様々なスキンケアを実践したり、高価な洗顔剤などを使ったり、ビタミン剤を飲んでみてもなかなか効果が出ない…
肌トラブルが原因でステロイドなどの軟膏を塗って一旦は治まってもまた出る…
そんな経験はありませんか?そのお肌の状態、実は内臓から来ているのかも知れません。
『お肌は内臓の鏡』
そのような場合、漢方の力で内臓から美しくしていけばお肌も美しく生まれ変わります。
漢方は肌荒れやニキビに効く?
漢方薬の効能効果にはきちんと『肌荒れ』や『にきび』、『しみ』にも効くと明記されています。
ただ、その方の体質により肌トラブルの様子は様々です。
その為、まずは体質別に一つ一つお話ししますので、自分のお身体に合ったものを一緒に見付けていきましょう。
生理前にあごニキビやおでこにニキビが出たり、肌荒れがひどくなるタイプ
月経のメカニズムは大きく分けて2つです。
一つは低温期と呼ばれる赤ちゃんの布団を作る期間。
もう一つは高温期と呼ばれる赤ちゃんの卵を温めて育む期間です。
そのうち生理になると使われなくなったお布団が体外へ排出されます。
生理の前、その布団は少しずつ血液を元に作られていきます。
そうやって全身の血液は子宮へ蓄えられていきます。
子宮に送る血液は必要ですが、私達には毎日の生活があり、生きていかなくてはなりません。
特に首から上の頭には1/3の血流が必要になります。そこで不足した血液を頭にたくさん送る必要があります。
その時、自分の血液が汚れていたらどうでしょうか?
当然汚れた血液が顔にたくさん集まりますね。
お肌には自浄作用がありますから悪いものを肌から出そうとします。
それが月経時のニキビに繋がります。
また元々貧血、低血圧などで血液不足の方、漢方ではこれを『血虚(けっきょ)』と言いますが、この状態の方は頭に血液が不足しがちになり、お肌の再生する力が落ちます。
ですから新しい肌が作られづらくなる為に酸化し荒れていく訳です。
便秘がちで常時または体調によって肌荒れやニキビが出るタイプ
小腸や大腸は栄養や水分を吸収する代謝に関わる臓器です。ここに老廃物が溜まっていると身体にとって必要のない悪いものを吸収代謝してしまいます。
結果『瘀血』と呼ばれる血液の汚れが生じてしまう訳です。
血液はお肌の再生、身体の再生を促す主要なものですから、汚れた血液から作られたお肌は当然弱く、疲れやすく、荒れやすい状態になってしまいます。
お肌は正常な水分と油分の分泌によりモイスチャーバランスが保たれます。
瘀血が生じるとそのモイスチャーバランスが崩れてしまう訳です。
アトピーや日光湿疹などのアレルギー体質タイプ
アトピー性皮膚炎、日光湿疹などはアレルギーによって引き起こされます。
最近の研究結果では腸内細菌バランスによりアレルギー反応が出ることまで分かっています(腸内の悪玉菌であるカンジタ菌がカンジタトキシンという毒素を出して、それが血流に乗ると全身にアレルギー症状が引き起こされるとされる←このカッコ内は必要なければ消してもいいです)が、漢方の世界では昔から大腸と肌が密接に関係しているのが分かっています。
まずアレルギーというのは自己免疫疾患であり、血液の病気です。
ぜんそく、鼻炎、結膜炎、アトピー、日光湿疹、金属アレルギーなど、全て血液内にある白血球の働きの異常によります。
アレルギー反応といは、基本的に身体にとって悪いものが来た時にそれを排除、その箇所を修繕する為にそこに血液を集める為に炎症を起こします。
例えば草にかぶれた場合にはそこが赤くなります。
それは毒素が身体に入らないように速やかに排除修繕する為の機能、いわゆる自然治癒力という力が発揮されているからです。
これが特定の食べ物や金属、日光までに白血球が「これは毒だ!身体に良くない!炎症を起こして血液を集めなきゃ!」と過敏反応し、肌荒れを引き起こします。
花粉症など他のアレルギーも原因は同じです。
漢方ではその原因が腸とそこから吸収、代謝されて出来た血液にあると西洋医学と同じ見解を示しています。
カサカサ乾燥肌タイプ
これは漢方における『血虚(けっきょ)』という状態でいわゆる血液不足です。
過労によって血液が消耗したり、不眠によって血液が作られなくなると血液不足の状態に陥ります。
血液が不足すると当然肌の再生能力が低下し、正常に水分油分が分泌されなくなります。
それによりモイスチャーバランスが低下し、肌のバリア機能が失われて肌荒れに繋がります。
いずれにしても『腸』と『肌』が密接に肌トラブルに関係しています。
デリケートなお肌の場合、どんなに良いと言われる化粧品を使ってもお肌に合わない場合があるのと同じで漢方薬でも過敏に反応してしまう方がいます。
次は漢方薬の副作用や好転反応と呼ばれる漢方の考え方についてご説明します。
漢方薬の副作用や好転反応で肌荒れは悪化する?
漢方薬の中の薬草の中には解表剤(かいひょうざい)といって皮膚から発散して解毒を促すものがあります。
生薬とは生の薬草を使う為、科学薬品のように『この成分はこの作用だけ』というように決まっている訳ではなく、いくつかの薬効が複合されている場合がほとんどです。
それにより様々な薬草を組み合わせて、ある一方の作用を減弱したり、または強化したりします。
しかし減弱した作用は完璧に消える訳ではないので稀に良からぬ作用も及ぼす可能性がありそれが副作用と呼ばれています。
例えば桂枝(けいし)と呼ばれる生薬は特にお腹を温めますが、身体を温めることによって血熱という血液に熱を持つ状態を引き起こすと皮膚炎症はひどくなります。
これは単に桂枝が皮膚に絶対に良くないという訳ではなく、稀にそういう方がいるということです。
そもそも桂枝とはシナモンのことですから、肌の弱い人は一生アップルパイが食べられないということはありません。場合よってはということです。
また漢方における『好転反応』または『 瞑眩(めんけん)反応』と呼ばれる反応についてご説明します。
これは身体が良く転じる反応として昔から漢方の世界で使われてきた言葉です。
簡単に説明すると身体の毒素を排泄する為に漢方の飲み始めには一時的に悪い反応が出る場合がありますよということです。
例を挙げると、漢方薬の副作用の項目を見るとよく場合『肝機能障害』が記載されています。漢方薬を服用すると血液検査で肝機能の数値が上昇することがあります。
GOT値、GPT値、γ-GTP値と言われる数値の観測値ですが、これは肝臓に存在する酵素のことで新陳代謝に必要になります。
この酵素が使われなくなると血液中に排出され、その数を調べることにより肝臓の状態を把握します。
漢方薬を服用すると、身体の修繕の為に肝臓内に溜まっている使われなくなった酵素が一時的に血液中に流れ出る場合があります。その時に血液検査をすると当然肝機能の値が高く出ます。
数値として客観的に出るとびっくりされる方もいますが、むしろ身体は軽く、調子が良いという方も多いです。
そのような理由で様々なサイト上で『好転反応は大丈夫』という言葉を見かけますが、これは少し情報が古いと言わざるを得ません。
それはここ30年程の現代人における環境の変化が挙げられます。
一つ目は食料事情。
食の欧米化は戦後から始まり、それが様々な問題を引き起こしているのは周知の事実ですが、外食産業においての進化は留まることがありません。
たった30年前と比べて外食における動物性脂肪の摂取量は10倍に増えています。
そして次々と新作スイーツは世に解き放たれます。
過剰な砂糖と脂肪の摂取はお肌の糖化や酸化を進め、血液を汚します。
そしてそれらを日常的に摂取し続けている現状があります。
また携帯電話の普及率は90%を越え、もはや日常生活の一部になっていますが、これもほんの20年ほどの歴史です。
これは自律神経バランスの乱れの原因になります。
PCやゲームもそうですが、継続的刺激が脳に与えられると脳内では交感神経が過剰になり、いわゆる『ずっと昼間』という感覚に脳が囚われていきます。
それにより夜の休息の時間が減ってしまい、身体の修繕する時間が短くなります。
『お肌のゴールデンタイム』という言葉がありますが、これは血液を休ませて元気にし、寝ている間にお肌の状態を整える為に必要な時間のことです。
上記のような現代人の生活模様により、身体の中では悪いものが溜まりやすく、身体は治りづらくなっているのが今を生きる私達の現状です。
ですから漢方薬でいくら排毒を促したとしても、また入る毒素が多ければ当然それはいたちごっこのようになり、結果として内臓に負担が掛かります。
肝臓を良くしたい方が肝臓の薬を服用していても、毎日お酒を飲んでいれば治らないのと同じな訳です。
『ライフスタイルの見直し』
これこそが漢方の考え方において最も大切なことであり、漢方薬を服用するのは漢方の一つの方法に過ぎません。
現在の日本の『医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(略称、医薬品医療機器等法・旧名、薬事法)』では、身体に良からぬ反応が出た場合は全て副作用として捉えるようになっています。
漢方薬を服用して良からぬ反応が出た場合は「好転反応だから大丈夫」と安易に考えるのではなく、処方された専門家にきちんと問い合わせてください。
また薬草によってはアレルギー反応が出る方もいますので注意しましょう。
次にニキビや肌荒れに使われる漢方薬の代表処方を紹介します。
肌荒れにオススメの漢方薬は?
●清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)●
赤ニキビの代表処方です。青春期の赤ニキビにも多用されます。
<副作用>
甘草配合の為、偽アルドステロン症状(やたらむくむ、倦怠感、高血圧たど)が出るおそれがあります。
また肝機能障害(黄だんや倦怠感など)
冷えで胃が悪くなる人は清熱剤の作用で胃部不快感など胃の症状が出るおそれがあります。
また発表剤が含まれている為、発疹、発赤などが稀に出ます。
●荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)●
頑固な白ニキビに使用されます。
また顔部の炎症に著効な為、蓄膿症や慢性鼻炎、慢性扁桃炎にも用いられます。
<副作用>
甘草配合の為、偽アルドステロン症(むくみ、倦怠感、高血圧)が出るおそれがあります。
また黄ごんが配合されていますので間質性肺炎(空咳が出ます)。
柴胡配合の為、肝機能障害(倦怠感や黄だんなど)。
その他補血剤配合により胃部不快感などの胃腸の症状、発表剤により発疹、発赤などが稀に出るおそれがあります。
●桂枝茯苓丸加薏苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん)●
桂枝茯苓丸にお肌の妙薬である薏苡仁(はとむぎ)が配合されています。
体力があるタイプで、肩こりや頭重、めまい、冷えのぼせや月経不順、ニキビ、瘀血によるしみ、そばかす、肌荒れに用いられます。
<副作用>
理血剤により肝機能障害や補血剤による胃部不快感などの胃腸障害。
桂枝による発疹、発赤、かゆみなどが挙げられます。
●温清飲(うんせいいん)●
黄連解毒湯と四物湯の合方です。主に皮膚トラブルに使用します。皮膚が荒れて炎症が起きているのを冷ます黄連解毒湯、皮膚の再生を促す四物湯が組み込まれています。
アトピー性皮膚炎や日光湿疹などに用いられます。
<副作用>
山梔子(さんしし)により長期服用(10年以上)すると腸管膜静脈硬化症のおそれがあります。
また黄ごんの副作用で間質性肺炎(初期症状として空咳など)。
または肝機能障害(倦怠感や黄だん)。
その他、地黄など補血剤による胃部不快感など胃腸障害が挙げられます。
●加味逍遙散(かみしょうようさん)●
直接効能効果に“ニキビ”とはありませんが、月経周期の肌荒れに使用されます。
ストレス過多から来る女性の不調に多く用いられる処方です。
虚弱体質で肩こり、疲労倦怠感、精神不安、ストレスから腸管の動きが悪くなりお腹が張る、冷え症、月経不順、PMS(月経前緊張症、更年期障害などに使用されます。
<副作用>
甘草配合による偽アルドステロン症(むくみ、倦怠感、高血圧など。
柴胡配合の為、肝機能障害(黄だんや倦怠感など)。
山梔子(さんしし)配合の為、長期的服用(10年以上)により腸間膜静脈硬化症。
その他補血剤による胃部不快感や胃腸障害などがあります。