プロテインダイエットを成功させるためには、正しい方法で行うことが大切です。プロテインダイエットをこれから始める方はもちろん、挑戦中だけどなかなか効果が出ないという方も、間違った方法で行っていないか見直してみましょう。
プロテインダイエットとは
プロテインは、タンパク質を効果的に摂取できるサプリメントです。タンパク質は筋肉をつくるために欠かせないものであり、ダイエット中は特に不足しがちな栄養素でもあります。タンパク質が不足すると筋肉量が減少して、エネルギーを消費しにくい、つまり痩せにくい体になってしまいます。
そこで、プロテインでタンパク質を補うことで筋肉の減少を抑え、さらに適度な運動をとり入れることで程よく筋肉をつけながら、引き締まった理想的な体と、代謝のよい太りにくい体を目指すのがプロテインダイエットです。
プロテイン(タンパク質)の大切さ
単なるカロリー制限ではタンパク質が不足して、疲れやすくなったり、風邪をひきやすく治りにくくなったり、生理不順になる方がいます。また、肌が荒れることや顔や胸がやせて老けてみえることもあります。
臓器や組織の機械的安定性は、部分的には構造タンパク質のおかげで維持されています。構造タンパク質は主に、繊維状の構造を形成する長鎖のアミノ酸からなります。構造タンパク質の代表はコラーゲンで、これは人体の総タンパク質量の約3分の1を占めます。
タンパク質は、皮膚・毛髪・爪・骨・歯・筋肉のほか、体内の酵素・抗体・インターフェロン・薬を作用部位に運ぶアルブミン・脳内の神経伝達物質など、人体のさまざまな部分を構成しています。
そのため不足すると、
・皮膚の美しさ、髪のしなやかさがなくなる
・骨、歯、筋肉が弱くもろくなり、バストやヒップのハリがなくなる
・全身の代謝が悪くなる
・細菌、ウイルスに感染しやすくなる
・薬の作用が減弱したり強く出てしまったり、副作用が出る可能性が高くなる
・集中力や思考力が低下するなど、精神状態に影響を与える
などの影響が考えられます。
プロテインダイエットで痩せるメカニズム
プロテインダイエットでは太りにくい体質を目指すことができますが、これはどういうことでしょう。
太りにくいというのは、「基礎代謝が高い」ということです。基礎代謝は、就寝時などなにもしていなくても勝手に消費されるエネルギー(カロリー)で、1日に消費される全エネルギーのうちの60~70%を基礎代謝が占めているといいます。この基礎代謝をアップさせれば、食事などで摂取したエネルギーを効率よく消費し太りにくくなる、ということになります。
では、基礎代謝をアップするためにはどうすればよいのでしょう。基礎代謝のうち、約40%は筋肉で消費されています。つまり、筋肉量を増やせば基礎代謝もアップするのです。
ところが、ダイエットで食事制限をすると、体が不足したエネルギーを補うために、筋肉にあるタンパク質を分解し、エネルギーに変えて消費します。こうして筋肉が落ちると、基礎代謝も低下して徐々に痩せにくい体になったり、リバウンドしやすくなったりします。
そこで、プロテインでタンパク質を補えば、筋肉の減少を抑えることができます。さらに、適度な運動を取り入れれば、筋肉を効率的に増やすこともでき、基礎代謝が上がってダイエット効果もアップします。
また、ゆっくりと吸収されて腹もちがよいタイプのソイプロテインを食事に置き換えて摂取カロリーを抑えながらも、体に必要なタンパク質は減らさないようにして健康的なダイエットを目指すという方法もあります。
タンパク質の新陳代謝は非常に活発です。肝臓、腎臓、腸粘膜は約10日間で入れ替わります。筋肉や皮膚などはそれらより早く、体全体としては約3週間でタンパク質の半分が新陳代謝されます。
プロテインダイエットの方法は
タンパク質を食事でとる場合、肉などに多く含まれる動物性タンパクと、豆腐や納豆などに多く含まれる植物性タンパクを、バランスよく摂取するようにしましょう。しかし、食事だけでタンパク質を補おうとすると、どうしても食事量が多くなり、余分な糖質や脂質なども摂ってしまい、ダイエットには不向きです。
そこで、低カロリー・高タンパクのプロテインを賢く利用しましょう。ただし、食事は今まで通りで、運動もしないのにプロテインを飲むだけというのでは、カロリーオーバーになって、逆に太ってしまう要因になりかねません。
プロテインは水や牛乳、スポーツ飲料などで溶かして飲みますが、その際のカロリーがどの程度になるか把握しておきましょう。そのうえで、間食をやめてプロテインにする、食前にプロテインを飲んで空腹感を和らげつつ食事量を3分の1ほどカットする、1日3食のうち1食をプロテインに置き換えるなど、自分に最適な摂取の方法を試してみてください。
プロテインダイエットには運動も必要
エネルギーが足りていない時にプロテインを飲むと、筋肉からタンパク質が分解されて筋力が落ちるのをある程度防ぐことはできます。しかし、通常時にプロテインを飲んだだけで筋力がアップするということはありません。
筋肉がつくられる仕組みは、運動によって筋肉内のタンパク質が分解されて筋力が落ち、運動後にタンパク質が再合成されて回復する過程で、筋力がアップしていくのです。この筋肉の回復時にプロテインを摂取することで、回復を早めて、より強い筋肉をつくることができます。
そのため、筋肉量を増やして基礎代謝をアップし、痩せやすい体質をつくるためには、運動は不可欠です。筋肉ムキムキを目指すわけではないのでハードな筋トレは必要ありませんが、ジョギングや自宅でできるストレッチなど、軽い運動でもよいので日々の生活の中にとり入れることで、適度な筋肉をつけて代謝をアップし痩せ体質を目指しましょう。
プロテインダイエットにおける注意点
・自分にとっての1日の適正な総カロリー、必要な栄養素は保持しましょう。
・腸管の状態が悪い方は未消化になる可能性があります。腸内環境がさらに悪くなる可能性があります。
・腎機能、肝機能が低下している方は医師と相談しましょう。うまくいかない方は、お近くの栄養療法に詳しい医師に相談してみるのもよいでしょう。
正しい方法で長期間続けることが大切
リバウンドは、自分の体重の5%以上を1か月間に落とした場合に起こりやすいといいます。たとえば50kgの方であれば、5%は2.5kgとなります。短期間に一気に体重を落とすような無理なダイエットはせず、時間をかけてゆっくりと取り組むことが大切です。
タンパク質の必要摂取量
タンパク質は食いだめができないので毎日摂取する必要があります。成人のタンパク質所要量は、蛋白質研究奨励会の計算式では
0.64×100/80×1.1×1.3≒1.14(g/㎏)となっています。
0.64 g(/kg/day):窒素平衡維持に必要な平均的な良質タンパク質
1)100/80:消化吸収率などを考慮したタンパク質の利用率を約80%と計算した場合
2)1.1(1.0~2.0):ストレスに依るタンパク質必要量の増加(ストレス係数)
3)1.3:活動量などによる個体差
上記の要因によって、摂取すべきタンパク質の至適量は人によりかなり異なります。上記×自分の体重㎏が、自分にとってのタンパク質摂取の至適量となるでしょう。
※生体への物理的または精神的ストレスがある場合は、タンパク質の需要は大幅に上昇します。発熱、慢性関節リウマチなどの炎症性の病気、甲状腺機能亢進症、がん、床ずれ、手術後、ステロイド服用中などは注意が必要です。
子供や妊婦・授乳婦、高齢者、スポーツ選手などでは1.5~3g/kg/日が必要だといわれています。ちなみに、乳汁中に1日約11gのタンパク質を分泌します。
食品の重さと実際に利用できるタンパク質の量は異なる
体重1㎏あたり1~1.5g必要だとすると、体重50㎏の方は1日50~75gのタンパク質が必要だということになります。食物のアミノ酸の含有比率もそれぞれ考慮する必要があります。
たとえば、卵1個の重さを50gとすると、そこに含まれているタンパク質は6g。(卵のプロテインスコア1.0)、牛肉100gでは、タンパク質20g×0.8(牛肉のプロテインスコア0.8)=16gです。
タンパク質は貯蔵中に劣化していきますし、加工の過程でも劣化が進みます。さらに加熱調理で火を通すと、メイラード反応などの影響でアミノ酸が破壊されます。
100度の加熱によりタンパク質の分子内反応が起こり、アミノ酸の分解、ミセル化を招き消化が落ちます。このように、実質的に利用できる量は半分近く減ってしまいます。
私たちの日常の生活で、実際に自分に必要なタンパク質をきちんと体内に摂取して利用できているでしょうか。一度、その日に摂取したタンパク質を計算してみるとよいでしょう。
体内のタンパク質の量やタンパク質代謝は血液検査で総合的に解釈
1)TP(総タン白質)
2)ALB(アルブミン)
3)BUN(尿素窒素)
4)ChE(コリンエステラーゼ)
5)T-Cho(総コレステロール)
6)Hb(ヘモグロビン)
7)γGTP(γグルタミルトランスペプチダーゼ)
8)GOT/GPT(トランスアミナーゼ)
9)UIBC(不飽和鉄結合能:血液中の鉄と結合していないトランスフェリン)
プロテインを摂取する工夫
プロテインを摂取するタイミングはいつでも構いませんが、食前の摂取は血糖上昇抑制効果も期待できます。
人によっては、お腹が張る場合があります。その際は摂取量を調節したり、アミノ酸に変更したりするとよいでしょう。
毎日同じ味だと飽きてしまう方もいるかもしれません。アイスコーヒーやアイスティー、冷たいお茶、味噌汁や牛乳、無糖ヨーグルト、スープなどの料理などに混ぜるなど、変化をつけるとよいかもしれません。