正常なターンオーバーのサイクルを保つためには、血行の促進が重要です。
末端の細胞に新鮮な酸素や栄養素を運び、不要な二酸化炭素や老廃物を回収するしくみによって健やかな素肌となります。
皮膚の外側からの刺激を防ぎ、内側から代謝を促すことで、肌のターンオーバーを整えましょう。
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1.ターンオーバー(皮膚の表皮組織の新陳代謝)とは?
ターンオーバーとは
肌(皮膚)の構造は、外側から『表皮』、『真皮』、『皮下組織』の層になっています。
ターンオーバーとは、約4週間以上の周期で『表皮』で繰り返されているしくみです。
真皮も生まれ変わりますが、その期間は表皮よりずっと長い期間がかかります。
ターンオーバーのメカニズム(仕組み)
表皮のいちばん内側にある基底層では、細胞分裂によって毎日新しい『ケラチノサイト(角化細胞)』が生まれます。
ケラチノサイトは、後から分裂する細胞に徐々に押し上げられて、基底層(きていそう)から有棘層(ゆうきょくそう)、顆粒層(かりゅうそう)を経て、角層/角質層(かくそう/かくしつそう)に到達します。
体の部位や環境、年齢などによっても異なりますが、さらに約2週間かけて角層(角質層)の最表面に到達し、バリア機能を果たした後、最後は垢となって自然にはがれ落ちるというサイクルを繰り返します。
この1サイクルがターンオーバーの期間です。
ターンオーバーの期間
ターンオーバーの速度は、身体の部位、年齢、健康状態などによって異なります。
顔などの部位は早く、手や足などは遅く、顔の倍程度の期間だといわれています。
ターンオーバーの部位による違いは、皮膚の厚さや血行との関係が影響していると考えられています。
20代の健康な肌状態の場合は約4週間(28日程度)、40代では約5週間(40日程度)かかるといわれています。
年齢を重ねることによってターンオーバーのサイクルの期間が長くなることは自然なことで、年齢に合った洗顔やケアをおこなうことが大切です。
健やかなお肌であれば、このメカニズムが一定のリズムではたらき、細胞は絶えず入れ替わるため、たとえば表皮に傷がついてもかさぶたになってはがれ落ち、健やかな状態が取り戻せるようになっています。
外部刺激や内部要因などでターンオーバーは促進しすぎたり、遅くなったりするのです。
2.血行促進が肌の新陳代謝を整える理由とは?
血管と皮膚
肌(皮膚)の構造は、外側から『表皮』、『真皮』、『皮下組織』の層になっていて、これらの皮膚にはすべて血管が通っています。
表皮の血管
表皮の基底細胞や真皮の繊維芽細胞には、『毛細血管』があり、動脈から届いた酸素、栄養素、水分を、二酸化炭素、老廃物に交換して静脈へ運ぶ働きをしています。
『基底細胞』は分裂して新しいケラチノサイトをつくりだす、『基底層』では紫外線から体を守る色素メラニンを合成する働きがあり、表皮の最表面にある『角層(角質層)』は、バリア機能と保湿機能という大切な役目を果たしています。
また、触覚に関係すると考えられている細胞や、免疫機能をつかさどる細胞などがあります。
真皮の血管
真皮は全体に血管が分布し、表皮と真皮の『毛細血管』や、皮下組織にある『動脈』や『静脈』につながっています。
暑くなると拡張し、血液を多く流して体外に熱を逃がそうとしたり、寒くなると収縮し、表面の血液を少なくして熱が逃げるのを防ぐなど、体温を調節しています。
真皮の働きはコラーゲンや、エラスチンなどにより、肌(皮膚)を支え、その形や弾力を保っています。
血管・リンパ管や、皮脂腺・汗腺などの付属器により、体温調節や皮脂の分泌など、生理的な働きも担っています。
皮下組織の血管
皮下組織は大部分が皮下脂肪であり、そこに『動脈』や『静脈』が通っています。
皮下脂肪を通る動脈や静脈の働きにより、栄養や酸素を運び、老廃物や二酸化炭素を回収しています。
皮下組織の役割は、大部分の皮下脂肪により、内臓や器官を守ることす。
血流と皮膚の状態
偏食や運動不足、ストレスなどにより、血液や血管の状態が悪くなったり、睡眠不足やホルモンバランスの乱れなどで新陳代謝の機能が低下しすると、ターンオーバーの働きが鈍くなります。
血液が運んできた酸素や栄養素により、細胞は生まれ変わって(代謝して)います。
血行不良になることで、酸素・栄養素の供給や二酸化炭素・老廃物の回収が滞るため、ターンオーバーが促進されません。
代謝をして古い細胞が生まれ変わるということはダメージを修復することでもあり、紫外線や外傷、ニキビなどで傷んだ皮膚を、本来の健康な肌へと戻していくことができます。
血行促進をすることで、筋肉の修復を促す栄養素の供給や疲労物質の排出により、肩や首、腰のコリ、筋肉痛などを解消することにもつながります。
3.ターンオーバーが乱れる原因と肌に起こる症状とは?
ターンオーバーが乱れる原因
- 加齢
- 気温・気候の変化
- 肌の老化
- 紫外線
- 乾燥
- 誤った手入れ(洗顔・クレンジング・スキンケア)
- 栄養バランスの悪い食事(偏食・過食など)
- 酸化
- 糖化
- 睡眠不足
- ストレス
- ホルモンバランスの乱れ
- 冷え・筋力低下
- 喫煙
加齢や気候など、逆らえないこともありますが、生活での習慣のあり方やスキンケアを意識することが、正常なターンオーバーを整えるためには重要な要素なのです。
また、ターンオーバーが乱れる原因は、シミやくすみ、クマなどエイジングサインをもたらす原因と同じのため、これらの原因を取り除くことで、加齢による肌の老化を穏やかにすることにもなります。
ターンオーバーは、肌の代謝活動であるため、ターンオーバーの乱れを感じる場合には、食事、睡眠、運動など基本の生活習慣を見直して体の内側から新陳代謝を整えるようにします。
気温の低下による冷え、気候の変化による紫外線や乾燥などの影響によって起こる肌の老化を防ぐため、予防や対策をおこないましょう。
ターンオーバーの乱れによって起こる肌の症状
ターンオーバーが早すぎる場合の症状
- 肌がテカる
- 毛穴の黒ずみが目立つ
- 角栓が目立つ
- ニキビができる
- 肌が敏感になる
ターンオーバーが早すぎる場合の症状というのは、要因として『外部からの刺激』によって起こります。
紫外線を浴びたり、肌に合わない洗浄剤や化粧品の成分、誤った洗顔方法やクレンジング方法、コットンや手でたたく・こするなどの肌への刺激などが、長期間続くことでターンオーバーを早める原因となり、乱れにつながってしまいます。
また、熱い湯や長時間の入浴、アルカリ性または酸性などの温泉への頻回な入浴など、お肌に何らかの接点で過度な刺激を与えると、場合によっては早くなりすぎることがあります。
これらの刺激によって、無理やり角質が剥がれ落ちることで、肌の深くにある準備ができていない未成熟な細胞が、肌の表面(角層)に押し上げられた状態になります。
肌は弱くて傷付きやすく、肌荒れなどを起こしやすくなったり、水分を保持することが難しくなり、乾燥したり、敏感肌になったりします。
ターンオーバーが早すぎる場合に起こる症状は、遅くなった場合にも起こるものですが、早すぎることが原因であることも多くあるのです。
『ターンオーバーの乱れ』は、促進することだけが重要に思われていますが、過度に早めてしまっている場合もあるため、『ターンオーバーのサイクルを整える』ことが大切です。
『洗顔』、『保湿』、『紫外線対策』を正しくおこない、外部の刺激から肌を守りましょう。
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ターンオーバーが遅すぎる場合の症状
- 肌の色が暗く、くすんでいる
- 肌のキメが乱れている
- 表面がごわつく
- シミが増えた・濃くなった
- すり傷や切り傷の治りが遅い
ターンオーバーの周期が長くなると、古い細胞がお肌にとどまるため、新しい細胞がつくられにくくなります。
自然にはがれるはずの垢などの老廃物が肌の表面を覆ったままになり、角質が厚くなる(角質肥厚になる)ことでさまざまな肌トラブルがあらわれます。
ターンオーバーが遅くなる症状は、主に『肌の代謝の低下』が原因で起こります。
年齢によって身体全体の代謝が低下することに加えて、ストレスや睡眠不足、体温低下、ケア不足などの要素により代謝の低下につながります。
肌の細胞と細胞の間には、潤い成分である『天然保湿因子(NMF)』やセラミドなどの『角質細胞間脂質』が存在します。
しかし、これらは新陳代謝の過程でつくられるため、ターンオーバーがスムーズにいかないとつくられにくくなり、バリア機能が低下して、乾燥を招くことにもつながります。
肌の乾燥には、美容液や保湿クリームで保湿成分を補いますが、古い角質に覆われた皮膚は保湿成分が浸透しにくい状態です。
外側からのスキンケアだけでなく、体内からターンオーバーを整えることで、バリア機能が正常に働き、乾燥を防ぎます。
さらに、保湿成分や美容成分の浸透も良くなるのです。
4.ターンオーバーを整える方法とは?
ターンオーバーを整える基本
- 食事
- 睡眠
- 運動
- ターンオーバーが乱れる原因を取り除く
(1)食事
健康な体や肌をつくるためには、食事の質、栄養バランス、時間、量がとても大切です。
食品添加物や化学調味料、食べ過ぎ、偏食などは、血液を汚し、不要な物質を分解するためにエネルギーが使われて内臓機能を低下させます。
皮膚や粘膜を丈夫にし、肌荒れや老化を予防する効果が期待できる『ビタミンA』、抗酸化作用に優れ保湿にも有効とされる『ビタミンC』、抗酸化作用や血行促進作用のある『ビタミンE』、お肌の新陳代謝を高め皮膚細胞を活性化する『ビタミンB2・ビタミンB6』などを豊富に含む食品を積極的に摂取しましょう。
質の良い食材をバランス良く、規則正しい時間に、腹7~8分目を目安に食べるようにします。
(2)睡眠
肌のターンオーバーは、眠っている間におこなわれるため、質の良い睡眠をとることが重要です。
メラトニンという活性酸素を取り除くホルモンは、21:00頃からその分泌が始まり、真夜中に分泌のピークを迎えるため、ターンオーバーの正常化を助ける役割をします。
また、成長ホルモンもお肌のターンオーバーのために欠かせない物質で、最も多く分泌されるのは、眠りはじめから約3時間といわれています。
女性ホルモンのエストロゲンは、美肌ホルモンとも呼ばれ、分泌量が減ると、肌が乾燥しやすくなりターンオーバーの遅れを招きます。
質の良い睡眠をとるためには、寝る前の習慣や、入浴時間、夕食の時間や量なども意識しましょう。
体温が下がるときに眠気を感じるため、布団に入る約1時間前に入浴し、ストレッチやアロマなどで心と体のリラックス状態をつくります。
また、布団に入る2時間前には食事済ませ、食べ過ぎや消化の悪い脂質の摂りすぎ、眠りの質を下げるアルコールの飲み過ぎはやめましょう。
(3)運動
血行促進には、適度な運動がとても重要です。
加齢とともに筋力が低下して冷えや血行不良を招きます。
加齢などにより減少・消滅する毛細血管を、運動をすることで増やすことができるため、高血圧を防ぎます。
食後30分~1時間に中程度の運動をおこなうことで、血糖値を下げたり、脂質の吸収を抑え、肥満や生活習慣病の予防になります。
ラジオ体操やストレッチ、ヨガなどのゆったりとした衝撃の弱い運動から始め、ウォーキング、踏み台昇降、水泳、ランニングなどの有酸素運動をおこないます。
筋トレと併せておこない、筋肉量と筋力の低下を防いで、冷えや血行不良、むくみなどを予防します。
ケガや関節の傷みを予防するためには、突然激しい運動をするのではなく、『徐々に運動強度を高めていく』ことが重要で、筋肉アップのためにも有効です。
デスクワークでの脳の疲労だけではなく、スポーツなどによって身体疲労することで、睡眠の質も高まります。
夜間にしっかりと眠ることで、脂肪燃焼ホルモンや女性ホルモン(エストロゲン)などの分泌量も増え、シワやシミ、乾燥を防ぎ、ハリやツヤのある美肌がつくられます。
(4)ターンオーバーが乱れる原因を取り除く
紫外線、乾燥、誤った手入れ、酸化、糖化、ストレス、喫煙などターンオーバーの乱れを招く原因を取り除くようにします。
また、腸内環境を整えると、きれいな血液がつくられます。
身体のすみずみの毛細血管まできれいな血液や栄養、酸素が行き渡ることで、新陳代謝や水分代謝も活発になります。
5.まとめ
肌が新しく生まれ変わるターンオーバー(皮膚の表皮組織の新陳代謝)は、促進するだけでなく、正常に整えることが大切です。
外側からの刺激を防ぐためには、『洗顔』、『乾燥』、『紫外線対策』を正しくおこないます。
内側から健康と美しさをつくるためには、『食事』、『睡眠』、『運動』などの生活習慣を意識することが重要です。
表皮、真皮、皮下組織には動脈、静脈、毛細血管が通っています。
血行促進をすることで、皮膚の末端の細胞まで酸素や栄養素が供給されるため、健やかな素肌がつくられ、肌トラブルを予防します。
質の良い食事、睡眠、運動で血管と血液の状態を健やかに保ちましょう。
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