腕ニキビと色素沈着
もし二の腕に炎症を伴うぶつぶつができてしまったら、それは腕ニキビかもしれません。腕のニキビは一度できてしまうとなかなか治らない厄介なものです。綺麗に治すためにも地道にケアを続けていきましょう。脂ぎっていないのに…腕にニキビができてしまう理由とは
腕は皮脂腺が少ないため、顔や背中とは違って皮脂の分泌量が少ない部分です。そのため脂ぎることが少なく、本来ならニキビができづらい場所といえます。しかし腕にニキビがまったくできないというわけではありません。腕は皮脂腺が小さい分、刺激などが原因で皮脂がたくさん分泌されてしまうと、毛穴が詰まりやすくなります。また紫外線や乾燥が原因で肌のバリア機能が低下したり、衣服で肌が蒸れたりすると、ニキビを引き起こすアクネ菌が繁殖しやすくなります。さらにストレスによる免疫力低下やホルモンバランスの崩れも、腕にニキビができる原因になります。
ニキビが色素沈着を起こしてしまう理由
きちんと薬を塗り、あるいは保湿を行うなど適切なケアを行えば、ニキビは確実に改善していきます。しかしそれで無事ニキビが治ったとしても安心はできません。なぜならニキビの跡が色素沈着を起こし、茶色いシミができてしまうことがあるからです。こうした色素沈着が起こってしまう原因は、紫外線や摩擦といった肌への刺激です。肌は刺激を受けると、メラニンという色素を大量に作り出します。こうして生成されたメラニン色素が肌の中に残り、色素沈着を起こしてしまった結果が、いわゆるシミです。
ニキビにおいては、ニキビを触ってしまったり、炎症が起きている部分に紫外線を浴びせてしまったりすると、それらの刺激によってメラニンの生成が活発になります。その分メラニンが肌の内部に残留しやすくなり、色素沈着が発生する可能性が高くなってしまいます。
腕ニキビを適切にケアして色素沈着を防ぐ
したがって腕ニキビを綺麗に治すためには、患部に刺激を与えないようにすることが大切です。ニキビをつぶしたりするのはもちろんNGですし、普段の生活においても炎症を起こしている部分になるべく刺激を与えないようにしなければなりません。たとえば患部を清潔に保つことはニキビの治療の基本ですが、汚れを落とそうとするあまり身体をごしごし洗ってしまうと、摩擦による皮膚への刺激が心配です。身体を洗うときは石鹸を良く泡立て、泡で優しく洗うようにしましょう。また肌のバリア機能を正常に保つために、保湿ケアをしっかり行いましょう。
毛孔性苔癬と色素沈着
腕ニキビと間違えやすい疾患に毛孔性苔癬があります。優性遺伝で伝わるこの疾患は、発症率の高いありあふれた病気です。できてしまったぶつぶつは放っておいても健康に害はないのですが、ケアの仕方によっては色素沈着を起こしてしまうことがあります。毛孔性苔癬はどうして起きるの?
毛孔性苔癬は、毛穴に詰まった角栓が皮膚の表面に突出し、ざらざらとした丘疹が発生してしまう病気です。遺伝の影響が大きい皮膚疾患で、多くの人に見られます。若いころに発症し、左右対称に丘疹ができるのが特徴です。毛孔性苔癬で肌にぶつぶつができてしまうのは、ターンオーバーの異常に伴い、古い角質が毛穴に詰まってしまうためです。細菌やウイルスによるものではないので、放置しておいても健康上は問題がありません。しかし見た目に影響があるため、美容上の理由から悩んでいる方が多くいます。
毛孔性苔癬と色素沈着の関係
毛孔性苔癬におけるぶつぶつの特徴は、毛穴に沿って小さな丘疹が無数にできることです。色は皮膚と同じ色であることもありますが、軽度の炎症や毛細血管の拡大による影響で赤みを帯びたり、薄い茶色をしていることもあります。毛孔性苔癬による丘疹は30代以降自然に治ることも多いのですが、人によっては丘疹の跡が色素沈着を起こしてしまうケースがあります。なかでも丘疹にもともと色がついている人や、丘疹を潰してしまった経験のある人は、丘疹が消えた後に色素沈着が残ってしまう可能性が高いようです。
毛孔性苔癬による色素沈着を防ぐためには
毛孔性苔癬による色素沈着を防ぐためには、ニキビのときと同様、丘疹を傷つけないようにすることが重要になります。丘疹を傷つけると皮膚が炎症を起こし、メラニン色素が発生しやすくなってしまいます。そのためニキビ同様、ぶつぶつをつぶしたり、ごしごしこすって刺激を与えたりするのは避けましょう。また丘疹に赤みがある場合は、皮膚科などを受診し、外用薬で赤みを抑えるようにすることも大切です。丘疹の跡を残さないようにするためにも、自宅でのケアに限界を感じたら、早めに医師に相談するようにしましょう。
皮膚科でも自宅でもできる治療!ピーリングとは?
ニキビと毛孔性苔癬、両方に効く治療法の1つにピーリングがあります。特に医療機関で受けることができるケミカルピーリングは保険の効かない自由診療にはなりますが、薬剤の濃度が濃く、より効果が期待できます。そもそもピーリングとは?
ピーリングとは肌の表面に酸性の薬剤を塗り、古い角質や毛穴の汚れを溶かして除去するという手法です。ニキビの原因である毛穴の詰まりや、角質の塊である毛孔性苔癬の丘疹を解消するのに効果的です。また余計な角質を取り除くことで、肌のターンオーバーを促し、色素沈着の原因であるメラニン色素の排出を助けます。そのため色素沈着の改善にも有効といわれています。クリニックで治療の1つとして受けられるほか、市販のピーリング剤などを利用すればセルフケアとしても行うことができます。
病院で受けられるケミカルピーリング
自宅でも行うことのできるピーリングですが、より強力な効果を期待するなら医療機関で行うケミカルピーリングがおすすめです。自宅やエステでピーリングを行う場合よりも使用できる薬剤が強力ですし、ニキビや毛孔性苔癬の治療法としてれっきとして認められた施術でもあります。難点は自由診療になってしまい、治療費用が高額になりがちなことです。しかし無理やり古い角質をはがすピーリングは、一歩間違えると肌トラブルの原因になります。その点、医師のサポートが受けられる医療機関での施術は、自己流で行うよりも安全性という意味では優れているといえるでしょう。
ピーリングを行う際の注意点
ピーリングを行うと、一時的に皮膚の角質層が薄い状態になってしまいます。そのためピーリングを行った場所は肌のバリア機能が低下し、乾燥や紫外線といった刺激に弱くなります。ピーリングをしたあとは、保湿をしっかり行って肌を乾燥から保護するほか、敏感肌用の日焼け止めを使って紫外線から肌を守りましょう。また摩擦による刺激から肌を守るために、肌をこすらないようにすることも大切です。医療機関でケミカルピーリングを受けた場合は医師の指示に従いましょう。
美容外科で受けられる治療!ダーマローラーとは
ニキビや毛孔性苔癬は保険診療を受けることもできますが、自費診療まで選択肢を広げるとより審美面に配慮した治療を受けることができます。特に毛孔性苔癬について、「ケミカルピーリングよりも効果があるのでは?」といわれている治療がダーマローラーです。ダーマローラーとは
ダーマローラーとは、医療用の極細な針で覆われた特殊なローラーのことです。このローラーを肌の上で転がすと、皮膚に目に見えない小さな穴が無数にできます。ダーマローラー療法では、これらの傷を治そうという自然治癒力を利用して、肌細胞の再生を促していきます。さらにより効果を高めるために、プラセンタ、ビタミンCなどの有効成分の入った薬剤を塗布するのが一般的です。皮膚に穴が開いている状態ですので、通常よりも薬剤が真皮に浸透しやすくなっています。
ダーマローラーに期待できる効果とは
ダーマローラーによって皮膚が傷つけられると、自然治癒力の働きによって、真皮層のコラーゲンやエラスチンなどが再生されます。このことによって肌細胞そのものを生まれ変わらせることが可能です。ダーマローラーを使った治療では、数週間ごとに5、6回の施術を連続して受け、肌の細胞を徐々に新しいものに入れ替えていきます。効果を得るまでには3ヶ月ほど時間がかかりますが、肌細胞そのものが新しくなっているため効果の持続期間も長いのが特徴です。ニキビ跡や色素沈着、毛孔性苔癬に伴う丘疹などさまざまな肌トラブルの解決に有効だといわれています。
ダーマローラー療法を受ける際の注意点
肌質そのものの改善が期待できるダーマローラー療法ですが、デメリットもあります。まず皮膚を傷つけて人工的に炎症を起こす治療法であるため、施術には痛みを伴います。施術の際は肌表面に麻酔クリームを使用しますが、それでも完全に痛みを取り除くことはできません。また治療後は腫れや赤みといった症状が出るため、数日間のダウンタイムが必要になります。しかも炎症によって一時的に色素沈着が起こることもあります。さらに針を肌に突き刺す治療法なので、衛生管理がちゃんとしていないクリニックで施術を受けると感染症などにかかるリスクもあります。
そのため、もしダーマローラー療法を受けたいと考えているなら、信頼できるクリニックを選ぶことが大切です。
色素沈着の主要因である紫外線にも要注意!
ニキビと毛孔性苔癬に共通する敵に、紫外線があります。メラニン色素を大量に発生させてしまう紫外線は色素沈着を起こす主要因です。できてしまったぶつぶつの跡を残さないためにも紫外線ケアを怠らないようにしたいものです。紫外線による色素沈着
メラニン色素は色素沈着の原因物質ですが、だからといって悪者としてとらえるのは間違っています。むしろ私たちの皮膚を外界の刺激から守るためには欠かせないものです。メラニン色素は紫外線によって発生する活性酸素を無害化し、肌細胞が傷つくのを防止してくれています。通常メラニン色素は肌のターンオーバーに伴って、垢として剥がれ落ち、身体の外に排出される仕組みになっています。しかし紫外線を浴びてメラニン色素が大量に発生したり、あるいはターンオーバーのサイクルに乱れが生じたりすると、メラニン色素の排出が間に合わなくなってしまいます。
そのため「太陽の光を浴びるとシミができる」といわれるのです。ニキビや毛孔性苔癬による丘疹ができている部分は、もともと炎症による赤みや色素沈着が発生しやすいところです。そこに紫外線があたってしまうと色素沈着がひどくなり、治りづらくなります。
紫外線は、ぶつぶつそのものを悪化させる原因にも
紫外線は色素沈着の原因になるばかりか、ニキビや毛孔性苔癬そのものの症状をも悪化させます。それは紫外線の刺激によって、皮膚が乾燥してしまうためです。乾燥は肌のターンオーバーのサイクルを乱すほか、余分な皮脂の分泌をも促してしまいます。さらに肌のバリア機能をも低下させるので、雑菌に対しても抵抗力が弱くなります。そのためターンオーバーの異常が原因である毛孔性苔癬、皮脂のつまりやアクネ菌が原因のニキビ、どちらにとってもよくないのです。
紫外線ケアで色素沈着から肌を守る
ですから、二の腕のぶつぶつの悪化を防ぎ、同時にぶつぶつの跡を残さないようにするためには、紫外線ケアを怠ってはいけません。とりわけ炎症による赤みや色素沈着が皮膚に出ている間は気を遣いたいところです。肌の露出を控え、紫外線から肌を守りましょう。最近ではUVカットのカーディガンやパーカーといった衣料品もありますので、こういった商品を利用するのもおすすめです。もし二の腕を露出しなければいけないときは、日焼け止めをちゃんと塗りましょう。
その際は患部への刺激を最低限に抑えるために、肌に優しい製品を選ぶことが大切です。SPF値・PA値が高い製品およびウォータープルーフの製品は、クレンジングの際に負担がかかりますし、配合されている紫外線吸収剤や添加物が肌に刺激を与えてしまいがちです。
普段使い用であれば、たとえ真夏であってもSPF値20から30、PA値++程度のもので十分です。石鹸で簡単に落とせるタイプの日焼け止めをこまめに塗り直すようにしましょう。