流産・早産を予防するにはどうすれば良い?
せっかく妊娠しても流産をしてしまうと、授かった赤ちゃんの命が失われ、お母さんの心的ショックは大変なものになりますし、以後の妊娠についても場合によってはしづらくなることあります。
また、早産は今の医療技術ならば救える命も多いのですが、単に未熟児なだけではなく、十分にお腹の中で育てられなかったことで、赤ちゃんが障害や病気を持って産まれてきてしまうこともあります。これは、ご両親や赤ちゃんにとっても不幸なことです。
そうした流産や早産のリスクを減らせるのであればそれに越したことはありません。ここでは、どうすれば流産や早産を予防できるのかについて解説していきます。
流産、早産とは何か
流産、早産という言葉はよく聞くものですが、具体的にどのようなものなのかしっかりと理解していただくことが、その兆候をいち早く察知して予防することにもつながります。
流産について
産婦人科の医学用語としては、妊娠が「22週より前に終わってしまう」ことを流産といいます。だいたい5か月半ですね。
「妊娠が終わる」ということは、赤ちゃんが体の外に出されるということで、お腹を切って帝王切開されるのか、自然分娩のように膣から出るのか、医者の手で無理やり取りだされるのかいずれかになります。
妊娠した人の約15%が流産してしまうといわれていて、さらにその流産した人のうち80%が妊娠12週未満だといわれています。
流産の多くは受精の段階で染色体異常などによって決定されているもので、例えば、遺伝子に「致死遺伝子」が含まれてしまうと、育つことができず必ず流産し、赤ちゃんは亡くなってしまいます。
とはいえ、それ以外の要因で流産してしまうこともあります。次の項で詳細は説明させていただきますが、その要因を減らすことで流産のリスクも下げることができます。
また、実際に赤ちゃんが体の外に出る前に「流産になりかけている」状態を「切迫流産」と呼び(よく聞く単語ですね)、出血などを伴いますが、この段階で適切な対処をすれば赤ちゃんは助かります。ですので、異変をいち早く察知することが重要です。
早産について
妊娠してから22週以降37週未満で産まれてしまうことを早産と呼びます。この段階になると、未熟児ではありますが赤ちゃんは無事に生きていくことが可能になります(もちろん、そうでない場合もあります)。
ただし、単に体か小さかったり、体重が軽いだけならよいのですが、早くお腹から出たということは、それだけお母さんの栄養を吸収して育つことができなかったということでもあります。
内臓や脳の神経の発達が不十分なまま体の外に出てしまうと、赤ちゃんが先天的な病気や重い障害をもってしまうことも考えられます。そのような可能性を少しでも減らすために、なるべくお腹の中で育てたほうがよいのです。
一方で、母体に危険が及びそうな場合は、お母さんと赤ちゃん双方の命を守るために、医師の判断で意図的に早産させることもあります。別の病気の手術の必要が出てきたとか、交通事故で治療が必要、などケースはさまざまですが、そのまま妊娠していては危険な場合も中には存在します。
流産・早産を予防するための対策
先天的に受精した段階で流産してしまう可能性があるわけですが、それ以降もさまざまな要因で流産・早産に至ってしまいます。兆候やリスクを下げる方法がわかれば、それによって予防が可能になります。
兆候を察知する
具体的には、「おりもの」が多かったり、色が違う、変なにおいがある、膣から出血がある、このような女性器周りの異常です。
そのほか、お腹の張りがいつもと違う、腰痛や腹痛が続くなど、少しでもいつもと違う状態が見つかれば、流産や早産の可能性を疑うべきで、産婦人科へ行って診察を受けてください。また、ひどかったつわりが急になくなるなどしたときも、お腹の赤ちゃんに異変がある場合がありますので注意してください。
妊娠中の過ごし方に気を付ける
次に、流産や早産を促してしまう要因についてです。だいたい皆さんが想像していただくような体に良くないことがたいてい含まれいます。
ストレス、過労、睡眠不足など体に負担をかけるようなことは極力避けましょう。これは予防だけではなく、健康な赤ちゃんを育てるポジティブな意味でも重要なことです。
体を冷やし過ぎることも問題です。体が冷えすぎると血流が悪くなり、お腹の赤ちゃんへの血液の供給が不十分になり、流産や早産の引き金になりかねませんので注意してください。
食生活に気を付ける
お酒やたばこなど嗜好品もよくありません。これは単に流産や早産のリスクを高めてしまうだけでなく、赤ちゃんにとって有害ですので、障害や病気を持って産まれてきてしまう可能性も高くなります、妊娠中はお酒やたばこは避けなくてはなりません。
食生活も注意してください。ビタミンやミネラル、鉄分などお腹の赤ちゃんの体を作る栄養素が少ないとよくないです。特に妊婦さんにとって必要な葉酸は、葉酸サプリ等を併用しても積極的に摂取するようにしてください。
塩分や脂肪分を控えめにすることも重要です。高血圧と流産は直接的な相関関係はありませんが、妊娠高血圧症候群になってしまうとお母さんの体に負担もかかりますし、体調不良は赤ちゃんへの栄養供給が偏って成長が阻害されるというリスクはあるようです。健康のためにも高血圧になるような食生活は避けてください。
特に難しいことではなく、一般的な健康を害するようなことはしない、ということが流産や早産も予防することにつながるわけです。
<関連記事>
・DHA・EPAサプリの健康効果は?
持病がある場合は?
ただ、もともと子宮や女性器に病気があったり、糖尿病や内臓疾患、うつ病などで薬を常用されている方は、それによってリスクが増大してしまうことがあります。
婦人科系はそのまま産婦人科医に、そのほかの病気は内科や精神科医に相談し、妊娠していることを伝えたうえで適切な指示を受けてください。場合によっては薬の変更や減量もあるかもしれません。
また、過去に流産の経験のある人は、繰り返しやすいという結果もありますので、その場合は、妊娠発覚後は産婦人科医との連携を密にしてください。
最後、これは非常にプライベートなことですが、妊娠中のセックスについてです。激しいセックスや無理な体位は、当然子宮に悪影響を与えます。
また、妊娠しているから避妊は関係ないわけですが、精子に含まれる細菌によって子宮が収縮したり、絨毛膜羊膜炎という早産の原因となる病気になってしまうこともありますので注意しましょう。
葉酸サプリの効果について
葉酸は妊娠前から必要量を摂取することで、先天的な染色体異常による流産や、「化学流産」といわれる、受精卵が子宮に上手に着床しないことによって引き起こされる流産、そして、お腹で十分に栄養が行きわたらないことによって起きる「稽留流産」を防ぎます。
葉酸はそもそも、
②受精卵がしっかり着床するのを助ける
③赤ちゃんの血液や皮膚、細胞分裂のエネルギー
という3つの役割を持ちます。
つまり、先に挙げた3つの流産の原因それぞれに対応していて、
②→化学流産の予防
③→稽留流産の予防
ということになります。
葉酸が不足するとなぜ流産になりやすいのかご理解いただけたと思います。
葉酸は食生活の改善だけではなかなか妊婦さんの必要量(1日に400μg)を摂取することは難しく、それを簡単に補うことができるのが葉酸サプリです。
流産のリスクを下げるだけではなく、お母さんの健康や赤ちゃんの生育にも役に立つ栄養素ですので、必ず摂取したい栄養素になります。
効果はすぐに出るものではなく、飲み続けることによってだんだんと「漢方薬」のように効いてきます。食事の工夫だけだと、忘れてしまうこともありますし、ほかの栄養素が偏ってしまいかえってよくないということにもなりかねません。
<関連記事>
・ニキビ肌の体質を改善する?漢方薬の効果は?
ピンポイントに葉酸を摂取できる葉酸サプリは、その意味でも非常に効果的でありがたいものです。1錠400μgなどのものが多く、つまり1錠で簡単に1日の必要量が摂取できるので是非とも常用しておきたいものです。
葉酸サプリの飲み過ぎには注意
葉酸は水溶性という性質を持っているため、基本的には過剰に摂取しても、脂肪のように体に蓄積することはなく、体の外に排出されます。従って、1日に400μgを超えて飲んでしまってもあまり気にする必要はありません。
そもそも400μg錠だと、食事に含まれる葉酸を加えたら確実に400μgを超えてしまうわけですから、多少のオーバーは問題ないということになります。
ただし、いくら飲んでも全く問題がないかというと、そうでもないようで、葉酸過敏症といって、発熱やじんましん、呼吸困難などの症状が一時的に起きる人も中に入るようです。妊婦さんはお腹に赤ちゃんを育てているわけですから、少しのリスクも回避しておきたいところです。
<関連記事>
・葉酸サプリ、副作用やリスクが気になる…
葉酸サプリは「1錠○○μg」と含有量が決まっているため、意図的に多く飲まなければ過剰摂取に陥ることはありません。多く飲んでも、必要量以上はそもそも吸収されないのですから意味がないのです。
また、葉酸サプリには葉酸だけが入っているわけではなく、鉄分やビタミンなども配合されているものが多く、これらが過剰になってしまうと、葉酸以外の過剰摂取の悪影響が出る可能性があります。
従って、やはり決まった量を守って飲むということが大切になります。
以上、流産、早産についてその予防の見地から考察してきました。特に葉酸はそのリスクを下げる働きがあるため、サプリなどできっちりと補おうという結論になりました。もちろん、葉酸だけで予防できるものでもありません。日常生活の工夫や努力も必要です。
是非総合的に取り組んでみてください。