒゲと眉毛はよく抜きます。もちろん抜くからにはリスクが伴うことも承知の上で処理しています。なので毛抜きに関してはできればしない方が良いと思いつつもその処理を行うのは仕方ないことなのかなと思っています。
では毛を抜くことで起こり得る症状はどのようなものがあるでしょうか。そしてそれを防ぐためのケア方法などをご紹介します。
また毛抜きの際にできるだけ痛くならないおすすめのやり方も見ていきます。
毛を抜くとどうなるか
うまく毛球から全て毛が抜けたとするとその瞬間から毛穴には「毛」自体がなくなります。
しかし毛はヒトの皮膚にある感覚神経に外部からの刺激を伝えやすくするために存在しおり、これがなくなると本来持っている触覚能力が低下してしまうので毛穴の中にある毛乳頭が「やばいぞ、新しく毛を作ろう!」と命令を出します。
すると毛乳頭から毛がつくられてそれは毛穴を目指して成長していくというのが毛のメカニズムでした。
そして、毛抜きによってできるニキビや炎症はそのように新たな毛が生成させる前段階であることがほとんどです。
毛穴と皮脂
毛が抜けた直後を絵にしてみるとこんな感じです。場合によっては毛乳頭まで一緒に取れてしまって出血することもありますが、狙って毛乳頭ごと取る方法は知りません。
毛乳頭は新たな毛を作る指令を出すと先ほど言いました。そして絵の中にもう一つ「皮脂腺」と書いています。実はこの皮脂腺が毛抜き後のニキビ、炎症と大きく関わっています。
皮脂腺は割と馴染みのある器官でここで皮脂、つまり脂が作られます。
この皮脂はよく邪魔者扱いされますが本来はお肌を外敵から守り綺麗に保つための超重要な役割を担っています。
ヒトの肌の一番外側は皮膚ではなく皮脂膜という非常に薄い膜があります。そして内側に私たちが皮膚と呼んでいる表皮、真皮があります(まあ細かい名前はどうでもいいです)。
ヒトの体温は基本的に35~36℃を保っているので水分が常にこの温度にさらされると蒸発してしまいます。肌に含まれる水分がそうならないようにカバーしてくれているのは実はこの皮脂膜なのです。
つまり皮脂膜がなくなるとお肌の水分が保てず乾燥肌になり、同時に乾燥した肌(毛穴)へ雑菌の侵入を容易にしてしまいます。なので邪魔者どころかめちゃくちゃ重要なものです。
そして、この皮脂膜の成分である皮脂を作っているのが毛穴にある皮脂腺です。ここで作られた皮脂が毛穴に向かって押し出されて、これが周りの毛穴から出た皮脂とつながり皮脂膜になります。
アクネ菌
さて、毛抜き後の毛穴に戻って皮脂を考えてみましょう
もちろん毛穴に毛がある状態でも皮脂は分泌されていますが、普段は毛と皮脂のおかげで毛穴はふさがっている状態です。
通常であればこの合間を縫って菌が侵入することは難しくそれゆえ毛穴で炎症を起こしたりということはあまりありません。
しかし毛を抜いてしまうとどうでしょうか。
ヒトの皮膚に常在しているアクネ菌は他の雑菌から肌を守ったり潤いを保つよう働いてくれています。もともとは美しさを保つために存在する良い菌なのですね。
アクネ菌は分泌された皮脂を食べて脂肪酸とグリセリンに分解します。この脂肪酸とグリセリンこそが先ほど上げた「皮脂膜」の成分なのです(他にリン脂質やコレステロールなどがあります)。
ここまで順番が前後しましたが、つまり皮脂腺で皮脂が分泌され毛穴から出てきたそれをアクネ菌が食べて脂肪酸とグリセリンに分解し、これが皮脂膜になってお肌を守っているということです。
本来ヒトの肌を守ってくれているアクネ菌ですがその性質上乾燥した場所や酸素を嫌い、逆に湿った場所を好みます。なのでぽっかりと開いて皮脂が分泌されている毛穴はアクネ菌にとって非常に好都合な場所です。
しかしそうなってしまうと今度は善玉だったアクネ菌が悪玉と化します。
毛穴に入ったアクネ菌は皮脂腺から出る皮脂を直接食べて分解しその場で皮脂膜の基となるグリセリンと脂肪酸作り出します。
画像では右側の薄いクリーム色部分がそれですが、これがよく耳にする「白ニキビ」の正体です。本来はアクネ菌から細菌性リパーゼなど色々とややこしい名前を挙げないといけないのですがここではニキビの詳細を見るわけではないので割愛します。
要は毛を抜くことでアクネ菌が入りやすくなりニキビを作ってしまうのです。
最終的には老廃物や汚れ、洗顔料やシャンプーなどのすすぎ残しなどが毛穴にたまって蓋をしてしまいます。ちなみに白ニキビは潰したほうが良いとされています。
白ニキビと炎症
まず白ニキビと炎症は具体的に何が違うのか確認しておきましょう。
- 白ニキビ:アクネ菌や汚れなどによる症状で、比較的皮膚の浅い部分で起こる。
- 炎症:身体に有害な異物の侵入・発生を防ぐための反応で、防御センサーのようなもの。赤ニキビは炎症で比較的皮膚の深い位置で起こり腫れ上がる。
あまり難しく考えず白ニキビは皮膚表面の浅い位置にできるもので、炎症(特に赤ニキビ)は皮膚の深い位置にできておりるものという具合です。
白ニキビは放っておくと治ることもありますし、黒ニキビ・赤ニキビへと症状がひどくなることもあります。どうなるかはあなたの生活習慣や肌の免疫力によるので何とも言えません。
放っておいて治ればいいですが心配なのは治らずにひどくなってしまう時です。
赤ニキビは皮膚の深い位置で炎症を起こしていることから中に貯まった脂を出すことが困難ですし、外から治療用クリームを塗ってもなかなか届きません。また治ったとしてもその痕が残ってしまうので非常に厄介なものなのです。
毛抜きをしてすぐに赤ニキビ(炎症)が出来てしまった場合は仕方ないですが、白ニキビができたのなら潰してしまうのが一番です。
もしも赤ニキビが出来てしまった時は触らずに皮膚科で見てもらいましょう。
白ニキビの潰し方
潰し方としては針やピンセット、コメドプッシャーを使う方法があります。簡単に潰し方を説明しておきます。
- 用意するもの:ティッシュ、消毒液、コメドプッシャー等の用具(あれば)
- 手や用具、ニキビ付近をキレイに洗う
- 針やピンセットでニキビ表面だけを潰す
- コメドプッシャーの穴部分で白ニキビを絞り出す
- 清潔なティッシュでニキビ、出血していれば血をふき取る
- 消毒液で潰した部分を消毒する
- あとは放っておく
オロナインは赤ニキビには効きますが白ニキビにはその油分が栄養となり余計に大きくなってしまいますので注意しましょう。
コメドプッシャーは男性にはあまり馴染みのない用具なので持っている方は少ないかもしれません。薬局や通販で簡単に買えるので一つくらいは持っておくといいでしょう。もしかしたら百均にも売っているかもしれません。
使い方としてはコメドプッシャーの輪の部分をニキビに当てて脂を絞り出す形です。先がロウトの形になっているものもありますのでお好みで選んでください。
あまり潰して絞り出すことを繰り返すと痕が残ることがありますので白く濁った脂がもう出てこないなと思ったら消毒しましょう。ただし毛抜きをした翌日も髭剃りをする時はその部分が当たると思うので完全に治るまでは毎日消毒した方が良いでしょう(逆に頻繁に消毒しすぎると治りが遅くなるので朝晩の2回程度で問題ありません)。
ヒゲを剃って洗い流し一番最初に消毒するようにしてください。また出来れば乳液など油分を含んだものは避けましょう。油分が入るとそれがまたニキビ・炎症の原因になります。
ここまでで毛を抜くことのリスクと症状、そしてその症状への対処法をお伝えしました。
順番が前後しましたがここからは毛抜きの際に痛くならない方法と、ニキビ・炎症のリスクをなるべく小さくする方法をお伝えします。
痛くならないようにするために
言ってしまいますと完全に痛くなくなる方法なんてありません。毛穴の奥にある毛乳頭付近には無数の神経が通っており、ヒゲを引っ張ることでここに痛覚が走るのでどうしようもありません。
しかし事前準備をしっかりとすれば痛みを軽減させることはできます。
簡単にまとめておくとヒゲを抜く前にその部分を暖めることで毛穴が若干開くので、その状態で抜いたほうが痛みを感じにくいです。抜く方向としては毛が生えている方向に沿って抜くといいでしょう。
なるべく毛の根元を挟むようにして引っ張りましょう。毛先をつまんでしまうと引っ張っている最中に毛が途中でちぎれてしまい、場合によっては毛穴の中で断裂してしまいます。そうなると埋もれ毛の原因にもなります。
毛を全て抜き終わったら一度洗顔で毛穴をキレイに洗いましょう。洗い終わった後はすすぎ残しがないように注意します。すすぎ残しで毛穴に成分が残りニキビ・炎症の原因になります。
しっかりとすすいだ後は一度冷水でその部分を冷やしましょう。一時的ですが毛穴がキュッとしまり雑菌の侵入を防いでくれます。あまり長時間冷水につけ過ぎると血行が悪くなり返って肌によくありませんので少しでOKです。
清潔なタオルで拭いた後にエタノール入りの化粧水で抜いた部分をケアします。エタノールが毛穴やその付近にいる雑菌を消毒し同時に毛抜きで荒れた肌を整えてくれます。コットンで数分パックしても良いでしょう。
繰り返しになりますができれば油分を含んだ乳液は使わないようにします。使うなら毛抜きを行った2日目以降くらいに考えておいてください。
やはり大事なのはアフターケアです。毛穴部分を洗顔で洗う、冷水で冷やす、エタノール入りのもので消毒しながらケアする過程がないと毛穴に菌が入りたい放題、荒れ放題になります。
手間はかかりますがヒゲを抜くのは青ヒゲにならないようにしたり綺麗に見せることが目的だと思います。ならばアフターケアもしっかりとして毛抜きの痕が目立たないようにしたいですね。
年齢による毛穴の開き
身体の代謝が活発なうちは毛を抜いても1日や2日で毛穴が引き締まりそれが目立たなくなります。
しかし年齢を重ねると代謝が落ちて毛穴が開きっぱなしになり閉じないことがあります。
たとえ毛抜き後のケアをして青ヒゲがない綺麗なお肌になってもこのように代謝の低下により毛穴が閉じずそれが目立っては意味がありません。
そうならないためにもできるだけ代謝を高めて肌の生まれ変わりを促進させる必要があります。
ヒトの新陳代謝は年齢を重ねるごとに低下し、男性は20歳頃から、女性は18歳頃から落ちると言われています。
しかしその年齢時の代謝量はまだまだ高いので気になりませんが30代、40代にもなるとそれが落ちるスピードが速くなり代謝量も少なくなるので太りやすくなったりなかなか疲れが取れないと感じたりします。もちろん肌の生まれ変わり(ターンオーバー)も弱まります。
つまり『昔はヒゲを抜いても毛穴は気にならなかった』と思っていても歳を重ねてからそれをすると急に閉じ具合が悪くなるとことがあります。
そのため、ある程度年齢を重ねていながらも毛抜きをして綺麗にしたい時はご紹介したアフターケア+αで身体の代謝も高める必要があります。
代謝を高める食事
ではどうすれば代謝、特に肌の新陳代謝を高められるかですがやはり栄養素の高い食事が一番です。
具体的にどのエネルギーが必要かと言いますとビタミン(A・B・C・E)、アミノ酸、亜鉛、マグネシウムなどと挙げればきりがありません。要はバランスの取れた食事が大切なのです。
とは言っても少しはその食事に重点を置きたいと思うので代謝を良くするものをいくつか挙げてみます。
- ビタミンA:身体の粘膜の機能を高めてトラブルを起こしにくくします。
- ビタミンB2:ビタミンB2は細胞の生成に大きく関係します。
- 亜鉛:新しい細胞を作る時に遺伝子情報を伝えたりタンパク質の合成を手助けします。
- マグネシウム:タンパク質を合成する際に機能する酵素、その他の酵素を活性化させます。
もう一度言っておきますがこれ以外にも代謝を高めるために必要な要素はたくさんあります。ここではほんの一部をご紹介していることをご理解ください。
さて、代謝を高めるためのエネルギー源が何かわかったところで次にこれがより多く含まれている食べ物を見てみます。
- ビタミンA:にんじん、とうがらし、ゆでたほうれん草、バター、卵黄、味付けのり
- ビタミンB2:レバー、豚肉、納豆、卵黄、うなぎ
- 亜鉛:なま牡蠣、豚肉、牛肉、卵黄、焼きたらこ、煮干し、ごま
- マグネシウム:豆みそ、納豆、油揚げ、いくら、たくあん、桜えび
だいたいこんなところです。こう見ると卵黄(たまご)は非常に豊富に栄養素を含んでいて、かつそれが高い重要な食べ物なのですね。
あとは食べ物だけでなく十分な睡眠、適度な運動も代謝を高めてくれます。身体の機能を高めるには何か一つを改善すればいいだけではありません。
バランスの取れた食事と生活習慣で肌の代謝を高めて毛穴の開きを予防しましょう!
毛抜きで痛くない方法やニキビ・炎症予防まとめ
ヒトの身体には常在菌がおり、これは普段悪玉の雑菌を退治して私たちを守ってくれています。中でもアクネ菌は肌に存在して肌のトラブルを起こさないように活動しています。
しかしアクネ菌は毛穴から出る皮脂が大好物で、毛抜きを行った後毛穴が開いた状態になるとそこに入ってしまいニキビや炎症の原因になります。
白ニキビが出来てしまったらその時点で潰してしまいましょう。放っておくと炎症を起こして赤ニキビになることがありこれは痕が残りやすいです。
毛抜きで痛くならない方法はありませんが抜く部分を温めることでそれを軽減できます。正しい手順で毛抜きをすれば肌のトラブルを最小限に抑えられます。
年を重ねると新陳代謝が低下して毛を抜くとそのまま毛穴が開きっぱなしになることがあります。代謝を高めて毛穴を引き締めるためにもバランスのとれた食事と正しい生活習慣を送りましょう。
ご紹介したニキビについて動画でわかりやすく説明しているものがあったので興味がある方はご覧ください。