【2009インターハイ】フォトギャラリー5 男子決勝
男子決勝福岡第一(福岡) 82(18-12 21-23 24-20 19-25)80 延岡学園(宮崎)白いマウスピースを口にくわえて、にっこり笑っているような福岡第一#10セック・エルハジ・イブラヒマ(3年)。チームメートからは“ビラ”という愛称で呼ばれています。延岡学園#5エリマン・プイ(2年)がコートに出てくると、微笑んで胸をとんとん、とこぶしでたたき、健闘を誓い合っていました。
1Q、福岡第一は#14本間遼太郎(2年)の3Pでスタート。スターティングメンバーのうち唯一の2年生ですが、これまでの試合もチームの流れが悪いときや1本ほしいというときに決めてきた度胸満点のシュートで、ぐっと流れを引き寄せます。対する延岡学園はオフェンスを思うように組み立てられません。#6長谷場祐二(3年)のスティールからの速攻でつなぐものの、1Q終盤にはターンオーバーから福岡第一#10イブラヒマにダンクを許してタイムアウト。5人でこぶしを合わせて気持ちを入れ直しますが、リズムは戻らず、18-12で迎えた2Qは福岡第一#14本間に連続3Pを許すなどディフェンスでも後手にまわって28-12と大きなビハインドを負います。この嫌な流れを払拭したのは#7永吉佑也(3年)と#8川元崇史(3年)のダブルエース。まず永吉選手がゴール下を決めて得点を動かすと、川元選手の2本の3Pなどで1桁差に。そして残り3分には永吉選手がインサイドで身体を張り、福岡第一#10イブラヒマから3つ目のファールをもぎ取ってベンチへ追いやります。そして外からは川元が3Pシュート、3ショットのフリースローと得点し、39-35まで詰め寄って折り返すことに成功します。川元選手は昨年のインターハイでは決勝で爆発しヒーローになりましたが、今大会では下回戦からコンスタントに3Pを決める頼もしい活躍ぶりをみせてきました。しかし、「前半のリードはおまけ。ディフェンスを変えたりするのは後半からにしよう、リードして終われればいい」(井手口コーチ)とカードを残していた福岡第一。すると3Q、ここまで当たりの来ていなかった#8玉井勇気(3年)の3Pシュートがついに決まります。そのあとは延岡学園#8川元選手と福岡第一#8玉井選手の3P合戦になります。川元選手が決め返して42-42の同点。すると玉井選手が先ほどと同じ右45度からもう1本決めますが、さらに川元選手も返します。「自分としては普通に、あいていたのでいつもと変わらず気持ちを楽に打ちました。ディフェンスのプレッシャーは今日が1番きつかったけど、永吉やエリマンがスクリーンをうまくかけてくれてボールがもらいやすかった」とは延岡学園・#8川元選手。しかし、「玉井にはゾーンのコミュニケーション不足で打たれてしまった」と続けたように、どちらも譲らないエース対決でしたが軍配は玉井選手に上がります。この後3本、このQ合わせて6本もの3Pを沈めて63-55とリードを広げました。追い込まれた延岡学園ですが、黙っていません。福岡第一・玉井選手の3Pラッシュは、違う角度から見ればオフェンスの偏りとも取れます。4Qにシュートが落ち始めると、チャージ開始。#8川元選手の3P、#5プイ選手のゴール下などバランスのよい攻めで詰め寄り、開始2分半には#4横瀬考樹(3年)の3Pシュートで63-65と一気に抜き去ります。4番を背負う選手らしく、ここぞというところで得点やルーズボールに絡んできます。延岡学園はさらに、#7永吉選手が福岡第一#10イブラヒマから4ファール目を奪い、勢い付きます。この勝負所で福岡第一は#10イブラヒマ選手をさげるわけにはいきません。ディフェンスをゾーンに変えてファールケアをする一方、オフェンスでは#8玉井選手がこれまでの分もまとめて決めると言わんばかりに3Pシュートを沈め、残り5分70-70と振り出しに戻します。この後守り合いが続き、次の1本を取った方が優勝か―?という雰囲気に包まれますが、その1本を取ったのは福岡第一#7園幸樹(3年)でした。延岡学園#5プイ選手から4つ目のファールを奪い、フリースローをきっちり2投揃えます。「色々な組み合わせがある中で園を4番ポジションにしたのは、僕が“これが1番いい”と判断したから。ディフェンスでは彼自身身体を張った守りを好んでいるし、オフェンスでは日本の190cm以上の選手では誰も園を守れない。園の小ささ(183cm)がプラスになっている試合がこれまでも何度もありました」と井手口コーチも称えます。福岡第一はさらに#8玉井選手の3Pが止まらず優勢に立ちますが、延岡学園#6長谷場が残り1分3Pを決め、79-79とくらいつきます。さらに運びをスティール、大きなフリースローをもらいますが、1投目を外してしまいこの表情。しかし2本目はしっかり決め、残り40秒延岡学園が1点だけ前に出て福岡第一2回目のタイムアウトとなります。延岡学園には、昨年まで和田力也(現・浜松大)という1年時から試合に出ていた司令塔がいましたが、その番号を継いだのがこの長谷場選手でした。木屋瀬中では福岡第一の玉井&園選手とともに日本一にもなっていますが、「失礼ながら、あの時のスタートの5人の中では1番力がなかったと思う」とは福岡第一・井手口孝コーチ。「それで延岡学園という強いチームに入って、園や玉井よりも苦しんだはず。きっと5人の中で1番頑張ったんでしょう、もし負けていたら敗因は彼でした」中学時代はシュートが得意な選手ではありませんでしたが、延岡学園・北郷純一郎コーチはそんな長谷場選手に司令塔のポジションと、「チャージングになってもいいからドライブで行けばいいじゃないか、スリーも打っていいんだ」と自信とを与えたことが、この活躍に結び付きました。「1・2Qついていけたのは彼のおかげ。ただ、あのフリースローを2本決めていたらまた違う心理状態だったんだけど…」と苦笑い。「フリースローは何も考えないで打てと言っているんだけど、やっぱり考えるんだね」タイムアウト後、ハーフラインから再開されたゲームは、ファールコールによって大きく動きました。「負けているんだから、とにかく全員がシュートに行け」と選手たちを送り出した福岡第一・井手口コーチ。全員が狙う中で、いいタイミングで#10イブラヒマ選手にボールが入ります。その次の瞬間、ファールコール。どちらのファールかわからず、一瞬コートも会場もしんとしますが、結果はイブラヒマ選手についていた延岡学園#10プイ選手へのコールでした。自分?と信じがたい様子の#10プイ選手。ファールアウトとなり、ベンチに下がっていくプイ選手に#8川元選手が声を掛けてねぎらっていました。「結果的にビラはファールをもらったけれど、ファールがなくてもあのタイミングでもらったら彼なら決めていたでしょう」とは福岡第一・井手口コーチ。福岡第一は#10イブラヒマ選手がチームファールフリースローを2投決めて逆転。延岡学園は3つ目のタイムアウトは取らず、選手に託します。しかしオフェンスを止められてしまい福岡第一がボールキープ。なんとかファールに行きますが残り時間はわずかに0.6秒でした。勝利を確信した福岡第一のスタンドのメンバーが見守る中、井手口コーチはタイムアウトを取って、最後の指示を出します。「終盤のタイムアウトでは、点数を取れると思って次のディフェンスの指示をしました。去年のインターハイ決勝、ラスト0.2秒3点ビハインドでのタイムアウトのとき、狩野(祐介・現東海大)の3ショットが入らなかったらこうしろ、あれをやれと指示してしまった。それをこの1年ずっと後悔していたんです。あの3ショットが外れたのは僕の責任なんですよ。だから今日は、自分の中でこれは入るんだって暗示みたいなものをかけながらやったらうまくいきました」井手口コーチが信じたとおり、フリースローラインに立った#6和田直樹(3年)は1本目をきっちりイン。そして2投目は外して自らキープとクレバーなプレーで勝利のブザーを聞きました。「2本目を入れたら、タイムアウトを取られてハーフから相手のオフェンスが始まってしまうので、残り時間も考えてあえて落としました。自分は本当に焦ってばかりでミスが多かったので、皆に申し訳ない気持ちでいっぱいなんですが、勝ててよかったです」本人は“焦ってミスばかり”と言っていますが、終わってみれば11アシスト。周りをよく見てパスをさばき、ここぞというところでは自ら得点としっかり貢献していたといえるでしょう。悲願の優勝を果たし、大活躍だったエース・#8玉井選手を#10イブラヒマ選手が抱えあげて喜びます。そして、メンバーの目には涙が。「優勝したとき、泣くと思っていなかったんですが自然と涙が出てきて…。やっぱりこれまであと1歩というところで負けてきたので、本当に嬉しかったです。“去年は去年、今年は今年”と皆で1つになって、優勝しようとやってきたのが結果に結びついたんじゃないかなと思います」(#6和田)福岡第一・井手口コーチ「いつも戦ってきた相手だけど、今日だけは何が何でも勝つぞ、プレスをしてでもゾーンをしてでも、と試合前に選手たちには伝えました。延学さんのポイントは#8川元くんと#7永吉くん。そこにうちは玉井と園でつきました。バスケットの常識から言うとミスマッチ(川元188cm-玉井180cm、永吉197cm-園183cm)で、周りからはどうやって守るの?と言われますが、しっかり気持ちを入れて守ってくれました。基本的な指示は“ボールを持たせるな”でしたが、それはうちの通常のポストへのディフェンスでありウィングへのディフェンスです。永吉くん川元くんだからとか、延学さんだからということはありません。それが、40分ずっとは無理でしたがある程度は機能したと思います。力的には、去年のチームの方がサイズのバランスもよく強かったと思います。それで今年優勝できた理由は2つあると思います。まずは3年生が多いこと。高校生の試合では、上級生の力は大きいです。うちは56人と部員が多くいるんですが、ゲームに出られない子達の気持ちも汲みながらやってくれたと思います。毎日本当に遅くまで、僕自身頭が下がるくらい練習してくれているんですが、玉井のシュートのリバウンドをベンチに入ってない3年生、言ってみれば今までやんちゃだった子がやってあげているんですよ。僕がやれと言ったわけではなく、チームの中で自然と芽生えたことでした。それが、今大会での玉井の3Pや園のプレーを生んだのかなと思います。もう1つは、今年の3年生は勝つことを知っている、勝ったことがあるというキャリアの差だと思います。昨年の主力だった狩野やジミー(早川・現サウスケントスクール)は、高校から日本一を目指してやり出したのに対して、園・玉井はもちろん、#4山崎も#5古賀もジュニアオールスターで優勝しているし、#6和田と#14本間も烏屋野と本丸という鍛えられた中学で日本一を目指してやってきました。その土壇場での強さが生きたと思います。それから自分としては、国体も含めて2位が続いていましたが、それは忘れることにして、これがはじめてのインターハイだと思って今大会に入りました。その代わり、指導者は国体やウインターカップがあると考えてしまいがちですが、これしかないんだという気持ちでやってみようと思いました。それがよかったのかなと思います」延岡学園・#8川元選手「この2点の差は、気持ちです。こういうゲームになったら相手よりどれだけ勝ちたいという気持ちがあるかなんです。冬に向けては、チームカラーであるディフェンスに磨きを掛けるのと、自分としては思い切りのいいシュートを打てるように、また練習してきたいと思います」
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- posted by summership
- 2009/08/03 23:57
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