ガイドライン解説
高血圧 Minds版ガイドライン解説
書誌情報
| Q59: | 内分泌性高血圧の診断と治療はどのようなことが行われますか? |
| ガイドライン作成委員より患者さんへ | ||
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| 医学用語解説 | ||
| 内分泌性高血圧 (ないぶんぴせいこうけつあつ) | ホルモンを分泌する働きを担っている臓器に起こった病気が原因で、血圧が高くなっている状態をいいます。内分泌とは体の変化に対応してホルモンを分泌することです。原因となる病気には、腎臓の上にある副腎という臓器に起こる原発性アルドステロン症やクッシング症候群、褐色細胞腫などが含まれます。 | |
| 日本高血圧学会 (にほんこうけつあつがっかい) | 高血圧を専門とする医師によって組織された団体です。高血圧に関連した分野の研究、啓蒙活動、学術集会の開催など通じて、医学の発展、そして国民の健康増進に貢献することを目的としています。 | |
| 日本内分泌学会 (にほんないぶんぴがっかい) | 内分泌の分野を専門とする医師によって組織された団体です。内分泌とは、体の恒常性の維持をするためにホルモンが分泌される現象をいいます。この学会は、内分泌に関する研究、関連した分野の研究、啓蒙活動、学術集会の開催など通じて、医学の発展、そして国民の健康増進に貢献することを目的としています。 | |
| 原発性アルドステロン症 (げんぱつせいアルドステロンしょう) | 腎臓の上部に位置する副腎に腫瘍が発生し、アルドステロンというホルモンが過剰に分泌されている状態です。アルドステロンには、腎臓に作用してナトリウムの吸収、およびカリウムの排泄を促す働きがあります。そのため、血液中のナトリウムの濃度が上昇し、多くの水分が取り込まれ、血液の量が増加して血圧が上昇します。 | |
| 臓器障害 (ぞうきしょうがい) | 何らかの理由により、心臓、肝臓、腎臓などの臓器の働きが低下することです。例えば高血圧は心臓や血管に負担を与えるため、長期間にわたって高血圧の状態が続くと、心臓の筋肉が肥大したり、血管が硬く詰まりやすくなって血液が流れにくくなり、心筋梗塞や狭心症などの病気にかかりやすくなったりします。腎臓でも血液を濾過(ろか)する働きが低下して、腎症にかかりやすくなります。 | |
| 高血圧患者 (こうけつあつかんじゃ) | 高血圧にかかった患者さんのことです。高血圧は、血管内の血液が血管の壁に与える圧力である血圧が基準値を超えて高くなる病気です。日本人の成人では、収縮期血圧が140mmHg以上、または拡張期血圧が90mmHg以上になると、高血圧と診断されます。収縮期血圧は心臓が血液を送り出すために収縮したときの血圧、拡張期血圧は心臓が広がって血液を送り出す準備をするときの血圧です。 | |
| PAC (ピーエーシー) | plasma aldosterone concentrationの略で、血漿アルドステロン濃度と訳され、アルドステロンというホルモンの血液中の濃度を示した値です。アルドステロンは、副腎から分泌されます。腎臓に作用してナトリウムの吸収を促し、血液の量を増加させて、血圧を上昇させる働きがあります。 | |
| PRA (ピーアールエー) | plasma renin activityの略で、血漿レニン活性と訳されて、レニンというホルモンの血液中の働き程度を示した値です。レニンとは、腎臓内の血液の量が低下した際に腎臓から分泌されるホルモンです。血液中のアンジオテンシノゲンという物質を分解してアンジオテンシンⅠを作り出し、この物質がさらに、アンジオテンシンIIという物質に変わって血圧を上昇させます。この値は、レニンを直接測定するのではなく、レニンによって作り出されるアンジオテンシンIIという物質を測定したものです。この値が高い場合は、腎血管性高血圧が疑われます。 | |
| ARR (エーアールアール) | aldosterone to renin ratioの略で、アルドステロン・レニン比と訳され、血液中のアルドステロンの濃度の値を、血漿レニン活性の値で割った値のことです。この値が200を超えた場合、原発性アルドステロン症が疑われます。原発性アルドステロン症は、アルドステロンというホルモンが過剰に分泌されることで、体内の血液の量が増加する状態です。 | |
| 機能確認検査 (きのうかくにんけんさ) | アルドステロンの過剰な分泌が、原発性アルドステロン症以外の要素の影響でないことを確認する検査です。腎臓から分泌されるレニンは、アルドステロンの分泌を促す働きがあります。そのため、主に、レニンの分泌を抑えて、アルドステロンの量を測定する検査が行われます。 | |
| 局在診断 (きょくざいしんだん) | 病気が起こっている範囲が、体の左右にある副腎の一方に限られているのか、または両方に起こっているのかを判断することをいいます。 | |
| 一側性 (いっそくせい) | 体の左右にある副腎の一方のみに限って、病気が起きている状態をいいます。 | |
| 腹腔鏡下副腎摘出術 (ふくくうきょうかふくじんてきしゅつじゅつ) | 手術の方法の一つで、腹部に穴を数カ所開けて、そこから内視鏡や電気メスなどの器具を挿入して副腎を取り除く方法です。腹部に挿入した内視鏡からモニターに映し出される映像で、副腎やその周囲の臓器などを確認しながら手術が行われます。 | |
| 両側性病変 (りょうそくせいびょうへん) | 体の左右にある副腎の両方において病気が起きている状態をいいます。 | |
| アルドステロン拮抗薬 (アルドステロンきっこうやく) | 副腎から分泌されるアルドステロンというホルモンの働きを抑制する作用がある薬のことです。アルドステロンは、腎臓に作用してナトリウムの吸収を促し、血液の量を増加させて、血圧を上昇させる働きがあります。この薬を用いることによって、腎臓におけるナトリウムの吸収が抑えられ、それに伴い水分の排泄が促されます。その結果、血液の量が減少して血圧が低下します。 | |
| 降圧薬 (こうあつやく) | 血圧を低下させる作用がある薬のことです。血圧が高くなると、血管が硬くなったり、狭くなり、脳や心臓、腎臓などに大きな負担がかかって脳卒中や心臓病、腎臓病を起しやすくなったりします。そのため、血圧を下げることは非常に大切です。まずは減塩や禁煙といった生活習慣の改善による治療を行いますが、それでも血圧が十分に下がらない場合は、降圧薬を用いた治療が行われます。 | |
| クッシング症候群 (クッシングしょうこうぐん) | 副腎から分泌されるグルココルチコイドというホルモンの一種であるコルチゾールが、過剰に分泌されている状態をいいます。主な原因は、副腎に腫瘍が発生したり、脳の下垂体という部分に腫瘍が発生して副腎を刺激するホルモンが過剰に分泌したりすることです。グルココルチコイドには、血圧の上昇を促進する働きがあるため、過剰に分泌されると血圧が上昇します。 | |
| 身体所見 (しんたいしょけん) | 体に現われる特徴的な症状のことで、病気の診断上、重要な手がかりとなります。 | |
| デキサメタゾン抑制試験 (デキサメタゾンよくせいしけん) | クッシング症候群が疑われる場合に行う試験のことです。この試験は、デキサメタゾンという薬を服用後、血液中のグルココルチコイドの一種であるコルチゾールの濃度、または尿の中のコルチゾールの濃度などを翌日に測定する検査です。デキサメタゾンとは、副腎から分泌されるグルココルチコイドというホルモンと同じ作用がある薬です。通常、デキサメタゾンを服用することで、脳の下垂体という部位から分泌される副腎皮質刺激ホルモンの量が減少して、副腎で作り出されるコルチゾールの量が減少します。この値が上昇した場合には、クッシング症候群が疑われます。 | |
| 副腎偶発腫瘍 (ふくじんぐうはつしゅよう) | 診察上の異常や自覚症状がなく、偶然、ほかの病気の検査中や検診の際に、腎臓に腫瘍が確認された状態をいいます。 | |
| 診断基準 (しんだんきじゅん) | ある病気と判断をする際に、その根拠となる症状や検査結果のことをいいます。 | |
| サブクリニカルクッシング症候群 (サブクリニカルクッシングしょうこうぐん) | 副腎から分泌されるコルチゾールというホルモンが過剰に分泌されているのに、その程度が軽いために、クッシング症候群の特徴的な体型の変化が現れていない状態をいいます。この体型の変化とは、胴体が太くなっていく割に手足が細くなっていったり、顔が丸くなるなどの特徴があります。 | |
| 褐色細胞腫 (かっしょくさいぼうしゅ) | 腎臓の上部に位置する副腎の髄質に発生した腫瘍を指し、アドレナリンとノルアドレナリンというホルモンが過剰に分泌されます。これらのホルモンには、心臓の収縮促進、心拍数の増加、全身の細い血管の収縮に関連し、血圧を上昇させる働きがあります。そのため、この病気により、血圧が高い状態になります。 | |
| カテコールアミン | 副腎の髄質から分泌されるホルモンで、アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミンの種類があり、その総称をいいます。心臓を強く収縮したり、心拍数の増加、血糖値の上昇、さらに全身の細い血管を収縮して血圧を上昇させるなどの働きがあります。 | |
| 代謝産物 (たいしゃさんぶつ) | 体内で化学反応を受けて変換された物質をいいます。ここでは、カテコールアミンが酵素によって化学反応を起こし、メタネフリンやノルメタネフリンという物質に変換されたことをいいます。 | |
| 画像検査 (がぞうけんさ) | 人の体の内部をX線や超音波などを用いて撮影し、その画像を分析して異常があるかどうかを調べる検査です。 | |
| α遮断薬 (アルファしゃだんやく) | 体の末梢の血管を広げることで、血圧を低下させる作用がある薬のことです。交感神経の情報を伝達する物質が血管内のα受容体と結合すると、体の末梢の血管が収縮して血圧を上昇させます。この薬は、この結合を遮断することで血圧を低下させます。 | |
| 悪性褐色細胞腫 (あくせいかっしょくさいぼうしゅ) | 副腎の髄質という部分にがんが発生して、アドレナリンとノルアドレナリンというホルモンが過剰に分泌されている状態です。これらのホルモンには、心臓を強く収縮、心拍数を増加、血糖値を上昇、さらに全身の細い血管を収縮して血圧を上昇させるなどの働きがあります。そのため、血圧が高い状態になります。 | |
| 経過観察 (けいかかんさつ) | 治療後に、その病気の状態がどのように変化していくかを注意深く見守ることです。治療によって一度は症状が回復しても、再発する危険性があります。そのため治療が終了しても、長期間にわたって患者さんを経過観察する必要があります。 | |
| 先端巨大症 (せんたんきょだいしょう) | 脳の下垂体という部位から成長ホルモンが過剰に分泌される状態をいいます。手足の末端や顔などが、ほかの部位よりも特に大きくなります。成長ホルモンには、血圧を上昇する働きがあるため、血圧の高い状態が確認されます。主な原因は、下垂体腺腫と呼ばれる成長ホルモンを分泌している細胞が過剰に増殖し、塊となって発生した状態です。 | |
| バセドウ病 (バセドウびょう) | 甲状腺ホルモンが過剰に分泌されている状態をいいます。通常、脳の下垂体という部分から分泌される甲状腺刺激ホルモンが、甲状腺刺激ホルモン受容体という物質と結合することで、甲状腺ホルモンが産生されたり、分泌されたりします。しかし、自己抗体という物質が発生して、常に甲状腺ホルモンを刺激するため、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されるようになります。この病気は、動悸、疲れやすい、多量の汗が出るなどの症状が現れます。 | |
| 甲状腺機能低下症 (こうじょうせんきのうていかしょう) | 甲状腺ホルモンの分泌が低下している状態で、甲状腺に障害が起きている場合、または脳の下垂体という部分に障害が起きている場合があります。甲状腺ホルモンには、全身の新陳代謝を活性する働きがあるため、甲状腺ホルモンの低下によって、気力の低下、だるさ、動作がゆっくりになるなどの症状が現れます。 | |
| 原発性副甲状腺機能亢進症 (げんぱつせいふくこうじょうせんきのうこうしんしょう) | 副甲状腺に腫瘍が発生することによって、副甲状腺ホルモンが過剰に分泌されている状態です。副甲状腺ホルモンは、骨に働いてカルシウムの放出を促したり、腎臓に働いてカルシウムの吸収やリンの排泄を促したりする作用があります。そのため、血液中のカルシウムが増加することによって血管の収縮が促されて血圧が上昇します。 | |
| 高カルシウム血症 (こうカルシウムけつしょう) | 血液中のカルシウムの濃度が上昇している状態です。血液中のカルシウムによって血管の収縮が促されるため、血圧が上昇します。 | |
| 原因疾患 (げんいんしっかん) | 新たに発症した病気の原因となった病気のことをいいます。 | |
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日本高血圧学会高血圧治療GL作成委員会/医療・GL(09年) 3.内分泌性高血圧
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