(2012年2月20日配信)
第90回 『ニキビとお酒について ~女子会で飲み過ぎ注意!~
こんにちは。とかち皮膚科院長・とかち美白研究所所長の大石真暉です。
今年は寒いですね。
各地で大雪の記録更新とか九州でも零下10度を記録などのニュースが、連日、報道されています。
この原稿を書いている2月11日。
当地(帯広市)の
最低気温は マイナス17.5度(平年より マイナス4.4度)
最高気温は マイナス3.8度(平年より マイナス2.7度)
となっています。
例年だとこの時期は春の兆しが感じられます。しかし、今年は厳しい寒さがあと1週間は続きそうです。
4年前の第42回のコラムでは、2008年頃から循環している太陽の活動が転換し、地球は今後、再び寒冷化していくという予測をご紹介させていただきました。
この手の予測には数年のタイムラグはつきもの。寒冷化は今後も続き、ひょっとしたら地球は小氷河期入りしたのかもしれません。
とはいえ、春はもうすぐそこまで来ています。数日前、零下18度の病院玄関の風除室内で、動く『クモ』を発見しました。
『クモ』は私に発見されると、最初は死んだふりをしていましたが、私が長靴で軽くキックすると、空中で8本足をバタバタさせ、見事に地面に着地。除雪用具の隙間に逃げ込みました。
生き物は『たくましい』ですね。
私もクモを見習い、少々の寒さは気にせず、いろんなことに『たくましく』取り組み、『ニキビ改善への道』を極めるべく、日々精進したいと思います。
ニキビの治療には、お薬の力(=テクニカル/技能面)ばかりでなく、根気よく治療に取り組む力(=メンタル/精神面)も大切です。
このコラムが、その両方をうまくケアしていければ最高だなと思いつつ、自分自身が一歩でも前に進むつもりで、毎月お届けさせていただいています。
とかち美白研究所では、VCローション等を購入されている方に会報を毎月発行しております。
そこの片隅に『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』というものを載せています。
(思い当たる所があれば今日から早速実行してみて下さい。)
ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)
今日から私は以下の4つを良く守り、
ニキビ改善を目指すことに決めました!
- (1)爪を切って手は下に置くことに決めました。
- (2)髪型は適切にアレンジすることに決めました。
- (3)規則正しい生活を送ることに決めました。
- (4)お肌はしっとり潤いを保つことに決めました。
これは私が皮膚科診療を21年やってきた中で非常に重要と思い標語にしたものです。
ニキビ治療には様々な治療方法があり考え方も様々です。このコラムでは、第15回までは『ニキビ治療の4ヶ条』を系統立てて解説してきました。
第16回からは『落ち穂拾い』と題して、『ニキビ治療の4ヶ条』を『基本中の基本(中核)』と考え、日々気付いたニキビ治療に関連したこと一つ(今まで取り上げていなかったが重要なことなど= 落ち穂 )にフォーカスをあて(= 拾い )、お話させていただいています。
『お酒』はニキビを悪化させます。
前回は、そのメカニズムについて考え、お酒好きな方でニキビにお悩みの方は、ビタミンB2、ビタミンB6を意識的にとることが大切であるというお話しをさせていただきました。
今回は、『お酒』との付き合い方、特に『女性と飲酒』について、『アルコール依存症』に注意が必要と考えお話しさせていただきます。
私は『お酒』は決して飲めない方ではありません。でも『お酒』を飲む機会は年に数回位に減ってきています。体調の維持管理の点から、意識的にセーブしています。
但し、バーや飲食店でちょっと飲食をするのは人生の楽しみの一つ。学会や出張などの際には、ガイドブックを片手に様々なお店を訪れます。そこで気づくのが、『お酒』を飲む女性が増えているということです。
私が一人ソフトドリンクを飲みながら、料理を食べていた時のことです。となりのカップルはアルコール2杯位で切り上げていたのですが、その横、女性4~5名の30代の女子会組は、ビール、焼酎、カクテルなどアルコールは何でも来い!!凄い勢いで飲んで食べていました。
料理を食べては飲み、携帯を見ては飲み、スイーツを食べては飲むという感じです。
これは一度や二度の経験ではありません。
社会全体で男性の勢いが無くなってきています。『女子会』ブームは、頼りない男性を尻目に拡大の一方です。飲食業界はもう『女子会』なしではやっていけない所が多いのです。居酒屋はまだしも、しゃれた料理店は女性客が圧倒的に多いです。
『札幌はすごい。おなごが夜、ススキノで酒を飲んでいる!!』 これは28年前、私の大学の九州出身の同級生が漏らした感想です。
当時、彼の出身地では、女子が夜間、出歩いてお酒を飲むことは御法度だったそうです。
時代は大きく変わりました。
2008年の厚生労働省の調査によると、女性の飲酒率は40年前の4倍に上り、20代前半では女性が90.4%で男性83.5%と逆転現象が起きているそうです。
2012年ではその差が更に拡大しているでしょう。
その影で、最近問題になっているのが『アルコール依存症』の問題です。
女性誌ネタで恐縮ですが、『週刊女性2011年11月22日号』では、『20代女性の飲酒率が急増中!!アルコール依存症になった女たち』という特集が組まれています。
『依存症はコントロール喪失の病です。1杯お酒に手をつけたら、その後の飲酒行動をコントロールできなくなってしまうんです。
酒を断つと手が震えたり汗が出たり、ひどい人は幻覚・幻聴という症状が出てきます。
あとは社会的、経済的な損失を繰り返しているのにまだ酒がやめられない。これらにあてはまる人が一般的にアルコール依存症といわれます』
(依存症の病気を取り扱う 斉藤章佳 先生)
『男性は日本酒2合~3合を15年間飲み続けると依存症になるといわれています。ビール瓶だと大瓶で3本ほどの量です。
女性はその半分。7~8年で依存症になる可能性が高い。肝臓の容積が小さいことやホルモンの影響からアルコールの分解能力が低いのです。人によっては5年くらいで症状がはじまるという統計もあります』
(前出 斉藤章佳 先生)
私が女性で飲む人が特に増えてきたなと感じたのが、2000年前後のことです。
札幌では接待向けの高級店が潰れ、新たに若者向け、特に女性向けのおしゃれなお店が増えてきたのがこの頃です。地元の飲食店でも、最近は『女子会メニュー』が充実してきています。
とすれば、女性のアルコール依存症が急増するのはこれからが本番。
そういえば、前回のコラムの中で紹介した
『会社で飲み会が多くて、ニキビが悪化します』
『毎日ビール。これだけは止められません。ニキビは気になるけどー』
の例は、ここ1~2年の患者さんとの会話から得られたものです。
アルコール依存症となり、取り返しがつかなくなる前に、自分で気づくには以下のことが重要です。
1)お酒は適正な時間(夜)に飲んでいるか?
2)やめようと決めた量でお酒をやめているか?
3)客観的にみて自分でお酒をコントロールできているか?
1)酒が原因で、大切な人との人間関係にひびが入ったことがある
(ある= 3.7点 ない= -1.1点)
2)せめて今日だけは酒を飲むまいと思っても、つい飲んでしまう
ことが多い (ある=3.2点 ない= -1.1点)
4)適量でやめようと思っても、つい酔いつぶれるまで飲んでしまう
(ある=2.2点 ない= -0.7点)
6)休日には、ほとんど朝から飲む
(ある=1.7点 ない= -0.4点)
などの質問があります。
お酒好きの方は、女性に限らず男性もチェックしてみましょう。正常飲酒群に入らない場合は、今日から『お酒』は控えましょう。
週に2日連続して禁酒するだけでも違うそうです。
『お酒』に『タバコ』。セットでニキビを悪化させる嗜好品です。
『タバコ』は禁煙。『お酒』は『久里浜式アルコール症スクリーニングテスト(KAST)』-5点以下:正常飲酒群 を維持する。
そうなればニキビ改善にまた一歩近づいたことになります。
酒は百薬の長といわれます。『女子会』はストレス解消やコミュニケーションの場として最適です。 しかし、女性の場合は、飲み過ぎはニキビを悪化させるばかりか、特にアルコール依存症の危険性を増加させます。
ニキビ改善のためには、良いおつきあいをしたいものですね。
今回のポイントは以下の通りです。
【今回の4決め!落ち穂拾い】 「落ち穂 その74」
『ニキビとお酒について~女子会で飲み過ぎ注意!~』
- •『お酒』はニキビを悪化させます。
- •今回は、特に『女性と飲酒』について、『アルコール依存症』の危険性についてお話ししました。
- •2008年の厚生労働省の調査によると、女性の飲酒率は40年前の4倍に上り、20代前半では女性が90.4%で男性83.5%と逆転現象が起きています。
- •『週刊女性2011年11月22日号』では、『20代女性の飲酒率が急増中!! アルコール依存症になった女たち』という特集が組まれています 。
- •『依存症はコントロール喪失の病。1杯お酒に手をつけたら、その後の飲酒行動がコントロール不能に。
酒を断つと手が震えたり汗が出たり、ひどい人は幻覚・幻聴という症状も』 - •『更に、社会的、経済的な損失を繰り返しているのにまだ酒がやめられない。これらにあてはまる人が一般的にアルコール依存症
(依存症の病気を取り扱う 斉藤章佳 先生) - •『男性は日本酒2合~3合を15年間飲み続けると依存症に。ビール瓶だと大瓶で3本ほどの量。
女性はその半分。7~8年で依存症になる可能性が高い。肝臓の容積が小さいことやホルモンの影響からアルコールの分解能力が低く、人によっては5年くらいで症状がはじまることも』
(前出 斉藤章佳 先生) - •女性のアルコール依存症が急増するのはこれからが本番です。
- •アルコール依存症となり、取り返しがつかなくなる前に、
1)お酒は適正な時間(夜)に飲んでいるか?
2)やめようと決めた量でお酒をやめているか?
3)客観的にみて自分でお酒をコントロールできているか?
チェックしましょう。 - •『久里浜式アルコール症スクリーニングテスト(KAST)』でアルコール依存症の危険性を点数化し判定することもできます。
- •『タバコ』は禁煙。
『お酒』は
『久里浜式アルコール症スクリーニングテスト(KAST)』
-5点以下:正常飲酒群
を維持しましょう。 - •『女子会』はストレス解消やコミュニケーションの場として最適。しかし、女性の場合は、飲み過ぎはニキビを悪化させるばかりか、特にアルコール依存症の危険性を増加させます。
- •ニキビ改善のためには、『お酒』と良いおつきあいが必要です。
ここでちょっとお知らせです。当メルマガの管理人さんが、来月から産休を取られることになりました。
その間は、編集後記がないシンプルな構成でお届けすることになります。
内容はこれまで以上に、ニキビ治療に役立つものをお届けするように頑張りますので、何卒よろしくお願いいたします。
管理人さんが1児の母として復帰されるのを楽しみにしています。
次回は、ニキビと髪型について考えて行きたいと思います。
それでは。
おおいし まさき(大石 真暉:ペンネーム)
(昭和41年北海道帯広市生まれ。平成6年札幌医大大学院修了。
平成7年同皮膚科学講座助手。平成9年とかち皮膚科開院。
平成14年とかち美白研究所開所。
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士)