私は、亜鉛についてそれなりに勉強してきました。そして、亜鉛の効能のすばらしさを知りましたが、世間一般的に、『亜鉛』というミネラルはとにかく地味です。
世間的には、「カルシウムや鉄分のような有名なミネラルさえ摂っておけば問題ないでしょう」という考えも聞こえてきますが、大間違いです。
実は、現代の日本人の生活に蔓延している多くの悩みの陰に亜鉛不足がかかわっています。
▼亜鉛不足の症状は意外と深刻!
亜鉛不足の恐ろしさは深刻です。一つ一つ見ていきましょう。
○亜鉛不足の症状1|性別に関わりなく不妊になりやすくなる
亜鉛は、『生命の元素』や『セックスホルモン』と呼ばれることがあり、新たな命を授かるために必要なミネラルだとされています。
それは、亜鉛が性ホルモンの分泌に大きな影響を与えているいミネラルだからです。
女性の場合は、亜鉛が不足し、性ホルモンの分泌がスムーズに行われなくなると、排卵や月経の周期が乱れたり、丈夫な乱視が作れなかったりします。
一方、男性の場合は、亜鉛が不足すると性欲が湧かなかったり、元気で運動率の高い精子が作れなくなってしまいます。
不妊に悩む方の多くは亜鉛不足です。
○亜鉛不足の症状2|肌荒れ、シミやニキビなどの肌トラブルが起きる
亜鉛は体の細胞分裂や新陳代謝を促す働きを持っています。(※新陳代謝とは肌の生まれ変わりのことです)
肌の新陳代謝が遅れると、
- 肌の色を作り出すメラニン色素が肌の内部に残ってしまい、シミになる。
- 肌の角質が除去されないままになり、肌質が悪化する。
- 新たな肌細胞が作られないため、肌の守りが薄くなり、乾燥肌になる。
のような症状が現れます。
それに加えて、亜鉛は抗酸化作用も併せ持っているため、肌の老化を防いでくれます。したがって、亜鉛が不足すると、それだけ肌の老化が加速してしまいます。
また、アトピーなどの症状にも亜鉛治療が副作用のない方法として注目されています。
肌のトラブルには亜鉛が心強い味方です。
○亜鉛不足の症状3|うつ病・うつ症状を引き起こす
亜鉛は感情を安定させるミネラルです。
自律神経の働きを整える
自律神経とは、無意識で行うこと(呼吸、心臓の動き、血管の収縮など)を管理する神経です。これによって、緊張とリラックスを切り替えてくれます。
自律神経が乱れていると、リラックスすべき睡眠中に呼吸が浅くなり体が休まらなかったり、気力を出さないといけないときに元気が出なかったりします。
しかし、自律神経が整えられていると、リラックスすべき時には心身を休め、体を動かすときにはそれに合わせて体が順応してくれます。
うつ病やうつ症状とは、簡単に言ってしまえば『酷い自律神経の乱れ』なのです。
亜鉛には自律神経の働きを整える働きがあります。緊張とリラックスを上手く切り替えてくれるので、気分の落ち込みや、何に対してもやる気が起きないときは亜鉛の摂取をおすすめします。
セロトニンを作る
亜鉛は脳内ホルモンの量を調節してくれるホルモン『セロトニン』を合成するのに欠かせないホルモンです。
感情的な変化、喜怒哀楽やイライラ、快感などは脳内物質によって感じます。その脳内物質の分泌量を調節してくれるのが『セロトニン』なのです。あなたが過度に落ち込んだり、怒りをセーブできなくなるようなことを避けてくれます。そのため『セロトニン』は幸せホルモンと呼ばれることがあります。
亜鉛が不足していると、セロトニンが合成されず、幸福感が低下したり、感情のコントロールが難しくなったり、依存症に陥りやすくなったりすると言われています。
これらのことから、亜鉛が不足した状態が続くと、うつ症状やうつ病を引き起こしてしまうのです。
○亜鉛不足の症状4|糖尿病の原因になる
亜鉛と糖尿病になんの関係があるのだと言われそうですが、亜鉛と糖尿病にはとても深い関係があります。
正常な人間は血糖値が上がった時に、膵臓から『インスリン』というホルモンを出して、血糖値を下げます。しかし、そのインスリンは亜鉛と一緒に分泌されなければ血糖値を下げる効果が薄い、ということが2013年に順天堂大大学院 医学研究科・代謝内分泌内科学の藤谷与士夫准教授、綿田裕孝教授らの研究チームによる実験報告がありました。
膵臓で分泌されるインスリンは亜鉛に守られているので、全身に回ることができるのです。しかし、亜鉛に守られていないインスリンは肝臓で過剰に分解されてしまい、全身に行きわたりません。
結果、血糖値がスムーズに下がらずに糖尿病になってしまうのです。
甘いものの摂り過ぎは、亜鉛の働きを鈍らせることも分かっているので、糖尿病のリスクを避けたい方は当分の過剰摂取には気を付けましょう。
すでに糖尿病になってしまっている方は、積極的に亜鉛を摂取することをおすすめします。
○亜鉛不足の症状5|薄毛・抜け毛・白髪(髪のトラブル全般)を引き起こす
亜鉛の細胞分裂や新陳代謝を促す働きは、当然髪の毛に対しても有効です。
亜鉛はタンパク質(ケラチン)を髪の毛に替えてくれる役割があります。つまり、いくら髪の毛の材料であるタンパク質を摂っても亜鉛が無ければ、髪は作られなかったり、弱々しく質の悪い髪の毛が生えてくるわけです。
亜鉛サプリを育毛・発毛や白髪改善のために使う人は大勢いらっしゃいます。しかも、下手な育毛剤などよりも効果があると言われています。
○亜鉛不足の症状6|味覚障害
舌には味蕾という味を感じる細胞が存在します。この味蕾は、肌のように日々生まれ変わらなければいけません。そして、味蕾を作り出すのも亜鉛です。
高血圧や睡眠薬、抗がん剤などを服用していると、それらの薬が亜鉛の吸収を妨げてしまうため、味覚障害に陥ってしまうことがあります。
また、飲酒や喫煙によって、「食べ物がおいしく感じられない」というを経験してしまう人も同じです。飲酒や喫煙は体内の亜鉛を減少させてしまうんです。
食べる喜びを取り戻したい、失いたくない、という方は亜鉛を摂るようにしましょう。
○亜鉛不足の症状7|体の発達が鈍くなる
特に子供の場合に言えることなのですが、成長期に亜鉛が不足していると、筋肉や骨の発達だけでなく、脳の発達にも影響を与えてしまうことが分かっています。
亜鉛は性ホルモンの分泌に必要なミネラルであるため、性ホルモンを大量に分泌しなければいけない成長期には特に必要になるミネラルだと言えます。
そして、子供だけでなく、大人にとっても、亜鉛不足は体の発達を遅らせます。
最もそれが明らかなのは、筋肉です。
亜鉛は筋肉の合成を促進する男性ホルモン『テストステロン』の分泌を促す役割を持っています。つまり、亜鉛が足りていないと、筋肉がつきにくいんです。
よく、「筋トレしても筋肉がつかない……。そういう体質なのか……」と筋肉をつけることを諦めてしまう人がいますが、ちょっと待ってください。
亜鉛が十分にあり、男性ホルモンが活発に分泌されていれば、誰でも筋肉を太くすることはできます(※もちろん限界はありますし、個人差もあります)。
筋肉であれ、髪であれ、材料さえ摂ればいい、というわけではなく、材料を髪や筋肉へと加工する亜鉛も揃っていなければ意味がありません。
▼亜鉛は意識して摂らなければすぐに不足してしまう!
これまでに紹介した、亜鉛不足の症状ですが、亜鉛が足りていれば全て解決するとは言えません。しかし、亜鉛が足りていなければ解決は困難なのは確かです。
現代は非常に亜鉛の維持が困難になっています。亜鉛は吸収率が悪いばかりでなく、減少しやすいことも亜鉛不足の大きな原因です。
砂糖がたくさん使われている飲み物やお菓子、便利な加工食品、添加物などは亜鉛の働きや吸収を鈍らせます。
もし、あなたが亜鉛不足の症状を感じている、もしくは避けたいと思うなら、亜鉛の吸収を阻害させるようなものを食べず、亜鉛を積極的に摂っていくことをおすすめします。
8割の人がダマされる含有量の罠
亜鉛を摂るにあたって、食材から摂ろうがサプリから摂ろうが含有量だけ見ていては『亜鉛を摂ってるつもり』になっているだけの可能性があります。
亜鉛は吸収率が低く、食事からは30~40%しか吸収されない上、
- フィチン酸
- 食物繊維
「サプリで摂ってるから大丈夫」と思っている方も安心するのは早いです。
例えば、亜鉛サプリに広く使われている亜鉛の有効成分である『亜鉛酵母』は、事前に熱処理がされていないと体内にほとんど吸収されません。
また、販売ページに『サプリ1粒あたりの亜鉛含有量』ではなく、『原材料100gあたりの亜鉛含有量』が書かれていて、実際のサプリには1粒1gも含まれていないことも往々にしてあります。
『亜鉛を摂取したつもり』になるだけでは、本当の満足感は得られません。
亜鉛を含有量だけでなく、吸収効率などを考えて摂ることで初めて亜鉛の魅力を知ることができます。
サプリであれば、有効成分の種類やメーカーの信頼性などを確認することも重要です。
それらについては、
の記事をご覧ください。
ここまでお読みくださり感謝します。