生命科学関連特許情報
| タイトル: | 公開特許公報(A)_エマルジョン型角栓除去剤 |
| 出願番号: | 2006084551 |
| 年次: | 2007 |
| IPC分類: | A61K 8/81,A61Q 19/00 |
この特許の詳細情報を見る(外部サイト)
特許情報キャッシュ
日高 由季渡辺 喜彦五十嵐 正 JP 2007254438 公開特許公報(A) 20071004 2006084551 20060327 エマルジョン型角栓除去剤 花王株式会社 000000918 古谷 聡 100087642 溝部 孝彦 100076680 持田 信二 100091845 義経 和昌 100098408 日高 由季 渡辺 喜彦 五十嵐 正 A61K 8/81 20060101AFI20070907BHJP A61Q 19/00 20060101ALI20070907BHJP JPA61K8/81A61Q19/00 6 OL 10 1.テフロン 4C083 4C083AD022 4C083AD091 4C083AD092 4C083BB36 4C083DD31 4C083EE06 4C083EE07 4C083EE12 本発明は、エマルジョン型角栓除去剤、その製造法、並びにその角栓除去剤を用いた角栓除去方法に関する。 角栓は皮脂と共に汚れを含んで角化して毛孔につまったものであり、これを放置することは、毛孔の目立ちのみならず、肌の種々のトラブルをひき起こす。従って、角栓を除去することが、美容上及び肌の健康上好ましい。 このような角栓を除去するための角栓除去剤としては、特許文献1、特許文献2及び特許文献3に記載されているように、特定の水溶性高分子を不織布等に延伸したシートタイプが近年の主流であり、鼻に水をつけてシートを貼り乾燥後剥離するという使用方法が用いられている。この方法は非常に効果的に角栓を除去できる反面、あらかじめ水を鼻につける必要があることが面倒であり、また、水の量に個人差が生じ効果が半減することも多い。さらに、シートが乾燥するまで10分以上待たなければならないなど、簡便性にも問題がある。 また、特定の水溶性高分子を水溶液の状態で鼻に塗布し、乾燥後剥離するという方法もあるが、この方法では水の量に個人差が生じないものの、乾燥に非常に長時間を要する、塗布時に糸引きが起こり指や衣服が汚れる、液だれしやすいなどの問題が生じる。 一方、エマルジョン型の角栓除去用パック剤も知られており、例えば特許文献4にはポリビニルアルコールとアクリル酸アルキル−スチレン共重合体のエマルジョンを含有する角栓除去剤が開示されている。しかし、この角栓除去剤は、粘度が高くて塗布しにくく、水分量が多いため乾燥に時間を要するという問題がある。特開平5−97627号公報特開平5−221843号公報特開平5−286842号公報特開平8−109119号公報 本発明の課題は、使用時に水を塗布する必要がなく、塗布しやすく、乾燥時間が早く、良好な角栓除去能を有する角栓除去剤を提供することにある。 本発明は、塩生成基を有する親水性高分子化合物(以下(A)成分という)及び疎水性高分子化合物(以下(B)成分という)を含有するポリマーエマルジョンからなるエマルジョン型角栓除去剤、その製造法、並びにエマルジョン型角栓除去剤を角栓のある部分に塗布し、乾燥後剥離する角栓除去方法を提供する。 本発明のエマルジョン型角栓除去剤は、使用時に水塗布する必要がなく、塗布しやすく、短い待ち時間で角栓を良好に除去することができる。 [(A)成分] 本発明の(A)成分である塩生成基を有する親水性高分子化合物において、親水性高分子化合物とは、20℃における100gの水への溶解度が10g以上のものをいう。また、塩生成基とは、酸又は塩基の存在により塩を形成する基、あるいは自身が塩を形成している基であれば特に制限されず、アニオン性、カチオン性、両イオン性のいずれの基であってもよい。かかる塩生成基の具体例としては、カルボキシル基、スルホン酸基、硫酸基、リン酸基、硝酸基、アミノ基、アンモニウム基等が挙げられ、スルホン酸基、アミノ基、アンモニウム基が好ましく、アンモニウム基が更に好ましい。これらの塩生成基は一つの化合物に2種以上含まれていてもよい。 (A)成分としては天然系あるいは半合成系のもの、合成系のものいずれも用いることができ、合成系のものが好ましい。 天然系あるいは半合成系のものとして、例えばムコ多糖類であるヒアルロン酸、ヒアルロン酸Na、コンドロイチン硫酸Na;ヘミセルロース類であるアルギン酸、アルギン酸Na、アルギン酸アンモニウム、カルボキシメチルセルロースNa塩、カルボキシメチルアミロース等が挙げられる。 合成系のものとしては下記のアニオン性モノマー、カチオン性モノマー及び両イオン性モノマーから選ばれる少なくとも1種のイオン性モノマーを重合させたもの、又はこれらのイオン性モノマーと、酢酸ビニル等の脂肪族カルボン酸のビニルエステル、メチルメタクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル、メチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル環状アミド、スチレンやアルキル置換スチレン等のスチレン系モノマーなどの塩生成基を有さないモノマーとの共重合体、更にこれらの重合体の混合物が挙げられる。 アニオン性モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸モノマー、それらの無水物又はそれらの塩;スチレンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等の不飽和スルホン酸モノマー又はこれらの塩;ビニルホスホン酸、アシッド・ホスホキシエチル(メタ)アクリレート等の不飽和リン酸モノマーなどが挙げられる。 カチオン性モノマーとしては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル又は(メタ)アクリルアミド類;ジメチルアミノスチレン、ジメチルアミノメチルスチレン等のジアルキルアミノ基を有するスチレン類;4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン等のビニルピリジン類;又はこれらをハロゲン化アルキル、ハロゲン化ベンジル、アルキル若しくはアリールスルホン酸又は硫酸ジアルキル等の公知の4級化剤を用いて4級化したものが挙げられる。 両イオン性モノマーとしては、N−(3−スルホプロピル)−N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン、N−(3−スルホプロピル)−N−(メタ)アクリロイルアミドプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン、N−(3−カルボキシメチル)−N−(メタ)アクリロイルアミドプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン、N−カルボキシメチル−N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン等が挙げられる。 尚、本明細書において、(メタ)アクリレートとはアクリレート又はメタクリレートを意味し、(メタ)アクリルとはアクリル又はメタクリルを意味し、(メタ)アクリロイルとはアクリロイル又はメタクリロイルを意味する。 (A)成分としては、皮膚に対する刺激の低さと、角栓除去効果の高さの両方の観点から、カチオン性モノマーの1種又は2種以上を重合させたもの、カチオン性モノマーと両イオン性モノマーとの共重合体、カチオン性モノマーと非イオン性モノマーとの共重合体、並びにこれらの重合体の混合物が好ましい。 カチオン性モノマーの中では、アミノ基又はアンモニウム基を有するモノマーが好ましい。具体的には、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル又は(メタ)アクリルアミド類;又はこれらをハロゲン化アルキル、ハロゲン化ベンジル、アルキル若しくはアリールスルホン酸又は硫酸ジアルキル等の公知の4級化剤を用いて4級化したものが挙げられ、特に好ましいものは、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートとその4級化物;ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドの4級化物である。 なお、(A)成分の塩生成基がイオン化されていない場合は、既存の酸、例えば塩酸、硫酸等の無機酸;酢酸、プロピオン酸、乳酸、コハク酸、グリコール酸等の有機酸、又は塩基、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン等の三級アミン類;アンモニア、水酸化ナトリウム等により中和等し、イオン化することが好ましい。 (A)成分の重量平均分子量は、被膜形成時の強度と調製のしやすさの観点から、1万〜300万が好ましく、5万〜50万が更に好ましい。尚、重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー、カラム:α−M(東ソー(株)製)、0.15M 硫酸ナトリウム,1%酢酸水溶液、プルラン換算)によって求められる重量平均分子量(Mw)を用いた。 [(B)成分] 本発明の(B)成分である疎水性高分子化合物は、20℃における100gの水への溶解度が10g未満のものをいう。また、本発明の(B)成分は、ポリマーエマルジョンに良好な被膜形成性を付与する観点から、設定ガラス転移温度(Tg)が20℃以下であることが好ましく、10℃以下が更に好ましい。 ここで設定ガラス転移温度(Tg)とは、(B)成分を構成する単量体の単独重合体のガラス転移温度から下記式(2)で求められるガラス転移温度である。(式中、Tgは絶対温度で表した(B)成分の設定ガラス転移温度(K)、Tg1、Tg2・・・は絶対温度で表した(B)成分を構成する各単量体の単独重合体のガラス転移温度(K)を示し、W1、W2・・・は(B)成分中の各単量体の重量分率を示す。) 単量体のガラス転移温度は、「Polymer Handbook」(Wily Interscience発行)や単量体のカタログによって求めることができ、単量体の種類と重量分率を適宜設定することにより望む設定ガラス転移温度のポリマーを得ることができる。 (B)成分としては、天然ゴム等の天然系のもの、ポリアクリレート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリオレフィン等の合成系のものいずれも用いることができ、合成系のものが好ましく、調製のしやすさの点からポリアクリレートが好ましい。 (B)成分を形成する重合可能な2重結合を有する疎水性単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、アルキルスチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族モノ及びジビニル化合物;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ターシャリーブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物;酢酸ビニル等のビニルエステル;塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル;トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチル(メタ)アクリレート等のフッ素系単量体;シリコーンマクロモノマー、スチレンマクロモノマー、(メタ)アクリル酸エステルマクロモノマー等のマクロモノマーなどが挙げられ、これらの疎水性単量体の中では式(1)で表される単量体が好ましく、アルキル基の炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが更に好ましい。 CH2=C(R1)COOR2 (1)(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基、好ましくは水素原子又はメチル基、R2は炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜18のアルキル基を示す。) さらにこれらの疎水性単量体にエマルジョンの安定性を阻害しない範囲であれば、親水性単量体を共重合してもよい。親水性単量体としてはアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基又はグリシジル基含有エチレン性単量体;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ダイアセトン(メタ)アクリルアミド等のエチレン性アミド;アミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N,N−トリメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のエチレン性アミン又はその塩などが挙げられる。 これらの単量体は1種のみを使用しても、また2種以上を組合せて使用してもよい。また、上記式(2)で表される(B)成分の設定ガラス転移温度(Tg)が、20℃以下、更に10℃以下となるように単量体を適宜選択して用いることが好ましい。 (B)成分は、市販品を使用しても良いが、ラジカル重合開始剤の存在下で重合可能な2重結合を有する疎水性単量体を含有する単量体成分を、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法等の重合法で重合させることによって得てもよい。 [エマルジョン型角栓除去剤及び角栓除去方法] 本発明のエマルジョン型角栓除去剤は、(A)成分及び(B)成分を含有するポリマーエマルジョンからなり、(A)成分と(B)成分を含むポリマー粒子を含有するポリマーエマルジョンが好ましい。 ポリマーエマルジョン中の(A)成分と(B)成分の割合は、エマルジョンの安定性の面から、(B)/(A)(重量比)で95/5〜30/70が好ましく、95/5〜50/50が更に好ましい。また、本発明のエマルジョン型角栓除去剤の固形分濃度は、良好な被膜形成性を付与し、また乾燥時間を短くする観点から、30〜70重量%が好ましく、40〜60重量%が更に好ましい。ここで、固形分濃度は、赤外線水分計FD−240((株)ケット科学研究所製)を使用し、150℃、自動測定モードで測定した値である。 本発明のエマルジョン型角栓除去剤の粘度は、液だれと皮膚への伸ばしやすさの観点から、600〜45000cpsが好ましく、1000〜20000cpsが更に好ましい。ここで、粘度はB型粘度計(東京計器(株)製)を使用し、25℃、60rpmで測定した値である。 本発明のエマルジョン型角栓除去剤の製造法としては、下記方法1及び方法2が挙げられ、方法1が好ましい。 方法1:(A)成分の存在下、(B)成分を形成する単量体を乳化重合又は分散重合し、(A)成分と(B)成分を含むポリマー粒子を含有するポリマーエマルジョンを得る方法 方法2:(B)成分を形成する単量体を塊状重合、溶液重合又は懸濁重合して得られる(B)成分又は市販の(B)成分を有機溶媒で均一に溶解した後、水と(A)成分を添加し、ホモジナイザーなどを用いて混合したあと、有機溶媒を減圧除去してポリマーエマルジョンを得る方法 方法1においては、(A)成分は分散剤として働き、(B)成分を形成する単量体と分散媒との界面に(A)成分が存在するため、(A)成分によって(B)成分が内包されているポリマー粒子が形成されるものと推定される。 重合に用いられる開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスブチレート、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)等のアゾ化合物、tert−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、ジベンゾイルオキシド、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過酸化物等が挙げられる。 重合開始剤の量は、(A)成分と、(B)成分を形成する単量体との合計量に対して0.001〜2.0モル%が好ましく、0.01〜1.0モル%がより好ましい。 重合の際には、更に重合連鎖移動剤を添加してもよい。重合連鎖移動剤としては、例えば、オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、メルカプトエタノール等のメルカプタン類;ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジエチルキサントゲンジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド等のキサントゲンジスルフィド類;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド等のチウラムジスルフィド類;四塩化炭素、臭化エチレン等のハロゲン化炭化水素類;ペンタフェニルエタン等の炭化水素類;アクロレイン、メタクロレイン、アリルアルコール、2−エチルヘキシルチオグリコレート、ターピノーレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、ジテルペン、α−メチルスチレンダイマー(2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンの含量が50重量%以上のものが好ましい)、9,10−ジヒドロアントラセン、1,4−ジヒドロナフタレン、インデン、1,4−シクロヘキサジエン等の不飽和環状炭化水素化合物;キサンテン、2,5−ジヒドロフラン等の不飽和ヘテロ環状化合物等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を併用してもよい。 方法2において、(B)成分を溶解する有機溶媒としては、一般的な有機溶媒であればいずれでもよいが、調製のしやすさの点から、トルエン、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、アルコール類などが好ましい。 本発明のエマルジョン型角栓除去剤には、更に、各種添加剤、例えば、保湿剤、可塑剤、界面活性剤、粘着付与剤、防黴剤、香料、着色料、充填剤等を適宜添加してもよい。 本発明の角栓除去方法は、本発明のエマルジョン型角栓除去剤を皮膚に指で塗布し、乾燥後剥離する方法である。乾燥時間は0〜15分が好ましく、0〜10分が更に好ましい。 本発明のエマルジョン型角栓除去剤は、20℃において被膜形成性を有し、良好な角栓除去性を示す。ここで「20℃において被膜形成性を有する」とは、ポリマーエマルジョンをテフロンシャーレに広げて、20℃で一日放置して乾燥させ、厚さ0.2mmの膜を作製したとき、0.2mm2以上の連続した透明又は半透明の堅牢な被膜を形成する性質をいう。ただし、乾燥に伴ってヒビが生じてもよく、一枚の膜として得られる必要はない。 以下の実施例及び比較例中の「部」及び「%」は、特記しない限り、重量基準である。 実施例1 攪拌機、還流冷却管、滴下ロート、温度計及び窒素導入管を取り付けた反応容器に、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(PS−35、分子量35万、東ソー(株))20%水溶液25gとイオン交換水270gを入れ、窒素ガス置換を十分に行った。滴下ロートに、n−ブチルアクリレート40gとメチルメタクリレート10gを仕込んだ。 窒素雰囲気下、反応容器内の混合溶液を攪拌しながら70℃まで昇温し、イオン交換水10gにAPS(過硫酸アンモニウム、和光純薬工業(株))0.2gを溶かして添加し、滴下ロート中のモノマー混合液を2時間かけて徐々に反応容器内に滴下した。滴下終了2時間後、70℃で減圧濃縮し、凝集物を取り除き、ポリマーエマルジョン1を得た。 n−ブチルアクリレートとメチルメタクリレートから形成される疎水性高分子化合物の設定ガラス転移温度(Tg)は、前記式(2)により−34℃と計算された。 実施例2 攪拌機、還流冷却管、滴下ロート、温度計及び窒素導入管を取り付けた反応容器に、ポリメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド(PQDMと略、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの4級化物、分子量10万)50gとイオン交換水300gを入れ、窒素ガス置換を十分に行った。滴下ロートに、n−ブチルアクリレート50gを仕込んだ。 窒素雰囲気下、反応容器内の混合溶液を攪拌しながら70℃まで昇温し、イオン交換水10gにV−50(2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロライド、和光純薬工業(株))0.2gを溶かして添加し、滴下ロート中のモノマーを2時間かけて徐々に反応容器内に滴下した。滴下終了2時間後、70℃で減圧濃縮し、凝集物を取り除き、ポリマーエマルジョン2を得た。 n−ブチルアクリレートから形成される疎水性高分子化合物の設定ガラス転移温度(Tg)は、前記式(2)により−54℃と計算された。 比較例1〜2 実施例1で使用したポリスチレンスルホン酸ナトリウム(PS−35)の22%水溶液(比較例1)、実施例2で使用したポリメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド(PQDM)の35%水溶液(比較例2)をそれぞれ調製した。 比較例3 PVA2000(重合度2000のポリビニルアルコール(完全鹸化)、和光純薬工業(株))10gと水43gを、撹拌下90℃で溶解した後、40℃まで冷やし、撹拌しながら、エタノール7gを添加した。次いで、撹拌しながら、ヨドゾールGH41(日本エヌエスシー(株)製、アクリル酸アルキル−スチレン共重合体55%分散液7g)を添加し、ポリマーエマルジョン3を得た。 実施例1〜2及び比較例1〜3で得られたポリマーエマルジョン又は水溶液を角栓除去剤として用い、下記方法で固形分、粘度及び乾燥時間を測定し、塗布性、角栓除去性及び被膜形成性を評価した。結果を表1に示す。 <固形分の測定法> 赤外線水分計FD−240((株)ケット科学研究所製)を使用し、150℃、自動測定モードで測定した。 <粘度の測定法> B型粘度計(東京計器(株)製)を使用し、25℃、60rpmで測定した。 <乾燥時間の測定法> 市販の洗顔剤(ビオレFc、花王(株)製)で洗顔した後、各角栓除去剤約0.2gを指に乗せ、約2cm×2cmの大きさに鼻に塗布し、指で触ってべたつきがない時点を乾燥時間とした。 <塗布性の評価法> 市販の洗顔剤(ビオレFc、花王(株)製)で洗顔した後、各角栓除去剤約0.2gを指に乗せ、約2cm×2cmの大きさに鼻に塗布したときの塗布しやすさを下記基準で評価した。○:塗布しやすく、塗布後の指をティッシュで拭き取るだけでキレイになった。△:液だれや糸引きはないが、均一に塗布しにくかった。×:液だれ、糸引きが生じ塗布しにくかった。 <角栓除去性の評価法> 市販の洗顔剤(ビオレFc、花王(株)製)で洗顔した後、各角栓除去剤約0.2gを指に乗せ、約2cm×2cmの大きさに鼻に塗布し、指で触ってべたつきがない時点まで乾燥後、剥離し、下記基準で角栓除去性を評価した。◎:角栓が3個以上付着している○:角栓が2個付着している△:角栓が1個付着している×:角栓が付着していない <被膜形成性の評価法> 角栓除去剤をテフロンシャーレに広げて、20℃で一日放置して乾燥させ、厚さ0.2mmの膜を作製し、下記基準で被膜形成性を評価した。○:0.2mm2以上の連続した透明又は半透明の堅牢な被膜を形成した。×:0.2mm2以上の連続した被膜を形成しなかった。 塩生成基を有する親水性高分子化合物(以下(A)成分という)及び疎水性高分子化合物(以下(B)成分という)を含有するポリマーエマルジョンからなるエマルジョン型角栓除去剤。 ポリマーエマルジョンが、(A)成分と(B)成分を含むポリマー粒子を含有する、請求項1記載のエマルジョン型角栓除去剤。 (A)成分が、スルホン酸基、アミノ基又はアンモニウム基を有する親水性高分子化合物である、請求項1又は2記載のエマルジョン型角栓除去剤。 (B)成分を形成する単量体成分が、式(1)で表される単量体の少なくとも1種を含む、請求項1〜3いずれかに記載のエマルジョン型角栓除去剤。 CH2=C(R1)COOR2 (1)(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基、R2は炭素数1〜20のアルキル基を示す。) (A)成分の存在下、(B)成分を形成する単量体を乳化重合又は分散重合し、(A)成分と(B)成分を含むポリマー粒子を含有するポリマーエマルジョンを得る、請求項1〜4いずれかに記載のエマルジョン型角栓除去剤の製造法。 請求項1〜4いずれかに記載のエマルジョン型角栓除去剤を角栓のある部分に塗布し、乾燥後剥離する角栓除去方法。 【課題】 使用時に水を塗布する必要がなく、塗布しやすく、乾燥時間が早く、良好な角栓除去能を有する角栓除去剤の提供。 【解決手段】 塩生成基を有する親水性高分子化合物及び疎水性高分子化合物を含有するポリマーエマルジョンからなるエマルジョン型角栓除去剤、その製造法、並びにエマルジョン型角栓除去剤を角栓のある部分に塗布し、乾燥後剥離する角栓除去方法。【選択図】 なし