ニキビを治したいなら、皮脂膜を壊さないようにしよう。
皮脂膜とは私達の肌の表面に膜を張り、肌を守ったり保湿をしたりという役目を行うものだ。
そんな皮脂膜を壊さないようにすることで、私達は丈夫で健康な肌をつくることができ、ニキビができないのはもちろん、乾燥やかぶれといった他の肌トラブルにも強くなれる。
ニキビの治療に役立つとは言っても、皮脂膜とニキビの関係が気になったり、皮脂膜って一体なにものなんだ?と思う方もいるだろう。
そこで今回は皮脂膜について、ニキビやその他肌荒れと交えて説明していこう。
こちらの説明は、一時的な治療ではなく根本的なニキビの治療にも繋がってくれるはずだ。あなたがもしも、永遠にニキビと別れを告げたいならぜひチェックしてほしい。
肌の1番上に膜を張っている
ご存知の方も多いように、私達の肌の構造は一枚の層で出来上がっているわけじゃない。
大きく分けると、「①表皮」と「②真皮」の2つにから肌は成り立ち、表皮は更に4つの層からできているのだ。
4つの層のうち、最も上に位置するのが角質層だ。そして、この表面に膜を張っているのが今回紹介する「皮脂膜」となる。
このように、皮脂膜は「角質層の上にある膜」とまずは覚えておこう。
0.5ミクロンの膜が肌を守る
皮脂膜の薄さは膜とだけあって、わずか「0.5ミクロン」ほどしかない。しかし、たったそれだけの厚みしかないにも関わらず、私達の肌に振りかかる様々な刺激や危機から肌を守ってくれているのだ。
ホコリ、カビ、ダニ、細菌、ハウスダストなどもそんなひとつで、どれも日常生活を過ごす中で知らず知らずのうちに肌に触れているものだ。
これらは時に私達の肌を刺激したりダメージを与えてしまったりと、肌荒れやニキビなどの原因となってしまう。
普段何気なく過ごしている生活の中には、ニキビはもちろんあらゆる肌トラブルの原因がたくさん潜んでいるのだ。
皮脂膜はバリア(膜)をしっかり張ることで肌を守り、他にも角質層の水分蒸発を防止(保湿)しているというから驚きだ。
ニキビはもちろん、肌荒れや乾燥、皮脂の過剰分泌などが起こらない肌というのは、実はこういった皮脂膜の働きがあるからとも言えるのだ。
肌にとって重要な皮脂膜
皮脂膜が薄くなったり破壊されてしまったりすると、私達の肌にはたちまちトラブルが起きてしまうだろう。
なかなか治らないニキビだったり、繰り返してできてしまうニキビも、原因を探ればここにたどり着く場合もある。
健康な皮脂膜がそこにしっかりあり、ちゃんと役目を果たしているならば、ニキビができづらく回復も早い。こういった点からも、皮脂膜がいかに私達の肌にとって重要な役割を果たしているかがお分かりかと思う。
ニキビができてしまったり、肌の調子がおかしいと感じるなら、「もしかして皮脂膜の状態が良くないのかも?」と疑ってみるのも良いだろう。
皮脂膜を危険にさらしてしまう5つのこと
皮脂膜の役目や大切さを知るのも大切だが、それよりも知っておきたいのが皮脂膜が壊れてしまう時についてだ。
これを知り上手く対応することで、私達は健康な皮脂膜を保ち自然とニキビとは無縁の肌に近づけるというわけだ。
ここからは、皮脂膜が壊れたり調子が悪くなってしまう原因について以下の5つを通して説明していこう。
- ①顔や体の「洗いすぎ」
- ②年齢
- ③「多すぎ」、「古すぎ」な皮脂
- ④季節
- ⑤洗顔料、ボディーソープ、石鹸
① 顔や体の「洗いすぎ」
洗いすぎはニキビに良くないと良く紹介されているが、それについてもっと踏み込んで話すと、これは肌を守ってくれる皮脂膜まで洗い流してしまうからだ。
ここまでの説明を読んだなら、皮脂膜がいかに肌にとって重要なものであるかはわかっているだろう。
ニキビの原因となる皮脂や汚れをきれいに落とそうとして、顔や体を洗いすぎてしまうことはよくあることだ。
気分的には「これで完璧だ」とばっちり治療や予防ができたと思うが、これでは肌が何も装備せずに戦場に向かうような状態である。
私達の肌は、健康でバリア機能をしっかり果たす「皮脂膜」という装備が必要であることを忘れてはいけない。
適度な力や回数で洗えば、皮脂膜が傷つけられたり壊されたりすることはない。あなたがもしもごしごし洗いや過剰な洗顔を行っているならば、今日から改善しよう。
② 年齢
これはどうしようもない事と言えばそうなってしまうのだが、皮脂膜が十分に役目を果たせなくなる原因に「年齢」がある。年齢によって、私達の肌は皮脂の分泌量が少なくなってしまうのだ。
皮脂膜は簡単にいうと、皮脂と汗などが材料となってできているものだ。そこで想像してみてほしい。
もしもこういった材料が足りなくなってしまうとどうだろうか?皮脂膜の厚みが薄くなってしまったり、それによってバリア機能や保湿が十分に果たせなくなってしまう。
そして、こうなった時に肌に良く見られるのが「乾燥肌」である。
乾燥肌は、かぶれ、痒みなどの肌荒れに悩まされる他にも、水分が蒸発してしまうことで毛穴を収縮させてしまう。そして、これが悲しくもニキビの原因となってしまうのだ。
- 「むかしと比べてニキビができやすくなったり、治りづらくなった。」
- 「◯歳頃から乾燥肌や敏感肌になった」
など、こういった心当たりがあるならば年齢によって皮脂の分泌が減少しているからかもしれない。
対策としてここで簡単に紹介すると、ここでは化粧水やクリームなどのスキンケアをしっかり行うことが重要となる。
これらアイテムは皮脂膜の変わりとなってくれ、肌荒れや乾燥などから守ってくれるのだ。
③ 「多すぎ」、「古すぎ」な皮脂
「②年齢」で、皮脂膜の材料となる皮脂の不足は良くないと説明したが、量はもちろん、その質や状態も皮脂膜や肌への影響と深く関係している。
(1)酸化した皮脂がニキビを作る
洗いすぎや皮脂の少なすぎはいけないからといって、何もせずに放置してしまうと、皮脂の質や状態が「古すぎ」たり「多すぎ」たりとなってしまうわけである。
こうなると、皮脂の酸化が進んだり、ベタつきテカリによる毛穴つまり(ニキビの原因)を引き起こしてしまう。
「皮脂の酸化?」と気になった方もいるかもしれない。
実は皮脂というものはずっと肌の表面に残っていたり古くなってしまうと酸化してしまい、「過酸化脂質」(スクワレンハイドロパーオキサイドとも言う。)というものに姿を変えてしまうのだ。
過酸化脂質の困ったところは、肌を攻撃してしまうところ。これがニキビを作り出したり、肌を老化させてしまうという、なんとも恐ろしい働きをしてしまうのである。
皮脂膜を壊さない為にといっても、洗顔をしなかったり必要以上に皮脂を肌に残しすぎたりといった習慣はやめておこう。
ニキビ対策として、正しい洗顔方法や適度に皮脂を拭き取るという取り組みもやっぱり大切なのだ。
④ 季節
皮脂膜を作る皮脂の分泌量は、「季節」によっても違ってくるのがポイントだ。
皮脂はこのように年がら年中一定量が分泌されているわけでないので、その時の温度湿度などに合わせてケアをし、健康な皮脂膜を保ってやる必要があるのだ。
(1)1年を通してみる皮脂の分泌量
まず、1日に分泌される皮脂の量だが、これはだいたい「1g~2g」程となる。(もちろん、体質などによって異なる)
しかしこれはあくまでも目安の量であって、季節で見てみると分泌量は大きく違いが出てくるのだ。
とある実験結果を参考にしてみると、以下のような感じだ。
| 季節 | 皮脂の分泌量 |
|---|---|
| 夏 | 1935mg |
| 春、秋 | 1435mg |
| 冬 | 1054mg |
このように、夏は1935mgと2g近い量の皮脂が分泌されているのに対し、秋や春は1435mgと夏の74%程の量になっている。おわかりのように、秋になると3割程減少してしまうというわけだ。
冬に関しては1054mgと、なんと夏のおよそ半分までの量に減少してしまう。
という感じで、皮脂は1年を通して一定量が分泌されているとは言えないのだ。
(2)夏でもケアは必要
先程の説明からわかるように、秋や冬になると皮脂膜の材料となる皮脂が少なくなってしまう。そこで大切なのが、そうなった時の保湿ケアだ。
こうすることで、季節の変化に問わずニキビができてしまうような肌を作らずにすむ。
しかし覚えておきたいのは、秋や冬だけでなく、夏にもそういったケアが必要ということ。
というのも、夏といっても今や室内では夏の暑さを感じない環境が多い。
オフィスや自宅で暑さ対策としてエアコンを効かせてあるのは、まさにそういった環境だろう。この場合、夏でありながら室内の温度や湿度は秋や冬の状態だったりする。
そこで、皮脂の分泌量を適量にし健康な皮脂膜を保つために、やはりここでもケアが必要なのである。
年中通してニキビ知らずな肌を作るためにも、こういった取り組みを怠らないようにしよう。
⑤ 洗顔料、ボディーソープ、石鹸
皮脂膜は洗顔や体の洗いすぎによって破壊されてしまうが、他にも使用している洗顔料やボディーソープ、石鹸などによっても壊れてしまう。
ここでの壊れるとは、皮脂膜がアルカリ性になるということ。
一度は耳にしたことがあると思うが、私達の肌は弱酸性であり、この状態が崩れてしまうと肌トラブルを引き起こしてしまいがちだ。
そして、厳密にいうと肌が弱酸性なのではなく、これは皮脂膜がpH4~pH6を保った弱酸性なのだ。
市販されているボディーソープや洗顔料などを選ぶ時、特に気にせず購入すると、アルカリ性のものを手にとっていることもあるだろう。
ニキビの予防や防止の為に、皮脂膜にやさしい弱酸性のアイテムを探してみるのも良いだろう。
肌に合ったアイテムを使用
弱酸性=肌(皮脂膜)にやさしいと説明したが、かといって弱酸性以外の商品はNGというわけでない。
その理由のひとつが、私達の肌は「アルカリ中和能」という働きを持っているからだ。これにて、洗顔や体を洗った後にアルカリ性になった肌も、時間の経過とともに自然と弱酸性と戻ってくれるのだ。
ただし、問題なのはニキビなどの肌トラブルがある場合、この能力が低下してしまう点だ。こうなると、健康な皮脂膜の状態(弱酸性)に戻るまで、本来の2倍もの時間がかかってしまう。
また、こういった状態が続くと、今度は皮脂の過剰な分泌、乾燥、敏感肌、かゆみなど、様々な症状へと繋がってしまう。
ニキビの治療や予防をするものにとっては、まさに悪循環。
こうなると、使用する石鹸、洗顔料、ボディーソープなどは注意して選ぶ必要があるし、皮脂膜だけでなく角質層も弱まっている可能性があるので、そこをケアする必要がある。(この辺りの詳しい説明については別で紹介しよう。)
これらのことから、弱酸性を使っていなければ皮脂膜が壊れるというわけでなく、それぞれの肌の状態に合あったアイテムを使用して顔や体を洗う必要があるのだ。
健康な皮脂膜を保つ取り組みを忘れずに
ニキビの原因として良く知られている皮脂であるが、これは皮脂膜の材料となる大切な材料だ。
作れた皮脂膜は、肌をあらゆる刺激やダメージから守ってくれ、乾燥から守ってくれる。「皮脂=悪いやつ」と言えないのもわかるかと思う。
また、今回説明したように健康な皮脂膜を作る為には皮脂の分泌量を適量に保ったり、皮脂膜そのものを壊さないようなケアが大切である。
これによって、ニキビができづらい肌はもちろん、万が一ニキビができてもすんなり治ってくれるような肌に近づいていくのだ。
ニキビに良く効く薬を使用したり、皮膚科でピーリングをしてもらったりという治療も良いが、健康な皮脂膜を自分で作ってやることもニキビの治療として覚えておこう。