(2010年7月20日配信)
第71回 『ニキビと果物のオイシイ摂り方』
こんにちは。とかち皮膚科院長・とかち美白研究所所長の大石真暉です。
最近驚いたのが、ニーチェ人気です。「超訳 ニーチェの言葉」(フリードリヒ・ニーチェ著、白取春彦訳)が売れているそうです。
「神は死んだ」との言葉で有名な独の哲学者ニーチェ。散文家としても名高い著作から、「一日の終わりに反省しない」「喜ぼう。この人生、もっと喜ぼう。喜び、嬉しがって生きよう」など、様々な人生訓が「超訳」されています。
1月15日の発売以来、驚異的なペースで売れ行きを伸ばし、4カ月足らずで45万部の大ヒットです。
ニーチェというと、ニヒリズム(虚無主義)とか厭世(えんせい)家といった暗いイメージがありますね。ポジティブな人生訓という切り口が意外性もあり、多くの人に受け入れられたのではないかということです。
実は、私もニーチェの言葉の一つである『脱皮できない蛇は滅びる』を第43回のコラムで取り上げていました。
超訳本では、『脱皮して生きていく』と題し、以下のような解説がされていました。
『脱皮しない蛇は破滅する。人間もまったく同じだ。古い考えの皮をいつまでもかぶっていれば、やがて内側から腐っていき、成長することなどできないどころか、死んでしまう。常に新しく生きていくために、わたしたちは考えを新陳代謝させていかなくてはならないのだ。』
わかりやすい深い解説です。
過去の優れたものを再吸収し、新たに現在に生かしていく。自分の生活の足元を見つめるきっかけにもなりますね。ニキビ改善のヒントが発見できるかも知れません。
ニキビの治療には、お薬の力(=テクニカル/技能面)ばかりでなく、根気よく治療に取り組む力(=メンタル/精神面)も大切です。
このコラムが、その両方をうまくケアしていければ最高だなと思いつつ、自分自身が一歩でも前に進むつもりで、毎月お届けさせていただいています。
とかち美白研究所では、VCローション等を購入されている方に会報を毎月発行しております。
そこの片隅に『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』というものを載せています。
(思い当たる所があれば今日から早速実行してみて下さい。)
ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)
今日から私は以下の4つを良く守り、
ニキビ改善を目指すことに決めました!
- (1)爪を切って手は下に置くことに決めました。
- (2)髪型は適切にアレンジすることに決めました。
- (3)規則正しい生活を送ることに決めました。
- (4)お肌はしっとり潤いを保つことに決めました。
これは私が皮膚科診療を20年やってきた中で非常に重要と思い標語にしたものです。
ニキビ治療には様々な治療方法があり考え方も様々です。このコラムでは、第15回までは『ニキビ治療の4ヶ条』を系統立てて解説してきました。
第16回からは『落ち穂拾い』と題して、『ニキビ治療の4ヶ条』を『基本中の基本(中核)』と考え、日々気付いたニキビ治療に関連したこと一つ(今まで取り上げていなかったが重要なことなど= 落ち穂 )にフォーカスをあて(= 拾い )、お話させていただいています。
前回は、『果物』のもつビタミンなどの優れた力を良く理解し、ニキビ改善につなげる方法を考えてみました。 今回は、『果物』の賢い、オイシイ摂り方について考えてみました。
患者さんと話をしていて、野菜や果物不足を感じることは、大変多いです。野菜は何とかなっても、果物まで手が回らない人は多いです。 果物は1日80kcal(およそ200g)を食べることが勧められています。皮や芯付きの果物を食べるときは「皮、芯を含んだ目方」が目安です。「毎日くだもの200グラム運動指針(6訂版)」より
ビタミンが豊富な果物はカロリーも低く、年間を通じて旬な時期に200g摂取することが勧められます。 果物200gの目安は、
リンゴ1個、
ミカン2個、
夏みかん1個、
ハッサク1個、
いよかん1個、
デコポン(不知火)1個、
キウイフルーツ2個、
カキ2個、
バナナ2本
です。
『野菜』と同じように、『果物』の摂り方をいろいろ考えました。
1)天然果汁100%ジュースについて
イ)缶・紙パック・瓶入りジュース
『果物』というと、手軽な所では、果汁100%ジュースですね。野菜ジュースに果汁が含まれているものも多いです。
先日、雑誌を読んでいたらこんな記事が。『おすすめの天然果汁100%ジュース~今週のベスト10』(週刊文春 2010.6.17号)
1位:POM ポンジュース(えひめ飲料)
2位:Welch’s グレープ100(カルピス)
3位:ビタミンフルーツ 熟ミックス(伊藤園)
4位;ビタミンフルーツ 熟りんご(伊藤園)
5位;赤りんご青りんご(グリコ乳業)
1位は納得。他も参考になりますね。
手軽なジュースですが、問題があります。糖分・カロリーが高めということです。また100%のフルーツジュースは濃縮還元されているので、作成過程で別途ビタミンを追加しているものが多いです。果物の微量栄養素は摂りにくいと考えられます。
(パッケージに成分表が表示されています。参考にされると良いでしょう。)
1日に1本位が適量でしょう。
ロ)ジューススタンドの搾り立ての果汁ジュース
これは良いと思います。不足しがちな食物繊維も入っています。ちょっと価格は高めです。毎日、内容を変えて飲めると最高ですね。
2)ドライフルーツ
ドライフルーツ。これはどうでしょうか?保存性に優れ、手軽です。一部の成分が濃縮されて良いこともあります。私は以前好きで時々食べていました。
でも、ある雑誌の記事をみて止めました。安全性に問題があるものが多いようです。保存料その他の問題で非常に怖い所があり、それ以後ほとんど食べなくなりました。
3)缶詰
これは、悪くないと思います。国産の様々な種類の果物缶、みつ豆として売られているものもあります。シロップが低カロリーなものもあります。
毎日食べると空き缶の処理が問題になります。災害時のオアシスと考えて購入しておき、期限近くに時々頂くことをお勧めします。
4)果物を生でいただく
生の果物を摂るのが理想ですが、これが意外と難しいです。一通り食べようとすると、結構な値段になります。また、皮を剥いたり、捨てる手間もかかります。
雑誌ネタですが、作家の江國香織さんは大変な果物好きだそうです。『果物、果物、果物!』と題して、夕食以外は基本的に果物を主食としている生活が紹介されています。(週刊文春 2010.7.8号)
『毎週毎週大量に買う果物を、一つも腐らせず、なおかついちばんいい状態で(ここが大事)、たべきることに私は誇りを賭けている』とまで言い切っておられます。
ちょっと大げさかもしれませんが、果物の持つ栄養分で健康が約束され、仕事がはかどると考えれば、私は賭けてみる価値は大有りだと思いました。
ただし私には、難しいです。
5)カットフルーツ
そこで、私がお勧めするのが『カットフルーツ』です。最近では、デパ地下やスーパーでも、200~300円から、1500円位までのパック詰めのものが売られています。
オレンジ、パイン、キウイ、イチゴ、ブドウ、グレープフルーツなど、数種類がミックスされていて、パックを開けて食べるだけ。お一人様には持ってこいです。
コンビニでは、どうでしょうか?
北海道地盤の『セイコーマート』では、バナナを果物の目玉として販売に力を入れています。また、イチゴやブドウなどの果物の他、少量ながら『カットフルーツ』も季節に会わせて販売されています。
『カットフルーツ』は、生ものですから、閉店間際の割引を利用して、格安に仕入れる手もあります。ちょっとした運試しみたいな楽しみ方もアリです。
江國香織さんのように、食生活の中心に据えさせてしまう程の魅力を持つ『果物』。『果物』の力は、本当にすごいと思います。まだ解明されていないことも多いのではないでしょうか?
野菜サラダや野菜料理を組み合わせて食事を工夫し、野菜ジュースで不足分をカバー。そして、栄養の宝庫『果物』を加えてニキビが改善する。 健康に生きて行く上でも最強の組み合わせですね。
今回のポイントは以下の通りです。
【今回の4決め!落ち穂拾い】 「落ち穂 その55」
『ニキビと果物のオイシイ摂り方』
- •ニキビにはビタミンC、ビタミンB類が有効な栄養素として良く知られています。またこれ以外にビタミンAも有効です。
- •果物には、上記のビタミンに加え、健康維持に欠かせない他のビタミン類、ミネラル類、食物繊維などが豊富に含まれています。
- •ニキビや生活習慣病の予防に効果があるさまざまな機能性成分も含まれています。『栄養の宝庫=果物』です。
- •果物は1日80kcal(およそ200g)を食べることが勧められます。果物200gの目安は、リンゴ1個、ミカン2個、夏みかん1個、ハッサク1個、いよかん1個、デコポン(不知火)1個、キウイフルーツ2個、カキ2個、バナナ2本です。
- •果物のオイシイ摂り方を考えてみました。
- •1)天然果汁100%ジュースについて
イ)缶・紙パック・瓶入りジュース
糖分・カロリーが高めで、果物の微量栄養素は摂りにくい。1日に1本位が適量です。
ロ)ジューススタンドの搾り立ての果汁ジュース
不足しがちな食物繊維も入っています。価格は高め。毎日、内容を変えて飲めると最高です。 - •2)ドライフルーツ
保存性に優れ、手軽です。一部の成分が濃縮されて良いことも。安全性に問題があるものが多いようです。 - •3)缶詰
国産の様々な種類の果物缶、みつ豆として売られています。シロップが低カロリーなものも。空き缶の処理が問題。災害時のオアシスと考えて購入し、期限近くに頂くのがお勧め。 - •4)果物を生でいただく
理想的ですが、これが意外と難しいです。一通り食べようとすると、結構な値段に。皮を剥いたり、捨てる手間もかかります。
作家の江國香織さんの果物中心生活は参考になります。 - •5)カットフルーツ
私のお勧めです。デパ地下やスーパーでも、200円~1500円位までのオレンジ、パイン、キウイ、イチゴ、ブドウなど、様々な組み合わせのものが売られています。
閉店間際を利用して、格安に仕入れる手もあります。 - •野菜サラダや野菜料理を組み合わせて食事を工夫し、野菜ジュースで不足分をカバー。そして、栄養の宝庫『果物』を加えてニキビが改善する。健康に生きて行く上でも大切なことですね。
先日、土曜の午後6時前、デパ地下で残念な経験をしました。お気に入りの『カットフルーツ』が売り切れてしまっていたのです。残りは1500円の盛り合わせ1個のみ。そして、単品ものが少々。躊躇していると、60歳位の女性がさっと買物カゴに入れてしまいました。
私は、仕方なく、複数の単品の『カットフルーツ』を購入しました。『カットフルーツ』購入は、ちょっとした運試しみたいな所もあります。今ではちょっとした楽しみの一つです。
次回は『ニキビとサプリメント』について考えてみたいと思います。
それでは。
おおいし まさき(大石 真暉:ペンネーム)
(昭和41年北海道帯広市生まれ。平成6年札幌医大大学院修了。
平成7年同皮膚科学講座助手。平成9年とかち皮膚科開院。
平成14年とかち美白研究所開所。
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士)