肌の生まれ変わる「ターンオーバー」の乱れは、肌荒れや大人ニキビ等の原因となります。
また、ターンオーバーの周期が加齢によって遅くなることはよく知られていますが、原因はそれだけではありません。
この記事ではターンオーバーが乱れる様々な原因や、それに伴う肌の症状、そしてターンオーバーの乱れを正常化する方法などを詳しくご紹介していきます。
ターンオーバーとは?
まず、ターンオーバーとは肌のどんな状態を指しているのでしょうか。
肌のターンオーバーとは肌の「表皮」の新陳代謝、つまり表皮細胞の生まれ変わりのことです。
表皮は、外側から角質層(かくしつそう)・顆粒層(かりゅうそう)・有棘層(ゆうきょくそう)・基底層(きていそう)と4層の構造から成り立っています。
一番下の基底層で新しい細胞ができ、日数をかけて一番上の角質層にまで押し上げられ、そして最後に垢となり剥がれ落ちます。これが肌のターンオーバーの一連の流れです。
表皮の一番下の基底層で表皮細胞(角質産生細胞)が生まれる。
表皮細胞は分裂を繰り返しながら肌表面へ押し上げられていく。
表皮細胞は形を変えながら分化し、約28日かけて角質細胞になる。
垢として剥がれ落ちる
正常なターンオーバーは1サイクル28日周期とされていますが、この周期は年齢を重ねるごとに遅くなり40代になると約40日程度、またはそれ以上かかるといわれています。
加齢等の原因によって、このターンオーバーが遅くなったり、極端に早くなったりすることは「ターンオーバーの乱れ」と呼ばれ、肌荒れの原因とされています。
ターンオーバーができるだけ乱れないよう、正常化するようにお肌の調子を整えることが美肌作りの基本と言えるでしょう。
ターンオーバーの乱れる原因は?
ターンオーバーが乱れる原因にはどんなことがあるのでしょう。
いくつか例を挙げてご説明します。
加齢
これは誰にでも起こることなのですが、年齢を重ねるとホルモンバランスも乱れ、また新陳代謝も落ちるので、年齢と共にターンオーバーが遅くなります。
紫外線
紫外線を浴びると肌に負担がかかるだけでなく、肌の細胞に傷がつき、その傷を回復しようとターンオーバーが早く進んでしまいます。
ターンオーバーが早く進むと、細胞が未熟なまま押し上げられることになる為、肌の表面にあたる角質層が薄い状態となります。
薄い角質層は保湿力も低い上に、剥がれやすいため、乾燥肌の原因となります。
睡眠不足
肌の調子も整える成長ホルモンは、深い眠りについた時に分泌されます。
睡眠不足で成長ホルモンがしっかり分泌されないと、ターンオーバーが乱れる原因に。
また睡眠不足は血行不良を招き、肌に栄養をしっかりと届けることができなくなるため、ターンオーバーにも影響を与えます。
良質な睡眠をとるためには、寝る前の2~3時間前にお風呂を済ませる、寝る前のカフェインは控える、ベッドにスマホを持ち込まないなどの心がけも大切です。
喫煙
タバコを吸うことで、血管が収縮され血液循環が悪くなります。
このため体が冷える原因ともなり、肌に栄養分が行き渡りません。
喫煙が原因で肌のターンオーバーは遅れることになるのです。
過度のスキンケア
お肌のお手入れは大切なのですが、ピーリングやクレンジングで角質を取りすぎると、肌のバリアを保とうとターンオーバーが早く進み、その結果角質層が薄くなって保湿力が低下し、乾燥肌の原因となります。
また、洗顔をする時のお湯の温度が熱いと、肌の皮脂を取り過ぎてしまい、乾燥肌を引き起こし、ますますターンオーバーを早める原因となります。
ターンオーバーが遅くなる原因と症状
ターンオーバーが遅くなる理由の殆どは血行不良や代謝の低下にあります。
血行が悪化するのは主に生活習慣の乱れによるもの。
栄養バランスの悪いダイエット・ストレス・睡眠不足・運動不足・食生活の乱れ・添加物の取り過ぎなど。また加齢による代謝低下は全ての人に当てはまる原因です。
そして、ターンオーバーが遅くなると、自然にはがれ落ちるはずだった老廃物・生命力のない細胞が肌の表面を覆い隠し、角質層が厚くゴワゴワした硬い肌質に。
古い角質が剥がれないため、毛穴がふさがれてしまい、古い角質や皮脂が外に出ることができず詰まってしまうのです。この為、肌の透明感が失われ、くすんで見える原因になります。
シミが剥がれずに色素沈着してしまったり、傷が跡に残りやすいとか、傷が治りにくいなども、ターンオーバーが遅くなっている証拠です。
ターンオーバーが早くなる原因と症状
ターンオーバーのスピードが早まるのは「若返るみたいだから良いこと」という勘違いがあるようですが、遅くなるのと同様に、お肌の状態は悪化します。
早まってしまう一番の原因はスキンケアの弊害。前述のとおり、角質を取りすぎると、ターンオーバーが早く進んでしまいます。
刺激の強いクレンジング剤、洗顔料など化粧品の影響、その際の摩擦、ピーリングや毛穴パックなどのやり過ぎによって、お肌の角質を必要以上に削り取ってしまうと、未熟な細胞が表面に出てしまうのです。
この未熟な細胞は薄く、保湿力も低い為、バリア機能や潤いが低下し乾燥肌の原因となするだけでなく、刺激にも弱く傷つきやすくなります。
そして、乾燥肌になると余計に皮脂が分泌される為、角栓が詰まりやすく毛穴の黒ずみや吹き出物のの原因にもなります。
また、顔の肌が乾燥すると、キメが荒く、シワやたるみが目立つようにもなってしますのです。
シミとターンオーバーの関係
紫外線を浴びて作られたメラニンを外へと押し出し、色素沈着してシミとして残さない為には、ターンオーバーが正常であることが必要となります。
前述したように、ターンオーバーが様々な理由で遅くなると、メラニンが追い出されるスピードも遅くなり、皮膚の中に残ったままになります。
また紫外線を浴びればよりメラニンが作られ、皮膚の中は更にメラニンが溜まった状態に。
「増えるメラニン&遅くなるターンオーバー」、この両方が原因で肌に残ってしまったメラニンがシミの原因となっていくというわけです。
尚、表皮層よりも深い真皮層で生成されたメラニン色素は表皮のターンオーバーでは排出されません。
真皮層のターンオーバーには通常5~6年程かかると言われ、メラニンはなかなか排出されず、いつまでもシミとなって残ってしまいます。
ターンオーバーを正常化する方法
遅くなったり、早くなってしまったターンオーバーの周期を改善し、正常化するにはどのような方法があるのでしょうか。
スキンケアを見直す
必要な角質まで落としてしまわないように、メイク落としや洗顔、ファンデーションを塗る時など、なるべく肌を擦らないように、やさしくなでる程度で行うように、心がけます。
また肌のバリアを壊してしまう、合成界面活性剤配合の化粧品をを毎日使用すると肌にはかなりの刺激と負担になります。
できれば無添加タイプを使用したり、石けんで落とせるタイプを使うなど、直接肌に触れるものを見直すのも一つです。
ターンオーバーを促進する食べ物(成分)を摂る
必要な材料がなければ、肌はきれいに再生されません。特にターンオーバーを正常化するには血行促進、皮膚の保湿改善に役立つ成分を意識して摂ることが大切です。
タンパク質
タンパク質は体内でアミノ酸に分解され、血管、肌、筋肉をはじめ全身のあらゆる細胞を作り、肌の新陳代謝にも欠かせない栄養素です。
動物性、植物性をバランスよく食べるようにし、アミノ酸をしっかり与えれば、肌の保湿力や弾力も向上します。
タンパク質は肉、魚介、卵、大豆製品、牛乳等の乳製品に豊富に含まれています。
亜鉛
亜鉛は肌の新陳代謝に関わり(細胞分裂に必要な成分)、ターンオーバーを促進する栄養素。活性酸素を除去する酵素を生成する役割も果たしている為、美肌作りには必須です。
亜鉛が不足すると乾燥肌や鮫肌、ニキビ、アトピーの原因となります。
亜鉛は牡蠣、牛肉、卵黄、ゴマ、ココアなどに多く含まれています。
ビタミンB群
美肌ビタミンと呼ばれることもあるビタミンB1、B2、B6等のB群は皮膚や粘膜の健康的な再生、維持に欠かせない栄養素。不足するとターンオーバーの周期を乱し、乾燥肌や吹き出物、シミ、くすみが出来やすくなります。
ビタミンB群は納豆、肉(特に豚)、乳製品、卵、まぐろや鰹等の魚類に多く含まれています。
ビタミンC
高い抗酸化作用をもち、コラーゲン生成やメラニン色素生成抑制にも関わり肌の新陳代謝には欠かせないビタミンC。常に体内で飽和状態になるよう、こまめに補給することが大事な栄養素。
いちごやキウイなどの果物、オレンジ、レモンなどの柑橘類、ゴーヤ、モロヘイヤ、トマト、ブロッコリー、パプリカ、さつまいも、ほうれん草などの野菜に豊富に含まれています。
ビタミンE
ビタミンC同様、抗酸化作用が強く、活性酸素から細胞を守ります。また血流促進し、栄養をスムーズに運べるようにするのをサポート、ターンオーバーの促進、美肌作りには欠かせません。
ビタミンEはかぼちゃ、赤ピーマン、アーモンド等のナッツ類、うなぎ、たらこ、アボカド、サラダ油等に豊富に含まれています。
ビタミンA
皮膚の炎症を抑え修復、ターンオーバーを促進させる栄養素。シワを薄くするスキンケアに使われるレチノールはこのビタミンAの一種です。
ビタミンAはレバー、うなぎ、人参、ニラ、カボチャなどの緑黄色野菜に多く含まれています。
EPA(エイコサペンタエン酸)
青魚の油に豊富に含まれる成分。血液をさらさら、血流改善効果があるので、ターンオーバー改善につながります。EPAはサバ、サンマ、鰯等の青魚に豊富に含まれています。
鉄
血液中の酸素を体の隅々に迄運ぶヘモグロビンの材料となる鉄分。
ヘモグロビンが豊富であれば、ターンオーバーに必要な栄養素がしっかり肌に届けられます。
女性は月経で貧血になりやすいので特に鉄分不足には注意が必要です。
鉄分はレバー、卵黄、牛肉、しじみ、ハツ、かつをぶし、油揚げなどに豊富です。
上記の栄養素は毎日の食事からバランスよく食べることが一番いいのですが、3食作るのも、しっかり食べるのも大変な場合、青汁やサプリメントで必要な栄養素を摂ってもいいでしょう。
こちらの記事も参考に >>>ヘム鉄サプリの効果と副作用について
紫外線対策をする
紫外線を浴びると、ターンオーバーの周期が乱れ、肌荒れの原因となります。
常日頃からUVケアを怠らないのが大事ですが、もし、うっかり日焼けしてしまったら、冷やした後に保湿を入念に。また十分な睡眠と休養で成長ホルモンの分泌を促進する為に、早寝を心がけてください。
ピーリングの効果
薬剤によるピーリングは肌の古い角質を取り除き、ターンオーバーを促進しますので、ターンオーバーの周期が乱れた肌にはおすすめできるスキンケアと言えます。
ただし、ピーリングを行うタイミング、頻度、ピーリング剤の濃度について、正しく見極めるのは難しく、自己判断で行うとかえって肌を薄くしてターンオーバーを早め、乾燥肌を招くという危険もあるので要注意です。
もしセルフケアで試すなら、刺激の弱い、市販の洗い流すタイプのピーリング剤を使ってみてもいいと思いますが、できれば皮膚科や美容皮膚科等で施術してもらうのが、効果も高く、安心です。
<まとめ>
美肌と深い関係があるターンオーバーは早くても遅くても肌にとって良くありません。
- 生活習慣の乱れ、血流の悪化によりサイクルが遅くなる
- 過剰なスキンケアでサイクルが早くなる
- 必要な栄養素をしっかり摂ることが大切
- 紫外線ケアは入念に
- 皮膚科や美容皮膚科でのピーリングがおすすめ
思い当たることを改善し、ターンオーバーの周期を正常化していきましょう。