顔に赤いボツボツみいたいな湿疹ができて、かゆかったりするとニキビだと思い込んでしまいます。
でもそれって、もしかしたら脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)という、ニキビとは全く違う皮膚炎かもしれません。
脂漏性皮膚炎は、脂漏性湿疹(しろうせいしっしん)ともいい、ニキビと同じように、皮脂腺が多く皮脂の分泌の多い頭皮や顔に出来る湿疹です。
何回も繰り返して出来ることからも、素人目にはニキビと区別することが出来きず、ニキビだと勘違いして間違ったケアをして、症状を悪化させてしまう人も多いです。
また、皮膚がカサカサかゆくなり皮がむけたりするので、アトピー性皮膚炎と勘違いしてしまう人もいるくらいですし、アトピーを患っている人がなる場合もあります。
脂漏性皮膚炎が悪化した場合は、茶色いしみが出来てしまうこともあります。ニキビと比べて治るまでに時間もかかるので、悪化させないことが重要になります。
ニキビだと思って悩んでいる人が、もしかしたら脂漏性皮膚炎なのに間違ったケアをして症状を悪化させているかもしれません。ですので、間違ったケアをしないように、脂漏性皮膚炎について詳しくまとめました。
脂漏性皮膚炎ってどんな皮膚炎?
まず脂漏性皮膚炎について詳しく知りましょう。
脂漏性皮膚炎は、皮脂の分泌の多い場所でマラセチア真菌というカビが、異常に増殖することによって起こる炎症です。
このマラセチア真菌は、背中ニキビや胸ニキビ、おしりニキビなど身体に出来るニキビの原因菌としても知られています。
脂漏性皮膚炎の症状
脂漏性皮膚炎の症状は、肌が赤くなりかゆくなったり、乾燥が激しく皮膚がぽろぽろはがれてくることもあります。
頭皮に出来る場合は、フケのように皮膚がはがれてきます。フケと勘違いしてそのままにしておくと、皮脂が酸化して加齢臭が発生してしまいます。加齢臭はつらいので、頭皮からフケのようなものが出てきたら、注意してくださいね。
脂漏性皮膚炎ができやすい場所
脂漏性皮膚炎は、皮脂腺が多く皮脂の分泌量が多いところにできやすいです。
頭皮
顔
耳の後ろ
わきの下
太ももの付け根
脂漏性皮膚炎になる人
脂漏性皮膚炎は生まれてから生後3か月ぐらいまでの赤ちゃんと、思春期以降の大人に出来る皮膚炎です。
今思い返せば、うちの娘も赤ちゃんの時に脂漏性皮膚炎になって、引っ掻かないように手袋をさせていたことがありました。
でも、赤ちゃんの場合はいつの間にか自然に治ってしまいます。しかし、大人の場合は繰り返して慢性化してしまいます。
脂漏性皮膚炎が顔に出来る原因は?
では、脂漏性皮膚炎がなぜ顔に出来るのか原因を探っていきましょう。
まず原因菌のマラセチア真菌についてまずは、知っておきましょう。また赤ちゃんと大人で出来る原因が違うので、こちらも補足しておきますね。
マラセチア真菌
マラセチア真菌というのは、人間の皮膚に存在している常在菌です。常在菌というのは、私たちの身体に存在している微生物のことで、皮脂や汗をエサに生息していてます。
ニキビの原因となるアクネ菌も常駐菌の一つです。肌にいる常在菌は、マラセチア真菌やアクネ菌以外にも、皮ブドウ球菌、黄色ブドウ球菌がいます。
これらの常在菌は普段は悪さをせず、病原性微生物の繁殖を抑えるような、私たちの身体を守ってくれる働きをしています。しかし何かしらの原因でバランスを崩してしまうと、あっという間に悪者に変身してしまいます。
例えば、皮脂が大量発生して毛穴がふさがれてしまうと、大好きなエサ(皮脂や汗)に向かって一目散に寄ってきて増殖してしまいます。毛穴でマラセチア真菌やアクネ菌が増殖してしまうと、炎症を起こし脂漏性皮膚炎やニキビが出来てしまうのです。
さらにマラセチア真菌はカビ菌なので、ジメジメした所が大好き。お風呂場やキッチンなどの水回りにカビが発生しやすいように、毛穴の中の皮脂や汗が溜まっているジメジメしたところが大好きなのです。
そんなわけで、頭皮、顔、耳の後ろ、わきの下、太ももの付け根にで出来やすく、季節的には梅雨の時期に、脂漏性皮膚炎になりやすいのです。
うらやましいことに梅雨のない北海道などでは、脂漏性皮膚炎になる人が少ないそうです。
赤ちゃんに脂漏性皮膚炎が出来る原因
生まれてから、3か月くらいまでの赤ちゃんは皮脂の分泌がとても活発です。それに毛穴も小さくまだ発達していないので、毛穴に皮脂が詰まりやすいのです。
ところが成長するとともに、毛穴も発達してきて皮脂も分泌もおさまるので自然に治ってしまいます。
うちの娘の場合も、手袋で掻きむしるのを抑えたので悪化することはありませんでしたが、手袋をする前は、引っ掻いて血が出たりして赤いぶつぶつがたくさん出ていて、かゆがっていました。
赤ちゃんって、自分の意志でかゆいところをかくことが出来ないので、大泣きしていて可哀そうでした。この情報をその頃に知っていれば、もう少しかゆみを柔らげてあげられたのにと、少し残念に思います。
大人に脂漏性皮膚炎が出来る原因
大人に脂漏性皮膚炎が出来る原因は、皮脂の大量分泌です。これには男性ホルモンが大きく関わっています。
男性ホルモンは皮脂を分泌するホルモンですからね。
男性ホルモンが増えると皮脂量が増えます。ですので男性のほうが脂漏性皮膚炎になりやすいのか?というとそうではありません。
女性も月経周期の影響で、生理前の約2週間の時期に、男性ホルモンと似たような働きをする黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌されます。
この黄体ホルモンが分泌されることで皮脂量が増えるので、ニキビが出来たり、脂漏性皮膚炎になりやすくなります。
その他にも、ストレスや不規則な生活をしていたり、洗顔、洗髪のしすぎや、すすぎ残しも皮脂分泌を盛んにする原因になります。
また、遺伝的要因も関係しているようです。そういうえば、私の知り合いで親子で脂漏性皮膚炎になっている人もいたので、可能性がありそうです。
脂漏性皮膚炎とニキビの違い
では、脂漏性皮膚炎とニキビの違いは、どのように判断したらいいのでしょうか?
見た目では、素人には判断できないので、病院で検査してもらうことをおすすめします。脂漏性皮膚炎の原因菌はマラセチア真菌。
ニキビの原因菌はアクネ菌。これらは皮膚を採取して顕微鏡で調べるとすぐにわかります。
病院によっては、見た目で判断されることもあるので、必ずきちんとした症状を話して、菌を調べて欲しいと伝えましょう。
何回も繰り返していることなど伝えないと、お医者さんは検査するほどの症状ではないと判断される場合があるからです。
それに病院によっては、むやみに検査をすすめないところもある(金銭的な負担を考慮して)ので注意してくださいね。
脂漏性皮膚炎が顔に出来たら完治するのか?
脂漏性皮膚炎が出来ると、完治するまでにかなり時間がかかります。
症状の重さにもよりますが、だいたい顔の場合は2~3週間かかります。頭皮の場合は4~6週間ほどかかります。
ニキビと見た目は似ていますが、治療には時間がかかります。ですので、処方された薬は必ず飲み続けないと完治できません。
少し症状がよくなったと思い、自己判断で治療をやめてしまうと、繰り返す原因にもなり、さらに治りにくい状態を作ってしまうので根気よく続けていきましょう。
脂漏性皮膚炎の治療法
脂漏性皮膚炎の原因菌はカビなので、基本的には外用抗真菌薬が処方されます。カビ菌を退治することが治療の肝になりますからね。
症状が重い場合には、抗真菌剤の前にステロイド外用薬を用いて、炎症を鎮めます。
頭皮の脂漏性皮膚炎には、処方箋と併用して抗真菌剤を配合したシャンプーや、頭皮ニキビを改善する化粧品など使用すると効果的です。
脂漏性皮膚炎の顔につける薬
脂漏性皮膚炎の顔につける、処方箋、市販薬、漢方薬を紹介します。
軽いと思われる脂漏性皮膚炎に、市販薬はいいのかもしれませんが、できれば皮膚科を受診したほうが間違いはないです。
脂漏性皮膚炎かニキビの判断は素人目には無理ですからね。あくまでも病院にいくまでの応急処置的な使い方をしていただくようにお願いします。
処方箋
外用抗真菌薬(塗り薬)
マラセチア真菌を退治する薬
イミダゾール系の軟膏
ルリコン、ニゾラール、アトラント、アスタット、マイコスポール、パラベール
外用ステロイド(塗り薬)
肌の炎症を鎮める薬
副腎皮質ホルモン剤
ステロイドは強さが5つの段階に分かれています
顔には弱いもの、身体や頭皮は強いものが処方されます
抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤(飲み薬)
かゆみ、炎症を抑える薬
抗菌剤(飲み薬)
塗り薬の外部からだけでなく、内部からも退治します
脂漏性皮膚炎の市販薬
市販薬はあくまでも、応急処置的な使い方をしてくださいね。できるだけ早く病院を受診しましょう。
抗ヒスタミン系外用薬(塗り薬)
塩酸ジフェンヒドラミンを有効成分とする塗り薬
保湿効果があります
外用ステロイド(塗り薬)
副腎皮質ホルモン剤
市販されているものは、処方箋と比べると効果は低いです
自己判断で使用量を増やすのは、副作用が心配なのでダメです
抗真菌剤入りシャンプー、洗顔石鹸
こちらは大きな心配はないので、すすんで使用しましょう
漢方薬
脂漏性皮膚炎の治療は長引くので、病院で併用薬として処方されることもあります。できれば、漢方専門薬局に相談することをおすすめします。
十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)
黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)
消風散(しょうふうさん)
まとめ
顔に赤いボツボツみいたいな湿疹ができて、かゆくて繰り返す場合は、ニキビではなく脂漏性皮膚炎の可能性があります。
脂漏性皮膚炎とニキビでは出来る原因は、皮脂の大量発生と毛穴のつまりと同じなのですが、炎症を起こす原因菌が違います。
脂漏性皮膚炎はカビ菌が原因菌なので、外用抗真菌薬(塗り薬)の治療が必要になります。ニキビのケア方法や治療法では改善しませんし、悪化してしまう可能性がありますよ。
ニキビがなかなか治らない時は、すみやかに皮膚科を受診しましょう。しつこく言いますが、ニキビであろうと脂漏性皮膚炎であっても、自分の症状を把握して正しいお手入れをすることが治療の近道です。
まずはニキビなのか脂漏性皮膚炎なのか知ることが大切ですよ。
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