精油で作る虫避け “精油の特質を知り、より自分仕様に”

  • 2015/06/25
  • 22:52
虫刺されの季節になってきました。6月に入ると蚊も出てきて、精油で作る虫避けの出番です。

市販の虫よけは、主成分のディート(蚊やダニ避け効果は高い)は、アレルギー反応や肌荒れ、神経毒性の危険が心配されることから、近年は精油で作る虫避けが人気です。ディートも防腐剤も含まない虫避けを精油で作ってみましょう。

手作りのよさは、避けたい虫、肌質や塗布部位、年齢、使い勝手等によって、精油の種類や量、使い方を選べるところです。
精油それぞれの特質を知ると、より自分に合った虫避けが作れます。その上、好きな香りを加える采配もあるのでなおさら、自分専用のレシピを創っていくのは、マニアックで楽しいですよ。

◆精油などを使って手作りして使うのは、全てご本人の責任において、となります。だからこそ、より安全に、不安なく作ったり使ったりしてほしいな~と思ってます。長文です。◆


避けたい虫とは、噛まれたくない虫。噛まれたくない虫の代表格は、蚊、アブ、ブヨ、ブユでしょうか。
(蜂も~ですが、蜂は香りで防ぐよりは近づかない、刺激しない、黒い服装は避ける、甘い匂いを漂わせない、です)

虫を避ける精油、昆虫忌避作用のある精油の中で、
まずは特に蚊が嫌がる精油を。
蚊が嫌がる匂いの成分は、シトロネラールとシトロネロールといわれています。

シトロネラール、シトロネロールを多く含む精油としては、
・ユーカリ・レモン (シトロネラール含有率:70~85%)(シトロネロール含有率:3~10%)(合計:73~95%)
・シトロネラ・ジャワ (ラ:35~40%)(ロ:10~15%)(合計:45~55%)
・シトロネラ (ラ:3~10%)(ロ:0%)(合計:3~20%)
・レモン・ティートゥリー (ラ:9%)(ロ:0)
・ダマスク・ローズ (ラ:0)(ロ:30~65%)
・ゼラニウム・チャイナ (ラ:0)(ロ:35~45%)
・ゼラニウム・エジプト (ラ: 1%未満)(ロ:25~40%)
・ゼラニウム・コルシカ (ラ:0)(ロ:15~30%)
・ゼラニウム・ブルボン (ラ:0)(ロ:15~30%)
・レモンバーム (ラ:約3~10%)(ロ:1%未満)

パーセンテージが高い精油の方が、より蚊は逃げます。
◆含有率は精油のメーカーやロットによっても異なります。また商品名も各メーカーによって異なります。ケモタイプの精油や精油のロットで成分を調べることができます◆

では、シトロネラールとシトロネロールの違いはなんでしょうか?
シトロネラールはテルペン系アルデヒド類です。シトロネロールはモノテルペンアルコール類です。

シトロネラールのテルペン系アルデヒド類は、皮膚感作性が強く、熱や酸素により化学変化を起こしやすい特性があります。つまり皮膚刺激があり、揮発性が高く、皮膚に吸収もされやすい、となります。
シトロネロールのモノテルペンアルコール類は、比較的安全で使いやすいとされています。匂いもユーカリ・レモンと比べるとシトロネラは柔らかです(含有成分が多岐にわたっています)。

ということは、
蚊を避けるには、ユーカリ・レモンが最も効果的ですが、皮膚刺激も一番あります。肌が強い人用、又は皮膚の強いところ向き(脚や腕)、肌に付けない用(網戸やカーテン、帽子や靴など)におすすめです。
肌の弱い人や、敏感肌で不安のある人、お顔用、子供用には、シトロネラ・ジャワや、シトロネラがおすすめということになります。

精油を2滴以上入れる場合は、ユーカリ・レモンとシトロネラの両方を使用し、その比率を調整して、肌への刺激と蚊避けの効果を使ってみてみることです。また、ユーカリ・レモンだけだと、揮発性が高いので、すぐに使い切ってしまわない場合等には、虫避け効果のある精油の中から、重い精油(ベースノートになる精油)を1滴でも加えることをおすすめします。


次に、蚊に限定しないで、昆虫忌避作用のある成分としては、ケトン類のカンファーになります。強いツーンとした刺激臭で固い匂いです。アブやブヨ、ブユは、この強い確固とした刺激臭を嫌います。
ケトン類のカンファー含有率が多い精油としては ◆禁忌事項あり◆
・カンファーホワイト (カンファー:約50%)
・ローズマリー・カンファー (カ:15~25%)
・ラベンダー・ストエカス (カ:15~25%)
・タナセタム (カ:10~20%)
・セージ (カ:5~20%)(α-ツヨン:25~45%)(β-ツヨン:3~15%)
・ヤロー (カ:5~20%)、
・ラベンダー・スピカ (カ:5~15%) *ノミに効果的
・ローズマリー・シネオール (カ:5~15%) *ダニに効果的
・ラベンダー・レイドバン (カ:5~10%)
・ローズマリー・ピラミダリス (カ:2~10%)
・ローズマリー・ベルベノン (カ:2~10%)
・コリアンダー (カ:3~5%)
・ラベンダー・スーパー (カ:3~5%)

さらに虫避けになる精油として(ケトン類の含有率が高い) ◆禁忌事項あり◆
・クローブ (オイゲノール:70~95%)
・スペアミント (ℓ-カルボン:約60%) ミントは揮発性が高いので、ブレンドの際に重い精油を加えます
・ペパーミント (ℓ-メントン:15~30%)
・北見ハッカ油 (ℓ-メントン:15~30%)

◆ケトン類は、ケトン類の毒性(神経毒性と堕胎作用)があり、使用に細心の注意が必要です。濃度や使用量をよく考慮してブレンドします。妊産婦、乳幼児、授乳中の方、老人、てんかん患者等への使用は禁忌です◆
ケトン類のカンファーを含む精油は、主に大人用、または肌に直接つけない用(子供が舐める可能性のない場所に)に使います。ブレンドの際には、ユーカリ・レモンやシトロネラを主に、ケトン類のカンファーを含む精油は少なめに配合します。またケトン類のカンファーやケトン類の含有率の低い精油を選んだり、精油に含まれる他の成分も調べて、より適切な精油を選びます。

避けたいのが蚊だけであれば、あえてケトン類を含む強い精油を使用する必要はありません。蚊以外の虫(アブ、ブヨ、ブユ)も避けたい場合は、注意して使用しましょう。最初は少量から。皮膚への刺激や虫避けの利き具合をみて、量や比率を増やしていきます。毎日使う虫避けなのか(高濃度は禁忌)、キャンプや行楽地で一時的に使うのかによっても、濃度や注意事項は変わってきます。


まだまだあります虫避けになる精油
どれも強い刺激のある香りです。昔から防腐剤などに使われてきた香りの強いハーブや、熱い国のハーブは虫よけとして使われてきたものが多くあります。
・ヒバ (セキステルペン ツヨプセン:5~60%) *ノミ、ダニ、蚊に効果的 (ツヨプセンの%が高いほど虫は嫌がります)
・ヨーロッパ・アカマツ
・シダーウッド・バージニア
・ジュニパー ◆注意事項あり◆
・バジル ◆注意事項あり◆
・ブラックペッパー ◆注意事項あり◆
・ミルラ
・マートル
・リトセア
・レモングラス(西インド産)
・パイン ◆注意事項あり◆
・スターアニス ◆禁忌事項あり◆
・ナツメグ *ヒトシラミに効果的◆禁忌事項あり◆
・シナモンリーフ ◆禁忌事項あり◆
・ベチバー *シロアリに効果的
・ウインターグリーン *アブに効果的◆禁忌事項あり◆

日本の精油も効果的
・樟脳◆禁忌事項あり◆
・ひば(青森ひば、アスナロ)
・ひのき
・月桃
・薄荷◆禁忌事項あり◆

最後に、虫避け効果が少しある精油
・イランイラン
・ユーカリ・シュタイゲリアナ
・パチュリー *ヒトシラミに効果的
・イランイラン
・サンダルウッド
・マジョラム

ああ、なんと沢山あるのでしょう・・・・・。 ( うっとり~しましたか? うんざりしましたか? (#^.^#) )


精油を選ぶポイントは
誰が、どこで、どのくらい、何の為に使うのか?
誰が?・・・・・使う人の年齢や病歴、肌質等は?衣服や物につける?
どこで?・・・・出かける前に?外出先で?公園で?山で?南国で?
どのくらい?・・・・・・1日に使う頻度や量は?
何の為に?・・・・・どの虫を重点的に避けたいのか?

そして、いい匂いの精油を選ぶ。
精油を何滴も入れるレシピなら、せめて1滴くらいは、虫避け効果のある精油の中で、効果や含有率ではなく、一番好きな香りの精油を加えましょう。この1滴が大事です。貴方の肌に添うかどうかの決め手になります。


年齢による濃度(肌の弱い人、病気、病歴によってはこの限りではありません)
・新生児には、基本的に精油は使用しません。
・生後3か月~1歳半までの乳幼児には、最大で大人の濃度の4分の1
・1歳半以上~3歳までの幼児には、大人の濃度の4分の1~3分の1
・4歳~7歳までの小児には、大人の濃度の3分の1~半分
・8歳~14歳までの少年少女には、大人の濃度の半分~3分の2
・15歳~19歳までの青少年には、大人の濃度の半分~~大人と同じ
・65歳以上の方には、健康や体力等によって、濃度を低くする配慮が必要になります。

濃度調整の目安
・一度に使う量が多い場合は、濃度を低くして作り、様子をみて濃くしていく。
・顔や肌の敏感なところへスプレーする場合も、濃度は低めにして様子をみる。
・脚や腕などの、肌の強いところへスプレーする場合の濃度は高めでも構わないが、様子を見ながら濃くしていくこと。
・精油の種類によっては(ケトン類など)の上記の年齢による濃度や、基本のレシピの濃度より低めで作る。



虫避けスプレーの基本のレシピ①【100ml 大人の濃度で肌につける用】
・無水エタノール10ml
・虫避け効果のある精油15~20滴
・精製水90ml
(希釈濃度0.75~1%)
◆要冷蔵 消費期限の目安は1カ月◆
スプレーする前に、よく振って混ぜること。顔にスプレーする際は、目や口を閉じること。周りの人(特に目や口などの顔)や、傷口にかからないよう気を付けること。
グレープシードエクストラウト等の天然の防腐剤を入れる場合は、常温保存可(直射日光、高温多湿での保存は避ける)消費期限の目安は1ヶ月~3ヶ月(天然防腐剤の種類や濃度による) (私は使用したことがありません)

虫避けスプレーの基本のレシピ②【50ml 物にスプレーする用】
・無水エタノール30ml
・虫避け効果のある精油 20~30滴
・精製水20ml
(希釈濃度20~30%)
◆常温保存可(直射日光、高温多湿での保存は避ける)消費期限の目安は1ヶ月◆
肌に直接スプレーしないので、肌刺激のある精油も使用できるが、高濃度で作った場合、スプレーする際に肌に付かないよう注意する。また子供やペットが舐める可能性のあるところにはスプレーしないように。


虫避けブレンドオイル【10ml 大人の濃度で肌に付ける用】
ホホバオイル10ml (ファーナスオイルもよし、グレープシードオイルも可)
虫避け効果のある精油3~6滴
(希釈濃度1.5~3%)
◆常温保存可(直射日光、高温多湿での保存は避ける)消費期限の目安は3ヶ月◆
脚や腕に塗る(汗が噴き出る季節や日中には向きませんが)にはよいです。香りが持続しやすいので、虫避け効果も持続しやすいです)

虫避けの練香【約14g 大人の濃度で肌に付ける用】
ホホバオイル10ml
ミツロウ4g
虫避け効果のある精油 4~9滴
(希釈濃度1.4~3.2%)
◆常温保存可(直射日光、高温多湿での保存は避ける)消費期限の目安は3ヶ月◆
外出先で塗りやすいです。

アロマポットなどでお部屋に香らせる場合
虫避け効果のある精油 3~6滴を
1日に1回~3回まで(焚きすぎに注意)

追加で:羽のある虫は煙が苦手です。
黒や濃紺など濃い色の服や帽子、黒髪には寄ってきやすいです。体温が高い人、汗臭い人にも寄ってきやすいです。甘い物や、アルコールが好きな人は蚊に好まれてるかもしれません。(菓子パンが好きな人は蚊に好まれてはいませんか?)


それでも虫に刺されたら
蚊は掻くと余計に痒みが広がります。刺された直後なら、掻かない!で、つばをつける!自家製の良薬です(2~3回のつばで大抵は治まります)。
無意識に掻いてしまっていたら、痒みを鎮めてくれる精油を。(水や氷で冷やしてもよい)
なるべく早目の対処で、痒みは早く引きます。

アブやブヨは、腫れたりします。掻かなくても腫れやすいです。鎮静効果のある精油や、水や氷で冷やすこと。浮腫みやすい人は、腫れもなかなか引かないかもしれません。代謝をよくして、解毒の流れをスムーズにすることも必要です。

虫刺されの痒みには
ラベンダー・アングスティフォリア、カモミール・ジャーマン、カモミール・ローマン、パイン、ペパーミント、ヤロー、ラベンダー・スピカ、トゥルーバルサム、ティートゥリーなどを。

虫刺されの腫れには
ラベンダー・アングスティフォリア、パイン、ペパーミント、ヤロー、ラベンダー・スピカ、プチグレン、イランイラン、ゼラニウム・エジプト、レモングラス、ベルガモットミント、パチュリー、バジルなどを。

掻き壊すくらいに掻いてしまったら
ラベンダー・アングスティフォリア、ローズウッド、プチグレン、ローズ、ロックローズ、ジャーマン・カモミール、フランキンセンスなどを。

希釈濃度3~10%の軟膏か、ブレンドオイルなど刺された箇所に塗ります。ハーブチンキも効果的です。


最後に、少々の虫がいても、多少は刺されても、それはそれで大丈夫な人になっていたいものですね。
おわりです。

長々とお読みいただいて、ありがとうございました。
普段、虫避けスプレーなりを作る時に、考えていること、考慮していることなどを、文章にしてみました。
頭の中でシュミレートしたり、精油に聞いたり、使う人を想像したりして選んでいることを、文章にするのは、大変でした。
一つ一つに、それぞれの理油があるからで、それだけでもないからで。

何かの参考になれば、あなたが自分で選ぶ際にお役に立てたら嬉しいです。
ありがとうございました。

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