今回のテーマは、使いこなせば色調補正において絶大な威力を発揮する「トーンカーブ」について。「絶対わかる。トーンカーブ!」をテーマに、2回に分けて解説する。
連載4回目の今回は、「トーンカーブ」コマンドについて解説いたします。
「トーンカーブ」は、脱落する方が多い、色調補正基本コースの最初の壁です。ギターコードの練習で言うなら「F」! ギターの「F」で挫折した過去のある方でも、「トーンカーブ」では挫折しないよう、私が頑張ります!!
「トーンカーブ」は2回に分けて、特にわかりやすく丁寧に解説していきます。
今回と次回、2回の「トーンカーブ」の解説を読めば、必ずトーンカーブがマスターできます。そしてトーンカーブがマスターできれば、以下の様な新境地が広がります。
1 「トーンカーブ」は、覚えれば覚えるほど色調補正を行なう際にあなたがどんどん自由になっていきます。
2 「レベル補正」や「明るさ・コントラスト」でできることは、ほぼ全て「トーンカーブ」でできます! その反対に「トーンカーブ」でできることを全て「レベル補正」や「明るさ・コントラスト」で代用することはできません。
3 「トーンカーブ」ができるようになると、明るさ系のことは主に「トーンカーブ」で行ない、補助的に他のコマンドを使う形に自然となっていきます。めちゃくちゃパワフルなコマンドなのです。
使えるようになると、とっても強いです。あなたを決して挫折させないよう、世界一わかりやすい解説を目指して頑張ります! それでは、何卒よろしくお願い致します!!
第一章〈「トーンカーブ」のカーブの操作の基本〉編
では、トーンカーブのカーブの制御の方法を見ていくこととしましょう。
始めに「トーンカーブ」コマンドの場所から説明します。(調整用の画像は、下の方にダウンロードコーナーがありますので、是非参考にしてみて下さい!)
調整したい画像を開いた状態で、
Photoshop画面上部のメニューバーから「イメージ」→「色調補正」→「トーンカーブ」と、たどっていきましょう(英数入力の状態で、「⌘ + M(Mac)」、もしくは「Ctrl + M(Win)」と押してもOKです)。
「トーンカーブ」ウインドウが表示されます。
中央付近に四角い窓があり、グレーで山のような図(ヒストグラム)が書かれていて、右上から左下に向かって対角線上に直線が引かれています。
この対角線が、「トーンカーブ」です!
まずは、「トーンカーブ」の、真ん中くらいをマウスで上の方に引っ張ってみましょう。カーブが山なりになります。
そして、画像は明るくなりました。「OK」は押さずに続けます。
反対に、「トーンカーブ」の真ん中くらいを下の方に引っ張ってみましょう。カーブが谷状になります。
そして、画像は暗くなりました。
いかがでしょうか?
覚えていただきたいこと①
「トーンカーブのカーブは、上に曲げれば画像が明るくなる。下に曲げれば画像が暗くなる。」
実は、これだけでトーンカーブの「カーブの制御の方法」の基本の「キ」はOKです! 簡単ですよね? 張り切っていきましょう!
では次です。先ほどの「トーンカーブ」ウインドウに戻って、今度はカーブを何ヵ所か引っ張ってみましょう。
引っ張った部分にできたドットを、「コントロールポイント」と呼びます(Photoshopのトーンカーブは自由度が高く、コントロールポイントを最大14ヶ所作れます)。
「コントロールポイント」がいくつあっても、上に動かせば明るくなり、下に動かせば暗くなるのは一緒です。
常に真ん中の対角線が基準です。そこより「カーブ」が上にある箇所は、元画像より明るくなります。基準の対角線より「カーブ」が下にある箇所は、元画像より暗くなります。
トーンカーブを使えば、「画像のある部分は明るく、別の部分は暗く」みたいな操作ができるということなんですね。
覚えていただきたいこと②
「トーンカーブのカーブを引っ張ると、引っ張った所に『コントロールポイント』ができる。『コントロールポイント』を上に動かせばその部分が明るくなる。下に動かせばその部分が暗くなる。」
コントロールポイントの操作方法を、追加でもう少しだけお話しさせてください。
いくつかある「コントロールポイント」のうち、どれかをクリックすると、ひとつだけ黒くなると思います。
これは、「この『コントロールポイント』が選択されてますよ」という意味です。選択された「コントロールポイント」はカーソルキー(矢印の描かれたキー)で上下左右に微調整することができます。
「delete」キーを押すと、選択されている「コントロールポイント」が消えます。
そして、「Shift」キーを押しながら「コントロールポイント」をいくつかクリックして、複数の「コントロールポイント」を同時に選択することも可能です。この状態ですと、黒い「コントロールポイント」が、全部同時に動きます。ドラッグしても、カーソルキーで操作しても、全部同時に動きます。
覚えていただきたいこと③
「『コントロールポイント』は、クリックして選択できる(shiftキーを押しながら複数選択することもできる)。選択されたコントロールポイントは、カーソルキーで位置を微調整することもできる。deleteキーで消去もできる。」
はい! ここまでで、ひとまず「トーンカーブ」の"カーブの操作の基本"についてのお話は終了です。ひとまずは、カーブの曲線を自由に"動かせる"ようになったと思います。(ひとまずは、"自由に動かせる"だけでOKです。)
覚えていただきたいのは、この3つです。
覚えていただきたいこと①
「トーンカーブのカーブは、上に曲げれば画像が明るくなる。下に曲げれば画像が暗くなる。」
覚えていただきたいこと②
「トーンカーブのカーブを引っ張ると、引っ張った所に『コントロールポイント』ができる。『コントロールポイント』を上に動かせばその部分が明るくなる。下に動かせばその部分が暗くなる。」
覚えていただきたいこと③
「『コントロールポイント』は、クリックして選択できる(shiftキーを押しながら複数選択することもできる)。選択されたコントロールポイントは、カーソルキーで位置を微調整することもできる。deleteキーで消去もできる。」
でもたぶん、まだまだピンと来ないですよね?
カーブの曲線を自由に動かせたって、それが画像にどう影響するかがわからなければ、どんなカーブをつくってよいのかわからないと思います。
実は、そこについて丁寧な解説が今まであまり存在しなかったことが、このコマンドを理解しづらくしている原因でした。
ですので、カーブのどこが画像のどこに対応しているかを確かめられれば「トーンカーブ」で明るさを調整できるようになります!
次の章では、トーンカーブのどこが画像のどこと対応しているのかを見ながら、画像の「明るさ」を調整していきたいと思います。
第二章〈カーブのどこが画像のどこに対応しているかを確かめられれば「トーンカーブ」で明るさを調整できる!〉編
では、トーンカーブのどこが画像のどこと対応しているのか? 確かめる方法を、今回は2つご紹介しますね。
まずは1つめの方法です。一番簡単で、直感的な方法をご紹介しましょう。
調整したい画像を開いた状態で、
Photoshop画面上部のメニューバーから「イメージ」→「色調補正」→「トーンカーブ」と、たどっていきましょう。
「トーンカーブ」ウインドウが開いたら、ウインドウの中央やや下、左端にある「右手マークのボタン」をクリックしてみましょう。
「右手マークのボタン」がロックされるので(A)、そのままカーソルを画像の上に移動しましょう。
今回は、観覧車の光の部分を明るくしたいとして、観覧車の光っている部分の上にカーソルを移動します。(B)
すると、トーンカーブのカーブの上に「今カーソルのある場所はカーブの上で言うとここですよ」という指示を表す丸印が表示されているのがおわかりかと思います!!(C)
このまま画像の上でマウスを左クリックして、そのまま(クリックした指を離さずに)上方向にドラッグすると、先ほどの丸印がそのまま「コントロールポイント」になってトーンカーブが上に持ち上がります(D)。画像はもちろん明るく変化します(E)。
次にそのまま(クリックした指を離さずに)下方向にドラッグすると(F)、トーンカーブが下に下がって、画像が暗く変化します(G)。
クリックした指を離した時点でトーンカーブは固定されますが、そのまま「コントロールポイント」は残るので、通常通り「コントロールポイント」を動かすことで調整を続けることも可能です。
この機能を使えば、「Jの部分は明るくしたいんだけど、Kの部分はむしろちょっと暗くして、Lの部分は元の明るさのままにしよう」といった調整も可能であることがご理解頂けるのではないかと思います。この場合、元の明るさのままにしたい「L」のコントロールポイントがトーンカーブの「中央の基準対角線」の上にあるのがポイントです。
「明るさ・コントラスト」や、「レベル補正」では、ちょっとこういった繊細な調整は難しいですよね。
覚えていただきたいこと④
「『トーンカーブ』では、狙った部分の明るさを個別に明るくしたり、暗くしたりできる。『右手マークのボタン』で、画像のどこがカーブのどこに相当しているか確認できる!」
これでしたら、画像のどこがカーブのどこに対応しているか、一目瞭然! 慣れるまではこの機能だけ使って「トーンカーブ」を使うのもアリだと思います。
しかし、もっと根本的な部分を理解すれば、さらに「トーンカーブ」は、あなたに素晴らしい結果を返してくれます。
では、トーンカーブのどこが画像のどこと対応しているのか、確かめる方法の2つめです。それは、「デジタル画像の階調番号についてと、ヒストグラムについて、理解する」という方法です。
(この後のお話は、前回の記事をお読み頂いた方でしたら、ちょっと重複する部分が出てきます。しかし、前回の記事をお読みいただいていない方もいらっしゃると思いますので、「レベル補正」の回で勉強した内容の復習も含めてお話しますね。)
デジタル画像の明るさには、ドット(点)ごとに階調番号がついています。一番暗い部分は「0」、そして一番明るい部分は「255」と名付けられています。0~255ですから、全部で256段階の明るさがあります。実際に一覧にしてみると、こんな感じです(1番ずつ一覧にすると差がわかりにくいので、10番ずつの一覧にしてみました)。
復習ポイントA
「デジタル画像の明るさには、全部階調番号がついている。0番(黒)~255番(白)まで(真ん中は127番)。」
そして、デジタル画像が、ドット(点)の集合であることはご存知かと思います。今回の作例の写真も、拡大すれば、こんな感じにドット(点)の集合で成り立っています。下の画像は、観覧車のゴンドラのところをドットが見えるまで拡大したものです。
ちなみに、各ドットの明るさに番号を振ってみると、下図のような感じになっています(ひとまず色については無視して、明るさだけ考えます)。必ず暗いドットのほうが小さい番号になっていますね。
このように、256階調のドット(点)の集合が写真になってしまうわけですから、凄いことですよね。
この階調番号を使って、画像の状態を正確に把握することができないだろうか?
そこで、昔のえらい人は、グラフを作ってみることにしました(すみません、今回も誰かは存じないままです(笑) )。デジタル画像の、番号のついたドットひとつひとつを数えて、集計してみたわけです。「0」の明るさのドットは152個、「1」の明るさのドットは1533個、「2」の明るさのドットは3571個(←個数は仮の数字です) と、順に数えて、「255」までのドットの分布を、グラフ上に黒く塗りつぶしていきます。
その集計結果をグラフにしたものを、「ヒストグラム」と言います。「レベル補正」ウインドウや「トーンカーブ」ウインドウを開いた時に表示されていた、あの「山のような絵」が、「ヒストグラム」です。
復習ポイントB
「デジタル画像の階調番号ごとに何個ドットがあるかを数えてグラフ化したものが、ヒストグラムである」