病気とケガ

ロボロフスキーハムスターは非常に小さいので、もしも病気になっても診てもらえる病院は限られるうえ、外科手術などは出来ない場合もあります。まずはケガをさせない・病気にさせないことが大切です。
 そして日ごろから良い獣医師についての情報収集はかかさないようにしましょう。また、繊細な生き物なので、病院に連れて行くことや診察を受けること自体がとてもストレスになり、病状が悪化する場合もあります。
 これらを踏まえて「対処法」の項目に家庭で来るものもいくつか取り上げました。ただし、どんな場合でもまず第一に最寄りの獣医師の指示を仰ぐことを念頭においてください。
 以下はペットのロボロフスキーハムスター達に比較的よく見られる7つの問題と、その対処法です。

  症状 対処法 写真
  
 闘争によるケガ

 ロボロフスキーハムスターは共同生活できると一般に信じられていますが、ハムスター同士にも相性があり、場合によっては激しい闘争が起きます。

闘争の最初のサインは、特定のハムスターがだんだん
痩せてきたり、体に禿げた部分が見えたり、共同の巣箱で寝ないで一人で行動していたり、四六時中頬袋に餌をつめて歩いていることです。このようなハムスターを見つけたらよく気をつけて観察しましょう。しかし、これらの予兆ぬきで突然大きなケンカが起こることもありえます。

体にカサブタがあるハムスターがいたら、ケージの中で確実に闘争が起きているサインです。そのままにしておくと、最終的に血が出るほどの噛み合いに発展するか、弱いほうのハムスターがストレスで病気になってしまうか、最悪死に到ります。

ケガがかなり大きい場合は、小動物に強い動物病院で傷の縫合処置を受けたり、抗生物質の注射を受ける事も出来ます。病院によっては、水に添加するタイプの抗生物質を処方して貰える場合もあります。抗生物質入りの軟膏はハムスターが気にして舐め取ってしまうのであまりすすめられません。

ハムスターが比較的活発でケガがあまり大きくなく、出血もとまっている場合、自宅でケアしてやることは有効です。清潔で暖かいケージに収容して単独飼育に切り替えましょう。軽い塩水浴を施してやることも出来ます。清潔なぬるま湯200mlに対し天然塩小さじ1/4を溶かしたものを脱脂綿にたっぷりと含ませ、患部を満遍なく浸します。処置が終わったら、塩分が残らないように水を吸わせた清潔な脱脂綿でぬぐい、必要であればドライヤーか小さなランプで患部を乾かします。

一度ケンカで負けてしまったハムスターは、同じグループに戻されてもまたいじめられる可能性がとても高くなります。ケガは出血だけでなく、感染症などのリスクも高めるので、このようなハムスターはケガが治ったあとも単独で飼育しましょう。


 下痢

下痢は比較的よくある症状ですが、小さなロボロフスキーハムスターにとっては命に関わりえる事です。水気の多い軟らかい便や、ほとんど水のような便をしている時は、以下の原因を疑います。

・ウイルス性の病気
(下の「ウェットテール」の項目を参照)
・不衛生なケージや巣箱、同居するほかのハムスターや触られることによるストレス
・与える餌のメニューがハムスターの体質に合っていない
・餌が悪くなっているか、腐っている
・飲み水が悪くなっているか、腐っている
・野菜や果物、おやつのあげすぎ
・アレルギー



下痢は急速にハムスターの体力を奪い、死に至らしめることがあります。以下に挙げる処置は迅速に行ってください。
 
症状のあるハムスターはあたたかく清潔なケージに隔離して一匹だけで飼います。

小動物に慣れた動物病院に便のサンプルを持って行くと検便をしてもらえ、よりはっきりした下痢の理由が分かるかもしれません(ハムスターを連れて行く必要はありません)。

隔離したハムスターが比較的活発で餌もよく食べているようであれば、普通の飲み水の他にぬるいカモミール・ティーを与えたり、普通の餌に加え消化に良い食べ物、たとえば小さくちぎったパンの白い部分やライス・ケーキ(お米のパフのようなもの)、ラズベリーの葉を与えて様子を見ることも出来ます。この間、野菜や果物、おやつはあげないようにしてください。よく観察して、徐々に具合が悪くなっているように見えれば、すぐに獣医師に相談します。


※  ロボロフスキーハムスターの正常な便と比較用のお米粒・左。これ以外の見た目(黄色っぽい、緑色っぽい、粒がずっと大きい、水っぽい、くっついている、つながっている)の時は下痢の可能性が高い。
 
 ノミ

・ハムスターの体がところどころ禿げている
・全体的に毛が薄く、湿ったように見える
・ハムスターが体をとても痒がっている

これらの症状があれば、そのハムスターにノミ(またはダニ)がついている可能性が高いです。

このノミは人間に対する伝播力はありません。
 
ハムスターを清潔なケージに隔離します。ペットショップや獣医科で買い求められる、小鳥用の駆虫スプレーをケージ全体と、ハムスターの体に散布します(ハムスターの目や口に入らないように気をつけてください)。この処置を一週間ほど期間をあけて2回繰り返します。2回目の処置が終わってもまだ痒がっている場合は別の皮膚疾患が疑われるので、獣医科へハムスターを連れて行き、医師の指示を仰いでください。

ノミの伝播力はとても高いので一匹でも痒がっているハムスターがいたら、同居している他のハムスター全てにも同様の処置を施したほうがよいでしょう。ノミの発生したケージの床材はビニール袋に密閉して捨て、備品は捨てるか、熱湯で消毒してください。

処置後のアフターケアとして、ハムスターの体にカサカサの皮膚が浮き出して辛そうであればオリーブオイル軽く塗ってやるとよいでしょう。

 
旋回癖

・発育不良(みられないものもいる)
・平らな場所で転んだり、ひっくり返ってしまう
・同心円状にくるくると周り続ける
・輪を描きながら走り続ける

日本のロボロフスキーハムスターの間ではあまり聞かれませんが、時折見られる先天的な神経の異常です。個体によって旋回の程度には差があり、仰向けにひっくりかえってしまうだけの個体もいます。発祥する時期も、子供の時~生後一年すぎまでさまざまです。

旋回癖に対して具体的な治癒策は今の所見つかっていませんが、ハムスターが興奮したり、ストレスを感じると悪化するので、清潔で静かなケージに一匹だけで飼うことによって、少し症状が軽くなることもあります。

旋回癖はホワイトフェース・ロボたちの間でより多く見られます。この疾患は遺伝すると考えられているので、これら旋回癖のあるハムスターを繁殖することは絶対に避けましょう。旋回癖の程度によっては、ハムスターの「生活の質」に着目して、安楽死も視野に入る必要があります。

音量に注意
 
ウェットテール(伝染性過形成性回腸炎)

・激しい下痢
・尾と肛門周辺がべったりと濡れたように見える
・ぐったりしていて静か
・食欲が無い

ウェットテールはハムスターの仲間全てに共通する主に細菌、真菌またはウイルスによる感染症です。ロボロフスキーハムスターは他のハムスターに比べウェットテールに対してとても弱いので、このような症状が見られたらすぐに獣医科に連れていきましょう。

感染したハムスターは清潔で暖かいケージに一匹だけで飼い、獣医師から処方されたウェットテール専用薬などを投与しながら必要に応じてアイソトニック飲料(スポーツドリンクなど)を少量ずつ飲ませます。食欲もなくなっていることが多いので、普段の餌をぬるま湯にふやかして蜂蜜をすこし混ぜたり、野菜はよく茹でたものをすりつぶすなどの工夫が必要になります。

 
腫瘍

・体に不自然なふくらみがある
・体のいたるところに小さなふくらみがたくさんある
・徐々に衰弱してくる
・寝方がいつの間にか変わった(体内の腫瘍)

腫瘍は比較的年老いたロボロフスキーハムスターが多くかかる病気です。ハムスターの腫瘍は、野生下では2年前後で寿命を全うする所を、人間の保護下ではより長生きするために起こる問題でもあります。結果的に多くのハムスターは直接的か・または間接的に腫瘍で命を落とします。

腫瘍は堅い事もあればやわらかいこともあります。ひとつだけの場合もあれば、いくつもあることもあり、患部の色もさまざまです。まずは一度獣医科に受診し、どのようなタイプの腫瘍であるかはっきりさせましょう。外科手術の予後が悪いことが多いロボロフスキーハムスターなので、なるべく内科的な対処療法の手立てはないか医師に相談します。

比較的若いうちから腫瘍ができてしまう、遺伝的に腫瘍が出来やすいハムスターもいます。この様なハムスターを繁殖させる事は避け、なるべく穏やかに寿命を全うさせてやる工夫をしましょう。

 
栄養不良

・発育不良
・痩せ
・ぼろぼろの毛並み
・脱毛、禿げ
・呼吸器の異常
・循環器系統の異常
・鼻血
・筋肉の炎症
・目の粘膜の異常(結膜炎など)
・神経の異常
・骨格の異常
・消化器系統の異常
・回復力の低下
・貧血
・代謝異常
・甲状腺の機能異常
・不妊
・小さな赤ちゃんを産む


栄養不良の症状は多岐にわたります。相互に影響しあっていたり、原因がよく分からないことも多いでしょう。また栄養不良自体が他の病気の背景となること、何らかの病気が原因となって特定の栄養素の代謝不良が起こることもあります。遺伝が関係する場合もあります。

飼い主が出来る一番効果的な対処法は、日ごろから正しい餌をあたえ、栄養バランスに気をつけながら、病気の原因、ストレスの原因になりそうなものは取り除くなど、こまめなケアをすることです。

餌について」のページの下部にハムスターが普段必要とする栄養素と、どのような食品からそれらが摂取できるか書いたチャートがあるので参考にしてください。
 

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