ウェブブラウザのJavaScript(ジャバスクリプト)の設定が無効になっています。Javascriptが無効になっていると、サイト内の一部機能がご利用いただけません。 ファンタジーパロそらまふ【1】2017年3月27日 14:07ファンタジー世界☆剣士そらるさん×魔導士まふくんのパロディです。設定付けのため、冒頭部分にモブが出張ってます。腐向けナマモノです。全ては筆者の妄想捏造であり、ご本人様たちとは一切合切関係ありません。それは突然の出来事だった。オレはいつも通り、周辺のモンスターを退治する任務をこなし、家路についていた。我が家の明かりが見えてきて、そろそろ夕げの香りが漂ってくるはず。今日のメニューは何だろう。腹減ったなぁ…。と呑気に腹の虫を鳴かせている。ところが、家の前まで来ても期待していた匂いも湯気も無く、それどころか家の様子がどこかおかしいような気がする。嫌な予感がしたオレは、大袈裟に扉を開いて家に飛び込んだ。すると…「…皆!?どうしたんだよ!!」父さん、母さん、婆ちゃん、そして三人の兄弟。全ての家族が倒れ込んでいたのだ。焦ってオレは、取り敢えず一番近くにいた母さんを抱きかかえ話しかける。「母さん!?母さん!大丈夫…?」「…そら…る…?良かったわ。貴方は無事だったのね…」「何があったの?」「分からないわ…。夕方くらいに、突然みんな、苦しみだして…倒れてしまったの。手足もろくに動かせなくて…立てないのよ。」オレの留守中に何があったというのか。ひとまず家族全員をベッドまで運んだ。皆同じように、体は満足に動かせず、熱も高いが、意識はあったので少しだけホッとした。オレは急いで町医者の所へ駆け込み、無理を言って家まで来て貰ったのだが、原因は分からないという。その晩は必死で看病を続けたが、家族の容体が回復する兆しは一切ない。藁にもすがる思いで、町の外れに住む占い師の老婆を訪ねた。いかにも胡散臭いので、普段だったら近付きもしない怪しげな小さい小屋。事情を離すと、占い師は意外にも親切に、我が家まで足を運んでくれた。占い師は家族を見るなり、小さくうなづき、これまた怪しげな小袋から何かを取り出した。そして、家族全員に小さな小瓶に入った聖水を飲ませていった。すると、皆激しくむせこみ、ドス黒くて禍々しい液体を少しだけ吐き出す。「お、おい婆さん!?」「いいから、黙って見ておきな。あの黒いのは呪いのほんの一部。これで少しだけ、体は楽になるはずだよ。」「…呪い……?」焦りながらオレは家族みんなの顔を見渡していく。すると、占い師が言ったのは真実だったようで、寝たきりで起き上がることさえ叶わなかった体を皆起き上がらせた。「体が動くわ…」「うん…少し楽になった」オレは家族に近付き、一人一人様子をうかがっていく。一応体は動くようになったようだ。でも、元通りと言うには程遠く、病人のような全身の重怠さと、熱も完全には引いていないようだった。それでも聖水を飲ませる前よりはかなりマシになったと言えるだろう。「そらる…と言ったかい?ちょっとあたしの家においで。話がある。」「……分かった。」オレは家族に安静にしてるように言い、占い師の小屋へと着いて行く。薄暗い部屋の中には怪しげな薬や乾物、液体などが入った瓶が所狭しと陳列している。そこでオレは、占い師から残酷な真実を告げられた。「あんたの家族は、魔女の呪いをかけられた。ここいらの地方で稀にあるんだよ。幸せそうな家族をきまぐれに選んでは、たちの悪い悪戯をしていくんだ」「そんな…。でも、あの聖水で助かったんだろ?」「いいや。さっきも言ったけど、あれで取り除けたのは呪いのほんの一部。あたしに出来るのはあれが精いっぱいだ。呪いを完全に解かなければ、あんたの家族は一年ほどで死んでしまうよ」「…っ どうすればいい!?」「強力な魔力を持つ魔導士に、呪いを内側から一掃して貰うんだ。並大抵の魔力じゃいけないよ。逆に魔女の呪いに飲みこまれてしまうからね。」「どこに居るんだ…?」「それはあたしにも分からない。あたしもそんな魔力を持った人物には会った事が無いからね。あんたが自分で探すしかない。…まぁ、難しいとは思うけどね」「……やるしかないなら、やるさ」「ああ…後、大事な事がもう一つ」「?」「いかに強力な魔力を持っていても、呪いを浄化するのは並大抵の事じゃない。呪いを浄化する事に成功しても、その瞬間に魔導士が命を落とす可能性も大いにあるんだ」無表情のまま占い師は喋り続ける。聞けば聞くほど、重い真実にオレは冷や汗が一筋垂れていくのを感じた。「だから運良く魔導士を見つけられたとしても、その事は黙っておいた方がいいだろうね。どんなお人好しでも自らの命を賭してまで、赤の他人を救おうとは思っちゃくれないだろう」「そんな…。それじゃオレの家族の代わりに犠牲にするような…」「決めるのはアンタさ。アタシが教えられるのはこれだけだ。」暗い表情のまま、オレは占い師の家を後にする。何だって…オレの家族がこんな目に…。落ち込んでいる暇はない。タイムリミットはたったの一年。取り敢えず、魔導士を探そう。考えるのは、それからでも遅くない。オレは家族にみんなを救える方法があるかもしれないと曖昧に伝え、それを求めて旅に出ると告げて、故郷を出た。それが半年前の話。[newpage]++++++++++++++++++++++++++++「…ぐっ!!」もともとギルドで剣士として働いていたオレは腕にはそこそこの自信があった。だが運悪く、群れを統一する長のモンスターと鉢合わせてしまい、正直かなり分が悪い。「死」というものが、頭をよぎった。ごめん…。オレ、皆のこと助けられないかもしれない。志半ばにして朽ち果てるのを覚悟した時、突然目の前にふわりと布が翻った。「後ろに下がって下さい!盾で身を隠して!!」「!?」特徴のある声がオレに指示を出す。ワケが分からないまま、オレは言われたままに行動した。その瞬間。ゴウ…!!!!オレの前に立つ男の手元から巨大な炎が繰り出される。その炎はあっと言う間に魔物を覆い尽くし、魔物は断末魔をあげながら炭と化した。オレは(こいつだ…!!)と、命を助けて貰ったにもかかわらず真っ先にそう思ってしまった。こんな強力な魔法を放つ魔導士、見た事も無い。はぁ…はぁ…と呼吸を荒くしながら、その男が振り返る。「…あ」綺麗だ。思わず息を飲んだ。オレより少し年下くらいか…。整った顔立ちに明るい色の髪が良く映える。「良かった…。無事みたいですね」「あ…ありが……」オレが礼を言い終わる前に、その男はふらっとぐらつく。「…え!?」そのままバタリと倒れてしまった。「は!?え…!?おい!大丈夫か!?」抱き上げて揺らしてみても意識は戻らない。が、息は普通にあるようで、どうやら気を失っているだけのようだ。オレはその男をおぶり、近場の町まで戻ると、宿屋に入った。++++++++++++++++++++++++++++「ん…うぅ…?」「気が付いたか?」「あ…あの時の…」「うん。さっきは助けてくれてありがとうな」「こちらこそ。ボク気絶しちゃったんですね。運んでくれてありがとうございます」「命を助けて貰ったんだから、これくらい何ともないよ。オレはそらる」「ボクはまふまふです」「お前、すごい魔力だね。あんなデカい炎魔法、オレ初めて見た」褒めたつもりでそう伝えると、まふまふは複雑そうな顔をしてありがとうございます…と小さくつぶやいた。あれ?何か悪い事言ったかな。オレが不思議そうな顔をしたのを見て、焦って取り繕うようにまふまふが言葉を続ける。「あ…!ごめんなさい…。初対面の貴方に、こんな話しても困ると思うんですけど、ボク、自分の魔力がコントロールできないんです。」「え…?」「こんな風に気を失ったり、魔力が暴走して人を傷付けてしまった事もあって…。だから普段はこの封印石で魔力を制御してるんです」そう言うまふまふが手に持って見せてくれたのは綺麗な赤い石が施されたチョーカー。「いつも自分の体質を恨めしく思ってたんですけど、今日は人を…そらるさんを助けることが出来て、久し振りに自分の力があって良かったって思えました。ありがとう、そらるさん」「お礼を言うのが逆じゃん。助けて貰ったのはオレなんだけど?」変な事言うやつだなーなんて自然と笑いを零せば、まふまふもコロコロっとした声をあげながら笑顔を見せる。あ…可愛い…。半年かけて、ようやく見つけた強大な魔力の持ち主は、不思議な雰囲気の持ち主で…。オレの心は、この時すでにやんわりと捕えられ始めてて…。でも…。『魔導士が命を落とす可能性も大いにある』占い師の言葉が蘇る。(どうしよう…)再び眠ってしまったまふまふを見つめながら、暮れていく夕日が部屋の中に影を長く伸ばすのをぼんやりと眺めていた。[newpage]++++++++++++++++++++++++++++【まふまふサイド】うとうと…夢から醒めかける感覚。フカフカとまではいかないけど、柔らかなベッド。足先がちょっとだけ寒くて、身を小さく縮込める。すると…「~~んん…。ふわああぁぁぁ…」「!?」ボク以外の男の人の声がして一気に目が覚めた。ガバッと起き上がって目を丸くすれば…。「おー…。まふまふおはよ」「あ…そらるさん。おはようございます」隣のベッドに寝ていたのは、昨日出会ったそらるさん。そっか、あの後ボク、結局朝まで寝ちゃったんだ…。「そらるさんは剣士なんですね」「そうだよ。魔力はひとかけらも持ってない」「そっかぁ…。でもカッコいいですよね。ボクそんな重い剣で戦うなんて絶対ムリです」「お前ひょろっこいもんね」「な!?そ…そこまでではないですよ!そらるさんだってガチムチ剣士の人に比べたらひょろっこいじゃないですか!」「脱いだらガチムチかもよ?」「嘘ばっかり…」朝のボーッとした頭だからか、昨日会ったばかりだというのにお互い失礼な会話で盛り上がる。身支度を整えて、二人そろって宿屋を後にする。それじゃあ、道中お気をつけて…と頭を下げようとした時だった。「あ…あのさ!まふまふ…」「…? なんですか?」「あー…。まふまふは…、この近くに住んでるの?オレは、旅して歩いてるんだけど…」「ボクもあちこち放浪している根無し草ですよ。一緒に旅してくれる仲間も居ないし、同じ町に長く住むのも…落ち着かなくて…」「じゃ…じゃあ…、まふまふさえ良かったらさ、オレの旅に、力を貸して貰えないかな…?」「…え?」+++++++++++++++++++++++++【そらるサイド】無理だろ。強引以前の問題だろ。昨日会ったばっかりだぞ。オレだったら絶対付いて行かないわ。でも…他に言いようが無いじゃないか。どうする…?事情を話すべきか?それよりも…。本当にこいつに呪いを解いて貰うつもりなのか…?オレの命を助けてくれた。まだ年も若いこいつに…。いくら家族のためとはいえ、命を落とすリスクを背負わせる気なのか…?ズキンズキンと痛む良心。「いいですよ」「…へ!?な、何て…?」「だから、ボクの力で良ければいくらでも貸しますよ。特に当てもない旅ですし」「いいのか…?」「はい。あ、でも…前にも言いましたけど、普段は魔力を制御してるんで、弱い魔法しか使えないんです。それでもいいですか?」「うん。構わないよ」「じゃあ決まりですね。よろしくお願いします、そらるさん」にこっと笑顔で差し出される右手を握り返した。「ありがとう。こっちこそよろしくな」何なんだこいつは。こんな怪しい誘いに乗っかってくるなんて。極度のお人好しか、はたまた暇人か、何か狙いでもあるのか…。何にせよ、まふまふが付いて来てくれることになったのはありがたい。オレの故郷まではだいぶ距離があるが、充分タイムリミットには間に合うはず…。[newpage]+++++++++++++++++++++++++ずっと一人旅をしてきたオレにとって、人と一緒に行動するというのには少なからず不安があった。だが、こいつ…まふまふは、ちょっと…いや、かなり変わったところもあるけれど、何となく目が離せなくて、喧嘩もするけど、すぐまた元通りになれる。相性がいいって言うのかな。オレは運がいい。意外と真面目で、たまに病んだり、飯を食うとき本当に旨そうにして、最初は人見知りがちだったけど、今ではオレにかなり懐いてくれて、笑った時の顔が、可愛くて…。そう、気付けば…大切な存在になってしまっていたんだ。その分、オレの葛藤は大きくなるばかり。まふまふに本当の事情を伝えられないまま、一緒に旅をし始めて、もうじきひと月が経とうとしていた。「次の町は船で行った方が近いかな…。んー、でも降りてからの距離を考えると…どう思います?そらるさん」「………」「そ ら る さ ん !!」まふまふに頬を抓まれる。「いって!何すんだお前」「もう!寝てたでしょ?」「寝てねーよ…話は聞いてなかったけど」「同じようなもんじゃないですか!もーう…そらるさん、いつも何考え事してんですか?」「アホなお前と違ってね、そらるさんは悩み多き青年なんです」「失礼な!どうせ今晩のごはん何にしようとかさっきすれ違ったお姉さん巨乳だったとかそんなんばっかでしょ!」「どっちが失礼だよ…」まふまふの頬を抓み返してやる。「いひゃいいひゃい。もう!そらるさんは力強いんだから加減してよ!……ボクにだって、人並みに、悩みくらいあるんですからね…」「…知ってるよ」ポンッとまふまふの頭を軽く撫でる。顔を赤くしたまふまふがズルい…と小さく呟いて唇を尖らせた。+++++++++++++++++++++++++結局、たまには海原を見るのも新鮮だろうと、船に乗ることにした。続く☆