メチコバールとは現在エーザイから販売されている薬の商品名で、メコバラミンというビタミンB12を主成分としています。
メチコバールに含まれるビタミンB12は傷ついた神経の回復などに関わり、神経の傷が原因で起こる肩・足腰の痛みや手足のしびれなどに効果があります。
メチコバールは現在、錠剤と注射剤の2種類が処方薬として販売されています。
メチコバールはジェネリックのみ
メチコバールの成分は「メコバラミン」という名前のもので、最近はメチコバール以外のジェネリック医薬品としてメコバラミン錠などが登場しており、こういった名称のものをご利用されている方も多いかと思います。
メコバラミン錠などのジェネリック医薬品も使用方法や気をつけるべきポイントや効き方・副作用などもメチコバールと同様になりますので、同じようにこちらの情報をご参考いただけます。
ちなみにエーザイから販売されているメチコバールには、先発品がなく、メチコバールも含めてジェネリックしかありません。
日本ジェネリック医薬品のサイトによると、メチコバールは医薬品の申請の後、承認されるまでに1年以上かかってしまったため、「新薬ではない」ということでジェネリックになったそうです。
そのため、病院で「メチコバール錠」という名前の薬が処方された場合、その薬はジェネリック医薬品です。
しかし、エーザイ以外の製薬会社からメチコバールと同じ成分の薬が販売されていて、種類によってはメチコバールより薬価が低くなっています。
では、具体的にはどのような症状に効果を発揮するのでしょうか。
メチコバールは肩こりに効く?効かない?
メチコバールは、すべての肩こりに効果があるわけではありません。メチコバールが効果を発揮するのは、末梢神経の傷が原因の肩こりのみです。
末梢神経の傷が原因の肩こりには、肩を動かすと痛い、という特徴があります。止まっているときは痛みを感じないのに、肩を回したりマッサージをしたりすると痛い、という肩の痛みは、末梢神経の傷が原因の可能性があり、そうした痛みにはメチコバールが有効です。
メチコバールを服用しビタミンB12を摂取することで、末梢神経の回復が早くなり、痛みが軽減します。
酷い肩こりの緩和のために、メチコバールとミオナールを併用することがあります。
ミオナールは筋肉を緊張させている神経をしずめる作用があり、肩など筋肉のこりをほぐす効果があります。
めまい・耳鳴りの治療
めまいや耳鳴り、難聴の原因の一つが自律神経失調症です。
メチコバールの主成分であるビタミンB12は、自律神経を正常に保つ働きにも関わっています。そのため、ビタミンB12が不足すると自律神経の乱れにつながり、めまいや耳鳴りなどを引き起こします。
メチコバールを服用しビタミンB12を充分に摂取することで、自律神経失調症の症状の緩和が期待できます。そのため、メチコバールは自律神経の乱れが原因のめまいや耳鳴りの治療に使用され、メニエール病の治療薬としても処方されています。
めまいや耳鳴りの治療にメチコバールを使用する場合、アデホスコーワやステロイド剤と併用することがあります。
アデホスコーワは内耳障害によるめまいなどの改善に使用される薬です。ステロイド剤にはストレスに対抗する作用があり、ストレスによる難聴の治療に使用されます。
また、自律神経が乱れると、不眠などの睡眠障害やうつ病の症状などを引き起こします。
メチコバールはこうした症状の改善にも効果的とされ、治療に使用されることもあります。
手足のしびれ・痛みへの効果
末梢神経障害のなかでも、手足のしびれは多く見られる症状です。特に両足がしびれることが多く、痛みを同時に感じることもあります。
メチコバールを服用することで傷ついた末梢神経を早く回復し、しびれや痛みなどの症状を改善する効果があります。
手足の痛みの緩和にメチコバールを使用する場合、リリカと併用することがあります。リリカには痛みを鎮める作用などがあり、神経障害性疼痛の治療に使用されます。
腰痛など体の痛み
末梢神経が傷ついたことが原因で起こる腰痛や坐骨神経痛など、体のさまざまな場所の痛みに効果があります。
ただし腰痛の原因そのものを治療する効果はないため、腰痛の原因を明確にしつつメチコバールで痛みをなくす、という方法が一般的です。
貧血
メチコバールに含まれるビタミンB12は血液の生成にも関わるため、メチコバールは貧血治療の薬として使用されることもあります。
メチコバールを服用し充分な量のビタミンB12を摂取することで、良質な血液をたくさん生成することが期待できます。
その他
メチコバールは頭痛や味覚・嗅覚障害の治療にも使用されます。また、眼の神経にも効果があり、緑内障の治療や眼精疲労の回復にも使用されています。
最近ではビタミンB12の不足が記憶障害や無気力症状につながることがわかり、認知症との関係についても研究が行われています。
メコバラミン単一の薬は処方薬だけですが、同量のメコバラミンを含む薬は市販されています。
主な市販薬と処方薬について、薬の成分量と、最大量を服用した場合の薬価をまとめました。
【処方薬】
| メコバラミン | 薬価 | |
| メチコバール錠250μg | 1500μg | 72円 |
| メチコバール錠500μg | 1500μg | 51.3円 |
【市販薬】
| メコバラミン | 葉酸 | 天然型ビタミンE | フルスルチアミン塩酸塩 | ピリドキシン塩酸塩 | ガンマ-オリザノール | 薬価 | |
| ナボリンS | 1500μg | 5mg | 100mg | 109.16mg | 100mg | × | 150.6円 |
| ナボリンEB | 1500μg | × | 100mg | 27.3mg | 50mg | × | 156.6円 |
| ユンケルB12 | 1500μg | × | 10mg | × | × | × | 113円 |
| アリナミンEXゴールド | 1500μg | 1mg | 100mg | 100mg | × | 10mg | 166.5円 |
| アクテージSN錠 | 1500μg | 1mg | 100mg | 100mg | × | 10mg | 210円 |
※市販薬の薬価は2016年7月現在のメーカー希望小売価格や通販サイトの価格をもとに算出したおよその価格です。
■各成分の説明
メコバラミン:ビタミンB12。傷ついた神経の修復に関わる。
葉酸:ビタミンB群に含まれる水溶性ビタミン。血液の生成に深く関わる。
天然型ビタミンE:強い抗酸化用を持ち、老化防止などの効果がある。
フルスルチアミン塩酸塩:ビタミンB1となって働く。エネルギー生成に関わる。
ピリドキシン塩酸塩:ビタミンB6。皮膚や粘膜を正常に保つ働きがある。
ガンマ-オリザノール:ポリフェノールの一種。血行を良くしたりコレステロールを軽減させる効果などがある。
メチコバール錠250μg/メチコバール錠500μg
■成分(1錠中)
メチコバール錠250μg:メコバラミン 250μg
メチコバール錠500μg:メコバラミン 500μg
■用法・用量
■成分(1錠中)
メコバラミン 500μg
葉酸 1.7g
天然型ビタミンE 33g
フルスルチアミン塩酸塩 36g
ピリドキシン塩酸塩 33g
■用法・用量
成人(15才以上) 1回1錠 1日3回
小児(15才未満) 服用しないこと
■成分(1錠中)
メコバラミン 500μg
天然型ビタミンE 33g
フルスルチアミン塩酸塩 9.1g
ピリドキシン塩酸塩 16.6g
■用法・用量
成人(15才以上) 1回1錠 1日3回
小児(15才未満) 服用しないこと
メコバラミン 500μg
天然型ビタミンE 3.3g
■用法・用量
成人(15才以上) 1回1錠 1日3回
■成分(1錠中)
メコバラミン 500μg
葉酸 0.3g
天然型ビタミンE 33g
フルスルチアミン塩酸塩 33g
ピリドキシン塩酸塩 20g
ガンマ-オリザノール 3.3mg
■用法・用量
成人(15才以上) 1回1錠 1日3回
小児(15才未満) 服用しないこと
メコバラミン(ビタミンB12)をできるだけ安くとりたい!
薬価を抑えてメコバラミンを摂取したい場合は、処方薬のメチコバール錠がいいでしょう。ほかの市販品とメコバラミンは同量で、1日あたりの薬価は一番安くなっています。
手足のしびれなど末梢性神経障害の特徴的な症状が出ている場合、病院でメチコバールを処方してもらうのが効果的です。
また、神経障害が原因の手足のしびれだと思っても、診察を受けると別の原因がある場合もあります。一度医師に診察したうえでもらえる処方薬は、やはり安心ですね。
ナボリンSとナボリンEBならどっちが良い?
ナボリンSとナボリンEBなら、ナボリンSを選んだほうがいいでしょう。
ナボリンEBに含まれる成分はすべてナボリンSにも含まれ、それぞれの成分量もナボリンSのほうが多くなってるからです。
さらにナボリンSにはナボリンEBには含まれていない葉酸が含まれているため、ダメージを受けた神経の修復にも効果的です。わずかですが薬価もナボリンSのほうが安くなっています。
肩こりを治したい!
肩こりの痛みを緩和したい場合は、アリナミンEXゴールドやアクテージSN錠がおすすめです。アリナミンEXゴールドやアクテージSN錠には、筋肉の機能維持に役立つビタミンB群の働きを助けるガンマ-オリザノールが含まれているためです。
また、葉酸も含まれているため、筋肉の回復も早くなります。アリナミンEXゴールドとアクテージSN錠は成分の種類も含有量も同じですが、アリナミンEXゴールドのほうが少し薬価が安くなっています。
めまいや耳鳴りを治したい!
めまいや耳鳴りの症状が出ている場合は、市販薬を試すまえに医療機関を受診したほうがいいでしょう。メチコバールが効果を発揮するめまいや耳鳴りは、自律神経の乱れが原因のものだけだからです。
めまいや耳鳴りの原因は自分では分かりにくく、自律神経以外のことが原因である場合はメコバラミンなどを摂取しても症状は改善しません。
めまいや耳鳴りの治療が目的の場合は、まず医師に診察してもらったあとで、処方されたメチコバールなどを服用するようにしましょう。
貧血を治したい!
貧血の治療には、葉酸を含むナボリンSやアリナミンEXゴールド、アクテージSN錠がおすすめです。葉酸は血液の生成を助けるはたらきがあり、メコバラミンと同時にとることでその作用がさらに強くなるためです。
貧血を治したい場合は、葉酸に注目して薬を選びましょう。
メチコバールはビタミンB12を主成分としているため、重大な副作用はありません。
主な副作用は食欲不振や下痢・嘔吐など消化器系のものですが、発症確率は0.96%と低いため、過剰に心配する必要はないでしょう。
また、眠くなる成分は含まれていないため、服用中の車などの運転も問題ありません。
メチコバールでニキビが増える?
「メチコバールを飲むとニキビが増える!」といった声を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。添付文書には”0.1%未満の確率で発疹が起こることがある”とありますが、ニキビや肌荒れの記載はありません。
最近、ビタミンB12の過剰摂取がニキビが症状を悪化させる、という研究結果が報告されました。これはビタミンB12が皮膚表皮の細菌の動きを変化させることによります。
メチコバールを服用すると必ずニキビができたり、ニキビが悪化する、というわけではありません。しかし、ビタミンB12が主成分であるメチコバールに、ニキビを悪化させる可能性があることは事実なようです。
メチコバール服用中にニキビが増えたり悪化したと感じたら、服用を中止しすぐに医師に相談するようにしましょう。
使用上の注意
■アルコールとの飲み合わせ
重大な危険は報告されていませんが、副作用などが強く出る可能性があります。メチコバール服用中はできるだけ飲酒は控えるようにしましょう。
■薬との飲み合わせ
飲み合わせに注意が必要な薬は特にありません。ロキソニンや風邪薬など市販薬との併用も可能です。
しかし、処方薬を日常的に服用している場合は、かかりつけの医師にメチコバールやメコバラミン含有の薬を飲むことを相談すると安心です。
また、メチコバールと同じくビタミンB12を含む薬やサプリメントと同時に服用すると、ビタミンB12の過剰摂取になる場合があります。メチコバール服用中はビタミンB12を含む薬などは飲まないようにしましょう。
■妊娠中・授乳中の服用
妊娠中・授乳中に服用した場合の胎児への影響は報告されていません。主成分がビタミンB12なので基本的には服用して問題ないといえるでしょう。
しかし、妊娠中や授乳中に独断で薬を飲むことは危険です。服用する前に一度産婦人科の医師に相談するようにしましょう。
■子どもの服用
市販薬の場合、子どもの服用は禁止されています。処方薬の場合は年齢により増減できるため、どうしても子どもに飲ませたいときは病院に行き医師とよく相談するようにしてください。
まとめ
傷ついた神経の修復に効果があるメチコバール。劇的な効果はありませんが、副作用も少なく安全な薬と言われています。
市販薬も販売されているため、肩こりが酷いときなど手軽に試すことができますが、1か月以上服用しても改善しない場合はすみやかに医療機関を受診するようにしましょう。