化粧品犬です。
前回から、ビオレu泡で出てくるボディウォッシュ(2016)の解析をやっています。
今回で終了予定です。
この製品は、2016/16/22にリニューアル発売されたものです。
旧製品は2014/5/17に発売されたのですが、この旧製品が「ビオレu泡で出てくるボディウォッシュ」というブランドの最初の製品で、今回が初のリニューアルと言う事になります。
実はビオレuシリーズは複雑なので、この製品をみたここ無い方もいるかもしれません。
しかしビオレuシリーズで今年リニューアスされたのは、この製品だけなので、意外に力が入っている製品かなと思います。CMも作ってもらえてるし(製品概要編参照)
処方内容的にも、旧製品の処方を大きく変えています。
そもそも旧製品の時から、自社で化粧品原料として販売している洗浄剤に、敢えて他社のアミノ酸系洗剤を加えるという構成でした(花王さんは化粧品自体も販売していますが、化粧品原料を販売している会社でもあるのです)。
他のビオレuシリーズは、ほとんどが、外部にも販売している洗浄剤で構成しています。
今回のリニューアルでどう変わったのかを中心に、この製品に配合されている気になる成分がありますので、それを取り上げて行こうと思います。
いつもの様に、裏面の処方を整理します。
今回は、リニューアル前の製品(旧製品)の裏面表示も整理し、新製品と併記してみます。
原料の機能毎にパート分けし、パート内の表記順番は裏面のまま変えずに記入しています。また共通の成分についてはできる限り近づけて書いていますが、場合によって近くに書けない場合もあります。
こんな感じになりました。
新旧処方で大きく異なるのは、洗浄剤のパートです。
まずここを、見てみましょう。
旧製品ではヘアシャンプーによく使われるラウレス硫酸Naが主剤で、そこにやはりヘアシャンプーによく使われるアミノ酸系洗浄剤のココイルグルタミン酸が併用される骨格ですね。
その他の洗浄剤(ラウレス-6カルボン酸、ラウリルグルコシド、ラウラミドプロピルベタイン)モヘアシャンプ−でよく使われるものなので、まるでヘアシャンプー処方のようです。
じつは泡ソープは容器内のメッシュに内容液を通すことで泡になるので、メッシュが詰まりやすいんですよ。そこで、石けんのような析出して詰まってしまいうような洗浄剤は使えないのです。勢い、処方としては、粘度の低いヘアシャンプ−的な物のなってしまうわけです。
ちなみにアミノ酸系のココイルグルタミン酸Na以外は全て、花王自身が販売している原料でもあります。
またアミノ酸系性の洗浄剤は析出しにくく(目詰まりしにくく)安全性が高いという特徴があるので採用されたのでしょう。かつてはアンチアミノ酸系で、自社では必ずMAP(モノアルキルリン酸系洗浄剤)を使っていたものですが(^_^;)・・・これが、時代の流れですね。
ただココイルグルタミン酸Naは究極の低刺激なんだけど、泡立ちが悪いので、旧処方の主剤はラウレス硫酸Naになったわけです。これだとそこそこに低刺激な製品にしかならないのですが、それでもココイルグルタミン酸が多かったせいか旧処方は泡立ちが悪く、体を洗っていると泡がへたってしまう事が良くありました。
その上泡ポンプも旧式で、他社のライバル製品に較べると泡量自体が少なかったです。
花王さんも泡立ちを気にしたのでしょう。
リニューアルに際し、ココイルグルタミン酸Naを同じアミノ酸系のココイルアラニンNaに変更してきました。これはココイルグルタミン酸にくらべ若干刺激は高いのですが、泡立ちは大きく向上しているバランス取れた洗浄剤です。
ただしココイルグルタミン酸より、値段は高い(^_^;)
しかしリニューアルに際しては、その高いココイルアラニンNaを贅沢にも主剤として使用したのだから驚きです。花王さん気合いが入ってます。
新製品の洗浄剤のパートを見ると、そのココイルアラニンNa以外は、意外に変更が無いことがわかります。使われている洗浄剤は同じですが、順序を変更し、新規に両性洗浄剤のラウリルヒドロキシスルタインを加えた形になっています。ラウレス硫酸Naがラウレス硫酸アンモニウムに変更になっていますが、これはどちらも似たような泡立ちの洗浄剤なので小さい変更ですね。
そしてそこそこの安全性をキープしつつ泡立ちの良い泡ボディソープとして生まれ変わったはずなのですが・・。
実際使うと、どうも、痛い。荒れた肌とか、指の逆むけにしみるんですよ。
まあ使えない程痛くは無いんですけど、リニューアル前には無かった感じです。
そこで処方を精査してみると・・・。
いました、怪しいやつ。
保湿剤に分類した、エトキシジグリコールです。
エトキシジグリコールは別名カルビトール又はエチルカルビトール(他にもrたくさん呼び名があります)と言う成分で、強力な溶剤です。
よくDPGやPGが、肌にバリアを壊すから良くないのでは?と問題視されますが、そレより遙かに強力なやつです。
最後のエチル基をブチル基に変えると「ブチルカルビト−ル」という成分になるのですが、これは最近、同じ花王の台所用洗剤 キュキュットクリア泡スプレーに使われていた成分です。キュキュットクリア泡スプレーに驚異的な洗浄力の原因になっていると思われる成分です。
以前エントリーにも書きましたが、安全性もグレーなブチルカルビト−ルに比べて、より悪いです。
以下のエントリー参照です。
花王 キュキュットクリア泡スプレーの解析3 ブチルカルビトールの安全性を調べる
まさか泡ボディソープにブチルカルビト−ルの類似成分が配合されていようとは驚きです。
おそらくこのカルビトールによって、肌にバリアがはがされてしまうんですね。
なので、リニューアルによってちょっと刺激が高まっても、それを敏感に感じさせてしまうのでしょう。
罪な処方ですね(^_^;)
カルビトールの配合目的は目詰まりの防止だと思うのですよ。強力な溶剤なんで目詰まりも良く溶かしそうだし。それだけにリニューアルでも変更でいなかったんでしょうね。
リニューアル後にはPGとかPPG-7とか溶剤になりそうなモノが強化されてはいるのですが。
でもここはPGやDPG大幅アップなどでカルビトールを使わずに目詰まりを防止するような検討を、花王さんにはお願いしたいところです。
あとは、パート毎の成分についてコメントを書いていきます。
洗浄剤
・ココイルアラニンNa:ココイルアラニンNaはピジョンの泡ソープ(旧製品)やモイスト・ダイアンヘアシャンプーで使われているココイルアラニンTEAの塩違いバージョンです。ココイルアラニンTEAは安全性が高い上に泡立ちも良く、使用感も良いという欠点の少ない洗浄剤なのですが、値段が高いのが難点良い卯洗浄剤です。ココイルアラニンNaも、泡立ちの良さや低刺激といった点は似ています。価格も同様に高い洗浄剤です(^_^;)
・ラウリルグルコシド:デシルグルコシドと同じく、アルキルグルコシドと呼ばれる洗浄剤の一種。性能もデシルグルコシドと似ていて、ノニオン系の洗浄愛であるため泡立ちはさほど良いわけでは無いが、安全性は高い洗浄剤です。海外では広く使われています。花王も化粧品原料として販売しています。
・ラウレス-6カルボン酸:資生堂が最近よく使っている、ラウリルグリコール酢酸Naと同じ種類である、エーテルカルボン酸型と呼ばれる洗浄剤です。酸性石けんと呼ばれることも有り、「カルボン酸=石けん」のイメージさっぱりとした豊かな泡立ちが特徴と書かれることが多いのですが、実際には石けんほど泡立ちも良くなく、それほどさっぱりもしていません(化粧品犬の個人的な感想ですが)。エーテルカルボン酸型洗浄剤のよさとは、泡立ちやさっぱり感にあるのでは無く、色々な理由でアミノ酸型洗浄剤を使いたくないときに、違う択肢の一つになりうる所にあります。そういう点ではノニオン系洗浄剤のアルキルグルコシドなどとも、使い所は似てくる原料かもしれません。花王も化粧品原料として販売しています。
・ラウリルヒドロキシスルタイン:シャンプーでよく使われているコカミドプロピルベタインと似ている洗浄剤。安さとそこそこの安全性が取り柄の洗浄剤ですね。・ラウレス硫酸アンモニウム:
・ラウラミドプロピルベタイン:そこそこ安全性が高く、価格が安い両性洗浄剤。シャンプーに良く使われている、コカミドプロピルベタインとほぼ同等の成分です。
・コカミドMEA:シャンプーでよく使われる増粘・増泡剤
コンディショニング剤、オイル類
・ポリクオタニウム-10:もっとも良く使われているヘアシャンプー用のコンディショニング剤。別名カチオン化セルロース。コンディショニング効果のほか、線やボディソープに配合すると若干の刺激緩和効果がある。
保湿剤、香料類等
・水:精製水のこと。化粧品では通常、イオン交換水が用いられている事が多い。
・PG;多価アルコールとも呼ばれる、代表的な保湿成分。グリセリンと似た性質であるが、ややさっぱり感がある。油を可溶化する力が強く、皮膚への浸透性や刺激性を疑う声もある。国内では、昔の薬事法で表示指定成分として扱われていたこともあり、むしろ海外で使用されていることが多い(ただし、国内で食品添加物として許可されている成分でもある)。弱い抗菌性も有している。
・PPG-7:ポリプロピレングリコールの1種。水を改質し若干の油性感を与える成分。・グリセリン:多価アルコールと呼ばれる、代表的な保湿剤
・エトキシジグリコール:別名カルビトール又はエチルカルビトールなど、多数有り。水と混合可能な、強力な有機溶剤である。
化粧品犬ブログでは下記エントリーで詳しく取り上げた。
花王 キュキュットクリア泡スプレーの解析3 ブチルカルビトールの安全性を調べる
類似原料のブチルカルビト−ルは花王 キュキュットクリア泡スプレーに配合されており、その強烈な洗浄力の一因となっている。
・PEG-150:安全性の高い水溶性のポリマー。水に若干の油性感を付与する効果がある。
・水酸化K:pH調整剤。
・クエン酸:pH調整剤。実はクエン酸はピーリング効果のあるAHAの一種でも有り、濃度やpHによっては、ピーリング効果を発揮する。
・EDTA-2Na:キレート剤。製剤のpHを維持し、酸化や着色を防ぐなどの効果がある。
・エタノール:いわゆるエタノールです。過去には変性剤を加えた変性アルコールが使われていましたが(変性すると酒税が回避されて安くなった)、税制が変更されて変性アルコールが値上がりしたため、現在は変性アルコールは使われず、ただのエタノールを使うのが主流になっています。と酒税が回避されて安くなった)、税制が変更されて変性アルコールが値上がりしたため、現在は変性アルコールは使われず、ただのエタノールを使うのが主流になっています。