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私自身、糖質制限を始めて4ヶ月で18キロ痩せました。

と言うと、ダイエット成功者のように聞こえなくもないですが、同僚の中には私がガンになったのではないかと本気で心配していた人も居たくらいひどい痩せ方でした。

もともと痩せることが目的で始めたのではなかったので、私もそこまで体重を落としたくはなかったのですが、結果的には現在の体重に落ち着いてから、特に不調もなくすごせるようになったので適正体重に落ち着いたのかなと思っています。

 

糖質制限は誰にでも簡単に始められるダイエット法として紹介されます。しかし、実際には厳格な糖質制限をいきなり始めてはいけない人というのが確実に存在します。

それはどんな人かというと、

  1. 極度のミネラル不足(特にフェリチン)の人
  2. コレステロール不足の人
  3. 副腎疲労症候群の人
  4. LowT3症候群の人

です。私の場合は、1.と3.が当てはまりました。4.の可能性もあったかもしれません。

特に女性に多いのは1.と2.です。

そのような人達が知らずに糖質制限を始めたり、フィットネスジムに通い始めたりすると、無月経になったり抜け毛がひどくなったりすることもあるようです。

 

ただし「糖質制限をやってはいけない」ということではありません。「突然、厳格に始めるべきではない」という意味です。

順番にその理由を考えてみます。

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1.極度のミネラル不足の人

鉄不足の人が糖質制限を始めると、今以上に糖質依存症になります。その理由は細胞レベルではっきりしています。

私たちは食物からエネルギーを生み出すときは、全て細胞の中で代謝が行われます。

ブドウ糖(グルコース)が細胞の中に入ってくると、まず「解糖系」といわれる代謝によってブドウ糖が薪割りのように二つに割られ、ATPといわれるエネルギーの種を2個取り出します。

次に、細胞の中に存在しているミトコンドリアの中で「クエン酸回路」という代謝を行います。そして、その後、「電子伝達系」という電子を渡しまくる代謝によってATPを36個生産することができます。

同じように、脂肪酸から生成されるケトン体が細胞の中に入ってきても「クエン酸回路」から「電子伝達系」という代謝が行われ、ATPを129個生産することができます。このように脂肪酸は非常に効率の良いエネルギー源となるのです。

体脂肪をエネルギー源に変えていくことこそ、糖質制限で痩せることができる理由でもあります。

ところで、「解糖系」はブドウ糖専用のエネルギー生産システムであるため、ケトン体ではエネルギーを生み出すことが出来ません。ケトン体は必ずクエン酸回路にはじめから入っていかなければなりません。このクエン酸回路を回すには補酵素である、ビタミンB群、亜鉛、マグネシウムが必要となります。

しかし、エネルギー効率の良い脂肪酸の恩恵を得るためには、電子伝達系まできちんと回す必要があるのですが、それが回せない時があります。

どんなときでしょうか?

鉄が足りないときです。

電子伝達系においては鉄が重要な補酵素として働くので、鉄がない場合は、電子伝達系で生産回路を回すことが出来ません。

 

鉄不足のまま糖質制限を始めてしまうと、脳や体は常にエネルギーATPを欲し続けますので、効率の悪い「解糖系」を使ってでもエネルギーを生産しようとします。

しかし、糖質を制限をしている状態では材料となる糖(ブドウ糖)がありません。

仕方がないので、糖新生(筋肉などのタンパク質から体内でブドウ糖を生成する機構)によってブドウ糖を作り出します。それを細胞に送り込み、なんとかATPを生産できる体制をつくります。

しかし、この糖新生を行うにもATPが必要となります。その数は6個です。

解糖系では2個しか生成されませんので、結局、このエネルギーシステムに頼らざるを得ない状況では、常にATPを4個消費し続けることになります。

 

その結果、ものすごく疲れやすくなり、体力がなくなります。

脱水によって体重が落ちるので、一見、ダイエットがうまく行っているように見えるのですが、体脂肪率はあまり下がらなくなってきます。

また細胞内は「解糖系」でしかエネルギーを生み出せないので、今まで以上に糖質を求めるようになります。

よって、このような人たちは、いきなり厳格な糖質制限を始めるのではなく、鉄サプリによって鉄分を補強しながら食事を徐々に改善していくことが望ましいといえます。

2.コレステロール不足の人

コレステロールは生体の細胞膜の必須成分であり、性ホルモン(黄体ホルモンや卵胞ホルモン)や副腎皮質ホルモンの材料にもなります。

全コレステロール値が高いと言うと、多くの人はダイエットをするように言われたり、コレステロールを多く含む食事を控えるように言われますが、コレステロール自体は生体にとって重要な成分であるので、必要以上に下げることは望ましいことではありません。

特に、糖質制限ダイエットをする上での、コレステロールが不足は、危険因子にもなります。

 

まず、私達の身体は体重減少という現象に対しては、ストレスと感じるようになっています。太ること(脂肪を蓄えること)はストレスとは捉えられません。

なぜなら、太るというのは、将来の食料不足に備えてエネルギーを貯蓄していることであるため、身体は安心することになります。

しかし、体重減少に対しては身体の危機として捉えられます。

このようなストレスを身体が受けると、副腎からコルチゾールというホルモンが分泌されます。コルチゾールはストレスホルモンとも呼ばれ、私達が日々感じるストレスと戦ってくれるホルモンです。このホルモンのおかげで私たちはストレスと共に生きていくことができているとも言えます。

そして、このコルチゾールの材料がコレステロールなのですが、コルチゾールが大量に分泌されている間は、性ホルモンに回すコレステロールが足りなくなります。

すると、コルチゾールばかりが分泌され、月経などを司る性ホルモンの分泌が弱くなってきます。

その結果、月経が止まってしまったり、不妊症になったりしてしまう原因となってしまいます。

 

糖質制限ダイエットは、一週間で2キロ程度なら簡単に落ちてしまいます。

しかし、そのような減量は身体にとって、大きなストレスとなります。

ストレスと戦うホルモンばかりにコレステロールが使われることがないよう、しっかりとタンパク質と脂質を摂取してコレステロールを高めておく必要があります。

3.副腎疲労症候群の人

副腎疲労症候群は、多くの現代人が陥っているといわれている症状で、社会的なストレスを受け続けたり、あるいは糖質過多な食事を続けてきたりする人が、ある日突然朝、起き上がれなくなるという恐ろしい病気です。

原因は、ストレスと戦ってくれるはずのコルチゾールが分泌されなくなることにあります。

コルチゾールは基礎分泌があり、朝は高く昼から夕方につれて分泌量が少なくなってきます。コルチゾールは単にストレスと戦ってくれるだけでなく、血糖値のコントロールもしてくれているのです。

インスリンが血糖値を下げてくれるホルモンなら、コルチゾールは血糖値を上げてくれるホルモンです。

お互いに均衡をとりながら、血糖値を正常に保ってくれているといえます。

しかし、コルチゾールが分泌されなくなると、血糖値を正常値に保つことができなくなり、低血糖症に陥ります。常に頭がボーっとして、エネルギーが切れたような状態が続きます。その結果、甘いものが欲しくなります。
このような症状を患っている人が、厳格な糖質制限を始めてしまうと、どうなるでしょうか?

 

血糖値を上昇させることができないため、常に低血糖状態となってしまい、正常な人間の活動を行うことが困難になってきます。

このような人は、玄米や全粒粉などのGI値の低い炭水化物を少しずつ摂取しながら、すっかり疲れ果ててしまった副腎の回復を待つことが必要です。

4.Low T3症候群の人

甲状腺ホルモンには、トリヨードサイロニン(T3)とサイロキシン(T4)と呼ばれる2種類の化合物が存在します。

 

甲状腺ホルモンは全ての細胞に作用します。分泌量が多いときは、各細胞では呼吸量、エネルギー消費量が増大し、全身の細胞での基礎代謝量促進が起こります。逆に少ないときは、分泌が低いときはエネルギー消費が悪くなります。

T3は肝臓や腎臓で作られますが、その原料はT4です。T4の分子中にはヨードが4分子存在していますが、肝臓や腎臓でそのうち一個が切り離されてT3となります。血中のT3の80%はT4から転換してできたものです。

Low T3症候群(Low T3シンドローム)とは、このトリヨードサイロニンT3の生産・分泌が少なくなる症状をいいます。

T3もT4も分泌が少なくなる「甲状腺機能低下症」とは区別しなければなりません。

原因は長年の糖質過多な食事による栄養失調です。

糖質過多な生活を続けてきた人が、急に厳格な糖質制限を始めても身体は脂肪をエネルギー源とは認識できず、危機を感じます。すると「守り」に入ろうとしてエネルギー消費量を減らそうという機能が働き始めます。

すると甲状腺ホルモンT3の分泌を抑えようとするのです。なぜなら、T3はT4よりも4~5倍程度の生物活性があるといわれているからです。

Low T3症候群の人が厳格な糖質制限を行うと、

  • 抜け毛
  • 白髪
  • 肌荒れ
  • 冷え
  • 疲労感
  • 便秘
  • 浮腫み
  • 無月経
  • 不妊

などの症状が現れると言われています。

 

逆に、厳格な糖質制限を始めて上記のような症状が現れたら、LowT3症候群の可能性が高いといえます。そのような場合は、GI値の低い炭水化物を摂取しながら、徐々に糖質制限をすすめることが良いと言えます。

特に、糖質を毎日摂取してきていたにも関わらず、痩せ型の中高年女性が陥りやすいと言われています。(基礎代謝が高く、糖の代謝能力が高い人)

まとめ

「突然厳格な糖質制限をやってはいけない人」について、まとめてみました。

それぞれのパターンでまとめましたが、上記の例は、孤立した問題ではなく全てがリンクしていると言えます。

つまり、鉄不足もコレステロール不足も副腎疲労もLow T3症候群も、全て原因は糖質過多の食事を続けてきた結果です。

 

糖質制限ダイエットを始めて、何か一つでも思い当たることがあれば、一旦糖質の生活に戻ることとも検討する必要があると思います。

無理なく栄養を高めながら進めるのが良いと思います。

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