ヨガ の効果は本当か?巷に溢れるヨガのダイエット効果に関する情報は、残念ながら間違った情報もあるようです。本記事ではヨガダイエットの効果について科学的な調査結果を引用しながら、本当のダイエット効果について考えます。ヨガダイエットを考えるなら読んでおくことをオススメします。

誰もが今よりも痩せたいと考えるはずです。その中でダイエット手法としてヨガを考える方は多いでしょう。でもヨガの本当の効果を知らなければ、一生懸命だけをとったりと努力しても全く痩せないという状況もあり得ます。ヨガダイエットを成功させるためにもまずはヨガのダイエット効果に関する誤解を解き、適切な知識を獲得することが大切です。

そもそも「ダイエット」つまり「痩せる」ことはどういうことか改めて考えてみます。

そもそもダイエットとは、消費カロリーをあげて、摂取カロリーを減らすこと

減量には、食事などで摂る「摂取カロリー」に対して、運動などで消費する「消費カロリー」を高めることが基本です。摂取カロリーは、私たちの普段の食事から、糖質・たんぱく質・脂質といった栄養素を摂り、それらが消化・吸収されて得られる熱量のこと。これが私たちの生活に必要なエネルギーに使われます。

一方、消費カロリーは、私たちの活動で消費されるエネルギーです。消費カロリーは、睡眠中でも消費する「基礎代謝」、通勤・通学、家事、エクササイズやスポーツなどで消費する「生活活動代謝」、食事中や食後の体温上昇のために消費される「食事誘導性熱代謝」があり、特に基礎代謝と生活活動代謝の2つの代謝をあげることが、消費カロリーを高めることにつながります。

消費カロリーを高めたとしても、その分食事を多めにとってしまったら意味がありません。そのため、摂取カロリーを低く抑えつつ、消費カロリーを高めることがダイエットにつながるわけです。

ヨガダイエットに関する2つの誤解

このダイエットの基本メカニズムに対してヨガがどれだけ貢献するのか、あてはめて考えていきます。

ヨガダイエットの誤解1. ヨガをすると基礎代謝率は上がるどころか下がる

インターネット上だけでなく、様々な書籍にもヨガにより代謝が上がりダイエット効果があるとする論調があふれていますが、残念ながらこれらは事実と異なるようです。

2006年、インドの生理学者であるマサンドラ・S・チャヤは、100名の男女(平均33歳)を対象として、ヨガにより基礎代謝率にどれだけ影響するのか調査しました。この調査ではは12種、決められた手順で半年に渡り実施されました。

その報告では、基礎代謝率は平均13%低下したというもの。男性では安静時のエネルギーが平均8%低下し、女性では平均18%低下したということです。※

そのため、少なくとも代謝が上がるといった論旨は事実ではないことに注意しなければなりません。

ちなみに、この調査は別の側面でヨガの効果を実証しました。かねてよりリラックス状態にある人は代謝が低下した状態にあると言われており、ヨガによって代謝低下に影響したことが実証されたのです。そのため、ダイエット効果としては疑義を投じる調査結果ではあったものの、ヨガを継続することでリラックス効果が得られることが科学的に分かり、内面の調和が保たれた状態になるという側面がクローズアップされたのです。

ヨガダイエットの誤解2. ヨガは有酸素運動において散歩と同じ程度

そして、ヨガが運動などで消費する生活活動代謝を高めるのか?という疑問。

2005年、ヨガ未経験で定期的な運動をしたことがない女性34名を対象としたウィスコンシン大学の調査結果があります。※ 34名の被験者は2つに分けられ、1つのグループは、55分のハタヨガを週3回実施。もう一方のグループは一切運動をしませんでした。

全体で2ヶ月間に渡る調査ののち、体力、耐久力、平均感覚、柔軟性の向上は確認されたものの、代謝強度は全く上昇せず、有酸素運動性を示す最大酸素摂取量は改善が認められなかったのです。また、その後、より運動量が多いを参考に考えられたによる随伴研究が実施されました。ヨガの経験者で中級以上の15名が集められた実験の結果は、ハタヨガと比較して運動量が増えたことによる変化は見られたものの、ごくわずかだったということ。

結果的にヨガは有酸素運動としては散歩と同程度。ハタヨガのセッションを受けた対照群の消費したカロリーも、149カロリーという少ない結果でした。

ヨガポーズ()だけで痩せるには限界がある

この2つの調査結果からわかることは、

  1. 少なくとも消費カロリーに対する影響は低く、
  2. 食事等の摂取カロリーを下げない限り、
  3. ダイエット効果は認められない

と言った方がいいでしょう。

よって、ヨガによって代謝が上がりダイエット効果があるといった説明がなされているものは事実と異なりますし、ヨガだけで減量できるという説明は誇張表現と言わざるを得ません。

ヨガをしている人はなぜ痩せている人が多いのか?

しかし、いたずらにヨガのダイエット効果について否定するつもりはありません。

これは主観的なイメージですが、確かにヨガをしている人は、締まった身体で、美しいプロポーションを維持している人が多いという印象があります。実際に私の周りを見渡してもヨガを数年間経験している人たち、そしてヨガインストラクターの方に、肥満体質と思われる方は、ほぼいないです。(というかいないです。)

何度も述べていますが、ヨガは自己の内観を目的としており、アーサナだけでなく、とから構成されます。3つの要素からなるヨガの身体的、精神的な効果全てを捉える必要があるでしょう。ヨガは上述の通り、消費カロリーの増大にはつながりませんが、摂取カロリーの低減につながる意識の変容が期待できるのです。

ヨガダイエットの本当の効果1. ストレスが低減し過食がなくなる

心理学において、代替行為(代替欲求)というものがあります。過食は代替行為とみられており、本当は食べ物に執着しているのではなく、他の何らかの欲求を満たすために、または何らかのストレスを解消するために、無意識に過食に解決策を求めてしまうというものです。(しかし、過食は根源的な問題が解消しない限り解決しません。)

ヨガにはリラクゼーション効果とストレス低減効果があることが科学的に実証されています。そのため、リラックスした状態を自ら作り出せるとともに、ストレス低減により代替欲求の発生そのものを抑え、根源的な自分の欲求を見極めることができるのです。

ヨガダイエットの本当の効果2. 食事の量について客観的に見つめる術が身につく

過食という状況に陥っていないとしても、日々の食事の量にも客観的に向き合えるようになります。

ヨガは、自分と対話するプロセスと言え、本当に求めているものを客観的に知ることが目的です。そのため、これらを食事の摂取量に対して向けることで、不要な食事量をとることを自らコントロールする術が身につくのです。ヨガを継続することで食事に思慮深く、意識を払う習慣が身につくと言えるでしょう。

この点については以下の記事もあわせて読むことをオススメします。

ヨガダイエットの本当の効果3. 食事の質に気を使う環境である

ヨガを日々実践していくと、自分の身体に対して敏感になり、食事に対するリテラシーが身につくのもヨガの効用かもしれません。ヨガとが姉妹関係にあるように、ヨガを実践していくと、自分の身体的健康と精神的な健康に意識が向き始め、食事についても考え始める人が多いと言えます。

実際に世界的なヨガ流派の一つ、ではヨガの体系の中にProper Diet(適切な食事)を含めており、心だけではなく身体のバランスのとれた健康の獲得が重要視されています。また、においてもヨガの体系の中で食事を重要に捉えており、やはりマクロビを取り入れるなど、ヨガと食事は切っても切れない縁なのです。

その他の流派においても同様で、ヨガコミュニティ全体が食事に対して意識が高い環境と言えます。そのため、ヨガを実践していく過程で、こうした環境の中に身を置くこととなり、食事の質や量に対する意識が変容していくことは十分考えられるのです。

ヨガダイエットで健全に痩せる

ヨガが、エクササイズの一つとして広まったこと、実際にヨガ実践者は引き締まった身体をしている人が多いことが、ダイエット効果に過度な期待が寄せられ、間違った情報が氾濫してしまった原因かもしれません。

ヨガを実践していくことがダイエットにつながることは期待できます。しかし、代謝が上昇し消費カロリーが増大するというよりも、食事に対する意識変容とリテラシー向上により摂取カロリーの低減につながるということが大きいと思われるのです。これは健康的で健全なダイエットを達成する上で大変重要なポイントです。

そもそも、一定期間だけ、ダイエット食品といった代替食で補ったり、ローカーボを取り入れるなどのダイエット手法はリバウンドするケースが多いです。なぜなら、食事がダイエット開始前の状態に戻ることで、摂取カロリー過多に戻るため当然のこと。日常の食生活が根本的に改善、食事の質と量が改善されない限り真のダイエットは成功しないのです。

引き締まって、しなやかな身体を作るだけでなく、心のバランスを得られるヨガは、最高のダイエット手法とも言えます。ヨガで健全なダイエットを行ってみてはいかがでしょう。


参考元:

関連

ヨガはもちろん、ワークアウトや食事、呼吸法、瞑想など、もっぱら人間の脳、身体と心の繋がりへの興味が尽きない。最近はビジネス書よりもこれらをテーマにしたノンフィクションばかり読んでいます。

  • 1
    2016年4月4日 10.2K views
  • 2
    2015年12月14日 6.0K views
  • 3
    2016年2月17日 9.8K views
  • 4
    2016年4月15日 3.9K views
Most Shared
  • 1
    2015年10月19日
  • 2
    2015年8月25日
  • 3
    2015年12月14日
  • 4
    2015年8月3日
  • 前の記事
  • トップ
  • 次の記事