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尿 色や臭いと病気との関係

尿とは、毎日の体調をカラーで教えてくれる、ステキなリトマス試験紙です。体調に問題がみあたらなければ、正常をあらわす透明か、ほんのり薄い黄色。仕事が忙しく疲れが溜まったり、病気で身体を壊していたりすれば濃い黄色へとシフトします。

尿が変化するのは色だけでありません。身体の変調を、臭いがキツクなることで、教えてくれることもあるのです。
ここでは、そんな尿(おしっこ)と病気の関係についてお話します。

■ 臭いと味が変化する尿

尿(おしっこ)は、体内に溜まった窒素を凝縮した尿素や老廃物などを、まとめて放出する水分です。体調によって色やニオイが変化することから、病気の兆候を表すカガミという側面もあります。尿がどのような状態のときに、どんな体調変化を顕しているのか気になるところですね。

おしっこの色や臭いから、自分の健康状態をある程度チェックすることができます。何かの変化が続くようであれば、早めに病院に行くのをオススメします。おしっこの確認は、男性は自然とできてますが、便座に座る女性はわざわざ見る必用があります。女性は、ときどきでも尿の状態を確認する習慣を付けた方が良いかもしれません。

また、尿が染み出たのかパンツやズボンからニオイが漂うこともあります。匂いと色の変化と病気の可能性についてお話しましょう。

■ 匂いの変化

甘いにおいがする

もしもあなたの尿から甘い匂いがするのなら、それは糖尿病にかかっている可能性があります。尿の中に糖が含まれてしまうことで、漂う匂いさえ甘く感じられるようになるのです。まさに「糖尿」ですね。

血液中の糖分のほとんどは、尿細管より再吸収されて体内へ戻ります。血液に含まれる糖の濃度が高い(約180ミリグラムを超える)糖尿病患者の尿は、匂いが甘くなることがあります。糖の濃度があまりにも濃すぎて尿細管での再吸収限度を超えたために、糖がおしっことして排泄されてしまうのです。

珍しいケースですが、血糖値に問題がないのに甘い匂いの尿の出る人がいます。これは(家族性)腎性糖尿と呼ばれているもので、尿細管で糖の再吸収が出来ない体質なのです。生まれつき「SGLT2」という再吸収を担うタンパク質が機能しないために、尿がそのまま排出されてしまいます。1日に数グラム~100グラム以上の糖を排泄しますが、腎機能に異常はありません。

ただし尿の匂いが甘いからといって、必ずしも糖尿病ではありません。妊婦・胃手術の直後・激しい運動をした後、疲れが溜まっている。こうしたときには、尿に糖が混じります。膵炎・甲状腺機能亢進症・心筋梗塞等の病気でも血糖が高くなります。
尿糖が検出されたから糖尿病というわけではないのです。逆に、糖尿病だからといって、必ずしも尿糖が検出されとは限ません。ニオイが甘くないからといって安心もはできないようです。

ちなみに糖尿病の治療として、腎性糖尿のアイデアを生かした治療薬が開発されています。

刺激臭がする

尿の独特の臭さがあります。とくに古いトイレには、いくら掃除をしてても僅かでも尿臭が染み付いているものです。健康な人のおしっこは無菌なのに、なぜニオイが着くのでしょうか。尿素が細菌に触れると分解されます。そうしてできるのがアンモニア。細菌が、尿に含まれる成分を栄養とする分解することで、発生するものなのです。これは、汗なども同様です。

排出したばかりの尿がいきなり匂うとすれば、「尿路感染症」が疑われます。尿路とは、腎臓で尿が作られて排出されるまでにたどる道のこと。腎臓から尿管を通って、膀胱や尿道にいたるまでの全経路です。これらの部位に細菌が感染して炎症が起こる病気が尿路感染症です。

普通なら、外に出てから時間をかけてニオイが発生する。でも尿路のどこかに細菌が存在するために、途中で尿素と反応してアンモニアが発生します。出ると同時に尿が臭くなるのはそういうことなのです。

甘酸っぱいにおいがする

過剰なダイエットや栄養不足になったりすると、尿や体臭が甘酸っぱい匂いになります。ケトン体と呼ばれる脂肪酸やアミノ酸の不完全代謝産物が匂いの原因です。普通は食べた糖をエネルギー源としているのですが、糖を利用することができなくなると、これまで溜め込んでいた脂肪を分解します。脂肪を利用してつくられるのが、ケトン体。ケトン体が増加することによって血液が酸性に傾き、柿の腐ったような甘酸っぱい尿がでるのです。

ダイエットや栄養不足のほか、糖尿病でも同じ匂いがします。尿だけでなく、息や体臭も甘酸っぱくなります。飢餓の少なくなった昨今ではダイエット臭と呼ばれることもあります。

・メープルシロップのにおいがする

「メープルシロップ尿症」という病気があります。日本では約50万人に1人が発症するという、非常にまれな病気です。原因となるのは、ロイシン、イソロイシン、バリンなどの分岐鎖アミノ酸が正常に代謝されないこと。正常に代謝されないと、体内に分岐鎖ケト酸が増えてしまいます。

多くの場合、生まれて一週間以内に傾眠、哺乳困難、無呼吸、昏睡といった症状を起します。乳児期に症状が表れないこともありますが、放置すると悪化していきます。精神や運動の発達が遅れ、さらには痙攣発作や筋緊張亢進、意識障害などを急激に示して、どんどん悪くなっていくのです。

メープルシロップ尿症の原因は代謝異常。分岐鎖アミノ酸を分解できない体質なので、尿や血中には、分岐鎖アミノ酸が多く存在します。この病気にかかった乳児には、分岐鎖アミノ酸を摂取しないよう、分岐鎖アミノ酸が除去されたミルクを選ぶ必要があります。

ネズミのにおいがする

アミノ酸は必須栄養素の一つですが、中には体内でマイナスをもたらすアミノ酸もあります。その一つが「フェニルアラニン」。脳内の神経伝達物質を作るために欠かせないアミノ酸なのですが、過剰になると、中枢神経に作用し、歩行障害・発語の困難といった精神発達遅滞などをもたらします。通常は体内で分解されるので、問題を起こすことはありません。

「フェニルケトン尿症」とは、フェニルアラニンを体内でうまく代謝できず、血液中のフェニルアラニン濃度が上がる病気です。血液中の過剰なフェニルアラニンがフェニル酢酸に変化して、尿の中に現れます。このフェニル酢酸がネズミのにおいがするので、ネズミ臭の尿がでるのです。

日本でのフェニルケトン尿症の発症頻度は約10万人に1人といわれてます。現在は新生児を対象に行われる検査で発見され、フェニルアラニンの摂取量を抑える食事療法によって、知能障害を予防することができます。ただし、治療を中断すると発症してしまうので、フェニルアラニンが除去された市販ミルクを利用します。

■ 尿の色や状態がオカシイ

皮膚表面に住む「常在菌」

泡が立つ

おしっこをすると「泡が立ってる」があります。落下衝撃で水滴が跳ねるので、多少は問題ありません。しかし、長い時間泡立ちが消えないのなら深刻です。「タンパク尿」と言って、タンパク質が多く含まれている尿だからです。タンパク尿は表面張力が強く働くために、泡が長時間消えないのです。

「タンパク尿」の原因は「ネフローゼ症候群」です。ネフローゼ症候群とは、血液中のタンパク質の濃度が下がり、体がむくむ病気のこと。通常、血液中のタンパク質は腎臓を通過するときに血管にとどまったままです。しかし、ネフローゼ症候群にかかると、タンパク質が通過してしまい、おしっこの中に流れ出てくるのです。

病気でなくても、激しい運動や入浴後、発熱などのときには、一時的にタンパク尿が出る場合があります。間違い防止の意味で検尿前の激しい運動は控えます。タンパク尿が続くようならば医療機関を受診してください。

にごっている

濁った尿が続くようならば、なんらかのウィルスか細菌に感染している可能性があります。尿路のどこかが感染している病気を総称して「尿路感染症」と言います。体に異常がないような場合でも、尿の濁りが続く場合は注意してください。

尿路感染症では、見た目にハッキリ分かることがあります。尿が濁っていたり、膿を含む膿尿が出たりするケースです。濁りや膿は、尿に白血球や細菌が混じっているとみられます。

また、性感染症や腎結核でも、同じ理由で尿が濁ることがあります。さらに感染が進んむと血尿が出ます。炎症がひどくなったり、尿路に結石ができて粘膜が出血をしたときに、そうなるのです。

尿が白く濁るようなら、尿路結石症の前触れかもしれません。尿路結石は、尿中のシュウ酸とカルシウムの濃度が高くなって結合、体内でシュウ酸カルシウム結晶が作られて生まれます。尿中のシュウ酸濃度が上昇すると、白く濁るので、尿路結石が作られる前に病院へ行ってください。

おしっこをする時に痛みを感じるなら、クラミジアなどの性病・性感染症(STD)の疑いがあります。水分摂取量が変わってないのにトイレ回数が多いとき。女性ならば妊娠をしている可能性があります。妊娠する覚えがないなら、糖尿病や腫瘍のサインかもしれません。

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