目次
- 治らない顔のニキビや肌荒れ、実は脂漏性皮膚炎かも
- 脂漏性皮膚炎とは
- 脂漏性皮膚炎を引き起こす原因
- 脂漏性皮膚炎の治し方
- セルフケアで改善する方法
- 完治までは長い道のり、でも諦めないで
治らない顔のニキビや肌荒れ、実は脂漏性皮膚炎かも
洗顔や保湿をしっかりしているのになかなか治らない顔のニキビや肌荒れ。もしかしたら、それは脂漏性皮膚炎と呼ばれるものかもしれません。脂漏性皮膚炎は、皮膚の中で特に皮脂の分泌が多い鼻やTゾーンにできやすく、触るとザラザラしていて赤く炎症が起きたり、かゆみを感じるのが特徴です。脂漏性皮膚炎はニキビや肌荒れと似ているので勘違いしてしまっている場合が多いとも言われているため、間違えたケアをすると悪化してしまう可能性も!そこで私、はるこ先生と脂漏性皮膚炎の症状や原因、治し方などを詳しく見ていきましょう。
脂漏性皮膚炎とは
脂漏性皮膚炎は、湿疹の種類の一つであり「脂漏性湿疹」とも呼ばれています。ニキビや肌荒れに似ていて脂漏性皮膚炎と区別がつきにくいのも特徴なので、ニキビケアや対策をしてもなかなか改善されない場合は脂漏性皮膚炎を疑ってみるといいでしょう。まずは脂漏性皮膚炎ができる原因からご紹介致します。
皮脂の多い顔や頭皮にできる皮膚疾患
脂漏性皮膚炎(脂漏性湿疹)は、皮脂腺が多く皮脂分泌が活発な頭皮や耳の後ろ、摩擦が多い太ももの付け根や脇の下にできやすいと言われています。脂漏性皮膚炎は身体だけではなく、皮脂分泌が多い鼻の周りやTゾーンにも起こりやすいのが特徴。脂漏性皮膚炎は、新生児から生後3か月くらいまでの赤ちゃんにも見られますが、思春期以降の成人に多く発症して慢性化してしまう場合が多いようです。
ニキビとは別物、マラセチア真菌が原因
脂漏性皮膚炎=ニキビというイメージがありますが、実は脂漏性皮膚炎はマラセチア真菌というカビの一種が深く関係しています。マラセチア真菌は、不衛生だからといってできるわけではなく、人間の身体に誰もが持っている常在菌であり、普段は悪さをしないと言われているのです。しかし、マラセチア真菌は皮脂を好むため、皮脂に含まれているトリアシルグリセロールと呼ばれる中性脂肪を分解して遊離脂肪酸を作っていきます。遊離脂肪酸は、かぶれを引き起こしやすく、皮膚への刺激が非常に強いことから皮脂分泌が多い部分に脂漏性皮膚炎ができやすくなるというわけなのです。
脂漏性皮膚炎の症状
脂漏性皮膚炎の症状は、赤い見た目、かゆみを感じたり、皮膚が荒れて乾燥することでフケのように剥がれてくる場合もあります。特に頭皮に脂漏性皮膚炎が発症すると、皮膚が乾燥して剥がれてくるためフケと勘違いしてしまう方が多く、これを放っておくことで皮脂が酸化して加齢臭のような臭いへとつながってしまう可能性が。かゆいからと言って掻きむしってしまうと肌が余計に荒れてしまい、傷になって治りにくくなるので気をつけましょう。
脂漏性皮膚炎を引き起こす原因
皮脂やマラセチア真菌は誰の肌にもあるのに関わらず、脂漏性皮膚炎を発症する人としない人がいるのは何故なのでしょうか?脂漏性皮膚炎の症状がわかったところで、なぜ脂漏性皮膚炎ができるのか、その原因に迫っていきましょう。
皮脂が多い
脂漏性皮膚炎を引き起こすマラセチア真菌は、皮脂や汗が多い場所を好みます。そのため脂漏性皮膚炎は、比較的皮脂分泌が多い男性に多く見られますが、女性もホルモンバランスの乱れなどで皮脂分泌が増えると脂漏性皮膚炎ができやすくなると言われています。
脂漏性だけど乾燥も引き金になる
脂漏性皮膚炎は、その名の通り脂が多い方ができやすいと思いがちですが、実は乾燥していても脂漏性皮膚炎を引き起こす可能性があるので要注意。脂漏性皮膚炎を防ぐために1日に何回も洗顔をしていると、必要な皮脂や常在菌まで洗い流してしまい、肌のバリア機能が弱まってしまうのです。
ストレス
脂漏性皮膚炎とストレスは一見関係のないように思いますが、ストレスは身体の免疫を低下させて皮脂分泌を促すため脂漏性皮膚炎の原因の一つでもあります。肉体的なストレスら精神的なストレスのどちらも脂漏性皮膚炎の引き金になってしまうので、日頃からストレス発散法やリラックス法を身につけてストレスを溜めない工夫をするといいですね。
生活の乱れ
脂漏性皮膚炎は生活習慣の乱れとも深く関係しています。特に食生活では、バランスの良い食事はもちろんのこと、ビタミンB2とビタミンB6をたくさん摂るといいでしょう。ビタミンB2が不足すると皮脂が酸化して炎症を起こし、ビタミンB6が不足すると肌の新陳代謝や皮脂分泌の調整がスムーズに行われなくなり、脂漏性皮膚炎が発症しやすくなってしまいます。ビタミンB2やビタミンB2は、レバー、しじみ、牛乳、卵、ほうれん草、トマト、キャベツなどに多く含まれているため、毎日の食事に取り入れてあげるといいですね。
そのほかにも脂漏性皮膚炎の原因になりやすいものは
- 脂肪分、糖分、香辛料の摂りすぎ
- アルコールの過剰摂取
- 睡眠不足
などが挙げられます。お菓子などに使われるマーガリンなどの飽和脂肪酸は脂漏性皮膚炎を悪化させてしまう場合があるので気をつけましょう。糖分や香辛料、アルコールの過剰摂取は、皮脂分泌を増やして脂漏性皮膚炎が発症しやすくなります。また、睡眠不足により肌の新陳代謝が低下して皮脂が肌に溜まってしまう可能性も。
脂漏性皮膚炎の治し方
脂漏性皮膚炎はニキビと違う種類であるため、ニキビの薬をつけてもなかなか改善されません。顔にできた脂漏性皮膚炎が改善される目安は、約2〜3週間と言われています。ニキビと違い、脂漏性皮膚炎は完全に治るまで時間がかかりますが、諦めずに根気強く治療をしていけば脂漏性皮膚炎を完治させることができるでしょう。症状が軽い場合は、美容皮膚科でレーザーを使って毛穴を収縮させながら、熱の力でマラセチア真菌を減らすという施術や、血管を収縮させて赤みを抑えるIPL光治療という施術もあります。
ステロイドなどで炎症対策
ステロイドは副腎皮質ホルモン剤とも呼ばれ、炎症を鎮める効果があり、顔にできた脂漏性皮膚炎には作用が穏やかなものを用います。脂漏性皮膚炎の原因菌であるマラセチア真菌を殺菌することはできませんが、かゆみや赤みを伴う脂漏性皮膚炎の炎症を落ち着かせるためにステロイドを使います。
スタミン剤でかゆみ対策
脂漏性皮膚炎によるかゆみが強い場合は、抗ヒスタミン剤と呼ばれる内服薬やビタミン剤を使って治療していく方法もあります。かゆみを我慢しきれずに掻きむしると、炎症がさらに悪化して肌に傷が残ってしまいます。強いかゆみを感じた場合は、触らずに抗ヒスタミン剤でかゆみ対策を行いましょう。
抗真菌薬でカビ菌退治
抗真菌薬はマラセチア菌を殺菌する薬です。脂漏性皮膚炎に効果的な抗真菌薬は、ケトコナゾール、イトラコナゾール、ミコナゾールなどのイミダゾール系抗真菌薬。成人で発症する脂漏性湿疹は、慢性化して再発しやすいため、早めに皮膚科で医師に診てもらうといいでしょう。皮膚科での脂漏性皮膚炎の基本的な治療法は、炎症を抑えるステロイド外用薬、マラセチア菌の増殖を抑える抗真菌薬を用いるケースが多いようです。
皮膚科で処方される保湿剤の注意点
皮膚科で脂漏性皮膚炎を診てもらった際に、乾燥を防ぐ保湿剤として、ヒルドイド、尿素、ワセリンなどが処方される場合があります。
脂漏性皮膚炎をケアするために使う保湿剤は、医師の指導通り使う量をしっかり守りましょう。
セルフケアで改善する方法
皮膚科に行く時間がない、狭い範囲で脂漏性皮膚炎ができているなどといった場合は、セルフケアで改善する方法もあります。あまりにも赤みやかゆみが酷かったり、広範囲に脂漏性皮膚炎ができている場合は、セルフケアではなく早めに医師に診てもらいましょう。これらのセルフケアは、脂漏性皮膚炎を予防するケアとしてもおすすめなので、覚えておくと役立つはずですよ。
洗顔方法
脂漏性皮膚炎の原因である皮脂を取り除くために、ゴシゴシ洗顔を1日に何度も行うのは控えましょう。皮脂を落とそうとして、肌をゴシゴシこすりながら洗ってしまうと、皮膚を傷つけて炎症が悪化してしまいます。洗顔をする際には、たっぷりの泡を使って手と顔の間に泡のクッションを挟むイメージで優しく洗うことがポイントです。また、脂漏性皮膚炎は、皮脂分泌量が多い部分にできやすいため、マラセチア真菌を水洗顔で洗い流すだけでも効果があるとも言われています。
洗顔料を使わず水だけで洗う水洗顔。とはいっても、冷たい水ではなく32~34度ぐらいのぬるま湯で洗うのがコツ。たったこれだけの水洗顔でも余分な皮脂や汚れをある程度落とすことができます。石鹸や洗顔料を使って肌が余計にヒリヒリしたり赤くなったりした場合は、水洗顔にシフトしていくのもおすすめです。
スキンケアやメイクの選び方
マラセチア菌は皮脂を好む菌であるため、毎日使う基礎化粧品やコスメは油分が含まれていないものを使っていきます。オイルクレンジングを避け、収れん化粧水や油分の含まれていない美容液などを使ったり、メイクをするときには油分が多いリキッドファンデーションやクリームファンデーションではなく、パウダータイプのファンデーションやミネラルファンデーションを使うのがおすすめです。脂漏性皮膚炎ができている状態は肌が弱くて非常に敏感な時期。化粧水などの基礎化粧品は、低刺激で肌への優しさを重視したものを選ぶといいでしょう。
- 石油系界面活性剤フリー
- 合成保存料不使用
- パラベン不使用
- アルコールフリー
- 無香料
- 無着色
などと記載されているものは、比較的肌への刺激を感じにくいので、選び方の目安として覚えておくといいですね。さらに、紫外線を浴びることで角質層のバリア機能が低下し、脂漏性皮膚炎を悪化させてしまいます。顔の中でも特に鼻は突起していて日光に当たりやすいパーツなので、日焼け止めクリームや帽子、日傘などを利用して紫外線をシャットアウトしていきましょう。
市販薬で対応
ほんの少しできてしまった脂漏性皮膚炎に対しては、薬局で手に入る市販薬を使ったケアでもいいでしょう。
脂漏性皮膚炎に効果的な市販薬は
- 保湿効果もある抗ヒスタミン系外用薬
- 比較的作用が穏やかな外用ステロイド
の2種類。脂漏性皮膚炎はニキビと間違えやすく、薬の選び方を間違えると治るどころか悪化してしまう可能性が大いにあるため、早めに皮膚科で診断してもらうことをおすすめします。
おすすめ市販薬
第一三共ヘルスケア/オイラックスPZ軟膏
従来品の「オイラックスPZ軟膏」「オイラックスPZクリーム」を強化した軟膏。グリチルレチン酸が炎症を抑え、アラントインがと皮膚組織の修復を助けてくれるそう。つらいかゆみや早く治したい皮膚症状を和らげてくれるでしょう。
10g・1,800円(税抜)
資生堂薬品/エフェクトプロ 軟膏
アンテドラッグステロイド(PVA)を含む8つの有効成分により、かゆみ・湿疹・虫さされなどの症状に効果的と言われます。しみない軟膏タイプなので脂漏性皮膚炎で肌が敏感なときにも刺激を感じることなく使えることでしょう。
6g・1,200円(税抜)
マイクロウェーバー/NEWネクストLXクリーム
「クロタミトン」「リドカイン」というかゆみに効く成分を2種類配合していため、脂漏性皮膚炎のかゆみに効果的だそうです。グリチルリチン酸により炎症を抑えてくれるそう。価格がお手頃なので試しやすいのも魅力です。
15g・710円(税抜)
食生活で皮脂の量をコントロール
脂漏性皮膚炎の原因となる皮脂の分泌量は、スキンケアだけではなく、食べ物でコントロールすることもできます。先述の通り、皮脂分泌を抑えて脂肪の代謝を良くするビタミンB2、B6のほかにも、便通を良くして脂肪を体外へ排出してくれる食物繊維、脂肪の代謝に働きかけるDHA、EPAなどの不飽和脂肪酸もおすすめです。ほうれん草や人参、かぼちゃやブロッコリーなどの緑黄色野菜、昆布やわかめ、めかぶなどの海藻類、サバ・サンマ・イワシなどの青魚などをたっぷり取って、身体の内側から皮脂コントロールをしていきましょう。
忙しくて食べ物でこれらを摂取するのが難しい場合は、サプリメントをうまく活用してもいいですね。また、脂肪の多い肉類やバター、マーガリンなどの油は摂りすぎると過剰な皮脂分泌を引き起こし兼ねないので、控えた方がいいでしょう。
完治までは長い道のり、でも諦めないで
ニキビと間違えやすい脂漏性皮膚炎は、完治するために2〜3週間ほどかかります。自分でニキビと脂漏性皮膚炎の区別がつかないときには、早めに皮膚科で診てもらいましょう。自分の判断で間違った塗り薬を使ったり、スキンケアをしていると脂漏性皮膚炎が悪化したり、痕に残ってしまうかもしれません。脂漏性皮膚炎の治療は半月以上続けなければなりませんが、根気強く、そして諦めなければ、脂漏性皮膚炎がしっかり完治して元の綺麗な肌になることができますよ。脂漏性皮膚炎は食事や生活習慣とも深い関係があるため、もう一度自分の生活と向き合ってみることも大切かもしれませんね。