(2012年9月20日配信)
第97回 『コーヒーとニキビについて(1) ~コーヒーを飲み過ぎる人は「胃ガン」に注意せよ??~ 』
こんにちは。とかち皮膚科院長・とかち美白研究所所長の大石真暉です。
ちょっとした用事のついでに、卒業した高校に行ってきました。行ったといっても、夜間のため外から眺めただけ。
卒業してから間近に見たのが、何と28年振り。国道沿いにあった昔の校舎は取り壊され、新校舎となっていました。昔の名残を残すものは、ほとんどありませんでした。
残っていたものといえば、近くの帯広神社の緑くらい。お店や喫茶店なども軒並みなくなっていました。時の流れは残酷だなと思いました。
しかし、考えてみればこれは素晴らしいことだと思いました。
私が通っていた幼稚園は帯広市の郊外に移転して既にありません。また、卒業した市内で最も歴史のある小学校も統廃合が噂されています。
母校の新校舎はなかなかモダンな作りで、グランドもナイター設備完備。勉強にスポーツにもってこいの環境です。
実際、様々な方面で以前より大きな成果があがっているようです。
これはまだまだ後世に残りそう。頼もしい限りですね。
そうそう、長期に渡って続けていくことは大切です。おかげさまでこのコラムももう少しで100回。気づくと約8年間、毎月休まず配信させていただいています。
『ニキビ改善』には長期戦の構えが必要なことも多いですね。月に1度必ず届く、『ニキビ改善の定期便』になれば幸いです。
ニキビの治療には、お薬の力(=テクニカル/技能面)ばかりでなく、根気よく治療に取り組む力(=メンタル/精神面)も大切です。
このコラムが、その両方をうまくケアしていければ最高だなと思いつつ、自分自身が一歩でも前に進むつもりで、毎月お届けさせていただいています。
とかち美白研究所では、VCローション等を購入されている方に会報を毎月発行しております。
そこの片隅に『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』というものを載せています。
(思い当たる所があれば今日から早速実行してみて下さい。)
ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)
今日から私は以下の4つを良く守り、
ニキビ改善を目指すことに決めました!
- (1)爪を切って手は下に置くことに決めました。
- (2)髪型は適切にアレンジすることに決めました。
- (3)規則正しい生活を送ることに決めました。
- (4)お肌はしっとり潤いを保つことに決めました。
これは私が皮膚科診療を22年やってきた中で非常に重要と思い標語にしたものです。
ニキビ治療には様々な治療方法があり考え方も様々です。このコラムでは、第15回までは『ニキビ治療の4ヶ条』を系統立てて解説してきました。
第16回からは『落ち穂拾い』と題して、『ニキビ治療の4ヶ条』を『基本中の基本(中核)』と考え、日々気付いたニキビ治療に関連したこと一つ(今まで取り上げていなかったが重要なことなど= 落ち穂 )にフォーカスをあて(= 拾い )、お話させていただいています。
前回は、『簡単な皮むき法のご紹介~毎日果物を食べてニキビ改善!~』と題して、果物むき器を使って簡単に毎日果物を食べる方法について、お話しさせていただきました。
今回は、最近、新たな効能・効果が話題になっている『コーヒー』についてお話しさせていただきます。
ちょっと長くなりますので、今回は、私が最近知ったコーヒーの効能・効果について、次回は、ニキビとコーヒーの関連性について考えたいと思います。
コーヒー。
お酒とタバコをやらない私にとって、唯一の嗜好品です。眠気を覚まし、毎日の診療を支えてくれる友人のようなものです。
カフェインの助けを借りていただけと思っていましたが、最近の研究ではそればかりではないことがわかってきました。
コーヒー党というと、少し不健康そうなイメージがあります。しかし、最近の研究では『コーヒー=健康に良い飲み物』ということになってきています。
『コーヒー愛飲家で低い死亡リスク』
(MedicalTribune2012年7月19日号より)
米国立衛生研究所の一部門である米国立がん研究所がん疫学・遺伝学部のNealD.Freedman博士らは
『カフェイン含有の有無にかかわらず、コーヒーをよく飲む人では、コーヒーを飲まない人より全死亡リスクが低かった」
とNewEnglandJournalofMedicine(2012;366:1891-1904)で発表しました。以下で、要旨をまとめます。
1)喫煙や飲酒など他の死亡危険因子で調整した結果、1日にコーヒーを多く飲む人ではコーヒーを飲まない人と比べ死亡リスクが低いことが明らかになりました。
2)1日3杯以上飲む人では、死亡リスクが約10%低かった。
3)コーヒーを多く飲む人では全死亡リスクの他、心疾患、呼吸器疾患、脳卒中、外傷・事故、糖尿病、感染症による死亡リスクも低かった。
4)但し、がん死亡リスクの低下は見られませんでした。
5)今回の結果からは、因果関係の有無を明らかにすることはできませんでしたが、少なくともコーヒー摂取は健康に悪影響を及ぼすものではないという一定の安心感をもたらしました。
6)コーヒーの抽出方法(エスプレッソ、サイフォン、ドリップなど)についての情報はありません。抽出方法の違いにより、コーヒー1杯当りに含まれる、保護効果のある成分の量が異なる可能性があります。
7)コーヒー摂取と死亡率の低下に因果関係があるとしても、コーヒーには健康に影響を与えうる化合物が1,000種類超も含まれていることから、コーヒーがどのような機序で死亡リスクを低下させるかは明らかではありません。
8)今回の研究では、『日常的にカフェイン入りを飲む』と答えた人と、『日常的にカフェイン抜きを飲む』と答えた人の間で死亡率に差はありませんでした。
50~70歳の米国男女40万人以上を対象にして得られたこの研究。結果を見る限り、コーヒー党の不健康なイメージは払拭されました。
それから、こんな記事もありました。
(週刊新潮2012年7月26日号 日本中に蔓延する「ガン常識」どれが本当か! より)
『コーヒーを飲み過ぎる人は「胃ガン」に注意せよ』という「ガン常識」は本当か?という内容です。
『結論。コーヒーを飲み過ぎても胃ガンになることはない。』
ということでした。更に安心しました。
記事中では、以下の記述もありました。
『1990年代になってから、コーヒーには抗酸化作用があって体にいいという研究が出てくるようになりました。ポリフェノールが世間の注目を浴びた時、コーヒーに含まれるクロロゲン酸というポリフェノールに注目が集まった。ガンの研究者は、抗酸化作用のあるポリフェノールがガン抑制に効果を持つのではないかと考えたのです』(お茶の水女子大大学院の近藤和雄教授・臨床栄養学)
更に、92年から8年間にわたり、岐阜県高山市で35歳以上の男女3万人に対して、コーヒーの摂取量のアンケート調査が行われました。以下の結果が得られました。
『コーヒーを全く飲まないグループ、
1日1杯未満のグループ、
1日1杯以上のグループ
の3つに分け、その後の大腸ガンの発症率を調査しました。
するとコーヒーを全く飲まない人を1とすると、1日に1杯以上飲む人では男性で0.81、女性では0.43という結果が出ました。女性の場合は顕著な数字だと言えます。
緑茶では顕著な数字は見られませんでした。
コーヒーに含まれる抗酸化作用の強いクロロゲン酸が関与しているのではと想像されます』
(岐阜大学医学部の永田知里教授・公衆衛生学)
日本人の研究でもコーヒーの効果は立証されています。
1)ポリフェノールは、植物が自身を活性酸素から守るために作り出す物質で、抗酸化物質の代表です。
2)ポリフェノールは、数千種類以上もあると言われています。植物に広く分布し、子孫を残すための種子や、紫外線による酸化ダメージから守る必要がある葉に、特に多く含まれます。
3)赤ワインやココアなどの他、お茶のカテキン、チョコレートのカカオポリフェノールなどが有名ですが、「コーヒー」には赤ワインと同じくらいたくさん含まれています。
コーヒーに含まれるポリフェノールは、カフェインよりも多いです。
4)最近の調査によると、日本人の食生活では、コーヒー、次いでお茶から最も多くのポリフェノールを摂っていて、すべての食品、飲料のうち、約半分がコーヒー由来であることもわかってきました。
5)コーヒーの摂取により2型糖尿病や肝疾患の発症リスクが低減されるという疫学調査結果が国内外で多数報告されています。
6)コーヒーに含まれるポリフェノールの代表が、コーヒーポリフェノール(クロロゲン酸類)です。特に焙煎していないコーヒー豆(生豆、きまめ)に豊富に含まれます。
7)成人女性を対象に行った調査では、コーヒーポリフェノール摂取量が多いほど、紫外線によるシミが少ないという結果が得られています。
普段、何気なく飲んでいるコーヒー。なかなか大した効果を持った友人です。いろいろ調べていくと、実は私の健康を影で支えてくれていたことがわかりました。
今回のポイントは以下の通りです。
【今回の4決め!落ち穂拾い】 「落ち穂 その81」
『コーヒーとニキビについて(1)
~コーヒーを飲み過ぎる人は「胃ガン」に注意せよ??~』
- •最近、新たな効能・効果が話題になっている『コーヒー』。私が最近知った『コーヒー』の効能・効果についてお話します。
- •米国立がん研究所のNealD.Freedman博士らは、50~70歳の米国男女40万人以上を対象にした研究をもとに『カフェイン含有の有無にかかわらず、コーヒーをよく飲む人では、コーヒーを飲まない人より全死亡リスクが低かった』と発表しました。
- •喫煙や飲酒など他の死亡危険因子で調整した結果、1日にコーヒーを多く飲む人ではコーヒーを飲まない人と比べ死亡リスクが低いことが明らかになりました。
- •1日3杯以上飲む人では、死亡リスクが約10%低く、コーヒーを多く飲む人では全死亡リスクの他、心疾患、呼吸器疾患、脳卒中、外傷・事故、糖尿病、感染症による死亡リスクも低かった。
- •1日3杯程度ならコーヒーを飲んで胃ガンになることはありません!
- •92年から8年間、35歳以上の男女3万人の日本人に対して行われたコーヒーの摂取量のアンケート調査による研究では、1日に1杯以上飲む人では男女とも大腸癌の発症率が減少しました。
- •コーヒーはなかなか優れた効果を持つ嗜好品です。
10年程前、先輩の大先生から、『大石先生。コーヒーどうしてます?』と聞かれたことがあります。
私はいきなり聞かれて、答えに窮し、『普通に◯◯で買ったコーヒーを適当にドリップして飲んでます』と慌てて答えましたが、これは正しい答ではありませんでした。
大先生は『僕はいろいろ英文も含めて検索して調べたけど、コーヒーは少なくとも体に悪いことはなさそうだね。ガンガン飲んでいるよ』と正しい答を優しくお答え下さいました。
今回、私もいろいろ準備して、コーヒーについて調べてみました。大先生のおっしゃっていた通り、コーヒーはなかなかの優れものでした。
いよいよ今月から、お母さんになったこのメールマガジンの管理人さんが再登場されます。コーヒーと同じく、ひと味もふた味も違うコメントが聞けると思います。これからもよろしくお願いしますね。
次回は、ニキビとコーヒーについて考えたいと思います。
それでは。
おおいし まさき(大石 真暉:ペンネーム)
(昭和41年北海道帯広市生まれ。平成6年札幌医大大学院修了。
平成7年同皮膚科学講座助手。平成9年とかち皮膚科開院。
平成14年とかち美白研究所開所。
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士)