5月31日(火)
栴檀海斗の難治性湿疹への効果と再発抑制作用、
機能性角質層の形成、及び炎症後色素沈着の改善効果
皮膚科学には種々の名前のついた湿疹・皮膚炎がありますが、
その初発皮疹は共通しています。
初発皮疹は、<汗疹(かんしん)=あせも>と同一で、炎症反応の
強さとその発現の速さに差があるだけです。
「放っておけば治ります」ですとか「保湿しましょう」という表現でスルー
してしまいがちな皮膚炎ですが、強い痒みを伴う丘疹(湿疹)の未病
となります。炎症反応強ければ漿液性丘疹にもなり、紅色丘疹や
また小水疱にもなり、日光露出部位に急に無数に出現した場合には
<日光アレルギーです>等の原因を一つに限定してしまう診断が
なされていますがメカニズムはもっと複雑です。
しかし、皮疹の本質は共通で
条件により炎症の程度に多彩な差を持ち程度の異なる
急性断続性微細脂腺(毛包)炎です。
脂腺の全分泌はアポトーシスというのが定説ですが、私は条件により
種々の程度に脂腺細胞膜がネクローシス変化を生じる結果、脂腺及び
毛包炎を惹起すると考えています。脂腺細胞膜がネクローシスに陥る
条件としては、(1)脂腺とその開口部での痒み物質の産生と脂腺細胞膜
への持続浸透作用による脂腺の炎症及び、毛包への急性炎症の波及、
(2)紫外線熱傷による脂腺膜蛋白及び脂質の融解と考えています。
栴檀海斗には条件の一つとなる痒み物質の形成と持続浸透のブロック
作用、及びネクローシス変化進行のブロック作用による抗炎症作用により
急性断続性微細脂腺(毛包)炎の自然軽快を促す作用があります。
【急性断続性微細脂腺(毛包)炎の画像を供覧します。】
屋内作業中に出現し、日光の作用で炎症反応が増強した
急性断続性微細脂腺(毛包)炎の所見です(黒い↓①・②)。
皮膚科では漿液性丘疹と表現されています。掻爬行為もなく、突然に
短時間で出現しているように確認されます。また、実際には赤みのある
強い炎症反応はないものの、周囲には汗疹と称される無数のさらに小さな
急性断続性微細脂腺(毛包)炎が大小種々に認められます(白い↓③・④)
【①を拡大してみます】
一見毛孔と不一致にも見えますが、周囲に見える毛髪よりもより小さな
毛孔を含み、周辺の数か所の毛孔に囲まれており、炎症の本体は皮脂腺
と考えられ、結果毛包にも炎症が波及し毛包炎に発展していると推察でき
ます。
【②を拡大しています。】
こちらは、目に見える毛孔を二か所巻き込んで炎症を起こしていますが
毛孔部の片側面に集中的に炎症反応の増強、即ち炎症性浮腫を認めて
います。炎症の根源は脂腺と推測できます。
【②のダーモスコープによる所見です。】
ダーモスコープでも同様の所見を見出せます。
例えば、湿布かぶれ等の接触皮膚炎(かぶれ)を生じる以前にすでに出現
しており、かぶれを一気に発現させ、また増悪させます。うるしであっても
単に触れれば出現するのではなく、程度の異なる急性微細脂腺(毛包)炎
の点状びらん部位や融解壊死した障害表皮に接するか、または同皮疹
に漆の葉と表皮細胞が互いに外傷を受ける場合において、融解壊死の
サイクルに陥った障害細胞膜由来リン脂質と、うるし由来成分が接触融合
することにより上記障害細胞のダメージを助長する顕著な細胞障害性刺激
が誘発され、マイスナー小体が強く持続的に刺激を受け脳から免疫細胞発動
指令がでることにより、うるしの葉由来異物がマクロファージに頓食され酵素
作用で断片化され抗原提示を受ける結果、狼の遠吠えのような効果となり、
多数のTリンパ球をじわじわと組織内浸出させることにより、免疫細胞同士
の相互作用により接触皮膚炎(かぶれ)が生じる可能性を考えていますが、
後述の遠吠え~は良く分からないのでいい加減です。
細かいことはさておき、効果です。
【①の9日後】
抗炎症作用とはこういうことを言います。抗炎症成分~%配合などでは
意味がありません。我々の仕事は結果ありきです。
炎症性浮腫がほぼ消失し、炎症後色素沈着を伴わず、消炎していく過程が
分かるかと思います。
【②の9日後】
こちらもほぼ炎症反応が消退しています。
尚、他の薬剤は一切使用していません。
栴檀海斗は、融解壊死のサイクルに陥った障害細胞膜由来リン脂質と、うるし
由来成分との接触し融合するのをブロックすることにより、ダメージを受けた組織・
細胞への強い障害刺激を緩和すると共に、障害組織・細胞のリン脂質と膜由来
タンパクのの遊離抑制、漏出細胞内液のゲル化温存作用及び、核や細胞内
小器官の庇護作用による炎症反応低減作用によりアレルギー反応発現抑制作用
を有していると考えています。
これらの皮疹を10年程前からダーモスコープによりすべての患者様に
ついて詳細に観察してきました。この皮膚炎は、季節を問わず断続的に
繰り返されており、程度が軽く持続性であれば毛孔角化や毛孔の鱗屑~
落屑、表皮剥離を生じ消炎します。このお肌は<アトピックスキン>や
<乾燥肌>と誤って解釈されている場合が少なくありませんが、栴檀海斗
を基礎に用い、治療薬を併用することによりつるつるとした痒みの生じにくい
と表皮と毛包に戻し、炎症後色素沈着を顕著に低減します。
痒みが持続的に頭皮・顔面で70%、頸部・四肢・躯幹・臀部・陰股部で80%
の痒み率削減を達成しており、主となる皮膚条件なるように治療が完了後は、
栴檀海斗を適時1回(全身)~2回(顔面・頭皮)/日で塗布し、全身まるごと
痒みと炎症の元となる攻撃因子から大切なお肌を守り、美しい煌きのあるお肌
を得るスキンケアを行うことにより、以後の急性断続性微細脂腺(毛包)炎の
再発の程度や爪による強い掻爬行為や摩擦性掻爬行為の頻度や程度を各段
に低下させる為、以降のステロイド系抗炎症薬の使用範囲や使用回数を激減
させることが可能となり、医師にとっても、また患者さんにとっても大変なメリット
になります。
一つの症例を基に、栴檀海斗の機能性角質層形成がどのようなものかを
供覧します。
【貨幣状皮膚炎・湿疹の一例】
1年以上前から、下腿に褐色調の皮疹が出現し、鱗屑・紅斑が生じると
痒みが出現し、近医皮膚科を受診し、その都度Strongestステロイド軟膏を
処方され、皮疹が平坦化すると炎症後色素沈着を生じ治癒と説明をされるも、
1週間たたないうちに湿疹化が再燃し、いつまでも治りきらないというご指摘を
受け、当院を受診されました。
皮疹は両膝の下方から下腿下部に及んでおり一部は貨幣状湿疹或いは
皮膚炎の外観であり、一部は紅斑角皮症の外観を示し、また画像に示す
状態は強い炎症後色素沈着を伴う軽度紅斑~色素性紫斑様の外観を呈する
等多彩な炎症状態にある皮疹を認めました。
患者さんは、痒くはありませんという表現をしますが、自然に湿疹がこのような
形状になることは無く、衣類の上から掻爬するなどの種々の力加減で間接的な
掻爬行為が度々行われることにより形作られた湿疹・皮膚炎のデザインと
私は命名しています。
【初診時の所見です。】
【6か月後の所見です。】
光沢のある角質層の形成と、炎症後色素沈着の顕著な減少、
保湿しているかのようなみずみずしい皮膚面の外観、そして
新たな掻爬痕は消失しました。 これが機能性角質層です。
本症例においては、ステロイド系軟膏の使用期間は栴檀海斗と併用して
10日間でしたが、以後、栴檀海斗を1日1回夜継続塗布することにより、
1年半痒みの増強や新たな皮疹は出現せず、完治といたしました。
スキンケアには、古来から保湿を重視していますが、保湿することによる
痒みへの効果は単なる被膜効果で、痒い場所に水をしみ込ませると瞬間
痒みが治まったと感じるのと同じです。しかし被膜効果ではすぐに痒みは
復活して来るため保湿持続作用と痒みの防止作用の間に相関関係はあり
ません。また、角質層を湿らせ潤わせれば一見綺麗に見えますが、角質層
は湿っていることが好条件では限りません。角質層の本来の機能は皮膚炎
や外傷がなければ、乾燥に強く、またも過剰湿潤環境に対しても蒸散性を
持って好条件を保持するということではないだろうかと考えています。
なぜならば、乾皮症や乾燥肌とされる外観の本質は、乾燥ではなく、皮膚炎
や湿疹による鱗屑や落屑、表皮剥離に他ならないからで、表皮細胞が皮膚炎
により急速に死滅したものを肌の乾燥と勘違いしている為です。皮膚炎の無い
お肌が乾燥した場合、ダメージを受けた角質層の一部が剥離する程度にしか
ならない為、軽微な粉吹きか、或は艶の減少にしかなりません。
従いまして、スキンケアとして保湿作用は仮に無くても叶うと感じています。
素直に表現するならば、健康そうにお肌を魅せる=保湿で、
ボディービルダーがオイルを塗ると筋肉が輝き艶めき引き締まって見えるのと
差はありません。ただ、綺麗に魅せるという点では美容目的でお客様が望む
ならば意義のあることなのでしょう。ただ、保険処方薬になっているのは、
医療費の増加の一因になっているのではと疑問に感じることもあります。
保湿剤は保険対象外で良いのではないかなと私は思います。
乾燥肌で当院を訪れる患者様の多くは
「肌の乾燥と診断され保湿剤を処方してもらったり、高価な保湿剤を使用して
いますが、一向に乾燥肌が治りません」と言われます。
この種明かしは簡単です。皮膚炎・湿疹を完治させていない為です。
栴檀海斗は、保湿性ではなく表皮角質層の伸縮性・再現性の構築により
煌めく張りのあるお肌を全身に与えてくれる新しいスキンケアです。
今回はそんな話題を記載してみました。
本文章は、技術文献となる特許技術の一部になります。
また、著作権があります。 無断転載と(文献を含む)引用を禁止します。
平岩 亮一
それでは