漢方薬のひとつ、ヨクイニンをご存知でしょうか?ヨクイニンは肌のさまざまなトラブルに効果があり、肌の新陳代謝を高める効果も持っています。そんなヨクイニンの効果や服用方法についてご紹介します。
ヨクイニンの効果について
漢方薬として使われる「ヨクイニン」をご存知でしょうか?
ヨクイニンは歴史も古く、昔から美容や滋養強壮などに効果があるとして使われてきました。現在でも水いぼなどのウイルス性のいぼの治療や、アトピーによる皮膚の症状、肌荒れなどの改善に使われており、身近な漢方薬のひとつです。
ここではヨクイニンについて、効果や服用のタイミングなどをご説明します。
そもそもヨクイニンって何?
イネ科のハトムギの皮を除いた種から作られる漢方薬のこと
ヨクイニンとは、イネ科の「ハトムギ」の皮を取り除いた成熟種子で、生薬のひとつです。
ハトムギにはたんぱく質やカルシウム、鉄分、ビタミンB群などの栄養素が豊富に含まれており、たんぱく質においては玄米と比較して約2倍近くも含んでいます。
ハトムギの歴史は古く、約2000年前には中国では植えて育てられ、昔から食用として栽培されていたと言われています。当時からハトムギによる美容効果も知られており、出産後の体力回復のための食事などにも使われていたそうです。最近では美容効果を期待して「ハトムギ茶」を飲む人も増えています。
名前が違うだけで、ハトムギとヨクイニンは同じ
ヨクイニンはハトムギの皮を除いた天然の成熟した種子ですが、日本では健康食品として販売されるときは「ハトムギ」で、漢方薬として販売されるのは「ヨクイニン」です。名前は違いますが、ハトムギとヨクイニンは同じものです。
ハトムギは「ハトムギ茶」としてスーパーなどでもよく売られています。美容効果などを得られるだけでなく、お茶なので手軽に飲むことができます。ただし、お茶として飲みやすいように作られている場合が多く、それによってハトムギの成分が少し薄まっているものもあります。十分な効果を得たい場合は、漢方薬としてヨクイニンを服用するのがおすすめです。
ヨクイニンの効果はどんなもの?
子宮頸がんの原因となるウイルスに対して効果がある
現在若い女性にも増加している子宮頸がんですが、その原因となるウイルスは「ヒトパピローマウイルス」だと言われています。
ヨクイニンには、このヒトパピローマウイウスから身体を守ってくれる効果を持っています。
ハトムギは皮膚の新陳代謝を活発にする
ハトムギにはたんぱく質やカルシウム、ビタミンB群、糖質などさまざまな栄養素がバランスよく豊富に含まれており、皮膚の新陳代謝をよくする効果があります。ハトムギによって身体に含まれる水の流れが良くなり、それによって新陳代謝が上がると言われています。
皮膚の代謝が良くなると、皮膚が浄化されたり、身体のなかに溜まりやすい余分な水分を排出したりすることができます。
皮膚細胞の生まれ変わりに効果あり
ハトムギは昔から「いぼ取り」などに効果があると言われ、治療に使われてきました。
身体の新陳代謝力を上げる効果を持っているので皮膚が浄化され、シミやそばかすなどの原因となる老廃物などを運んでくれます。そのため、肌をきれいに保つ効果を持っています。
体内で免疫力が向上する
ヨクイニンによって、身体の免疫力が向上すると言われています。
ハトムギに含まれる成分の力で、身体のなかの免疫機能を高め、マクロファージやナチュラルキラー細胞などが活性化する作用があるそうです。
ハトムギには利尿作用もあり
ハトムギには新陳代謝を活発にする効果に加えて利尿作用もあるので、身体に溜まってしまう老廃物を排出する効果があります。身体のなかの余分な水分や老廃物が排出されると、むくみなどの原因となる水毒の症状を防ぐこともできます。
利尿作用を期待する場合は、ハトムギ茶を飲むのがおすすめです。
さまざまな肌のトラブルに効く
そのほかにも、ヨクイニン(ハトムギ)はいろいろな効果を持っていますが、なかでも水いぼやニキビなど、さまざまな肌のトラブルに効果があることがよく知られています。
肌トラブルやそれに対する効果などについてはこのあとご説明します。
具体的にどんな肌トラブルに効果があるの?
ニキビ
ヨクイニンは皮膚の新陳代謝を活発にする効果を持っています。また、ハトムギにはビタミンB群などの栄養素が豊富に含まれていたり、肌の生まれ変わりを助ける効果もあります。ビタミンB群は肌の炎症などを防いだり、皮膚の健康を保つ働きを持っています。
そのほかにも、ヨクイニンには肌の角質を取り除く効果や、肌の角質層を保湿するさようなどもあります。肌の化膿や炎症を抑える効果もあるので、そのためニキビの治療にも効果があると言われています。
アトピー性皮膚炎
ヨクイニンはアトピー性皮膚炎の治療にも効果があると言われています。
アトピー性皮膚炎は体質的な要因と環境要因が合わさって起こります。体質的な要因には皮膚を外から守るバリア機能が低下していることなどが挙げられますが、ヨクイニンには肌の新陳代謝を高め、免疫力を向上させる効果があるので、アトピー治療に使われることもあるそうです。
ステロイド薬を使用して治療を行うこともできますが、長期的に使用するとステロイドによって皮膚が薄くなったり、毛細血管が拡張するなどの副作用が現れることがあります。
しかしヨクイニンは副作用が少なく、子どものアトピー治療にも使用することができます。
肌荒れ、しみ、そばかす、しわ、鮫肌
先ほどヨクイニンはニキビなどを改善する効果があると言いましたが、身体のなかに溜まりやすい老廃物を運ぶ作用もあるので、シミやそばかす、しわ、そのほかの肌荒れなどにも効果があります。
また、角質を取り除いて肌をなめらかにする効果もあるので、鮫肌やざらざらとした肌の改善にも役立ちます。
水いぼなどのウイルス性のいぼ
水いぼは、伝染性軟属腫ウイルスというウイルスが皮膚に感染して発生します。プールなどで感染することが多いので、子どもにも多くみられる症状です。水いぼは自然に治る場合もあるので治療せずそのままにしておくこともあるようですが、治るまでに周りの人に感染してしまうこともあります。また、病院などでいぼを取ることもできますが、摘除する際に痛みを感じ、いぼを取った後に傷ができる場合もあります。
そこで、水いぼなどのウイルス性のいぼの治療には、漢方薬であるヨクイニンを用いることがあります。ヨクイニンはウイルス性のいぼの治療に効果があると言われています。
水いぼはプールなどに入って感染する事が多いので子どももよく感染してしまいますが、ヨクイニンは副作用が少なく、子どもでも服用することができるので、子どもの水いぼの治療にも使われることがあります。
ヨクイニンに副作用はあるの?
植物由来のため、副作用はほとんどない
ヨクイニンは植物由来の天然成分でできているので、副作用などが少ないのが特徴です。そのため子どもの水いぼなどの症状の治療に対しても使用することができるそうです。
ただし服用した際、まれにじんましんや発疹などが出ることもある
天然成分からでできているヨクイニンですが、なかには副作用が現れる場合もあります。
漢方薬の場合、ヨクイニンのみを服用するのではなく複数の成分が一緒に配合されたものを服用する場合もあります。そのためヨクイニンに対しては副作用が起こらなくても、配合されたそのほかの成分に反応して副作用が起こる場合もあります。
主な副作用はじんましんや発疹、下痢などの症状です。とくに下痢は、服用を開始したときに症状が現れることが多いと言われています。
空腹時の服用が推奨されている
漢方薬の場合、服用するタイミングは「食前・食間」が良いとされています。
なお、ヨクイニンを服用するときは「空腹時」に服用すると、もっとも効果が得られるそうです。ヨクイニン薬でなくても、お茶としてハトムギ茶を飲む場合でも、空腹時に飲むようにすると効果を発揮しやすいので、空腹時に服用しましょう。ハトムギ茶は朝起きたときの空腹時に飲むこともおすすめです。
妊娠中の摂取には注意が必要
いくら天然成分からできているといっても、妊娠中に服用すると思わぬ反応が現れることがあります。漢方薬だからといって副作用や胎児への影響などが現れないとは限りません。自分で判断して服用ことはせず、必ず確認を行うようにしましょう。
妊娠中のヨクイニン服用に迷ったら、一度病院で医師に相談するか、薬局で薬剤師に相談してみることをおすすめします。
また、ヨクイニンと同じ成分を含む「ハトムギ茶」の場合も老廃物を排出する作用をもっているので、飲み続けると流産などを起こす場合もあります。妊娠中はハトムギ茶の摂取は控えましょう。
似た名前の漢方薬:ヨクイニン湯は心臓病や高血圧の人は注意!
ヨクイニンを配合した薬に、「ヨクイニン湯」という漢方薬があります。ヨクイニンは肌荒れや水いぼなどの治療に効果のある漢方ですが、ヨクイニン湯という漢方薬はヨクイニンのほかにもマオウやシャクヤクなど複数の生薬を配合して作られているので、関節痛や筋肉痛などの症状に対して効果があります。名前は似ていますが、効果や配合生薬もまったく違うので、注意しましょう。
ヨクイニンだけなら副作用はほとんどありませんが、複数の生薬が配合されている場合には、副作用が現れることもあります。とくに心臓病や高血圧などの疾患を持っている場合は、必ず医師や薬剤師に相談しましょう。
服用はどのくらいの期間続ければいい?
漢方薬は西洋薬と比べて即効性がないものが多い
漢方薬は種類によって異なりますが、即効性がない場合が多いです。また、服用する人の体質などによっても効き目の速さが変わってきます。しかし西洋薬に比べて副作用も少なく、ひとつの症状に対して効果があるのではなく、複数の症状に対して効果を現すことができます。
反対に西洋薬の場合はピンポイントな症状に効果があるので、即効性があります。ただしそのぶん効き目が強く出て、副作用などが現れやすいこともあります。
ヨクイニンは半年ほど服用し続けることが望ましい
ヨクイニンは漢方薬なので即効性はなく、時間をかけて服用し、ゆっくりと治していかなければなりません。水いぼなどのウイルス性のいぼの場合、個人差はありますが一般的にはヨクイニンを服用してから約2か月から3カ月ほど経つと、ウイルスに対する抗体ができると言われています。
ただし、ウイルスに対して完全な抗体ができていないうちに服用をやめてしまうとまたいぼができてしまうことがあるので、3カ月以上、半年ほど服用し続けることが望ましいと言われています。
毎日のスキンケアとして、こつこつ予防していこう
ヨクイニンは即効性がないので、いますぐ肌荒れなどの症状を治したいと思ってもなかなか効果を得ることができません。しかし、毎日の生活に取り入れて摂取していくことで、ゆっくりと時間をかけて、身体の内側から肌の状態を整えることができます。
肌荒れはさまざまな原因で起こるので、複数の症状に効果のある漢方薬を使って治療を行うと、ひとつの症状だけでなくそのほかの症状も治ることがあります。また、新陳代謝を高めて老廃物を排出する効果も持っているので、肌が持っている力を活性化させたり、身体の内側からきれいにすることができます。
ヨクイニンはどこで購入できる?
ヨクイニンは病院に行かなくても、ドラッグストアなどでも購入することができます。市販のヨクイニンにはさまざまな種類があるので、購入する場合には、薬剤師や登録販売者などに相談しましょう。
また、病院で処方してもらうこともできるので、気になる場合は医師などに質問してみましょう。
子どもなどで苦みが苦手な場合や、薬が飲みづらい場合には、スーパーなどでも購入できる「ハトムギ茶」を購入して飲む方法もあります。ヨクイニンは即効性がなく、長期的に服用し続けて効果を得られるものなので、生活にも取り入れやすいお茶で摂取することもおすすめです。
まとめ
漢方薬は即効性が得られないものが多く、長期的に服用しなければ効果が現れにくい薬です。しかし天然由来の成分からできており、ひとつの症状に対してだけでなく、さまざまな症状の改善に役立ちます。
ヨクイニンはニキビやシミ、水いぼなどの治療にも効果があり、皮膚の新陳代謝を高めて身体の内側から肌をきれいにしてくれます。薬を服用するのが難しい場合には、同じような効果を得られる「ハトムギ茶」を毎日の生活に取り入れて摂取することもできるのでおすすめです。ただし、妊娠中には流産などに繋がる場合もあるので、摂取は控えましょう。