2007年6月21日 (木)

紙魚(しみ)ってご存知ですか?

これが「紙魚」です。私自身何年ぶりにお目にかかることか、最近では実に珍しい昆虫です。

しみ【衣魚・紙魚・蠧魚】(体形が魚に似ているので「魚」の字を用いる) シミ目シミ科の原始的な昆虫の総称。体は細長く無翅。一面に銀色の鱗におおわれ、よく走る。衣服・紙類などの糊気あるものを食害。ヤマトシミ・セイヨウシミなど。しみむし。きららむし。[広辞苑第五版]

今回現われたのは、ヤマトシミだと思います。

子供のころは結構よく見かけたのですが。つまむと柔らかくて、すぐつぶれてしまいます。で、指先に銀色の粉が付きます。

前から見たところ。

すこしピンボケですみません。

特徴に気付かれたでしょうか?この昆虫、もう成虫なのに羽がないのです。

頭部ははっきりしていますが、胸部がかちっとひとつにまとまっていないみたいですね。脚が3対あるのは昆虫の特徴ですが、脚のある体節3つが完全に硬くくっついていないような感じなのです。

横から見たところ。

体は扁平です。

          

  

  

  

  

腹側からも撮影させてもらいました。毛だらけですね。脚の構造がやはり特徴的。

実はこのシミという昆虫は、昆虫としてはかなり原始的な形を残したまま現在にいたっている昆虫なのです。

ムカデはたくさんの体節から体ができています。各々の体節に1対の脚があります。体節の「個性」はあまり強くありません。

昆虫は先節から第4節までを「頭部」としてまとめました。昆虫の口にある顎(口器)は「付属肢」からできたものです。昆虫が食べるときは、顎が左右からエサをはさむように動きますね。もとが脚だったことを考えれば、納得できると思います。

第5節~第7節をまとめて「胸部」としました。そこで、脚は3対です。羽は中胸と後胸の背側に生じました。

腹部は普通11節あります。付属肢はほとんど退化して、後端に近いところで交尾器や産卵管、尾角などになっていることがあります。

◆石川良輔 著「昆虫の誕生 一千万種への進化と分化」中公新書、1327、1996.10発行からシミについて引用します。

体は鱗片に覆われていて、頭部と前胸部の間にコムシ目のようなくびれはなく、体は幅広い胸部から後方に向かって狭まっている。脚の付節は2-4節に分かれている。腹部は10節で、腹板に付属肢の痕跡と考えられる8対の腹刺と腹胞があるほか、腹端に3本の長い糸状付属物がある。このうち、中央の1本は第11節が変化したもので、両端の2本は尾角である。シミは体が脊腹方向に扁平で眼が小さく、単眼もない・・・。

シミは乾燥した室内などに棲み、重ねた古い紙や板の隙間などに隠れている。書物の害虫として有名な虫で、昼間でも現れてすばやく走る。体全体が白い鱗片に覆われているので目立つ。・・・。

◆「書物の害虫」とありますね。「本の虫食いの跡」というのを見たことがあるでしょうか?

 糊気のある和紙の本なんかが、よく被害にあったようです。

そこで、和算の本が、一部虫に食われて一部分読めなくなったが、全体の計算を復元して行うことができるか?というのが「虫食い算」なのです。

虫食い算という言葉はよく知られていると思いますが、その「虫」というのがここでご紹介した「シミ(紙魚)」なのです。

◆あまり深入りはしませんが、昆虫が体節構造をもつことは知られているとして、ヒトも体節構造があるのです。背骨を考えてください。あれ、体節を示しています。腹筋を見てください。節に別れていますね。

発生初期、ヒトも体節構造を基本にして、それぞれの体節に特徴づけがなされていく形で体が形成されていきます。

ハエもヒトも、体節を作る基本の遺伝子グループはよく似ています。

ハエもヒトもまあ、よく似た基本設計からの発展形なのです。

コメント

この記事を書かれてからだいぶ経ってますが、先ほど見つけて嬉しくて、コメントさせていただきます。「最近では実に珍しい昆虫」とありますが、我が家では毎年、夏の夜に、三日に一度のペースで現れて、そのつどティッシュで潰してます。いつも襖の上を走ってます。きっと襖に住み着いているのですね。ずっと名前が判らなくて。先ほどふっと「シン」とか「シミ」とか頭にひらめいて、検索したらこちらにたどり着きました。こいつですよ、こいつ。今、ちょうど、潰したやつ。正体が判って、すっきりしました。「でかいと石炭紀なんかの想像図に出てきそう。」とか思っていたのですが、少しは当たっていたんですね。ちょっとだけ、かわいくなりました。

 この記事を発見したいただいてありがとうございます。
 昔の昆虫少年が、今復活して「昆虫老年」をやっております。
 虫との出会いは一期一会、次の機会に、と思っていると一生であえなくなる可能性もあります。
 都会に残る虫たちとの日々の出会いを楽しんでおります。
 かわいがってやってください。

最近では実に珍しい昆虫です・・・・

マンションの7階に住む我が家でここ数年良く見かける昆虫です(T_T)

我が家ではゲジゲジと呼んでいますが、どうも足の数が気になっていました。 すばしっこくて見つけたらティッシュで捕まえるので全貌を凝視したのはこの休日初めてでした。

まさにこの虫でした。

調べていると結構長生きで何も食べずに1年も生きられる生存力のある虫だと・・・・

どこから入ってきて繁殖したのでしょう。 引越しして12年経ちますが、最初は見たことがない虫でした。
もう5年くらいは見かけますが、どこから入ってきたやら・・・

管理人さんは家が清潔?!綺麗なんですね。
珍しくない我が家は今ではどの部屋でも見かけます。

悲しい現実です。 出会いを楽しめません。。。。。

屋外で生息していたものが生息地を失って屋内へ入ってきたのでしょうか。害虫というわけではないけれど、気持ち悪ければ、殺虫剤一吹きでコロンと行くと思いますが。
昆虫さんたちの本家筋に当たるわけで、由緒正しい奴です。

我が家へは、息子が持って帰ってきたカブトムシの飼育かごに入っていた落ち葉にまぎれてやってきました。
あれから早6年、確実にその数を増やしていて・・・

夏は繁殖期なのか、最近は小さなシミをよく見かけます。
朝起きたらティッシュ片手に洗面所の体重計をそっとどかして捕獲・・・という昆虫採集?から始まる一日です (*_*)

そうですか。そういう手があったんだ。我が家の子らも昔カブトムシの飼育やりましたっけ。秋になると、よく「落葉浴」とかいって、落ち葉の山に突っ込んだり頭からかぶったりしていますが、まだ散りたて位の落ち葉でも実はダニとかがいっぱいだということに、お母さん方は気づいているのかなぁ。自然はやさしい、だけではないんですがね。
カブトムシって、甘いものに体中浸ってしまって、体にカビが生えたり、ダニがついたり結構手入れが大変でしたでしょ。
肉食性のカマキリは清潔好きで、いつも体を掃除していますから、きれいなものですよ。
思い出したなぁ。

紙魚を題材にした小説を書こうと思いたち、
こちらにたどり着きました。
紙魚の記事にもワクワクしましたが、
ほかの記事にも感動しました!
「昆虫老年」、なんてステキなんでしょう。
今年30になりましたが、
あんなに好きだった虫たちのことをすっかり
忘れておりました。
ありがとうございます!

ブログをお楽しみ頂いてありがとうございます。昆虫老夫婦は毎日アオスジアゲハの羽化に感動し、オオシオカラトンボの羽化にわくわくし、アゲハやアオスジアゲハの卵の孵化ににこにこしています。
小さな家で「昆虫ネタ」が尽きないというのが恐ろしい生活です。
ブログ、あちこちひっくり返してお楽しみください。

スゴッ。シミの幼虫は見たことないです。幼いものはみんなかわいい、ですよね、きっと。チョウを飼うのとは「飼育力」の質が違うんだろうな、と想像します。

今日たまたま仕事で(害虫駆除の案内!)紙魚の名前を知り、こちらにたどりつきました。
20年ぐらい前にボロボロの実家で夜中に畳に飛び込んでいく半透明の虫がマボロシではなかった事に感激しましたw
全然名前が思いつかなかった!
シルバーフィッシュって名前かっこよすぎて子供の頃は怖かったけどなんだか飼育したくなるぐらい愛おしくなりましたw

ご存知ない方には「不快昆虫」かもしれませんが、害虫というわけじゃなし。見かけたら駆除してもいいし、ほっといてもどこかへ消えるし、適当なあいまいさで付き合うのがいいようですね。名前を知り、姿をきちんとみると、なじみになった気がしますよね。

はじめまして。
頭とお尻に触覚のある虫を発見し、何の虫かと検索してこちらのブログにたどり着きました。
虫が苦手なのに、本が大好きで部屋のあちらこちらに積んで置いているのでそこに住みついて(?)いたのかもしれません。

虫が苦手なので気になっていたのですがあまり害が無さそうな虫なのでちょっと安心しました。

ありがとうございました。

害はないです。つまむと粉が指に着きますが、かぶれるようなものではないと思います。(私自身はかぶれたことはありません)。
むしろ、気づかずに行動してつぶしちゃった、というようなことを避けたいと、私などは思うのです。不快かもしれませんが、適当な距離をとって、追い出し作戦など、どうぞ。

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