お正月も落ち着き、良く聞く言葉がダンス界には飛び交っているでしょう。
「お正月太りしちゃった。」
「今年こそ痩せる」
「ダイエットしなきゃ」
生徒に聞かれることの多い質問でもあります。
「どうやったら痩せるのか?」
何でそれをセラピストの私に聞いてくるのか、というとバレエ学校で教えているクラスの一つにフィットネスクラス、というものがあるからです。
これはボディコンディショニングクラスなのですが、心拍数を上げ、心肺機能もコンディションするようにデザインしました。
フィットネスの先生=痩せるためのコツを知っているはず!!
という安易な考えからの質問です。
先生本人がぽちゃぽちゃしているのは気にならないのでしょうか・・・?
今日は体重の話。
でも栄養学者でもないですし、ガリガリのダンサーは好きではないので
解剖学的に見たダンサーの体重をお話ししましょう。
最近のダンサーは素晴らしく痩せているよりもある程度強く見える体つきが好かれます。
それは海外のバレエ団の傾向がクラシックオンリーでなくコンテンポラリーをレパートリーに入れてきているからです。
クラシック王道のバレエ団でさえ、半分以上はコンテンポラリー、またはクラシックをコンテンポラリー風にアレンジしたものを上演していますよね。
日本で公演されるものでクラシックが多いのは、チケットが売れるからですが
欧米ではバレエを見に行く、という感覚がもっと身近なため古典には飽きているお客さんがいるのです。
だから「不思議の国のアリス」がロイヤルから出されたりするのですね。
つまり、ダンサーにはそのようなレパートリーの変化についてこれるような筋力、体力、体型が求められるようになっています。
若手ダンサーの登竜門と呼ばれるローザンヌ国際コンクールでも、細すぎは落とされ、
現地入りしても、ドクターストップがかかったら踊れません。
また、サイトでもしっかりと説明が書かれています。
とは言っても、科学的な面、解剖学的な面から見たら体重が軽いことはメリットになります。
そして何よりもバレエが舞台芸術=視覚芸術である以上、振付家、オーディエンスに「視覚的に」求められる体型、というのが存在するのも事実です。
妖精の役だったら、体の弱い村娘の役だったら・・・それに求められる見た目はありますよね。
(個人的に白鳥は脚が短くて、おしりが大きくて、おデブで怖いと思うんだけどさ)
体重の軽いダンサーのメリット その1
関節のところでもお話ししたように、関節の可動域、つまり柔軟性を上げるためには関節と関節の間に無駄な物が少ないといいと言いました。
関節の持っている最大限の動きを使うためにはオニクが少ない方がいいわけです。
体重の軽いダンサーのメリット その2
足にかかる負担は体重の4倍、膝関節にかかる負担は体重の1.5倍、と言われています。
つまり50kgのダンサーがシャンジュマンをするたびに膝関節には75kgの重さが、そして足には200kgかかる計算になります。
物理的に見て、体重が軽ければ関節にかかる負担が少なくなるのが数字で分かる例です。
体重の軽いダンサーのメリット その3
これは特に関節の柔らかいダンサーに言える事です。
足の筋肉が弱い場合、トウシューズの上に乗っかってしまうダンサーがたくさんいます。
また甲を出そうとするあまり、そして正しい教育がされていないとトウシューズで立つ、という事は乗っかると思っている若いダンサーがたくさんいますね。
両足そろえると、足という小さい部分には体の4分の1の骨があります。
つまりその関節に乗っかる重さが重ければ、ケガをする可能性が非常に高くなるのがお分かりでしょう。
体重の軽いダンサーのメリット その4
いくら教師が正しい筋肉の使い方を知っていても、ぽっちゃりオニクがついていると注意をしづらいのが本音です。
特に生徒数の大きいオープンクラスや講習会で正しく注意をしてもらえない可能性があります。
つまり、間違ったレッスンをしていても発見される可能性が低い、という事です。
間違ったテクニックはケガに繋がります。
ケガの確率が上がる、というわけです。
もちろん、ウエイト(重り)を付けて踊っているような感じになるので、筋肉が弱い場合、コントロールが難しくなるでしょう。(ただし、これは感覚的なものなので、科学的ではないですが。)
体重の軽いダンサーのメリット その5
先ほど述べたように、最近のダンサーは強く見えた方がいい(特に海外にオーディションにいくのなら)。
でも筋肉ムキムキにはなりたくないですよね。
体重が重いと、毎回プリエをするたびに重りをつけて筋トレしているようなものです。
デベロッペでキープする足が重い=足に重りをつけてレッスンをしている。
となってしまいます。
より長い、しなやかな筋肉の為にはある程度の軽さが必要なのです。
食べるものは体を作るものです。
でも忘れないでください。
偏った栄養や無理なダイエットは骨を弱くする、だとか健康に悪いだとかの前に
車の給油をせずに日本一周しよう、と言っているようなものです。
光合成のできない人間は、食べるもの、飲むもので体を作っていますよね。
そしてそれが踊りに影響する、ってことは1+1=2くらい当たり前です。
体が唯一の道具であるダンサーが体を大事にしなければいけない、というのはもう何度もお話ししてきましたが、栄養学に関しても同じことが言えます。
もし世界トップレベルの踊りがしたければ、世界トップレベルに体のケアをしなければいけません。
それに栄養も含まれています。
ケガからの回復もそうですが、今日の疲れを持ち越さなくて済めば、明日のレッスンでもっと練習が出来ます。
つまり上達のスピードが上がるのです。
バレエのためにダイエットしているのに、
レッスン中に集中できない
アレグロで疲れてしまうからって体力セーブをしてしまう
レッスン外で自主練をするだけのエネルギーが残っていない・・・
なんてなったら上達するわけがないでしょう?
そして運動量も減っているわけですから、1度のレッスンが素晴らしく無駄です。
「私の時代はリンゴとチーズで一日過ごしていたのよ」
なんて言われたら、可哀想に。と思ってあげてください。
たくさん食べろ、と言っているわけではないですよ。
ただ、体に取り込むもの=体を作るもの。
忘れないでください。
p。s。
具体的にはどうしたらいいのさ?というために続編を書きました。
Happy Dancing!
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“ダンサーの体重と解剖学”へのコメント
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この体重というのが目下の悩みです。来年度の発表会で大きなリフトがあるから、今年中にサイズダウンではなくて、重さを減らしたいのですが。。。重いんですよねぇ。
子供の頃から母にも膝の上とかに乗ると、「硬くてドスンと来る」と言われていたほどの筋金入り。
中学入学時に160センチの50キロと既に大台に乗っていて、50キロを切れないでオバサンになりました。
もう少し身長が伸びてますが、52キロを切ると大概、他人から絞ったねぇ、痩せてるねぇと言われます。骨がゴリゴリ見えだすし、筋肉の筋も浮いて来るので、50キロ近くなるとそれ以上痩せるなと言われたり。
私より背が高くても40キロ台でホワッとした肉付きの人と現役時代一緒に踊ってましたが、どうしてなんだろう。。。という感じで。
今も昔の仲間は太ったぁ~、10キロ太って52キロになってしまったぁとか言ってる。私は同じ数字で十分痩せてますと言われる。
何が理由で人よりも10キロも多いのか理解不能です。骨と筋肉と血が多いだけでこんなに差が出るのかなぁ。どうやったら50キロを切れるのかが今の課題です。
おはようございます!コメントありがとうございました。
筋肉は脂肪の3倍想いと言われています。骨太、つまり骨密度が高ければ重くなります。日本のバレエ界では男性のダンサーが少ないため神扱いされることが多々ありますが、リフトで彼が安全に持ち上げられない、というのは女性のせいではなく、彼らの力不足だ、そしてテクニック不足だ、と私は考えます。本当に上手なパートナーは身長が高かろうが、重かろうが、自分でどうにかできるものです。
そんなことを言っても今のバレエ社会には認められないと思うので。
過去にリフトと引き上げについて研究をしたことがあります。パートナリングをしたことの全くない男女を様々な方向で持ち上げて、感覚を調べる、というものです。引き上げが出来ていない、体のアライメントが正しくない(特に頭部のアライメントが出来ていない時の結果は酷かったです!)と、パートナーは本来の体重よりも重く感じ、リフトに失敗するという結果が出ました。ですから、体重の数字ではなく、アライメント、そしてアライメントを保つ筋肉のスタミナをつけると、リフト成功率が上がる、ということです。
お返事ありがとうございます。
頭の位置ですね、重要なのは! 確かに頭は重いから全体のバランスが崩れやすくなりますねぇ。
頭が前に行きがちな癖があるので、気を付けます。
幸い、とっても上手で力持ちなプロの方が踊って下さいますので上がらない事はないのですが、発表会で身体を壊されても困るので、迷惑にならないように身体も絞って、頭の位置、全体の位置に気を付けて踊りたいと思います。
ありがとうございました!
参考になったら嬉しいです!パフォーマンス上手くいきますように!!