漢方って肌荒れにどんな効果があるの?
ニキビや湿疹などの肌荒れは早く治したいもの。でも、なかなか良くならなかったり、治っても繰り返し肌が荒れてしまう時はつらいですよね。
そんな時は、肌荒れの原因になっている体質そのものを改善する漢方薬を使うのもひとつの方法です。
西洋薬は、症状に対してピンポイントで薬を使いますが、これに対して漢方薬は、体全体を整える考えに基いています。たとえば、血行不良が肌荒れの原因になっているのであれば、血行を良くする漢方薬を使うことで、体質を改善していきます。自分にぴったり合う漢方薬を服用すれば、肌が荒れにくい体質へと導く効果が望めます。また、漢方薬と西洋医学の治療を併せて行うこともできます。
今回は、私水野春子や助手のアッキーと一緒に、肌荒れに効く漢方薬について見ていきます。肌荒れを根本から解決していくのに役立つ漢方薬の魅力を知りましょう。
肌荒れやニキビに漢方が良い理由
そもそも漢方とは?
まず、漢方とはどういうものなのかを知っておきましょう。
漢方は、起源は中国ですが、日本独自の文化です。中国の医学は5~6世紀頃に日本に伝わりました。その後、日本の気候や日本人の体質に合わせて独自の発展を遂げたのが漢方医学です。
また、かつては経験による効果に支えられてきた漢方ですが、徐々に科学的根拠も解明されてきています。近年はその効果が国内だけでなく、海外でも注目されています。
漢方薬は、自然由来の植物や動物、鉱物などの生薬を、原則として2種類以上組み合わせてできています。ほとんどが植物なのですが、自然のものゆえに、徹底的な品質管理が必要となります。日本で使われている生薬は、約9割が中国や東南アジアが原産となります。しかし最近では、国内生産の生薬も少しずつ増えているようです。たとえば、北海道の帯広では川芎(せんきゅう)、岩手県では蘇葉(そよう)、高知県の越知町では柴胡(さいこ)という生薬がそれぞれ育てられています。
日本の薬機法で認められている生薬は300種類以上あり、その中で保険が適用される生薬は100種類以上あります。生薬の組み合わせや配合比によって、様々な作用のある漢方薬が作られています。これも、「組み合わせの妙」と言われる漢方薬の興味深いとろこですね。
漢方が効く肌荒れの原因3つ
ここでは、漢方薬での改善が望める3つの肌荒れの原因を見てみましょう。
尚、漢方医学では「気・血・水(き・けつ・すい)」という仮想的生理因子の状態を見て治療をします。
「気」とは、人が生きる上で大切なエネルギーで、生命活動の根源となるものです。「血」は血液のことを指します。血の巡りが悪くなることを「瘀血(おけつ)」といい、頭痛や肩こり、肌荒れなどの症状が現れやすくなります。「水」は血液以外の体液を指します。水分代謝が悪い状態を「水毒(すいどく)」といい、むくみやめまいなどの症状が現れやすくなります。漢方医学では、これら「気・血・水」が複合的に絡み合い、様々な症状が出るとみなされます。
血行不良
血液は体の隅々まで栄養を運ぶはたらきをしています。血行が悪いと、肌にも充分な栄養が届かず、肌がくすんだり、吹き出物などのトラブルの原因となることがあります。
漢方薬には冷えや血行促進に効果的なものも多く、体質を改善しながら肌トラブルも良くしていく効果が望めます。
ホルモンバランスの乱れ
ストレスや生活習慣の乱れなどによってホルモンバランスが崩れると、皮脂の分泌が増えてニキビなどの肌トラブルにつながることがあります。
そのような場合にも漢方が用いられることがあります。たとえば女性のPMSや更年期障害、月経不順などによく用いられる当帰芍薬散は、「気・血・水」の巡りを良くしてホルモンバランスを改善に導くと考えられています。
乾燥
乾燥すると肌のバリア機能が低下して湿疹やかゆみなどを引き起こしたり、ニキビが悪化することもあります。漢方薬で「気・血・水」のバランスを整えることで、肌に栄養とうるおいを与え、正常な状態に戻していく効果が望めます。
肌荒れに効果的な漢方の選び方
肌荒れに使われることのある漢方薬は種類がたくさんあります。ここでは自分に合う漢方薬をどうやって選ぶのか、ポイントをお伝えします。
症状で選ぶ
まずはどのような症状があるのかを把握して、症状に合う漢方を選びます。しかし、症状が合うからといって、すべての人にその漢方が適しているとは限りません。では、どのようにして選べば良いのでしょうか?
自分の体力で選ぶ
東洋医学では、その人の体質や体力、性格なども総合的に見て、「証(しょう)」という漢方独自の診断基準に基いて薬を選びます。たとえ症状が同じでも、体力がある人に向いている漢方もあれば、体力がない人に向いている漢方もあります。中には体力に関わらず処方される漢方もあります。また、「証」はずっと同じというわけではなく、常に変化しています。したがって、変化に応じて自分の「証」に合ったものへ処方を変えていくのも、漢方の特徴です。
体力がない人の肌荒れにおすすめの漢方6選
ここからは、体力や体質別に、肌荒れに使われることのある漢方薬をいくつかご紹介します。まずは、体力がない人や、虚弱体質の人におすすめの漢方薬を見ていきましょう。
ニキビ
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
〈生薬〉
芍薬(しゃくやく)、蒼朮(そうじゅつ)または白朮(びゃくじゅつ)、沢瀉(たくしゃ)、茯苓(ぶくりょう)、川芎(せんきゅう)、当帰(とうき)
〈効能〉
筋肉が弱く、貧血気味で足腰が冷えやすく、頭痛、めまい、肩こり、動悸、耳鳴りなどがあるものの次の症状:月経不順、月経痛、慢性腎炎、更年期障害、妊娠中の障害
〈解説〉
婦人病によく使われる三大漢方薬(当帰芍薬散、加味逍遥散、桂枝茯苓丸)のひとつで、色白で虚弱体質の人に向いているとされています。血行を良くする他、水分代謝を良くする茯苓を含み、「水毒」(=水分代謝が悪いことを表す)の状態から起こるめまいやむくみにも用いられます。
湿疹・かゆみ
温経湯(うんけいとう)
〈生薬〉
麦門冬(ばくもんどう)、半夏(はんげ)、当帰(とうき)、甘草(かんぞう)、桂皮(けいひ)、芍薬(しゃくやく)、川芎(せんきゅう)、人参(にんじん)、牡丹皮(ぼたんぴ)、阿膠(あきょう)、生姜(しょうきょう)、呉茱萸(ごしゅゆ)
〈効能〉
冷え症だが手足がほてり、唇がかわくものの次の症状:月経不順、月経困難、血の道症、更年期障害、神経症
〈解説〉
冷えや婦人科系トラブルなど、女性の不調によく使われている漢方です。また、乾燥してバリア機能が低下した皮膚の湿疹などにも改善効果が期待できると言われています。
真武湯 (しんぶとう)
〈生薬〉
茯苓(ぶくりょう)、芍薬(しゃくやく)、蒼朮(そうじゅつ)または白朮(びゃくじゅつ)、生姜(しょうきょう)、附子(ぶし)
〈効能〉
虚弱体質の冷え症で、新陳代謝が衰えている人の次の症状:慢性胃腸炎、胃下垂症、疲労倦怠、脊髄疾患による運動ならびに知覚麻痺、老人性皮膚掻痒症など
〈解説〉
虚弱な人の冷えや、冷えに伴う胃腸の不調に使われることの多い漢方です。また、水分代謝を良くする茯苓を含み、ふらつきやむくみなどにも効果が期待できると考えられています。
黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)
〈生薬〉
芍薬(しゃくやく)、黄耆(おうぎ)、桂皮(桂皮)、大棗(なつめ)、甘草(かんぞう)、生姜(しょうきょう)
〈効能〉
身体虚弱で、疲れやすいものの次の症状:虚弱体質、病後の衰弱、寝汗、慢性湿疹、アトピー性皮膚炎
〈解説〉
虚弱体質の子どもなどに使われる「小建中湯(しょうけんちゅうとう)」に、黄耆を加えた処方です。疲れやすい人や、寝汗が出る、冷え症の人などに用いられます。
六味丸 (ろくみがん)
〈生薬〉
地黄(じおう)、山茱萸(さんしゅゆ)、山薬(さんやく)、沢瀉(たくしゃ)、茯苓(ぶくりょう)、牡丹皮(ぼたんぴ)
〈効能〉
疲れやすく、尿量減少または多尿で、ときに口渇があるものの次の症状:排尿困難、残尿感、頻尿、むくみ、かゆみ
〈解説〉
八味地黄丸(はちみじおうがん)という漢方薬から桂皮と附子を除いた、6種類の生薬からなります。桂皮と附子には温め作用がありますが、これらを含まないので、冷えのない人にも処方される漢方薬です。「六味地黄丸(ろくみじおうがん)」ともいいます。
当帰飲子(とうきいんし)
〈生薬〉
当帰(とうき)、地黄(じおう)、芍薬(しゃくやく)、川芎(せんきゅう)、防風(ぼうふう)、蒺莉子(しつりし)、何首鳥(かしゅう)、黄耆(おうぎ)、荊芥(けいがい)、甘草(かんぞう)
〈効能〉
冷え症で皮膚が乾燥し、分泌物の少ない皮膚疾患。赤みが少なく、かゆみを主体とするものに用いる:慢性湿疹
〈解説〉
冷え症で、乾燥して肌にかゆみがある場合によく使われます。
体力が中程度の人の肌荒れにおすすめの漢方3選
次に体力が中程度の人の肌荒れにおすすめの漢方薬をご紹介します。
ニキビ
荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)
〈生薬〉
黄芩(おうごん)、黄柏(おうばく)、黄連(おうれん)、枳実(きじつ)、荊芥(けいがい)、山梔子(さんしし)、地黄(じおう)、芍薬(しゃくやく)、川芎(せんきゅう)、当帰(とうき)、薄荷(はっか)、防風(ぼうふう)、連翹(れんぎょう)、甘草(かんぞう)、桔梗(ききょう)、柴胡(さいこ)、白芷(びゃくし)
〈効能〉
皮膚が浅黒く、腹部が緊張しているものの次の症状:蓄膿症、慢性鼻炎、慢性扁桃炎、ニキビ
〈解説〉
濃い鼻水が出る場合によく使われる漢方薬です。また、首から上の炎症に効果があるとされており、扁桃炎やニキビの改善効果も期待できると考えられています。
加味逍遥散(かみしょうようさん)
〈生薬〉
柴胡(さいこ)、芍薬(しゃくやく)、蒼朮(そうじゅつ)または白朮(びゃくじゅつ)、当帰(とうき)、茯苓(ぶくりょう)、山梔子(さんしし)、牡丹皮(ぼたんぴ)、甘草(かんぞう)、生姜(しょうきょう)、薄荷(はっか)
〈効能〉
月経不順や更年期障害、イライラや憂鬱感、頭重感など
〈解説〉
女性の三大漢方薬のひとつです。自律神経の興奮を鎮める作用があり、不定愁訴がある場合にも使われます。
湿疹
消風散 (しょうふうさん)
〈生薬〉
石膏(せっこう)、地黄(じおう)、当帰(とうき)、蒼朮(そうじゅつ)、防風(ぼうふう)または浜防風(はまぼうふう)、木通(もくつう)、牛蒡子(ごぼうし)、知母(ちも)、胡麻(ごま)、荊芥(けいがい)、苦参(くじん)、甘草(かんぞう)、蝉退(ぜんたい)
〈効能〉
分泌物が多く、かゆみが強くて局所に熱感のある慢性の炎症。慢性湿疹、アトピー性皮膚炎、じんましん、あせも
〈解説〉
じゅくじゅくした湿疹や皮膚炎などに使われています。
体力がある人の肌荒れにおすすめの漢方5選
最後に、体力がある人に向いている肌荒れの漢方薬をご紹介します。
ニキビ
清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)
〈生薬〉
黄芩(おうごん)、桔梗(ききょう)、山梔子(さんしし)、川芎(せんきゅう)、浜防風(はまぼうふう)、白芷(びゃくし)、連翹(れんぎょう)、黄連(おうれん)、甘草(かんぞう)、枳実(きじつ)、荊芥(けいがい)、薄荷(はっか)
〈効能〉
比較的体力があり、顔色が赤い人の顔や頭にできるニキビ
〈解説〉
化膿している赤ニキビや、顔や頭部の皮膚湿疹などによく使われます。
桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
〈生薬〉
桃仁(とうにん)、桂皮(けいひ)、大黄(だいおう)、甘草(かんぞう)、芒硝(ぼうしょう)
〈効能〉
比較的体力があり、のぼせて便秘しがちなものの次の症状:月経不順、月経困難、月経時や産後の精神不安、更年期障害、腰痛、便秘、高血圧にともなう頭痛やめまい、肩こり、ニキビ、しみ
〈解説〉
便秘がちであったり、生理前にイライラや精神不安がある場合やのぼせなどに使われています。大黄には下剤作用があります。
防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
〈生薬〉
滑石(かっせき)、黄芩(おうごん)、甘草(かんぞう)、桔梗(ききょう)、石膏(せっこう)、白朮(びゃくじゅつ)、大黄(だいおう)、荊芥(けいがい)、山梔子(さんしし)、芍薬(しゃくやく)、川芎(せんきゅう)、当帰(とうき)、薄荷(はっか)、防風(ぼうふう)、麻黄(まおう)、連翹(れんぎょう)、芒硝(ぼうしょう)、生姜(しょうきょう)
〈効能〉
腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの次の症状:肥満症、高血圧症
〈解説〉
メタボの改善やダイエット効果があるとして、よく知られている漢方薬です。交感神経を活性化する作用があると言われています。便秘がちな人や肥満症、ニキビなどの吹き出物に用いられています。「桃核承気湯」と同じく、下剤作用のある大黄が使われています。
桂枝茯苓丸料加薏苡仁(けいしぶくりょうがんりょうかよくいにん)
〈生薬〉
薏苡仁(よくいにん)、桂皮(けいひ)、芍薬(しゃくやく)、桃仁(とうにん)、茯苓(ぶくりょう)、牡丹皮(ぼたんぴ)
〈効能〉
比較的体力があり、ときに下腹部痛、肩こり、頭重、めまい、のぼせや足の冷えなどを訴えるものの次の症状:月経不順、血の道症、ニキビ、しみ、手足のあれ
〈解説〉
女性の三大漢方薬のひとつ、「桂枝茯苓丸」に、肌荒れによく使われる薏苡仁を加えた処方です。
湿疹
黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
〈生薬〉
黄芩(おうごん)、山梔子(さんしし)、黄連(おうれん)、黄柏(おうばく)
〈効能〉
比較的体力があり、のぼせ気味で顔色が赤く、動悸、不安感やイライラがあるものの次の症状:鼻血、不眠症、神経症、湿疹、じんましん、口内炎、高血圧症、めまい
〈解説〉
神経が高ぶることによる不眠症や、かゆみの強い皮膚炎などに使われます。
※構成生薬、効能は『ペンプラス』(2011年11月1日発行)を参照しています。解説はツムラのホームページ、クラシエのホームページを参照しています。
肌荒れで漢方を使う時に気になるQ&A
どれくらいの期間服用したらいいの?
漢方薬は、こむら返りや風邪に使う場合など、効果が早く現れるものもありますが、慢性の症状に対して使い、ゆっくりと効果が現れるものが多い薬です。体質を改善して肌荒れを治すような場合は、まずは2週間ほど服用して効果をみて、調子が良ければ続けてみる、ということが多いようです。また、いつまで服用するという期間が決められているわけではありません。飲み続けることが心配な場合は、漢方に詳しい医師に相談しながら服用していきましょう。
他の漢方との併用や西洋薬との併用はできる?
漢方薬を服用していて、他の漢方を併用した方が効果が上がると判断される場合は、他の漢方を併用することがあります。自己判断で併用する漢方を選ぶのは難しいため、医師の診断を受けて併用するようにしましょう。
また、漢方薬は西洋薬との併用もできます。ただし、治療中の病気があったり、薬の内容によっては併用できない場合や、注意が必要な場合もあるようです。こちらも自己判断せずに、医師の診断を受けましょう。
漢方に副作用ってある?
漢方薬の副作用は、西洋薬に比べると非常に少ないのですが、一切ないというわけではありません。甘草という生薬が原因で起こる低カリウム血症や、麻黄という生薬による胃腸障害や過剰発汗などが知られています。また、体質に合っていない漢方薬を使用することで副作用が出ることもあるようです。
副作用を防ぐには、やはり病院で医師の診断を受けて処方してもらうのが安全です。
病院で処方されるものとドラッグストアにある市販のものは同じ?
漢方薬は、薬を構成する生薬の品質によって効果に大きく差が出ると言われています。漢方薬を製造・販売している会社はツムラやクラシエ以外にも色々とありますが、品質が分かりにくいという心配があります。また、自己判断で自分に合う薬を選ぶのは難しいものです。
一方、病院で処方してもらうと、品質が高く、自分に合う薬を処方してもらえる他、健康保険が使えるというメリットがあるので、やはりおすすめです。ただし、中には健康保険が使えない場合もあるので、事前に医師に確認をしましょう。
もしドラッグストアで購入するなら、漢方薬に詳しい薬剤師さんに直接相談しながら選ぶのが良いと思います。
漢方薬と合わせて日常生活でのケアも取り入れよう!
肌荒れに漢方薬を用いながら、日常生活でもできるケアを取り入れましょう。
正しい洗顔をする
洗顔はゴシゴシ顔をこするのではなく、なでるようにやさしく洗いましょう。また、顔を拭くときはゴワゴワしたかたいタオルよりも、肌当たりの優しい、柔らかいタオルでそっと拭き取ると、肌への負担が少なくて済みます。
枕や布団など、肌に触れるものは清潔に
寝具など、肌に触れるものは清潔に保ちましょう。枕カバーやシーツをこまめに交換したり、布団をこまめに干すなどがおすすめです。また、髪の毛は肌になるべく触れないように髪型を工夫して、頬づえをつくクセがある場合はやめましょう。
1日3度、栄養バランスの良い食事を摂る
肌荒れの改善には、1日3度の食事できちんと栄養を摂ることも大切です。
ニキビが気になる時は、皮脂の分泌を抑えるビタミンB2やビタミンB6、ビタミンC、血行不良が気になる時は、血流を良くするビタミンE、女性ホルモンの乱れが気になる時は、大豆製品などがおすすめです。大豆製品は「大豆イソフラボン」を含み、女性ホルモンの「エストロゲン」と似た働きがあると言われています。また、筋肉のもとになり、代謝を上げるたんぱく質もしっかり摂りましょう。油やカロリーが心配な時は、魚や赤身の肉などを選ぶと良いと思います。偏食や極端なダイエットをすると栄養バランスが悪くなり、肌荒れを招きやすくなるので気をつけてくださいね。
腸内環境を整える
食事で摂った栄養をきちんと消化・吸収して肌の調子を整えるには、腸内環境を整えることも大切です。日本人は食物繊維が不足しがちなので、野菜や豆類・雑穀のように食物繊維が豊富なものを食べましょう。また、味噌や納豆、麹甘酒、キムチなどの発酵食品もおすすめです。
質の良い睡眠を確保する
厚生労働省の調査によると、日本人の睡眠時間は明らかに減少してきています。しかし、肌を健康に保つためには、質の良い睡眠をきちんと摂ることも大切です。現代人に多い以下のような生活習慣は、睡眠効率を下げると言われているので、チェックしてみましょう。
睡眠を妨げる生活習慣のチェック
- 寝る直前までスマホを触っている
- 寝る前にカフェインを摂っている
- 寝る前におやつなどを食べている
- 寝る前に「一人反省会」をしている
スマホから出るブルーライトは、自然な睡眠を誘う睡眠ホルモン=「メラトニン」の分泌を妨げると言われています。カフェインには覚醒作用があるので、寝る前に飲むとなかなか寝つけないという人もいます。また、遅い時間に食べ物を摂ると胃腸に負担がかかったり、逆流性食道炎になることがあり、睡眠の質の低下を招いてしまいます。
寝る前にその日の出来事を振り返ってあれこれと反省する「一人反省会」は、女性に多いそうです。その日の失敗や、良くないことばかりを考えていると深みにはまってしまい、寝つけなくなることがあります。良い睡眠を得るには、寝る前にも「良いこと」を考えましょう。好きな音楽やアロマの香りでリラックスしたり、仕事に関係ない本を読むなどもおすすめです。
ストレスを溜め込まない
過剰なストレスは、冷えや血行不良、ホルモンバランスの乱れ、不眠など、肌トラブルの原因につながる不調を引き起こしやすくなります。
自分なりのストレス解消法やリラックス法を見つけておいたり、自分をいたわる時間を持つなどの工夫をしましょう。
肌荒れを根本解決するために漢方を取り入れよう!
肌荒れにおすすめの漢方薬について見てきました。
漢方薬の魅力は、その人が本来持っている治癒力を高めて、悪いところだけでなく、体全体を整えるところだと思います。また、はっきり病名をつけられないような症状にも効果があると言われているので、様々なストレスにさらされることで不調を抱えがちな現代の私たちには、心強い味方ともいえますよね。
病院で漢方薬を処方してもらう場合でも、漢方についての基礎知識があると、自分の体質や症状についての説明や相談がしやすくなりますし、自分自身で納得して漢方を服用できるようになると思います。
悩ましい肌荒れを根本解決に導き、心身を健やかに過ごすために、漢方薬を取り入れてみてはいかがですか?
〈参考文献・参考サイト〉
・『ペンプラス』(2011年11月1日発行)株式会社阪急コミュニケーションズ