治療のポイント
レーザー脱毛とは
レーザーの光エネルギーが熱エネルギーに変換され、その熱により毛母細胞を破壊することによって脱毛するものです。
レーザー脱毛の原理
レーザーとは、1960年にマイマン(Maiman)氏が発見した宝石のルビーにキセノンランプの光を当てると特定の波長が発振される現象が始まりです。その現象はlight amplification by stimulated emission of radiatonとして紹介され、発振された光をその現象の頭文字をとってLASERとしました。このレーザー光は、単色性(波長が単一であること)、指向性、集束性(どこまでまっすぐに到達すること)など、通常の光線では見られなかった特性ともっていました。
SSレーザーはその種類(波長)によって、吸収されやすい色が異なります。脱毛に用いられるレーザーは、主に黒いもの、赤いものに吸収されやすいという性質があります。そのため、皮膚に存在する機関のうち、最も黒い、毛と毛根に集中的にエネルギーが吸収されるわけです。
レーザー脱毛の歴史
光を吸収した物質は、その吸収量に応じた熱を発生します。レーザー脱毛は、そのエネルギーを毛根に収集させることによって毛根に熱ダメージを与え、脱毛効果を発揮します。なぜ毛根だけダメージを与えされるのでしょう?
その特殊な性質を利用して、医療に役立てようとする試みはすぐに開始されました。1960年に、ルビーレーザー、1968年にCO2レーザーが医療用のレーザーとして、実用化されています。わが国には1970年頃から、ルビーレーザー、アルゴンレーザー、CO2レーザーの3種類が、ホクロや赤アザの治療用として美容外科などで使われ始め、それまで手術方法しかなかった分野に衝撃を与えました。しなしながら、これらの初期レーザーが実際の治療に使われ始めると、効果のある症例の効果が出なかったり不十分だったりする症例があることがわかってきました。
効果が不十分な原因は、これらのレーザーの深達度が浅く、真皮まで到達しないことにありました。真皮まで到達させるにはエネルギーの出力を上げればよいのですが、それでは皮膚表面にやけどを負ってしまいます。そのジレンマの下で、いろいろと研究がなされ、表面にダメージを与えず、レーザー光をより深部まで到達させるためには、強いエネルギーをごく短時間にかければよいことがわかってきました。それらの研究の成果として、何万分の1秒という極短時間に高出力の照射を行なうことができる、Qスイッチという方式が開発されました。これは、画期的な方法で、Qスイッチ方式を採用した様々なレーザーの出現によって、それまであまり効果を上げられなかった深い部分のアザや色素を破壊し、消すことが可能になったのです。
Qスイッチ以外にも、レーザー治療の工夫は様々な分野でなされ、レーザーの発見からわずか30数年ので各種のレーザー装置が開発され、現在では、あざやシミ、ホクロ、赤ら顔といった従来の色素治療の他にも、シワ取り、美肌スキンケアなどといった、あらゆる分野で広く活用されています。その一連の流れの中で、脱毛にもレーザーが応用されるようになりました。
レーザー脱毛の種類
- ダイオードレーザー
近赤外線という黒い色素(メラニン)だけに反応する波長のレーザーを照射します。 レーザーのエネルギーは皮膚の表面を通過して毛根に集中し瞬間的に高熱を生じます。この高熱で、毛根に接している毛包や毛乳頭を燃灼します。適切な照射が行われると、皮膚にダメージを与えることなく、毛根と毛包が燃灼されて、毛の再生機能を失い脱毛します。また、産毛に対しても、一定の効果が期待できます。 - アレキサンドライトレーザー
アレキサンドライトレーザー光は、メラニンに吸収される特性を持っています。 脱毛治療を行う場合、毛の再生に係る組織を破壊することができ、脱毛効果を得られますが、毛の再生組織自体にはメラニンがないため、選択的に破壊することができません。 - ルビーレーザー
脱毛気としてのルビーレーザーは、主に白人に効果が得られるものです。お肌の色が濃い方はやけどのリスクが高く、不向きです。 - ヤグレーザー
レーザーの波長から、脱毛に効果があるとされて、利用されているものです。
当院の脱毛機器 2台の脱毛機器の使い分け
- 【ライトシェア 波長810mmのダイオードレーザー】 ライトシェアはハーバード大学ウェルマン皮膚研究所で、皮膚科の権威である R. Rox Anderson M.D.をはじめとするチームにより、開発されたダイオードレーザーの脱毛器です。また世界初のPermanent Hair ReductionのFDA承認を受けました。 ChillTipTM Handpieceと呼ばれる皮膚冷却システムを内蔵し、接触照射による施術のため、皮膚への悪影響を最小限に抑え、かつ脱毛効果を高くすることが可能です。またこの冷却システムはハーバード大学ウェルマン皮膚研究所のパテントにより、他のレーザー機器では見られない特殊構造です。
ライトシェア(810?)波長の脱毛は、黒い色素(メラニン)に吸収するのレーザー光を照射することにより、表皮や周辺組織にダメージを与えることなく、選択的に毛根のみを破壊します。 照射ごとに、約1cm×1cmの正方形の脱毛が可能なため、広範囲でも短時間ですみまので男性のヒゲから女性のうぶ毛まで、あらゆる毛を安全に脱毛する事ができ、冷却効果により痛みが少ない上、皮膚の色にかかわらず、また毛の太さにかかわらず脱毛をすることが可能なのです。
- 【エリート (米国サイノシュアー製)】 米国FDAの医療承認を受けた、太く深い毛にも優れた効果を発揮する再診マルチレーザーシステムです。エリートは脱毛レーザーとして効果が高いとされるロングパルスアレキサンドライトレーザーとロングパルスNd:Yagレーザーの2種類のレーザーを1台に内臓する高性能マルチ装置です。2種類のレーザーの特性を組み合わせて、安全で確実な医療レーザー治療を行うことができます。
- アレキサンドライトレーザーの波長(755nm)は、他のレーザーに比べ痛みと周辺組織への熱損傷を最小限に抑えることができます。毛乳頭だけに反応しますので痛みはほとんどなく、肌に負担をかけません。
- ロングパルスNd:Yagレーザー(1064mm)は幅広い毛質に対応していますが、特に太く深い毛根に優れた効果を発揮します。一度の照射で深い毛根にもダメージを与えることができます
- レーザー照射部分に-30℃の冷却エアーを吹き付ける強力皮膚冷却装置のクライオジェットミニが装備されているので、レーザーによる火傷や痛みの心配がない、安全なレーザー脱毛が可能です。
※当院は上記の2種類の脱毛機器の導入により、より2つのレーザーの特徴を生かし、2つのレーザーを組み合わせる細やかな治療を行なっております。このことで、お肌のダメージを抑えながら、様々な肌質や・毛質・患者様のご要望への対応が可能となりました。
医療レーザーとエステ脱毛の違い
様々な広告等の影響で、「脱毛はエステサロン」という概念をお持ちではないでしょうか?しかし本当のレーザー脱毛は、医療機関でしか受けられません。エステサロンでは、一切の医療行為が禁止されているため、医療機器の使用、レーザー脱毛機の使用はできません。よく、フラッシュランプによる脱毛や、光脱毛プランを行なっている所を見かけますが、レーザー脱毛とはまったく違うものです。これらの機械は、医学的に認可を受けているわけではないので、効果は疑問ですし、出力が不安定で、火傷や皮膚障害を引き起こしてしまったという事例も多く見受けられます。
又、レーザー脱毛の倍以上の回数が必要となることがほとんどです。実際に当院にはエステサロンでの脱毛に満足できず、医療レーザー脱毛を始められる方が大変多くいらっしゃいます。 当院では、脱毛はお肌を美しくする「治療」のひとつとして、米国FDAの認可を受けた、効果が高く、安全性の確立された医療レーザー脱毛を行なっております。
毛周期
毛の成長には、成長期→退行期→休止期と呼ばれる3つの段階のサイクルがあります。
「成長期(伸びる時期)」「退行期(伸びなくなる時期)」「休止期(抜ける時期)」の3つに訳分けられ、毛はこの3つの周期を営み、抜けては生えるということを繰り返しています。毛は成長期にのみ産出され、毛乳頭は大きく、毛母細胞が活発に働いて毛が伸びていきます。治療はこの時期に行なう必要があります。休止期のメラニンのない時期に脱毛はできません。そのため毛周期に合わせて約1ヶ月~1ヶ月半の間隔を空け、数回の処置が必要になります。成長がいったん停止するとき、毛包は退行期を経過します。退行期の最初の兆候は毛球におけるメラニン産出の停止から始まり、毛母における細胞増殖が減少し停止します。次の世代の成長期毛の伸長につれ、これに押し上げられて自然に脱落します。これがいわゆる抜け毛です。
実際の治療
レーザー脱毛は、数回に分けて照射する必要があります。つまり、一度の照射で「つるつる」になるわけではありません。回数は毛の太さや密度により異なり、両ワキの脱毛で、平均5回程度の照射が必要となります。また、照射と照射の間には、6週間程度の間隔が必要です。これは、毛周期のサイクルが変わるのを待つためです。その間に皮膚のダメージも回復していきます。
又、治療の際には、若干の痛みがあります。わかりやすく例えると、輪ゴムではじかれたような感覚です。痛みを感じない程度の出力にすることは可能ですが、軽い痛みを感じるくらいでないと、脱毛効果があまり得ることができません。
治療上の注意点
- 自己処理
日常の処理を毛抜きで行なっていると、レーザーのエネルギーを吸収してくれる毛がないことになるため、脱毛効果が著しく低下することがあります。脱毛を始める前には、毛抜きや脱毛ワックスの処理は避けていただく必要があります。但し、剃る場合でも、皮膚がカミソリ負けするほどの剃り方をしていると、そこへレーザーによる刺激が加わることになるため、脱毛は少し待っていただかなければならなくなることがあります。
- 日焼け
レーザーを当てたあとの皮膚は、日光によるシミなどを作りやすくなります。ワキやVラインの場合は夏場でなければそれほど問題となりませんが、膝下や腕などの脱毛を行なった場合、UVケアをしっかりと行なっていただく必要があります。
- ケロイド体質の方
傷が火傷のように盛り上がって治ってしまう、いわゆる「ケロイド体質」の方は、レーザー治療による皮膚の軽い炎症でも、ケロイドを生じてしまうことが、ごくまれにあります。治療前に問診で確認し、ケロイド体質が顕著な方は、慎重に照射を行なっていきます。